教授のおかしな妄想殺人 | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
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教授のおかしな妄想殺人』 原題:Irrational Man

2015年(米) ウディ・アレン監督作品

 

久々のウディ・アレン監督の新作です。

相変わらず話の運び方が巧いのに堪能。

何の予備知識も持たずに観たので、

『まさか』

という終わり方が意外だった。

 

人生の真実は死のみだというポリシーを持つ大学の哲学教授エイブ。

不思議なオーラを放っており、女性にもてる。

 

その佇まいはもはやカリスマの域に達しており、

聡明な教え子である女性ジルはそんなエイブに惹かれていく。

 

ある日、

喫茶店でお茶をしているときに、

後ろの客の話が漏れ聞こえてきた。

 

どうやら離婚訴訟で、

それを裁く判事が悪徳だという。

できることなら殺したいという女性の言葉に、

それまで虚無的で無気力だったエイブに力がみなぎってくる。

 

『社会のクズは俺が殺してやる』

 

妙な正義感を持ったエイブは、

まるで『タクシードライバー』のロバート・デ・ニーロのように、

この世の悪を抹殺しようとするのだが・・・

 

前半は、

相変わらずのウディの人生哲学で、

『人生は辛くて惨めなことばかり、

明日など意味がない不確実なものに期待するのはやめよう』

という主人公なのだが、

後半はそれまでのウディ作品と違って、

そんな考えを全否定してくる。

 

あやとりのように、

多くの人物が絡んでくるウディ作品だが、

この作品の人物相関図は意外と簡素。

 

その分主人公のエイブとジルにあたるフォーカスが増えるわけだが、

演じるホアキン・フェニックスとエマ・ストーンは期待に応えて好演。

 

相変わらず音楽の使い方もうまく、

楽しめたウディ作品でした。

 

これだけのキャリアを積んでなお、

新境地を拓くウディ・アレンはやっぱりすごい!

 

ウディ・アレン作品レビュー

 

泥棒野郎』 1965

ウディ・アレンのバナナ』 1971

ウディ・アレンのSEXのすべて』 1972

ボギー!俺も男だ』 1972

スリーパー』 1973

ザ・フロント』 1976

アニー・ホール』 1977

インテリア』 1978

マンハッタン』 1979

スターダストメモリー』 1980

サマー・ナイト』 1982

カメレオンマン』 1983

ブロードウェイのダニーローズ』 1984

カイロの紫のバラ』 1985

ハンナとその姉妹』 1986

ラジオ・デイズ』 1987

私の中のもう一人の私』 1988

ニューヨークストーリー』 1989

重罪と軽罪』 1989

影と霧』 1992

マンハッタン殺人ミステリー』 1993

ブロードウェイと銃弾』 1994

誘惑のアフロディーテ』 1995

世界中がアイ・ラブ・ユー』1996

セレブリティ』 1998

ギター弾きの恋』 1999

スコルピオンの恋まじない』 2001

さよなら、さよならハリウッド』 2002

メリンダとメリンダ』 2004

夢と犯罪』  2007

それでも恋するバルセロナ』 2008

人生万歳』 2009

恋のロンドン狂騒曲』 2010

ミッドナイト・イン・パリ』 2011

映画と恋とウディ・アレン』 2011

ローマでアモーレ』 2012

ジゴロ・イン・ニューヨーク』 2013

ブルージャスミン』 2013

マジック・イン・ムーンライト』 2014

 

 

 


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