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ぷぷぷ日記

映画・マンガ・アニメ・小説・歴史・日々の雑記帳。

更新は思いついたとき。

瀬石再読中。イメージよりもずっと若く脆く、生々しくて痛い。読み方が変わったというより、自分が漱石歿年になったせいなんだろう。だけど、理想のように思っていた境地の傍らを、知らず通り過ぎていたというような寂しさがある。越えたわけでは決してないのが、なおさら辛い
 安保法制の党首討論をちょこっと見た。自衛隊員のリスクが高まる、自衛隊が戦闘に巻き込まれる、って野党から指摘があり、安倍さんは根拠なく「そんなことは絶対にない」という答弁の繰り返し。
 法制の枠組みからして「絶対にない」わけがないだろう。危険な地域に出張っていって、友軍が交戦状態になれば助けに入るのが集団的自衛権なのだからして。友軍を見捨てて逃げるのなら、最初から派兵すべきじゃない。
 「自衛隊のリスクが」とか「巻き込まれる」という言い方もそもそも変。自衛隊がやることは日本がやること。国民は他人事みたいに思ってちゃいけないでしょう。そして戦闘は巻き込まれるのではなく、そこに派兵するならすでに自主的参加してるものです。
 まず自衛隊はどんなときにどこまで派兵していいのか、そこの議論ができてないのに、たとえば中東あたりで交戦状態になった場合を前提にして、他国の領土領空に入るかどうかって話になってる。
 あれ? もう中東派兵することになってるの、私が知らなかっただけ? 今までイント洋で給油とか機雷掃海とかイラク復興支援とかやってたけど、もう違うフェーズに来てる。このままいくと次に派兵するときは自衛隊は戦闘行為ができる軍隊として世界に認知されるし、自衛隊もそれなりの装備で行くことになるんでしょう。空母とか仕立てて、、、。
 これまでのように「自衛隊はゴマメでよろしく」とはいかない。戦争したくないなら遠方派兵しないこと。防衛は日本周辺を固めるべし。中東から石油を買わなくても済む方法を死にもの狂いで考えるべし。
 個人的には、直接的な日本の防衛のために集団的自衛権は必要と思うが、しかし。石油や原発材料欲しさに遠い他国の戦争に加担して平気な国に、なりたくない。
 『風立ちぬ』再視聴。宮﨑駿個人のエゴが軸になった話だなと、改めて思う。飛行機への愛、職人(技術者)としての矜持、仕事にかける集中力、愛する人に支えてもらいたいということ……。どれもが宮﨑駿の気持ちじゃないかと強く感じる。そのうえで、個人的にはとても好きな作品。
 しかし、いい映画だったなー と見終わったところで、最近の宮﨑駿の反戦発言が気になってしまった。この映画は戦争を美化してはいないが反戦メッセージも感じられない。そういう意図で作ったものではないので、それはそれでいいか、とは思うものの、少々「ずるいなあ」と思わなくもない。

 本庄のセリフに、爆撃機の防弾タンクなんて研究したこともない。一、二発被弾すれば炎上してしまう……というのがある。その脆弱な爆撃機が重慶を爆撃するのに、ゆっくり長距離を飛べる護衛の戦闘機が必要だった。それが零戦。
 零戦は機体を軽くするため搭乗員の背に防護板すらなく、後ろから一発撃たれれば死ぬ。
 堀越は職務に忠実にそれを設計していたのです。それがどんなに苛酷な設計であるかは、わかっていたでしょう。
 また、戦争は一番技術が進歩するときだということも、カプローニが示唆しているようで、ハッキリとは言ってない。
 そこんところの悲哀も苦渋もうまくかわしすぎてて、青少年視聴者は何も気づかなかったでしょうね。宮﨑駿の、その後の『永遠の0』批判はその代償であるようにも思えてしまうのです。

 武器偏愛と反戦思想の矛盾は宮﨑駿本人が良く自覚していることであり、非難するものではないのですが。(『ブラッカムの爆撃機』という児童書に寄せたマンガにも、そのあたりのことが書かれています)
 宮﨑サンは、あまり作品外で表に出ないほうがいいんじゃないの って思ってしまいます。発言するより作品つくってよ、と思うのです。
新海誠、あまり知らなかったのだけど、 「秒速5センチメートル」「言の葉の庭」「ほしのこえ」「雲の向こう、約束の場所」と立て続けに見た。(きっかけはdビデオにお試し加入したこと。ここで見放題作品に入っていた)。
 背景そのものがアニメーションと言えるくらい心理描写になっている。果てしなく遠い空、そこから続く宇宙、主な主題はその広がりの中で離れてしまった少年と少女の心。

 自然の中の風景はあくまでも寂しく美しく、広すぎる自然の中を自転車やローカル列車で通学する少年少女、時代が未来でも彼らの日常は昭和の記憶を持つバス停だったりダルマストーブだったり。なつかしく思うのは風の音や雨の音。アニメーションは何気ない日常のモノたちにあてる光だけでも心情を表現していて叙情的である。

 ストーリーはあまりに叙情的であり内向的に自己完結してしまうため、「これでいいのか」という疑問が湧かないでもなかった。しかし圧倒的に美しい背景と融合したアニメーションの画面に浸りつつ、新海誠の内面世界に沈んでいく……それを愉しめばよいのだと思うことにした。

 さて、そこで一連の視聴の最後に「星を追う子ども」を見た。結果から言うと水準以上の作品だと思う。面白かったし、悪くない。ただ、どこのレビューでも書かれているように、ジブリの影響は否めない。
 コンテや演出がジブリ系の人だったの? キャラ設定は? コスチュームは? 背景、色彩設定は? どれもジブリの系譜を感じてしまった。疑問に思ったのでクレジットを確認した限り、新海組のようなんだけど……。

 この作品は新海誠の内面を叙情的に綴るという他の作品と違って、子どもをはじめ一般向きエンタメを意識したため、こうなったのだろうか。テーマも試みはいいと思うけれど、もっと新海流に作れたはず、と思うとかなり残念。次回に期待したい。

 ちょうど宮﨑駿の「風立ちぬ」テレビ放映があり、録画したところだった。こちらは奇しくも、一般向けというより、宮﨑駿の内面から来るものを自己完結的に語ったものだと思う。子どもが見るには退屈だし、大人もかなり見る人を選ぶ作品。

新海誠、、宮﨑駿のクロスロードに立ったような、不思議な気がしたのであった
(悪いけど宮﨑悟朗はよくわかんないから除外)


有名なお話はいつでも文庫で買えるはず。そう思って「少年少女世界文学全集」学研 を引っ越しのとき処分してしまってたのです。あまりにもかさばるので。
 しかし、今回『パール街の少年たち』再読したくてネットを探したら、どれもこれも絶版で中古本しかありません!! アマゾンで数千円から一万五千円? なんとっ!
 他も探して、やっと500円未満の品を注文。「在庫チェック」に時間がかかり、なかなか送ってこなかったのですが…… 来た本はカラー挿絵の美しい、小学館の 国際版少年少女世界文学全集19という一冊でした。すべての挿絵がカラーで枚数も多く、青の装丁も美しい本でワクワクします。

ところが、読んでみて「アレレ……」と違和感が。私が昔読んでいた学研の本は、たぶん小学校高学年から中学生向き。手元の本は漢字が少なく、中学年から読めるようになっているのでしょう。翻訳者も違う人です。

まず敵のボスの名前が「アーツ・フェレンツ」。私が覚えてたのは「アーチ・フェリ」で、こっちがお気に入りです。

そして、ネメチェクがパテクラブの仲間に「卑怯者」と誤解を受け、処分としてクラブのノートに名前を記録されるところ。あとでネメチェクが「ぼくの名前を、大文字で書いたんだ……!」と悔しがるくだりがあるはずなのに、削られている。ハンガリー人の名前はアルファベットで、ここでは「大文字で書かれた」ことがひどく不名誉なのでした。

これは外国の文化に触れる機会なのだから、難解だからという理由で削っちゃいけないと思った。(私としてはそこを読みたかった……なぜか好きな場面)

他の部分もなんとなく、一行、二行と足りない気がする。機会があれば「岩崎悦子・訳」の版をまた手に入れたいと思います。
著者 :
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
発売日 : 2014-06-18
戦争反対だの賛成だのタバコのシーンが多いのと、物議を醸した作品だったが、これはもう宮崎駿の非常に個人的な作品ゆえなのだと思う。兵器とくに飛行機に対する偏愛、戦中生まれゆえの戦争嫌い、主人公への自己投影。パンダコパンダから氏の軌跡を見てきた者には感慨深いものがあったが、一般視聴者にとってはどう見えるのだろう…。
 黒澤が晩年に『夢』を撮って評価が分かれた。そんなふうなことだろうか。
北野武が暴力について語ったこと。2000年の『バトル・ロワイアル』のときだったと思う。
--俺の暴力は痛いんだよ。最近は、痛くねえような暴力シーンが多いでしょ。

つまり、ゲーム感覚で、暴力の痛さをわかってないんじゃないかってことだ。
自分の暴力シーンは、あまりに過激だと批判されるけれど、やった方もやられた方も「痛い」ってことがわかるからいいんだ。…というような趣旨だったと思う。

※ネタバレ注意
『その男、凶暴につき』は、1989年、北野武初監督作品。主人公:我妻(たけし)は過激な仕事ぶりで札付きの暴力刑事だが、心根は真面目で孤独な男だ。だが、親しかった上司の裏切り、唯一の家族が精神病・・・我妻は次第に追い詰められ、覚醒剤の売人とのやりとりのうち、暴走していく。最後は刑事の職を追われ、違法に銃を買い、破滅するまで究極の暴力は止まらない。

冒頭から暴力シーン連続。殴る、倒れたところを何度も蹴り続ける、頭突き、ナイフでめった刺し、バットで頭をかち割る・・・などなど。昭和の映画ならこれくらいは、当たり前だったよなあ、と思いつつ、ホントに容赦なくぶつかり合って血を見る場面には ひえー、もういいでしょ、、、勘弁してよ、と見てる方も思ってしまう。

しかし、その暴力には理由がある。最近の通り魔犯罪にありがちな「誰でも良かった」とか、「キレて衝動的にやった」などという暴力とは異質だ。我妻のやるせない思い、湧き上がる怒りといったものが暴力として現れているのだ。
この映画は非常にテンポが速い。状況説明も省略が多く、主人公の内面を見せるシーンはほんの一瞬の表情であったり、それすらなく想像するしかないまま、話が展開していく。まったりと情緒的なシーンの多い邦画の中では異色だろう。

そこは北野武の才能だと思う。そのクールな手法がより我妻のやるせない暴走を説得力あるものにしていて、心に残った。

ついでに言えば、若い頃のたけしは男前である。ハードボイルドをやる資格は十分以上にあった。




長い旅だった。
『指輪物語』 評論社文庫、9巻+追補版(索引)の全10巻。
これは、世界を手に入れられるほど強い魔力を持つ「指輪」をめぐる物語だ。指輪を持つホビット(小人)族と仲間たちが故郷を出て、指輪を滅ぼす使命を授けられ、それを果たして帰還するまでの旅だった。
ファンタジーのバイブルと言われる作品なので、義務感でもって、物凄い勢いで飛ばして読み始めたのが……いつの間にか物語世界に引きこまれているのを自覚した。

池澤夏樹いわく、「小説の面白さというのは、一旦読み始めたら、延々と読んで、読んで、それでもまだ続いて、最後に『ああ、終わった』と思うような、そういう作にあると、」 (世界文学を読みほどく 新潮選書)

なるほど、そうかもしれない。読後10日ほどたった今、「思い返すといろいろなことがあったなあ」というような、感慨をもっている。追手があり、頼れる仲間がいて、味方に出会い、戦いがあり、いろいろな世界を通り抜け……。「ナルニア国」からクロゼットを通って帰ってきた子どもたちのように、「あの世界」のことを懐かしく思う。

よく言われように、この作品は世界観がすごい。巻末の「著者ことわりがき」を読んで納得がいった。「1936年から1949年にかけては、おりおりにしか執筆を進めることができなかった」と書いているが、言語学者としての本業が忙しかったからだけではない。この世界で使われる「エルフ語」をつくり上げることが元々の著者の目的であり、また、この世界の古代から盛時にかけての物語を整理することを、先に行ったからだ。

つまり、この『指輪物語』と、これより先に出版された作品『ホビット』は、この世界の終末期にあたる物語だ、というのだ。ゆえに、『指輪物語』のはしばしに、過去の記憶が伝承として現れる。それが何だか非常に気になってしまう。

たとえば、私が印象に残ったのは「エント」という木の精と守人の中間のような種族。昔々はエント女がいた。今はいないから、エントっ子が生まれなくなってしまったと嘆く。なんでエント女がいなくなったかというと……  きりがないので説明は省くが、エント女が戻るあてはないのか、ホビットはエント女に伝言を伝えてやれたのか、いまだに気になる。

この作品は、古きよき英国風で正統派ファンタジーの名に恥じない名作だと思う。ハリー・ポッターなどは英語で読んでも「少年ジャンプ」みたいな感じがするのだが、これは世界観だけでなく、人物(妖精その他)造形もエピソードにも深みがある。多少、描写がくどい、とか、長い、とか思ってしまったところもあるけれど……その苦労も、読み終えたなら、報われるのだ。

11/30・12/1 二夜連続放送されたドラマ『オリンピックの身代金』。1964年の東京オリンピックの話です。
戦後から立ち上がった日本の繁栄と、その影。高度成長期と学生運動という時代を描きながら、今日的なテーマも含んでいると思います。
ものすごーーーーく、いいドラマでした。良質な映画のような、手抜きのない素晴らしい出来ばえだと思います。
キャストは驚くほど豪華。なんでもっとネットで噂にならなかったのか、不思議です。
それぞれの俳優がいい味を出していて、演技も「うまい!!!!」とうなるシーンの連続・・・・
刑事(竹野内 豊)の視点から描かれた、まじめな東大生(松山ケンイチ)がテロに走る経緯と結末を追う物語です。

竹野内は相変わらず青年らしく一本気な感じでいいですね。
何より素晴らしいのは、真の主人公:東大生の松ケン!!!! この人の演技は本当に、本物です。『デス・ノート』のころからタダモノではなかったけど、今回はよりリアルに、人間の内面の変化を微妙な表現で演じています。この顔を拝むだけでも、泣ける。今後も松ケンによい脚本を!と願います。
なんでもやってしまう俳優さんのようなので、活かすも殺すも脚本次第ですよね・・・(平清盛がいい例です)

そして脇には笹野高史、あまり好きではない俳優さんですが、今回はやっぱりうまい演技でいい味でてます。
黒木メイサ→昭和な感じが意外に美しかった。
桐谷健太→分厚いメガネでほとんど桐谷とわかりません。でも好演だった。斉藤工、大滝連、他もぞろぞろといい役者が出揃ってます。

このまま話題にならないのは、本当にもったいないドラマです。ぜひ再放送、再々放送してほしいと思います。
今のところオンデマンドもないし、フリー動画は削除されてるし、ブルーレイもまだ・・・
「どうすんのっテレビ朝日! 商売ヘタなんじゃないのっ」 って思っちゃいますねえ。なんか予定あるのかな?

原作はこちら
オリンピックの身代金 上 角川文庫 【文庫】
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