こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊
本日も2022年のアーカイブというテーマで
想像力と発掘良品の発掘⑮
というシリーズで選んだ作品について総括してみたいと思います。
本シリーズを企画した理由は主に3つ。
TSUTAYA発掘良品とは、新作・旧作、有名・無名、公開・未公開ではなく「面白い」を基準に作品をセレクトし、毎月紹介してくれていた映画ファンたのための素晴らしい企画😄
ですが2010年の8月から始まった発掘良品は、2022年3月の第139弾を以て終了してしまい、作品ラインナップのサイトも削除されてしまいました…
ですので恐らく、今後忘れ去られてゆくであろうこの企画の記録を残せればと思い、毎年3カ月を発掘良品の作品解説に費やさせて頂いております。
本日は、本シリーズで選ばせて頂いた27作品のうち、1~11番目までの作品をご紹介させて頂きます。
①ヤコペッティの大残酷(1974)
「大残酷」というタイトルからは、恐ろしいホラーのような内容を想像させますが、本タイトルに「残酷」という文字が付いたのは、監督されたグァルティエロ・ヤコペッティ氏の出世作の邦題が「世界残酷物語」だったから!!
ですがどちらの作品も原題には「残酷」の文字はなく「世界残酷物語」は「MONDO CANE」、「ヤコペッティの大残酷」は「MONDO CANDIDO」というタイトル。
「MONDO(モンド)」とはイタリア語で"世界"を意味するものですので、ヤコペッティ監督の作品は「〇〇〇の世界」という"ドキュメンタリー風のタイトル"なのです😄
尚、本作の原題の「MONDO CANDIDO」のCANDIDOは、主人公カンディードの名前であると同時に「白い」という意味なので、直訳すると「カンディードの世界」または「白い世界」!
大残酷とは正反対の清々しいタイトルですが、本作の内容は「一見すると真っ白で美しい世界」の裏に蠢く「本当はこわい人類の歴史」を描いたような大残酷絵巻なのです😨
アイルランドのベルファストの悲劇も
本作で描かれています!
②殺しが静かにやって来る(1969)
本作は容赦ない残酷描写で名高いセルジオ・コルブッチ監督が撮られた、とてもショッキングな内容のマカロニ・ウェスタン!
多くのレビュアーの方々も書かれいらっしゃいますが、本作は観終わった後トラウマになるようなショッキングなラストの作品ですので、ご覧になる際にはどうぞご留意頂ければと思います🤠🤠
主人公のサイレンスという名の殺し屋は、幼い頃悪党に喉を切られて、声帯を失った男!
そんなサイレンスの仕事は、指名手配されて山岳地帯に逃げて込んでいるお尋ね者たちを狙う賞金稼ぎたちを始末する事。
指名手配されたお尋ね者たちを狙う賞金稼ぎなら、悪人ではないのでは??
いいえ。
指名手配のお尋ね者たちは、山の奥深くで息をひそめて暮らしている元兵士たち!!
確かに彼等はかつて悪事を働いたかもしれませんが、この時代、アメリカ政府の出した「フロンティアラインの消滅宣言」によって、かつて悪事を働いた人にも恩赦が与えれていたのです。
けれど金の亡者である賞金稼ぎたちは、恩赦を無視して人間狩りを続行!!
本作は、そんな残忍な人間狩りが横行している"法の支配が及ばない辺境"で起こった悲劇が描かれた、実話に基づく作品なのです…
殺せ!殺せ!賞金にしろ!!
サイレントの住む地にやって来た賞金稼ぎは
悪い保安官と結託し、殺戮の限りを尽くすのです…
③怒りの荒野(1967)
本作は、クエンティン・タランティーノ監督の「ジャンゴ 繋がれざる者」の中で使用されているメチャクチャかっこいい曲の出典元となっている映画😊
そんな本作は、正統派のアメリカン・ウェスタンのストーリーに、マカロニ・ウェスタンの生死観を加え、若者の成長譚をプラスした屈指の完成度の高さを誇るエンターテイメント系西部劇の傑作!
ガンマンに憧れていた孤児の青年は、悪漢ガンマンに弟子入りする事で、街の人々に怖れられる凄腕ガンマンとなってゆくのですが…
己の体で体得せよ!ガンマンの心得!!
④クロノス(1992)
(原題:CRONOS)
本作は200年以上前から存在した機械仕掛けのブローチに血を吸われてしまい吸血鬼となってしまった老人の物語む。
あれれ?
このブローチのデザインは、JOJOの第一部に登場する石仮面に似ていませんか??
JOJOに登場する石仮面!
石仮面にソックリの本作のブローチ!
ちなみにJOJOの第一部の連載開始が1986年で、本作が公開されたのが1992年という事は…
そう。
ギレルモ・デル・トロ監督のデビュー作品となる本作は、JOJOの奇妙な冒険に着想を得た可能性がありながらも、怪物となってしまった男が少女に助けられる「ミツバチのささやき」のような奇妙な物語なのです😊
jojoの石仮面は怪物化ですが
本作で吸血鬼となった老人は
孫に助けられるフランケンシュタインに
なってゆくのです…
⑤スーパーマリオ/魔界帝国の女神(1993)
(原題:SUPER MARIO BROS.)
ご存知の方も多いのではないかと思いますが、本作はスートーリーがゲームのスーパーマリオと全く関係がない作品!
スーパーマリオの映画化作品と言えば、ファンタジックな世界を舞台に、大魔王クッパにさらわれたピーチ姫を救うために、マリオが亀やキノコを倒しながら疾走する作品を思い浮かべられると思いますが、本作にはピーチ姫も亀も登場せず、代わりに12頭身くらいの恐竜人間が登場して、スーパーマリオ・ファンを困惑させてしまうような内容
そんな本作を批判するのは簡単な事ですが、なぜ本作は原作を完全に無視した作品となってしまったのでしょう?
私見ですがその理由は、CGで作られた奇妙なバーチャル司会者のマックス・ヘッドルームというTV番組を作ったロッキー・モートン氏とアナベル・ヤンケル氏を監督に起用してしまったから!
マックス・ヘッドルームは子供向け作品ではなく、皮肉の効いたシニカルなギャグ作品であり、2人は明らかに「子供たちに愛されるスーパーマリオを作るタイプの監督」ではありませんでした…
そう。
残念な事ですが、方向性の異なる監督を起用した原作のある作品は、観客の望んでいるような作品にならない可能性が高いのです…
マックス・ヘッドルームはこんなテイスト!
そんなテイストで作られたスーパー・マリオは
原作とは似ても似つかないものに
なってしまったのです…
⑥燃えよNINJA(1981)
(原題:ENTER THE NINJA)
本作は「続・荒野の用心棒」で虚無の殺し屋ジャンゴを演じたフランコ・ネロが実際に忍術を学び、ショー・コスギ演じる悪の忍者と対決する本格的忍者アクション映画!
こう説明するとイロモノ映画に思われるかもしれませんが、本作は忍術を嘲笑したり見下したりする作品ではなく、戦う事を仕事にしている人間が生涯現役でいられる職業という視点で忍者の魅力を描いた作品であり、様々な武器を自在に扱えるようになったり、護身術を身に着けたり、体術を鍛え続ける事となる忍者の道というのは、戦う仕事をしていた人に、年齢を重ねても戦う場所を用意し続ける事ができる極めて稀な職業だという事を我々に教えてくれます。
様々な技や武具を駆使して敵対的な相手と戦える
忍術とは、生涯現役の武術なのです!!
⑦ワーテルロー(1969)
(原題:WATERLOO)
本作のタイトルのワーテルローは、ベルギーの地名「WATERLOO」から採ったもの!
ですが同名の地名はイギリスのロンドンにも存在し、英語読みで「ウォータールー(WATER:ウォーター + LOO;ルー)」と呼ばれています😊
ちなみにロンドンにウォータールーという地名が誕生した来歴は、ベルギーのワーテルローで行われた戦いでウェリントン公率いるイギリス軍が、フランス皇帝ナポレオン1世を破った事を記念して命名されたもの!!
本作はそんな、ヨーロッパの関ヶ原とも言うべきワーテルローの戦いを映画化した作品なのです😆
捲土重来を夢見てエルバ島から脱出し
皇帝に返り咲いたナポレオンに立ち向かうのは
権謀術数のアイルランド貴族のウェリントン!
期待の英雄が激突した西洋の関ヶ原の顛末とは!?
⑧⑨⑩⑪ロンサム・ダブ(1989)
第1章 旅立ち(原題:LONESOME DOVE : LEAVING)
第2章 遠い道(原題:LONESOME DOVE : ON THE TRAIL)
第3章 大平原(原題:LONESOME DOVE : THE PLAINS)
第4章 帰郷(原題:LONESOME DOVE : RETURN)
発掘良品シリーズで選ばれている作品は、映画もしくはTV映画がほとんどなのですが、第73~74弾の「ロンサム・ダブ」と、第88弾の「警察署長」という作品だけは、TVの連続ドラマ!
そんな本作は、西部劇の事をよく知らない方にも西部劇の世界観や魅力がよく伝わってくる作品😊
新天地を求めてモンタナ州を目指す事にした喰い詰めたテキサス州の大集団は、様々な困難や残酷な運命に翻弄されながらも、それぞれの目的を胸に歩み続けます!
起・承・転・結の4つのエピソードを観終わった時、きっと皆様も、多くの登場人物の心情がご理解頂けると思います🤠
荒れ地を捨てて目指すモンタナは楽園なのか?
という訳で次回は、想像力と発掘良品の発掘⑮でご紹介させて頂いた12~20作品をご紹介したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
↑次回もよろしくお願いいたしま😄