ローマでアモーレ | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます

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ローマでアモーレ』 原題:To Rome With Love
ウディ・アレン監督作品(米・伊・スペイン合作)

さて、ようやく観てまいりました。
脱力系の邦題がしめすように、
今回の作品の舞台は永い伝統と文化が残る街ローマ。
相変わらずの交通整理の大変な大人数を、
アレン監督はローマの街をも重要な登場人物として、いろんな恋愛模様を描いています。

ローマを旅行中に、イケメンの男と出会い、
意気投合してあっという間に婚約まで発展するカップル。

それを聞いてアメリカからやってくるオペラ演出家の父親と母親。

シャワーの中では美声を発する男の父親。

田舎から出てきた婚約中の二人に近づく、コールガール。
二人が絡み合っている時に突然やってきてそれを目撃する親戚たち。

いきなり超有名人になってしまった平凡なサラリーマン。

親友の恋人に恋してしまう建築家の卵の青年、などなど、

一見全くつながりそうにないこれらの人物群像を、
アレン監督は絶妙な演出でつなげていきます。

が、各エピソードのいくつかはピタッと収まらなかったシーンがあったのが惜しい。

根底に流れているのは、相変わらずのアレン節、
「ないものねだりをしてはいけない、人生確実なのは死だけ、そんな見えないことに振り回されるより今を有意義に生きよう」

相変わらずの人間賛歌なんですが、いつものアレン作品より「毒」がなかったのが、
少し物足りなかったかな。

でも似たような設定で展開された「サマーナイト」(1982)と比べると、
アレンの演出は格段に上手くなっている。

立派なオペラシーンの再現も、ギャグを交えながら堂々としている。

そして、この作品の中で身体が震えるほど感度したのは、
ラストのフェデリコ・フェリーニに対するオマージュのシーン。
ウディはやはり映画ファンなのだ。

次作が楽しみな映画監督って本当に少なくなってしまったが、
ウディ・アレンは数少ないそんな映画監督である。
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