あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
新年一発目は神奈川のお得意様のモズライトの修理です。(といっても実際は年末の修理でした)
修理の時に写真を撮っておいて時間のあるときに文章を書いているので記事にするまで多少時間差があります。
このギターは少し変わっていてボディーがJAPANでネックがUSAのものです。東京でギターショップの店長をしていたときに買っていただいた商品です。
音の感じとしては程よく枯れたモズライトらしいサウンドでオールドのモズにかなり近いです。
ピックアップはジャパンのアルニコマグネット12000回転OVERが搭載されています。
オールドモズと現代のギターのいいとこ取りなギターだと思いました。
ネックが動いてキシキシするので、分解してみたところネックジョイントビスがゆるくなっていたので直して欲しいとのご依頼です。
まず、緩くなったネックのネジ穴を綺麗に広げてそこに丸い筒状の木を差し込んでタイトボンドで固めます。
固まったらジョイントビスよりも細めの下穴をあけてネジ山を切ります。
今回はネックポケットの一番下側の角の部分に少し隙間があったので保険の意味も込めてパテ埋めをしてネックが左右に揺れないようにしておきました。
ガッチリ付きました!!
あと、アームの緩みを解消する何かいい方法がないかという事と、弦高をもう少し下げたいというのと、ピックガードの保護フィルムをはがして欲しいというのと他の部分も一通り見て欲しいとのことでした。
とりあえずチェックしたところ、軽くフレットのすり合わせをしたほうがいいかなと思いました。
通常、弦高というのには下げる限界というものがあって、どんどん下げていくと音のびびりや詰まりが出てしまいます。
これはフレットの頂点が一応一直線になっていても、実際には微妙にでている箇所や引っ込んでいたりする箇所があるので起こります。かなり精密にフレットのすり合わせをすることで弦高をぎりぎりまで下げられるようになります。
フレットのすり合わせをして弦高を落としてチェックです。
「ん?」
ハイフレットを弾いたときに全体的に音程が♭しているので、オクターブ調整をします。ローラーブリッジの駒を動かします。弦を少し太いゲージに変えてあるのも原因だと思います。
モズライトはブリッジを外して行うので、ちょっと面倒ではあります。調整時、ネジの締め方に気をつけないと駒がガタガタになってびびりの原因になります。これはメーカー修理をしていた時にもコツをつかむまではかなり苦労しました。2年くらいしてようやくすんなりできるようになったと記憶しています。
アームの緩みですが、ジャパンのアームは一度緩むと締め直してもすぐに緩むようになってしまいます。
アームの取り付けパーツを当店調達の部品に取り替えてダブルナットで固定できるように改造しました。
ワッシャーは自作の本革ワッシャーを使用しています。そうする事で、なめらかでいて緩みにくいアームになります。
そのあと、ピックアップの高さ調整をして、ピックガードの保護フィルムをはがして完成です。
いつも思うのですが、ピックガードの保護フィルムって凄く不親切です。展示時や試奏時に傷をつきにくくするのはわかるのですが、とにかく剥がしにくい。
良く見る光景としてはパーツを外さずにビニールを取ってトグルスイッチやコントロールノブ、ジャックの周りにうまく取れなかったビニールの残骸がびろびろと・・・・・
ピックガードに付いているパーツを全部はずさないと綺麗にはとれないんです。
自分は修理時にこのビニールの切れ端を綺麗にとってあげたりしていますね。
今回もこの作業はサービスでやらせていただきました。
こうして全部まかせていただけると非常にうれしいです(^O^)
ありがとうございました!!
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