こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と今昔まんがまつりというテーマで

 

長靴をはいた猫(1969)

 

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

★"今昔まんがまつり"とは?

近年発表されるアニメーション映画の本数は膨大なものとなり、すべてのアニメーション映画を閲覧する事は不可能な時代へと突入しています。

 

推しのアニメを一生見続けられるというのは幸せな事ではないかと思いますが、その一方で、自分が知らないアニメと出会うための時間を作るのは、簡単な事ではなくなりつつあるのではないでしょうか?

 

本シリーズはそんなアニメの百花繚乱時代において、かつて日本に存在していた「東映まんがまつり」や「東宝チャンピオンまつり」のような、雑多なアニメが一挙に上映されるようなイベントがもし存在したとしたら、どんな効果があるかをシミュレーションしてみようという夏休み企画!

なんとなく立ち寄った古本屋さんに素敵な本が見つかったり、何気なく観に行った3本立ての名画座で、大好きな作品巡り合えるような、そんな偶然をご提供できればと思っております😊
 

 

↑本シリーズの概要はコチラ!

 
 
どんな作品?

 

本作は1969年に公開されたアニメ映画。

 

原作はフランスの詩人シャルル・ペローが編纂した「寓意のある昔話、またはコント集〜がちょうおばさんの話」という童話集に収められている同名の童話をベースにしたアニメ作品!

 

 

ペロという名前の長靴をはいた猫が主人公の本作は、1969年の「東映まんがまつり」で公開されて人気を博し、以降の東映アニメーションのロゴがペロになったのは有名な話ですね😊

 

東映アニメーションのロゴ!

 

 

尚、今月の本ブログは「今昔まんがまつり」というタイトルでお送りしておりますので、本作はどうしてもご紹介させて頂きたかった作品!

 

1998年にリバイバル上映された際には『これが、あの「カリオストロの城」の原点だ。』というキャッチコピーが添えられている本作は、今の子供がご覧になられてもドキドキワクワクして頂ける事請け合いの極上の娯楽作品となっているのです😆

 

「カリオストロの城」と言えば

高い塔の上での活劇が記憶に残りますが…

 

本作はカリオストロの城ような

シーンのオンパレードの作品なのです!

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

フランスのルイ十四世時代に活躍したシャルル・ペローの原作を「アンデルセン物語」の井上ひさしと山元護久が共同で脚本を執筆し、コンビを組んだ矢吹公郎が演出した長編カラー漫画。

昭和三十三年の「白蛇伝」から教えて第十五作目。
 

 

① 映画の冒頭、長靴をはいた猫のペロは猫の首領から、ネズミを助けた猫として罰せられ死刑を宣告されてしまいますが、ペロは仲間たちの元から逃亡してしまいます。激怒した猫の首領は、3匹の殺し屋猫にペロの抹殺を命じ、以降彼らはずっとペロの命を狙い続ける事になります!

 

映画の冒頭、帰納法で語られるペロの過去。

彼は、ネズミと仲良くしている猫として罰せられ

命を狙われていたのです。

 

 

② そんなペロはある晩、ピエールという不幸な少年と出会います。豊かな地主の3人の息子の末っ子として生まれたピエールでしたが、父親が死んだ後、遺産を分与したくないと考えた2人の兄によって、身一つで家を追い出されてしまっていたのです。

 

ピエールに父親の遺産を渡したくない

兄達はピエールに辛くあたり、

遂には家から追い出してしまいます!

 

 

③ ピエールを哀れに思ったペロは彼に旅に出ようと誘い、天涯孤独な二人は仲良しとなりました。

 

2人で旅すれば、寂しくなんかないよ!

 

 

④ そんな2人はがたどり着いた城下町では、王様の一人娘のローザ姫の結婚相手を探している真っ最中!王様は「この世で一番お金持ちで、武勇にすぐれた若者をローザ姫の婿にする」と告げており、ペロは一計を案じて、ローザ姫に一目惚れをしてしまったピエールを、裕福で武勇に優れたカラバ侯爵だと偽って王様に紹介し、ローザもピエールに好意を抱くようになります。

 

美しいローザ姫に恋するピエールを

後押ししようと考えたペロ。

 

ですがそんな時、ピエールと同じくローザ姫に一目ぼれした魔王ルシファが王の前に現れ、自分こそ世界一お金持ちで、武勇にすぐれているのでローザ姫の婿になりたいと訴え、ローザ姫に拒否されると激怒して姫をさらって自分の城に幽閉してしまったのです!

 

体格も大きく怪力のルシファは

魔法でお金も自由自在!

王様は喜びましたが

ローザ姫は結婚しないと宣言!

結果、ローザは拉致されてしまいました。

 

 

 

むむむ。

 

ク、クラリスじゃなくてローザを助けなきゃ!!

 

 

 

さて、果たしてペロとピエールは、魔王ルシフェルの城に囚われたローザ姫を救出する事ができたのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

ルシファの城はトラップだらけ。

高い城の跳ね橋を挙げて

ペロとピエールの命を狙うルシファ!

ドキドキが止まりません!!

 

 

【選ばせて頂いた理由】男の子の意識が変わる時!

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作を選ばせて頂いた理由は以下の3つ。

 

選ばせて頂いた理由① 東映アニメーションを思い出そう!

 

本作は、1960年代に映画館向けの長編アニメーションを多産されていた東映アニメーションのテイストが理解できる作品!

 

「キネマ旬報社」さんの解説に記されている「白蛇伝」から教えて第十五作目というのは、1958年公開の東映の長編アニメ映画の第十五弾という意味なのであり、近年存在が忘れがちになっている東映アニメーションの独立系アニメ映画の存在を思い出して頂くためにも貴重な作品になっていると思われます。

 

中国映画のような「白蛇伝 (1958)」から

ずっとアニメ映画を作り続けて来た

東映アニメーション。

近年はマンガのアニメ化が多いのですが

オリジナル作品の魅力も

思い出して頂ければ嬉しいです。

 

 

選ばせて頂いた理由② 猫の擬人化の例として!

 

そんな本作の主役ペロはフランス人風のキャラクターであり、大言壮語だけど無計画、嘘も方便といういい加減さ、いざとなると簡単に目標をあきらめるという性格は、ひょっとしたら今の子供たちには、好感を持ってもらえないかもしれませんあせる

 

ですが猫という動物は移り気で、残酷だけどいざとなると一目散に逃走するような性格であり、決して気高い意志を持つような性格ではなく、そんな猫的な言動や行動をするペロは、擬人化した猫キャラとしてはかなり魅力的だと思います😸

 

妙に自信家の時のネコは大胆不敵!

 

だけど、いざとなると

全然頼りないのもネコっぼいですね!

 

 

選ばせて頂いた理由③ アニメは男の子を大人にする!

 

そして本作の何よりの魅力は、最初は心が優しいだけだったピエールが、ペロのいい加減な計画に参加した事に悩みつつも、最後には自分の意思でローザ姫救出のために命を投げ出す勇者へと成長してゆく姿が描かれている事!

 

 

そう。

 

男の子とは、子供のような失敗をする事で、自分はどう生きるかを自覚し、大人へとなってゆくもの!

 

 

本作は一見すると長靴をはいた猫のペロが主人公のようですが、本当の主人公は、ペロにそそのかされて家出し、身分ちがいのローザ姫に恋をしても告白できず、カラバ侯爵のフリをする事を潔しとせずに、落ち込んでいしまっていたピエールが、最後には魔王ルシフェルに立ち向かう勇者となってゆく姿を描いた、観客の少年たちの胸を熱くさせる成長譚となっているのです😊

 

大好きなローザ姫に嘘をつけず

自分は金持ちでもなく

勇者でもないと告げて

逃走してしまうピエールですが、

 

そんな弱くて臆病なピエールは

ルシフェルにさらわれてしまった

ローザを助けるために

魔王の城へと馬を走らせるのです!

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

今昔「思春期向け」まんがまつり⑥

 

というテーマで

 

バッドガイズ

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★

併せて観たいカリオストロ作品
「やぶにらみの暴君」

 

 

本作は監督の意志で封印され、

映像も回収されてしまった幻の名作!

 

ほぼ同じ作品である「王と鳥」

という映画との最大のちがいは、

映画のラストシーン!!

 

みんなが微笑んで終わる「王と鳥」とはちがい

「やぶにらみの暴君」のラストは、

崩壊した城跡に、巨大ロボが座り込んでいる

というシュールだけど、

どこか物悲しいラストシーンなのです!

 

本稿では「やぶにらみの暴君」と

「王と鳥」のちがいについて

書かせて頂きました。