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母娘ふたりガダルカナルの旅 最新 第十一話 (鋭意更新中)

 

タラワ環礁 その九 20糎要塞砲

タラワ環礁 その八 鋼製トーチカ より続いております。

 

鋼製トーチカ地点より西方

 

谷浦英男氏の著書「タラワ、マキンの戦い」ではこの要塞砲について

「タラワの20サンチ砲」より一部引用

佐世保第七特別陸戦隊・菅井司令が著者の谷浦大尉に

「おい先任、松尾がなァ、20サンチの射法を指導してくれというんだがねー、どうしたもんかねー」

松尾主席参謀も砲術屋である。

しかし菅井司令は砲術学校教官というキャリアがある。

同じ砲術屋でも掘り下げ方が違う筈といった思いから射法指導を依頼したものらしい。

中略

 

ベチオ島東端陣地の20糎要塞砲 

 

20サンチ砲はおそろしく旧式の代物である。

英国アームストロング社製で横須賀海兵団の庭にモニュメナントとして据え付けられいた「春日」の主砲であるという説とシンガポールの要塞砲を外してきたのだという二通りの噂があった。

中略

 

後方より

腐食も進まずしっかりしているように見える。

 

接近して

 

登れそうではないか!!

固くなった身体に鞭を打ち

右膝を腕で持ち上げながら・・・

 

一発ドカンと打つと旋回を停止位置に戻す。

同時に仰角を水平に戻し転把を廻して尾栓を開きレールに乗せたトロッコに砲弾を載せゴロゴロと押して砲尾に持って来る。

チェーンブロックでチャラチャラと吊り上げアームを廻して砲尾の総員架に載せ二人がかりで装填杖で砲尾に押し込み、同じ手順で装薬を押し込む。

転把を廻し尾栓を閉め、射手は仰角をつけ旋回手は目標へ旋回、両者の照準鏡の十字線が目標に正中したとき射手が曳金を引き、タマがドカンと出る。

これで1ラウンド、かなり訓練したが六分より縮められないのだという。

「六分では射法が成り立たない、菅井さん何とか考えてくれ」

中略

 

ようやく登れば床が抜けそうで中々怖い^^;

この辺りの場面をご一緒したI氏が撮影していてくれた。

 

白い歯不謹慎で申し訳なし。

右後方は完全に床が抜けておりました。

尾栓は無くなっているようです。

 

当時の最先端の射法は主砲の一斉射撃から次の一斉射撃まではは約二十秒。

砲術長が着弾した水柱を目安に修正を加え二十秒間隔で修正しながらどんどん射撃を続ける。

わずか二門、二か所で発射速度六分とくれば当たるあてもないタマを一発撃って所在を暴露し、たちまち砲爆撃でコテンパンに潰されるために設置したとしか思えない。

中略

 

砲身は今も沖を睨みつづけておりました。

 

昭和18年7月

館砲学校陸戦科の鬼科長佐藤清忠少佐が現地指導のため巡回にタラワを訪れ著者の谷浦大尉が案内をしている。

鬼科長佐藤少佐 「この大砲は何を打つのか?」

谷浦大尉 「担当は第三特別根拠地隊(谷浦大尉の佐世保七特の上部組織)で中央が定めた仕様に基づいた設置らしい」

と述べてその場をごまかした。

鬼科長もそれ以上何も追及しなかった。

中略

 

西方を観れば対のもう一門

 

戦後谷浦氏、鬼科長と会った折、三特根に20サンチ砲の指導を問うと

「あの時点ではどうにもならない。せめて掩体を高く積み上げ、射程を100メートル以下、射界を90度くらいに抑え水際射撃用とされるよう参謀に申し上げておいた」

以上、谷浦英男氏の著書「タラワ、マキンの戦い」より

 

砲座からおりて全景

 

歴史群像・激突タラワ攻防戦には

歴史家のモリソン氏、日本軍の20センチ砲が反撃に出たが戦艦「メリーランド」の砲撃でたちまち破壊された。

従軍報道記者シャーウッド氏、20センチ砲は一発も撃った形跡が無い。

とある。

 

長文引用致しましたが、現在はタラワで日米激闘をイメージさせる印象的な20糎要塞砲だが、実際の戦闘では活躍の場は無かったようであります。

 

西方のもう一門に接近

 

接近して

 

嗚呼・・・ 此れは 当時の写真にも残っている・・・

周囲は現在の美しいビーチをイメージさせず荒れ果てている。

 

此処でいつかお会いするやも知れぬ御遺族さまへと貝など拾ってみました。

 

砲身が途中より欠損している20糎要塞砲

軍手失礼しております。

 

現在地は

このような位置関係であります。

 

拡大すると

グーグルアースでも20糎要塞砲は確認できます。

 

つづく

 

 

此の地を訪れる為、慌てて勉強したマキン・タラワの戦い

タラワの戦いを一から勉強してみる その一

タラワの戦いを一から勉強してみる その二

タラワの戦いを一から勉強してみる その三

タラワの戦いを一から勉強してみる その四

タラワの戦いを一から勉強してみる その五

最後まで勉強し切れて居りません。

 

 


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