物理ネコ教室260(補)交流の発生 | ひろじの物理ブログ ミオくんとなんでも科学探究隊

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 テスラが心血を注いだ交流。その補助プリントです。

 

 プリントの前半は、電磁誘導現象から交流の発生を、ファラデーの電磁誘導の法則、および、ローレンツ力による起電力を用いて、数学的に導くやりかたを紹介しています。

 

 本来、このどちらかを正規の授業中に扱い、交流の発生をきちんと解説する方がよいのですが、理数があまり得意でない高校生にはキビシイ授業となります。理系の3年なんだからやるべきだという意見もあるでしょうが、ぼくの経験では、生徒の半分くらいが数式の扱いに長けていない学校では、この授業をやっても交流の発生メカニズムを感覚的に理解できません。なにか難しい数式を変形しているうちに答が出た、みたいな感覚になり、ぽかーんとすることが多いですね。(本当はそれではいけないのですが、導入部分でそういうことがあると、難しいという印象を与えてしまい、苦手意識をもってしまうのです)

 

 そこで、授業では、255交流のプリントで見たように、ファラデーの電磁誘導の法則V=ーNΔΦ/ΔtをΦのグラフの傾きにマイナスをつけたものとして理解し、ΦのグラフからVのグラフの概形を描いて、Vがサインで単振動することを示しています。数学の苦手な生徒向けの苦肉の策ですね。

 

 でも、交流の発生を三角関数をつかってきちんと導く数学的作業は、大学入試を受ける人には非常に重要で、どこかでやっておく必要があります。

 

【註】ただし、大学入試で出題されるときには、微分が使えないので、実際の微分作業に当たる計算をながながと行う形になります。具体的には、微分df(t)/dtを計算する代わりに、{f(t+Δt)ーf(t)}/Δtを計算させ、Δtが微少量であることを利用して近似計算をします。この計算の実際は大学入試問題集などにかならず収録されていますから、そちらをごらんください)

 

 ということで、交流の授業が一通り終わり、三角関数を駆使するのになれてきた頃に、ふりかえってやってみようと、この補助プリントを配布し、各自で計算を追ってもらっています。さすがに、この時期だと、なんとかついていけるようになっていますね。

 

 オマケプリントの後半は、電磁気の応用例です。

 

 こちらは、むしろセンター対策として重要でしょうね。(実際に、スピーカーの仕組みなどが出題されています)

 

 IH調理器や、スピーカーや録音などの仕組みです。

 

 スピーカーは紙コップスピーカーの実験を見せることでナットクが行きます。(ぼくはいつも、やかんスピーカーですが)

 

 

 物理を教えていると、時代と共に技術の変化があり、例としてあげていた装置がなくなってしまうことがあります。

 

 4のテープレコーダーは、その最たる物ですね。もうほとんど見かけなくなりました。

 

 CDやDVDも風前の灯火です。

 

 ハードディスクもいつまで残るのか、わかりません。

 

 白熱電球がLED電球に変わったことで、連続光の発生を示すよい教材が消えてしまいました。まあ、かわりにシャーペンの芯を光らせる「いきわく実験」があるので、なんとかなりますが・・・

 

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交流<物理ネコ教室3年>

255交流

257交流回路

258交流回路と共振

260(補)交流の発生

261(補)交流回路の理論〜微分積分による

262半導体

263半導体素子

 

 

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