今回レビューさせていただく作品は、敬愛するウディ・アレン監督の1987年度(米)作品。
私の好きな映画ベスト10の1位に置いている、
『ハンナとその姉妹』です。
何故この作品が好きか?
それは、本当にあったかい愛情、幸福、生きがいを押し付けがましくなく優しい視線で描いているからです。
物語は、それぞれのエピソードをわざとチャップリンの短編映画のようにタイトルをつけて進んで行きます。
ニューヨーク。
ある、ホームパーティー。
いきなり、三人姉妹の末娘(バーバラ・ハーシー)のアップから始まります。そして、どうやらこの末娘の事を、長女(ミア・ファロー)の旦那(マイケル・ケイン)が好きになってしまったようなのです。
しかし、彼女にはちょっと代わった俗世間からずれているような画家(マックス・フォン・シドー)と同棲しています。その彼が、あまりにも堅物なので、不倫とは承知しつつもマイケル・ケインに身を任せていくようになります。
長女はしっかり者の女優。
妹思いで、両親の面倒もみています。
そして、次女(バーバラ・ハーシー)はぐうたらで、いろんなオーディションを受けたりするがダメ。
長女からしょっちゅう金を借り、マリファナを吸いパンク・バンドに熱中したりしています。
実は長女ミア・ファローは再婚であり、最初の夫はテレビディレクターのウディ・アレンだったのです。
しかし、ウディが無精子症だと医者に宣告され、2人は次第に気まずくなり、ミアは人工授精の道を選択し二人は別れてしまいます。
ウディは極度の病気恐怖症で、耳が少し聞こえ辛くなったのは脳腫瘍が出来たせいだと思い込みます。
そのため、人生に絶望し自分の存在が無意味に思え、宗教に首を突っ込んだりします。
しかし、どれだけ死について研究してみても、死についての明確な答えを出していません。
こういった一見ばらばらのようなストーリーがつながっていき、あることがきっかけでウディは生きる活力を取り戻します。
そしていろんな事があり一年後のパーティー。
素晴らしいハッピーエンドが待っています。
「ハートって本当に弾力性のある強い筋肉なんだね」
この映画の名台詞です。
この作品はコメディです。
しかし、単にコメディと一言で片付ける事は出来ません。
この作品は、私にとって人生の応援歌なのです。
人生に疲れたとき、何度も観ました。
ないものねだりをしても仕方がない
明日のことなど誰も分かりはしない。
今を楽しめばいいのだ。
がちゃん
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