「ロンサム・ダブ 第1章 旅立ち」(想像力と発掘良品の発掘⑮　その8)

こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と発掘良品の発掘⑮というテーマで

 

ロンサム・ダブ

第1章 旅立ち（1989）

（原題：LONESOME DOVE : LEAVING）

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

★発掘良品の発掘とは？

 

発掘良品とは、ＴＳＵＴＡＹＡさんによる新作・旧作、有名・無名、公開・未公開ではなく「面白い」を基準に作品をセレクトし、毎月紹介してくれている映画ファンたのための素晴らしいシリーズ。

本シリーズは、そんな発掘良品の全作品を５～６年かけてご紹介させて頂こうという超長期目標のシリーズとなっております😄

 

↑今月のラインナップの詳細はコチラ！

 

 

 

 

西部劇入門①「西部劇は何かを求める映画」 

 

ＴＳＵＴＡＹＡ発掘良品シリーズで選ばれている作品は、映画もしくはＴＶ映画がほとんどなのですが、第７３～74弾の「ロンサム・ダブ」と、第８８弾の「警察署長」という作品だけは、ＴＶの連続ドラマ！

 

↑三部作の「警察署長」は次回のシリーズで

　ご紹介させて頂く予定です。

 

 

映画と違ってＴＶドラマをネタバレしないように１話ずつ紹介していくのは、ちょっと難しいのですが、本作は西部劇の事をよく知らない方にも、西部劇の世界観や魅力がよく伝わってくる作品だと思いましたので、「ロンサ・ダブを通じて知る西部劇の魅力」というシリーズで１話ずつ紹介させて頂ければと思っています🤠

 

シリーズ第一回の本日は「何かを求める人の映画」というテーマです！

 

↑西部劇はブタでも何かを求めているのです😉


 

 

アバウトなストーリー 

 

「ハピネット・オンライン」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

『ロンサム・ダブ 第一章 ～旅立ち～』

元テキサスレンジャーズのガス(ロバート・デュヴァル )とウッドロウ(トミー・リー・ジョーンズ )は、テキサスの田舎町ロンサム・ダブで牧場を経営していた。ある日、放浪の旅に出ていた元同僚のジェイク(ロバート・ユーリック)が帰郷し、2人にモンタナへ移住の話を持ち掛ける。

モンタナの素晴しさを語る彼に心動かされたウッドロウは、モンタナに行こう-とガスを誘うのだった。はじめは渋っていたガスも旅の途中でかつての恋人に再会できることを知り、ついに仲間たちと共に新天地モンタナへの旅路に立つ。

 

ハピネット・オンラインさんのサイトはコチラ

 

 

 
はい。
 
こちにのサイトの解説は完璧ですので、あまり付け加える事はないのですが、本作は「ロンサム・ダブ」４部作を起・承・転・結するならば「起」にあたる作品！
 
主人公のガスとウッドローが住んでいるロンサム・ダブというのは、町というよりは廃墟に近いところ！！
 
↑これがロンサム・ダブ！！
 
↑牧場の厩はこんな感じ…
 
 
かつては開拓者たちの村として賑わっていたであろうロンサム・ダブの町ですが、今では住人がほとんどおらず、ガスとウッドロー以外には、元テキサスレンジャーズ仲間のパーカー、酒場の主人、ピアノ弾き、娼婦のロレーナ、メキシコ人のコック、そして亡くなった娼婦の息子で父親が誰か分からない少年のニュートの７人くらいしからず、気だるい終末感が漂っています…
 
↑サム、ウッドロー、コック、パーカー、ニュートの
　酒場組以外の男たちが集まって食べるわびしい夕食汗
 
 
かつては勇名をはせたガスとウッドローももはや老人。
 
特に人生の目的もなく、老いて行くままに過ごしている彼らは、生きる希望を失っているようにも見えました。
 
 
けれどそんなある日、元テキサス・レンジャーズ仲間のジェイクがロンサム・ダブへと戻って来ると事態は一変します。
 
アーカンソー州で暮らしていたジェイクから、北部のモンタナ州で、自分が開拓した土地をタダでもらえるホームステッド法が施行されているというのを聞いたウッドローは、親友のガスに、一緒にモンタナへ行って牧場を経営しようと持ち掛けたのです！
 
↑レンジャーズ時代の仲間のディーツを連れて
　ロンサム・ダブへ戻って来たジェイクは、
　モンタナは天国のような場所だと話しました！
 
 
昼から酒を飲み、夜は酒場でトランプに興じている老後を送っていたガスは、遠く離れたモンタナまで遠征するのは無理だと言いますが、ストイックで頑固な性格のウッドローは言い出したら誰の言う事も聞かない性格。
 
仕方なくモンタナへと向かう決意をしたガスは、仲間たちとメキシコ国境を越えて、野盗たちが周辺の町から盗んだ大量の馬を盗み返して、モンタナを目指す事にするのです…
 
↑「おいガス。俺たちもモンタナに行こう！」
　「いや、よく考えろ。俺たちはもう年だぞあせる」
 
 
 
さて、一念発起してモンタナに移住する事にしたガスとウッドローと共にモンタナへ向かったのは、一体誰だったのでしょう？
 
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
 
↑夜陰に乗じて大量の馬を野盗から奪い返し
　牧場主となるためモンタナへ向かうガスたちと共に
　旅立つのは誰なのか！？　
 
 

 

【私の感想】　運命に立ち向かう不屈の魂

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、ガスとウッドローがロンサム・ダブからモンタナへ向かう事を決意したのは、勝算があったからではありません。

 

恐らくですがガスたちテキサス・レンジャーズは、かつて理想郷を夢見てロンサム・ダブを開拓して来た男たち！

 

 

ネイティブ・アメリカンを駆逐し、自分たちの理想の町を作ったはずの彼らでしたが、時がたち、テキサス辺境のロンサム・ダブは荒廃し、遅からずゴーストタウンとなりそうな場所となってしまいました。

 

では、老齢のガスやウッドローは、もはや将来の夢をなど考えず自分たちが作ったロンサム・ダブと共に静かに滅んでいくべきなのでしょうか？

 

 

そんなスートリーが展開する第一章で語られているテーマは、もし今の状況が行き詰まってしまったら、人は敗北者として生きるべきなのかという不屈の魂について😉

 

 

ウッドローは、モンタナで牧場を成功させるという夢のために、一方のガスは、この話ではまだ語れらない秘密の計画を達成するためにロンサム・ダブを立ち去りますが、勝算があるとは限らないにも関わらず、彼らの勇気ある行動は私たち観客の目に雄々しく映るのです😆

 

↑ロンサ・ダブの牧場に掲げてあった

　ボロボロの看板を持っていくガスとウッドロー。

　そんな不屈の魂に共感したのか

　ガスの飼っていた２匹のブタも旅のお供に😂

 

 

 

そう。

 

西部劇で語られるのは、自分の夢のために前に進む勇気の素晴らしさ！

 

 

 

モンタナまでは５０００キロ！

 

生きて辿り着けるかもわからない旅路ですが、ガスとウッドローは座して死を待つよりも、夢の為に進む事を決意したのです！！

 

↑映画の冒頭、たった一匹の馬を調教している

　ウッドローは不屈の男。

　彼は、まだ人生を諦めていない男でした！

 

 

私見ですが本作は、かつては隆盛を極めていた地方都市のシャッター通りで、今行き詰ってしまっていらっしゃる、かつて夢を持っていらっしゃった店主の皆様にご覧頂きたい作品！

 

前に進むのは恐い事かもしれませんが、現状にとどまっているというのは、決して良い結果をもたらさないと思うのですが、皆様はどう思われますでしょうか？

 

↑本作の終盤、モンタナへ行かない酒場の主人は

　好意を寄せていた娼婦のロレーナが

　ジェイクと共に町を去る事に絶望し泣きだします。

 

　けれど現状と戦わない彼の元に

　未来のあるロレーヌが残る理由はないのです…

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

女性のフロンティア

というテーマで

 

ロンサム・ダブ 第2章 遠い道

 

という作品を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★

併せて観たい発掘良品！
「アルカトラズからの脱出」

 

本作は、アメリカに実在した島を利用した刑務所の実録脱獄映画！
 

脱獄者０という記録のために徹底して受刑者の抑圧する刑務所長は、恣意的に罰を与えて囚人たちに絶望を与え続けます。
 

長期に及ぶ脱獄の過程と、刑務所長との不屈の闘いを、寡黙な男クリント・イーストウッドが魅力的に演じています！