宗教の話しが嫌な方はスルーして下さいね。


ホーリーウィーク(Holy Week)のことは、
フィリピン語では「セマナ・サンタ」と言います。

復活祭(イースター)と言うのは、
春分の日を過ぎた後に初めて満月になった次の日曜日と決まっています。
それで毎年違うんですね。


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(義両親の家に近くの教会に行きました。キリストが亡くなったというわけで紫の布で全て覆われています。これは日本のカトリック教会でも同じですね。)


ご存知の方も居ると思うのですが、
サント/サンタの意味は「聖」(Holy / Saint)です。
形容する名詞がビエルネス(金曜日)など男性名詞だとサントを使い、
セマナ(週)だと女性名詞なので「サンタ」を使います。

聖木曜日は「フエベス・サント」
(Holy Thursday)

聖金曜日は「ビエルネス・サント」
( Good Friday )

のような感じで使われます。


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(教会で歌う歌は英語/フィリピン語/ラテン語など。これはラテン語。ローマ・カトリック教会はローマから広まったせいでラテン語が基礎になってるらしいです。)


フィリピンの聖週間は、
私にとっては日本のお正月に似ています。

多くの人が帰省するのです。


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(これはフィリピン語の歌です。)


仕事は水曜日までですが、
主人の会社などは従業員の帰省のことを考えて
水曜日の仕事はお昼まで。

なので水曜日午後から、日曜日までお休みになります。


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(聖金曜日のミサが終わった後、突然、十字架にキスをする儀式が始まりました。私はカトリックなのですが、キスはちょっと苦手なので参加しませんでした。強制ではありませんから。)


昔は(結婚した20年前は)、
木曜日から土曜日まで、
日本のお正月の三が日のように深閑としていました。

でも最近は金曜日だけがし~んとしている状態で、
木曜日、土曜日はスーパーも開いてましたし、
デパートも土曜日には開いていたようです。
市場は駄目でしたが、
マクドナルドなどのファーストフードは
金曜日にも開いているようになりました。


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(大勢の人がキスをする為に並んでいるので、これに1時間くらいかかりました。白い服の胸に赤いのを付けてる青年がキスした場所を布で一人終わる度に拭いていますが、多くの人は自分のハンカチで先に拭いてからそこにキスしていました。中にはキスせずに額を付けるだけの人もいました。)


木曜日、金曜日は休日と同じ扱いなので
給料も2倍の日当だと労働省も発表しましたので、

それで閉めるお店が多いんですね。

銀行や会社はもちろんですが、
デパート、スーパー、映画館、娯楽施設、
レストラン、薬局、全てが閉まっています。

ガソリンスタンドは開いていましたが、
普段より出勤している人が少なく、
いつも12個あるガソリン注油出来るスタンドが4つになってました。


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(後で町をねり歩くプロセッションという山車の花を飾り付けしています。)


フィリピンの聖週間、
日本のカトリックとはちょっと違い、
スペインが植民地時代に残していった様々なカトリックの儀式があります。

元々、カトリックって儀式が好きな宗教ではあるんですけどね。


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(山車の前で桃ちゃんの写真撮りました。ロウソクを持ってます。ロウソク持って山車に付いて回ります。)


日本の文化(神社、お寺など)に残っている様々な習慣に似てるかなと思います。

と言うのは、
これらの儀式、あまり信仰とは関係ないと思うんです。

でも日本でも新築した家にお祓いしたりしますし、
(おはらいってこの字で良いのかしら?)
お祭りで山車を出したり
(今回の写真のプロセッションと同じです)、
御神輿を担いだりしますよね。


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(待ってる間に山車の写真を撮ってみました。聖人などが多いんです。)


私はこういう儀式って人々が協力して何かをして
団結を強める為にあるのかな、と思います。

特に昔は、町、村単位で暮らしがあって、車もなく、
小さい集団で人々が生きていたわけなので。


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(山車・・)

初詣の代わりにあるのは
「visita iglesias」
(英語では visit churches /教会訪問)

聖木曜日に、7つの教会巡りをしてご利益を得るってもの。
7つじゃなくて1つでも良いらしいんですが、
プチ巡礼みたいに若い子達が集団で
徒歩で教会巡りしてる姿を見かけました。


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(また山車・・)


それからこれもスペインから入って来た習慣で、
実際に十字架に誰かを張りつけにする儀式。
血の匂いで気分が悪くなるらいしので
私は見に行った事はないです。

もっとも、フィリピンの血なまぐさいのなんて
スペインのイースターよりまだマシだそうですね。
スペインはもっと凄いらしい~です。

そもそも、そんな血なまぐさい事して「何の意味があるの?」
と疑問です。


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(まだまだ続きます、山車・・)


でも前にカトリックの神父が教えてくれたんですが、
カトリックは「骨董屋」みたいなところがある、と。

古い習慣やしきたりで
今の時代にそぐわない事も、否定しないで保存している、
それは自分は正しい、あなたは違うと批判して
宗派を分けていると、どんどん分裂してしまうし、
それで争いの種になると本末転倒と言うか
愛の反対のことになってしまうから。


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(ガラスが反射してしまって見えにくいんですが、横たわったキリスト像のようです。)


このプロセッションと呼ばれる山車の行列も、
日本のカトリックにはないしきたりだと思います。

十字架の道行きと言うのはあると思うのですが、
それとはまたちょっと違います。

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(これから山車の行列をしようと神父様達が待っています。)


フィリピンのカトリックはちょっと偶像崇拝っぽいところがあり、
聖人の像を崇めたり、触ってご利益を受けようとするところがあります。

こういうの、日本でも神社やお寺などで煙を自分の体に手で煽って
ご利益とか、インドやタイの仏教でもありましたよね。
似ていますね、人の考えることって。


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(なかなか始まらないので教会の隣の公園で桃ちゃんを遊ばせました。)


でもプロセッションに参加してる人、全員が
聖人を崇め奉っているわけではないと思うんですけどね。


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(教会の隣に家庭菜園があって、パイナップルが植わってました。)


山車に付いて行きながら歌ったり祈ったりするので、
それがしたくてやっている人もいると思いますし、
意味がわからないけど習慣として家族で毎年参加してる人もいると思います。

この山車の像になっている聖人は昔生きていた人で、
信仰の為に勇気を持って生きた人達なので
偉人伝を読むのと同じで
聖人伝を読むのはなかなか興味深いです。


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(やっと道路に出て来ましたが、ミサが終わってから既に1時間半です。)


聖人伝と言えば、聖人の像を見るとその聖人の生き方とかを思い出して
話しをしてくれる人なども居ました。

そういう方達にとっては聖人の像はきっと
その生き様を思い出したり、それによって勇気づけられる存在なのかもしれません。

リンカーンの像とか、野口英世の像などと同じで、
その人生から何か学びたいと思っている人もいるんですよね。

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(これは公道で見た別の山車の行列です。金曜日のこの時間はあちらこちらでやっているんです。そしてご覧の通り、いつも渋滞の道に車が全く通っていません。)


私は山車に参加する時は
いつもは交わらない貧しい人達と一緒に歩き周り、
何となく同じ苦労を共にしてるって雰囲気に酔うのが好きなのかも。

家の近所の山車は3時間も回るのです。

ここは小さい教会なので2時間くらいと言われたんですが、
待ちくたびれて桃ちゃんが帰りたいと言うので参加は止めました。



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(こちらの写真は日本人向け新聞である「マニラ新聞」に載っていたものです。写真を大きめに見たい方はクリックして大きくしてみて下さい。白黒だし残酷でもありませんが、一応小さくしました。フィリピンのカトリック教会ではやっている所では毎年やっています。)


古い伝統行事って
良いような悪いようなではありますね。

お年寄りや貧しい人は習慣で参加したりしますが、
これだけにとらわれていると、やはりカトリック離れが最近進んでいて、
若者はプロテスタントにどんどん改宗したり無宗教になっています。

いえ、別にプロテスタントが悪いわけではないし、
私も聖書の会に参加したりしますが
(フィリピンのカトリックの教会では何故か聖書の会がないんですもの)
教会としてはもっとしっかりして欲しいです。

政府が国会で決議する事を司教が
「それを通したら大統領は破門にする」
なんて言ってる場合じゃないと思います。

早く政教分離の意識をカトリックの神父様達、持って下さい、
とお願いしたいです。

私はローマ教皇に手紙を書こう!って言ったら
主人が「いいんじゃない、きっと色々な人が書いてるから。」
って言うので構想を練って書こうと思っています。

フィリピンのカトリック教会に宣教師を送って欲しいです。