私、社長ではなくなりました。ワイキューブとの7435日/安田佳生
時間がないのでメモだけ。
ワイキューブという会社を立ち上げて好き放題やった元リクルート出身社長の思い出語り。
割と面白かった。
文面だけ見ると、何このダメ人間、と誰しも一瞬思うだろうが、それはビックリするほどぶっちゃけて本心を書いているからだろう。例え最後は破綻したとしても20年も企業を維持するというのは並の才能ではできない事だ。
一つだけ思うのは、自分がどうなりたい、という願いはあっても、他人や社会がどうなって欲しいという理念が全くない点が問題だろう。成功して会社を大きくして仲間に取り囲まれて経済的に豊に暮らしたい。ただそれだけの人。
社長、経営者、マネジャー。それは真に孤独な役割であって、組織に仲間を求めてはいけない。慕われる事は素晴らしいが、慕われる事を希求してはいけない。それが手本にしたリクルートとの差だったのでは。壮大な資金を投じた学生サークルという印象。
企業というのは、成長時には資金繰りがすごく楽なので割合簡単に経営できる。今日のコストを払うのに、今日の売上ではなく、払う時点での成長して増えた売上で払う事で、実際より利益が大きく感じるからだ。融資も簡単だしね。で、何時までもこれが続くと思っていると、反転時にいっぺんに潰れる。縮小時には逆に資金繰りが倍厳しいからだ。昔の過大なコストを、減ってしまった今日の売上で払わなければならない訳である。ずぼらな個人商店などは、下手をすると成長が止まっただけで潰れる程だ。とまあ、破綻する企業の基本パターン通りの展開で、そういう意味ではあまり面白みはなかった。

安田佳生
私、社長ではなくなりました。ワイキューブとの7435日
ワイキューブという会社を立ち上げて好き放題やった元リクルート出身社長の思い出語り。
割と面白かった。
文面だけ見ると、何このダメ人間、と誰しも一瞬思うだろうが、それはビックリするほどぶっちゃけて本心を書いているからだろう。例え最後は破綻したとしても20年も企業を維持するというのは並の才能ではできない事だ。
一つだけ思うのは、自分がどうなりたい、という願いはあっても、他人や社会がどうなって欲しいという理念が全くない点が問題だろう。成功して会社を大きくして仲間に取り囲まれて経済的に豊に暮らしたい。ただそれだけの人。
社長、経営者、マネジャー。それは真に孤独な役割であって、組織に仲間を求めてはいけない。慕われる事は素晴らしいが、慕われる事を希求してはいけない。それが手本にしたリクルートとの差だったのでは。壮大な資金を投じた学生サークルという印象。
企業というのは、成長時には資金繰りがすごく楽なので割合簡単に経営できる。今日のコストを払うのに、今日の売上ではなく、払う時点での成長して増えた売上で払う事で、実際より利益が大きく感じるからだ。融資も簡単だしね。で、何時までもこれが続くと思っていると、反転時にいっぺんに潰れる。縮小時には逆に資金繰りが倍厳しいからだ。昔の過大なコストを、減ってしまった今日の売上で払わなければならない訳である。ずぼらな個人商店などは、下手をすると成長が止まっただけで潰れる程だ。とまあ、破綻する企業の基本パターン通りの展開で、そういう意味ではあまり面白みはなかった。
驚きの介護民俗学/六車由実
時間がないのでメモだけ。
一昨年読んだ宮本常一の本がすごく面白かったと言う事はあるが、それでも別段民俗学に興味を持った訳ではない。が、この本も書評が良かったので読んでみた。
書名から一見、日本の社会では、古来、老人介護をどのように行ってきたのか、その、「介護」の民俗学だと思ってしまうかも知れないがそういう内容の本ではない。
民俗学では、人々の何気ない普段の暮らしに迫る。当たり前の暮らしの当たり前の事柄だから、取り立てて記録にも残らない事も多い。昔の些事など皆忘れてしまうだろう。だから民俗学では、ムラの古老に話を聞くのが研究の基本だ。
ところで現代の高齢化社会では、古老はムラには居ない事も多い。現代では老人は介護施設に居るのである。
ならば、現代の民俗学のフィールドとすべきムラとは、介護の現場をもってターゲットとすべきではないか?
これがこの本の「介護民俗学」の意味である。
バリバリの若手民俗学研究者として大学で教えていた著者は、こうして一介の職員として介護の現場に飛び込み、介護とフィールドワークの融合を目指して奮闘しているのだ。
大変面白い本である。
自身の信条に沿った行動力が素晴らしいと思う。そして見え隠れする研究者としての性、ケアと自己満足のせめぎ合いなど、実に読み応えのある内容だ。もちろん、民俗学者の視点のみならず、介護職員の視点もキチンと踏まえた記述も十分。ワクワクとする心情の表現など、文体もかなり読ませると思う。
介護の現場が民俗学にとってメリットがあるというだけではなく、民俗学的な聞き取りを通じた研究者と要介護者とのコミュニケーションが、介護的にも療養効果があるかもという点が非常に興味深い。

六車由実
驚きの介護民俗学
一昨年読んだ宮本常一の本がすごく面白かったと言う事はあるが、それでも別段民俗学に興味を持った訳ではない。が、この本も書評が良かったので読んでみた。
書名から一見、日本の社会では、古来、老人介護をどのように行ってきたのか、その、「介護」の民俗学だと思ってしまうかも知れないがそういう内容の本ではない。
民俗学では、人々の何気ない普段の暮らしに迫る。当たり前の暮らしの当たり前の事柄だから、取り立てて記録にも残らない事も多い。昔の些事など皆忘れてしまうだろう。だから民俗学では、ムラの古老に話を聞くのが研究の基本だ。
ところで現代の高齢化社会では、古老はムラには居ない事も多い。現代では老人は介護施設に居るのである。
ならば、現代の民俗学のフィールドとすべきムラとは、介護の現場をもってターゲットとすべきではないか?
これがこの本の「介護民俗学」の意味である。
バリバリの若手民俗学研究者として大学で教えていた著者は、こうして一介の職員として介護の現場に飛び込み、介護とフィールドワークの融合を目指して奮闘しているのだ。
大変面白い本である。
自身の信条に沿った行動力が素晴らしいと思う。そして見え隠れする研究者としての性、ケアと自己満足のせめぎ合いなど、実に読み応えのある内容だ。もちろん、民俗学者の視点のみならず、介護職員の視点もキチンと踏まえた記述も十分。ワクワクとする心情の表現など、文体もかなり読ませると思う。
介護の現場が民俗学にとってメリットがあるというだけではなく、民俗学的な聞き取りを通じた研究者と要介護者とのコミュニケーションが、介護的にも療養効果があるかもという点が非常に興味深い。
3DS/CUBEタクティクス/peakvox
3D空間でのキューブマップ上で展開されるタワーディフェンス風のRTS。
Wifiマルチ対戦可能という事で期待してDLしたが、当てが外れてガッカリ。
ゲームのルールは、自分のコアキューブを破壊されないように守りながら、敵のコアを破壊した方が勝ち、というシンプルなもの。
操作も、リストから置きたいキューブを選択して、配置するだけという簡単なもの。
キューブはどこにでも置ける訳ではなく、コアから繋がる自陣のキューブに接する空間にのみ設置する事が可能だ。
キューブには、草原などの単なる移動用の空き地から、ナイトを生み出す小城、アーチャーを生み出すキャンプなど、様々な兵種ユニットの生産キューブが揃っている。キューブから生産された兵種ユニットはちょこまかとキューブを伝って移動し、自動的に敵兵や敵キューブを攻撃してくれる。
画面上部には、そのマップで使用可能なキューブがランダムに5個並んでいるので、ライバルと共通のリストからそれらブロックを奪い合い、兵力と領地を拡大してゆくのが基本操作だ。もちろんキューブはむやみに設置できる訳ではなく、時間回復するエネルギーを消費してキューブを「購入」する必要がある。当然強力なキューブほどエネルギー消費が大きくむやみには設置できない。
同種のキューブを2×2に4つ並べるとさらに強力な上級ユニットを生産できる上級キューブに成長するギミックが特徴。一旦置いたキューブは移動できず破壊も難しいので、展開を読みながら適切にキューブを配置し、上手く成長させていく事が重要だ。
モードも色々あり、お題クリア型のシングルプレイは非常に楽しい。トロフィー条件も結構厳しくやり応えがある。
が、期待していた肝心の対人マルチ対戦が、全くのダメダメだった。
ネット対戦ではかなりラグラグになる操作感には目をつぶったとして、システム自体がそもそもダメだったのだ。
では、どこがダメなのか?
上記に書いたように、このゲームでは、画面上部にランダムに現れる5つのキューブリストから、希望のキューブを素早くゲットし、配置する事が肝要だ。もたもたしていてろくなキューブがゲットできなければいずれは死を待つのみであることは想像に難くないであろう。
そしてこのキューブ配給システムの仕様は下記の通りだ。
・キューブはランダムに5個リストアップされる。
・自分も敵も、おなじリストから早い者勝ちでキューブをゲットする。
・誰かがゲットして空いたリストの穴には、新たにランダムでキューブが補充される。
・誰かがゲットするまでは、リストのキューブは、永遠にそのままだ。
・一旦キューブをリストからゲットすると、設置するにしろキャンセル廃棄するにしろ、一定時間は次のキューブをゲットできない(エネルギー残とは無関係に)。
すると、どういう事になるか容易に想像できるだろう。
例えば、草原や道路のキューブなど攻撃力の発生しないどうでも良いキューブがずらっと5個並んだとしよう。
こうしたあまり役に立たないキューブは使用頻度が低いので、選ばれずに貯まって行き、どのようなプレイでもいずれはそういう状態に到達する。
すると、ここで膠着状態が発生する。
マルチプレイヤーが全員、不要な草原キューブを前に、止まってしまうのだ。
しかし戦場はリアルタイムに動いている。
やむなく劣勢のプレイヤーAが、ゲット&即捨てしてリストを更新しようと膠着状態の打破を計る。
空いたリストには、ランダムで新キューブが登場。価値の高いユニットキューブが補充される場合もある。
しかし、プレイヤーAは、制限があってすぐにはこのキューブをゲットできない。それを尻目に、悠々と高価値キューブをゲットして配置するプレイヤーB。不要なら配置せず捨てても良い訳だ。そしてリストに草原が出ればまた膠着状態。
このように、先手が必ず損をするシステムでは、キューブリストが膠着状態になりやすく、つまり、双方待ちプレイでじわじわと戦況が傾いていくのを待つだけのゲームになってしまう。
と言う事で、仲間内でのマルチプレイを数回やっただけで、なんぞこれ、という事でこのゲームは終了となった。
せめてキューブリストが時間でどんどんエクスパイアされていくなどして欲しかった。この1点だけ調整するだけでガラッと違うゲームになったろうに。テストプレイをしていないのだろうか、と空しい問いだけが残ったのだった。
繰り返すが、シングルプレイはそこそこ面白いので、一通りクリアまでは遊んでみるつもり。
Wifiマルチ対戦可能という事で期待してDLしたが、当てが外れてガッカリ。
ゲームのルールは、自分のコアキューブを破壊されないように守りながら、敵のコアを破壊した方が勝ち、というシンプルなもの。
操作も、リストから置きたいキューブを選択して、配置するだけという簡単なもの。
キューブはどこにでも置ける訳ではなく、コアから繋がる自陣のキューブに接する空間にのみ設置する事が可能だ。
キューブには、草原などの単なる移動用の空き地から、ナイトを生み出す小城、アーチャーを生み出すキャンプなど、様々な兵種ユニットの生産キューブが揃っている。キューブから生産された兵種ユニットはちょこまかとキューブを伝って移動し、自動的に敵兵や敵キューブを攻撃してくれる。
画面上部には、そのマップで使用可能なキューブがランダムに5個並んでいるので、ライバルと共通のリストからそれらブロックを奪い合い、兵力と領地を拡大してゆくのが基本操作だ。もちろんキューブはむやみに設置できる訳ではなく、時間回復するエネルギーを消費してキューブを「購入」する必要がある。当然強力なキューブほどエネルギー消費が大きくむやみには設置できない。
同種のキューブを2×2に4つ並べるとさらに強力な上級ユニットを生産できる上級キューブに成長するギミックが特徴。一旦置いたキューブは移動できず破壊も難しいので、展開を読みながら適切にキューブを配置し、上手く成長させていく事が重要だ。
モードも色々あり、お題クリア型のシングルプレイは非常に楽しい。トロフィー条件も結構厳しくやり応えがある。
が、期待していた肝心の対人マルチ対戦が、全くのダメダメだった。
ネット対戦ではかなりラグラグになる操作感には目をつぶったとして、システム自体がそもそもダメだったのだ。
では、どこがダメなのか?
上記に書いたように、このゲームでは、画面上部にランダムに現れる5つのキューブリストから、希望のキューブを素早くゲットし、配置する事が肝要だ。もたもたしていてろくなキューブがゲットできなければいずれは死を待つのみであることは想像に難くないであろう。
そしてこのキューブ配給システムの仕様は下記の通りだ。
・キューブはランダムに5個リストアップされる。
・自分も敵も、おなじリストから早い者勝ちでキューブをゲットする。
・誰かがゲットして空いたリストの穴には、新たにランダムでキューブが補充される。
・誰かがゲットするまでは、リストのキューブは、永遠にそのままだ。
・一旦キューブをリストからゲットすると、設置するにしろキャンセル廃棄するにしろ、一定時間は次のキューブをゲットできない(エネルギー残とは無関係に)。
すると、どういう事になるか容易に想像できるだろう。
例えば、草原や道路のキューブなど攻撃力の発生しないどうでも良いキューブがずらっと5個並んだとしよう。
こうしたあまり役に立たないキューブは使用頻度が低いので、選ばれずに貯まって行き、どのようなプレイでもいずれはそういう状態に到達する。
すると、ここで膠着状態が発生する。
マルチプレイヤーが全員、不要な草原キューブを前に、止まってしまうのだ。
しかし戦場はリアルタイムに動いている。
やむなく劣勢のプレイヤーAが、ゲット&即捨てしてリストを更新しようと膠着状態の打破を計る。
空いたリストには、ランダムで新キューブが登場。価値の高いユニットキューブが補充される場合もある。
しかし、プレイヤーAは、制限があってすぐにはこのキューブをゲットできない。それを尻目に、悠々と高価値キューブをゲットして配置するプレイヤーB。不要なら配置せず捨てても良い訳だ。そしてリストに草原が出ればまた膠着状態。
このように、先手が必ず損をするシステムでは、キューブリストが膠着状態になりやすく、つまり、双方待ちプレイでじわじわと戦況が傾いていくのを待つだけのゲームになってしまう。
と言う事で、仲間内でのマルチプレイを数回やっただけで、なんぞこれ、という事でこのゲームは終了となった。
せめてキューブリストが時間でどんどんエクスパイアされていくなどして欲しかった。この1点だけ調整するだけでガラッと違うゲームになったろうに。テストプレイをしていないのだろうか、と空しい問いだけが残ったのだった。
繰り返すが、シングルプレイはそこそこ面白いので、一通りクリアまでは遊んでみるつもり。
先週読んだ漫画 13/6/2-6/8
●ナルト 36巻/岸本斉史

ページがベタッとして作画レベルが落ちてる感じ。が、ストーリー内容的にはやや上昇か。若干次巻に期待をもてる感じ。
●お伽もよう綾にしき 2巻/ひかわきょうこ

おじゃる様と新九郎との関係がぼんやりと浮かび上がってくる。見ず知らずの男をととさまと呼んで慕う幼子だったすず。そのすずが成長した様をおじゃる様を通じて見聞きし、とまどう新九郎の意識。そして、ととさまという呼称に込めた慕情が、一人の男性への想いであった事にいまだ気づかないままのすず。こうしてファザコン型ラブロマンスへと突入の様子。敵方ライバルと目されていた現八郎は、まあ当初からやられっぱなしだったが、それよりも奴の妹の八重が真の敵として台頭する予感。
●ケロロ軍曹 9-10巻/吉崎観音

相変わらずの素晴らしい筆致。パロディとギャグ、そして絵の魅力。でも、それだけではそろそろマンネリかな…。そう思っていた矢先、来ました10巻。うだうだとサザエさん化する事もできるのに、ここで心機一転のストーリー進展は正直予想していなかったのでビックリ。ケロン軍の大侵攻に地球の運命やいかに。次巻以降の展開に目が離せない。
ページがベタッとして作画レベルが落ちてる感じ。が、ストーリー内容的にはやや上昇か。若干次巻に期待をもてる感じ。
●お伽もよう綾にしき 2巻/ひかわきょうこ
おじゃる様と新九郎との関係がぼんやりと浮かび上がってくる。見ず知らずの男をととさまと呼んで慕う幼子だったすず。そのすずが成長した様をおじゃる様を通じて見聞きし、とまどう新九郎の意識。そして、ととさまという呼称に込めた慕情が、一人の男性への想いであった事にいまだ気づかないままのすず。こうしてファザコン型ラブロマンスへと突入の様子。敵方ライバルと目されていた現八郎は、まあ当初からやられっぱなしだったが、それよりも奴の妹の八重が真の敵として台頭する予感。
●ケロロ軍曹 9-10巻/吉崎観音
相変わらずの素晴らしい筆致。パロディとギャグ、そして絵の魅力。でも、それだけではそろそろマンネリかな…。そう思っていた矢先、来ました10巻。うだうだとサザエさん化する事もできるのに、ここで心機一転のストーリー進展は正直予想していなかったのでビックリ。ケロン軍の大侵攻に地球の運命やいかに。次巻以降の展開に目が離せない。
心を生みだす遺伝子/G・マーカス/大隈典子
大変面白かった。
特に驚くような事が書いてある訳ではない。
「こころ」を含めた人間の精神活動は脳という器官で生み出されている。
そして、脳を含めたヒトの体は、すべて内在する遺伝子の指示を受けてたった一つの受精卵より発生する。
ならば、「こころ」のありようの幾ばくかは、固有の遺伝子に影響を受けること大であっても不思議ではない。
という話である。
むしろ、精神と肉体の二元論を好み、人間の精神は自由なのだと、古くさい趣向にしがみついている人がいかに多いのかという事を、上記の説の懇切丁寧過ぎるほどの展開で逆にしみじみ理解した。
少し前に読んだ、「かたち:自然が創り出す美しいパターン 」を一緒に読むと、自然が僅かな要素から如何に複雑な構造を創出するかが分かってより楽しめると思う。

大隈典子
心を生みだす遺伝子
特に驚くような事が書いてある訳ではない。
「こころ」を含めた人間の精神活動は脳という器官で生み出されている。
そして、脳を含めたヒトの体は、すべて内在する遺伝子の指示を受けてたった一つの受精卵より発生する。
ならば、「こころ」のありようの幾ばくかは、固有の遺伝子に影響を受けること大であっても不思議ではない。
という話である。
むしろ、精神と肉体の二元論を好み、人間の精神は自由なのだと、古くさい趣向にしがみついている人がいかに多いのかという事を、上記の説の懇切丁寧過ぎるほどの展開で逆にしみじみ理解した。
少し前に読んだ、「かたち:自然が創り出す美しいパターン 」を一緒に読むと、自然が僅かな要素から如何に複雑な構造を創出するかが分かってより楽しめると思う。
先週読んだ漫画 13/5/26-6/1
●プレイボール 1-3巻/ちばあきお

文庫の3冊を職場で見かけて、懐かしかったので拾って帰ってすぐに読んでしまった。天才とはどれだけ対象に食い下がれるかという能力である、ということを谷口少年は教えてくれる。しかし、この、40年前の漫画に登場する野球バカの高校生と、現在の、例えば最も軟派な少女漫画に登場する高校生とのギャップには、凄まじいものがある。世相を忠実に切り取ったゆえの非現実性に対し、この古くさく泥臭い理想化された現実性を内在させた表現の輝きは、今後も決して廃れる事はないだろうとつくづく思った。それにしても、この多作な作家が享年41才と知って驚いた。
●レディ・ローズ/文月今日子

禁酒法時代のアメリカを舞台に、テキサスの元大地主の娘で、直情実行、男勝りのベルベットを主人公にしたドタバタコメディ。ちなみに、ローズとは、ベルベットに輪をかけたような性格の彼女の母である。坂田靖子によく似た画風で、まあまあ普通の内容か。画面構成力は今ひとつ。
●パタリロ! 13巻/魔夜峰央

今巻もまあそこそこ。ベルサイユのヒマワリは忠誠の木とほぼ同じプロットで果たして別に存在する意義があるかどうか。ザカーリ再登場。あとは江戸もの、プララと、とくに山はなく。
文庫の3冊を職場で見かけて、懐かしかったので拾って帰ってすぐに読んでしまった。天才とはどれだけ対象に食い下がれるかという能力である、ということを谷口少年は教えてくれる。しかし、この、40年前の漫画に登場する野球バカの高校生と、現在の、例えば最も軟派な少女漫画に登場する高校生とのギャップには、凄まじいものがある。世相を忠実に切り取ったゆえの非現実性に対し、この古くさく泥臭い理想化された現実性を内在させた表現の輝きは、今後も決して廃れる事はないだろうとつくづく思った。それにしても、この多作な作家が享年41才と知って驚いた。
●レディ・ローズ/文月今日子
禁酒法時代のアメリカを舞台に、テキサスの元大地主の娘で、直情実行、男勝りのベルベットを主人公にしたドタバタコメディ。ちなみに、ローズとは、ベルベットに輪をかけたような性格の彼女の母である。坂田靖子によく似た画風で、まあまあ普通の内容か。画面構成力は今ひとつ。
●パタリロ! 13巻/魔夜峰央
今巻もまあそこそこ。ベルサイユのヒマワリは忠誠の木とほぼ同じプロットで果たして別に存在する意義があるかどうか。ザカーリ再登場。あとは江戸もの、プララと、とくに山はなく。
PS3/ドラゴンズドグマ:ダークアリズン/カプコン
先日義弟と次世代機などについてダベっていて、そういえば折角買ったPS3だったが、ガッツリ遊んだ現世代機ゲームの大作ってあまり無いなあ、という話になった。
彼は叩き上げのゲーマーだったが、昔は随分のめり込み情熱を注いだゲームへの興味も、最近ではどちらかというと即興的な楽しみを重視し、時間が掛かったり複雑で面倒な遊びは避けるような傾向があった。そもそもゲームに割ける時間自体も減っているようだ。年相応の変化と言えばそうなのだろうが、いちゲームフレンドとしては寂しさも若干感じていた。
しかし、昨秋頃、ドミニオンにハマった時分からか、フットワーク軽くいろいろとゲームを購入したりして、彼のゲームへの情熱は再び勢いを盛り返してきていたようだ。
数年前に大作という事で購入したFF13も途中まではプレイしたようだが、あのプレイアビリティをもってしても、結局投げてしまっている(うちではこれを借りてクリアした訳だ)。他に、遊びやすく大作感も得られるゲームって何だろう。
大作といえば筆頭はオープンワールド系だろうが、オープンワールドは大概地味で単調なので、義弟なら絶対に途中で飽きるだろう、という確信があった。それなら、むしろ、一見オープンワールドRPGに見えて、その実はアクションであるという噂のドラゴンズドグマを薦めてみた訳だ。個人的にもいつかはプレイしたいと思っていたゲームである。丁度先日機能強化版が発売されたばかりで、PS3なら体験版も配信しているので、試しにやってみようか、という事になった。
そうしたら2日もしないうちに、面白いから買おうぜ、と即答が。へえ、気に入ったんだと喜んだが、よく聞いてみると、5時間ほど掛けて体験版をやり尽くしたと知って驚愕。あの義弟がハマるとは相当だ。慌てて体験版をすっ飛ばしてDL版を購入した訳である。
さて、そうしてプレイしてみると、確かに面白い。
世界を滅ぼすというドラゴンの目覚め。そのドラゴンに襲われ心臓を奪われた事で「覚者」としての運命を背負わされた主人公は、覚者としての特別な能力を用いて、ポーンと呼ばれる異世界の従者を率い、ドラゴンから心臓を取り戻すための、そして世界を救うための旅が始まる…、という様な出だし。
このゲームの肝は2つあって、まず一つは上記のポーン。
基本的にオフラインゲームであるドラゴンズドグマでは、主人公と行動を共にし助けてくれる仲間がポーンである。これは異世界から呼び出された戦闘に特化した人間もどき、というような設定で、知能はあるが感情は極薄い、という存在である。自分専用にエディットしたメインポーンと、ネット経由で他のユーザから借りるサブポーンを組合せ、最大4人までのパーティを組んで冒険する。ポーンのレベルやアビリティ、そしてAIをどれだけ鍛えるかがゲーム進行の鍵となる訳だ。このポーン達がしゃべくりながら一生懸命考えて戦ったりアイテムを拾ったりアドバイスしてくれたりと、にぎやかな感じが好印象だ。
2つ目は、カプコンという事でも分かる通り、アクション重視という点。オブリビオンの超単調な戦闘に比べると華々しさは段違いだ。冒頭のチュートリアルで戦うキメラ戦などでも、部位を狙ったり、倒れた際に追撃したり、体躯にしがみついてよじ登って攻撃したりと、プチワンダと巨像のような印象だった。隙の大きな必殺技などが多数あり、敵の攻撃パターンを読んで攻守の作戦を練る所などもモンハンのようである。こうした多彩なアクションを楽しませる為にも、三人称視点が活きている。
取り敢えずまだ10時間弱程度しかプレイしていないが大変楽しい。フレンドとポーンを貸し借りしていると思うとプレイの励みにもなるね。
リアル、を追求したオブリビオンに対して、ドラゴンズドグマでは、ゲーム、を追求した感がある。
あと、上記でも書いたが、プレイの雰囲気が非常にモンハンに似ている。最初の村を出た辺りの風景とかアイテム採集の印象などは、モンハン3を彷彿とさせて懐かしさを覚えたほどだ。
また遊び込んだらレポートしたい。

カプコン
ドラゴンズドグマ:ダークアリズン
彼は叩き上げのゲーマーだったが、昔は随分のめり込み情熱を注いだゲームへの興味も、最近ではどちらかというと即興的な楽しみを重視し、時間が掛かったり複雑で面倒な遊びは避けるような傾向があった。そもそもゲームに割ける時間自体も減っているようだ。年相応の変化と言えばそうなのだろうが、いちゲームフレンドとしては寂しさも若干感じていた。
しかし、昨秋頃、ドミニオンにハマった時分からか、フットワーク軽くいろいろとゲームを購入したりして、彼のゲームへの情熱は再び勢いを盛り返してきていたようだ。
数年前に大作という事で購入したFF13も途中まではプレイしたようだが、あのプレイアビリティをもってしても、結局投げてしまっている(うちではこれを借りてクリアした訳だ)。他に、遊びやすく大作感も得られるゲームって何だろう。
大作といえば筆頭はオープンワールド系だろうが、オープンワールドは大概地味で単調なので、義弟なら絶対に途中で飽きるだろう、という確信があった。それなら、むしろ、一見オープンワールドRPGに見えて、その実はアクションであるという噂のドラゴンズドグマを薦めてみた訳だ。個人的にもいつかはプレイしたいと思っていたゲームである。丁度先日機能強化版が発売されたばかりで、PS3なら体験版も配信しているので、試しにやってみようか、という事になった。
そうしたら2日もしないうちに、面白いから買おうぜ、と即答が。へえ、気に入ったんだと喜んだが、よく聞いてみると、5時間ほど掛けて体験版をやり尽くしたと知って驚愕。あの義弟がハマるとは相当だ。慌てて体験版をすっ飛ばしてDL版を購入した訳である。
さて、そうしてプレイしてみると、確かに面白い。
世界を滅ぼすというドラゴンの目覚め。そのドラゴンに襲われ心臓を奪われた事で「覚者」としての運命を背負わされた主人公は、覚者としての特別な能力を用いて、ポーンと呼ばれる異世界の従者を率い、ドラゴンから心臓を取り戻すための、そして世界を救うための旅が始まる…、という様な出だし。
このゲームの肝は2つあって、まず一つは上記のポーン。
基本的にオフラインゲームであるドラゴンズドグマでは、主人公と行動を共にし助けてくれる仲間がポーンである。これは異世界から呼び出された戦闘に特化した人間もどき、というような設定で、知能はあるが感情は極薄い、という存在である。自分専用にエディットしたメインポーンと、ネット経由で他のユーザから借りるサブポーンを組合せ、最大4人までのパーティを組んで冒険する。ポーンのレベルやアビリティ、そしてAIをどれだけ鍛えるかがゲーム進行の鍵となる訳だ。このポーン達がしゃべくりながら一生懸命考えて戦ったりアイテムを拾ったりアドバイスしてくれたりと、にぎやかな感じが好印象だ。
2つ目は、カプコンという事でも分かる通り、アクション重視という点。オブリビオンの超単調な戦闘に比べると華々しさは段違いだ。冒頭のチュートリアルで戦うキメラ戦などでも、部位を狙ったり、倒れた際に追撃したり、体躯にしがみついてよじ登って攻撃したりと、プチワンダと巨像のような印象だった。隙の大きな必殺技などが多数あり、敵の攻撃パターンを読んで攻守の作戦を練る所などもモンハンのようである。こうした多彩なアクションを楽しませる為にも、三人称視点が活きている。
取り敢えずまだ10時間弱程度しかプレイしていないが大変楽しい。フレンドとポーンを貸し借りしていると思うとプレイの励みにもなるね。
リアル、を追求したオブリビオンに対して、ドラゴンズドグマでは、ゲーム、を追求した感がある。
あと、上記でも書いたが、プレイの雰囲気が非常にモンハンに似ている。最初の村を出た辺りの風景とかアイテム採集の印象などは、モンハン3を彷彿とさせて懐かしさを覚えたほどだ。
また遊び込んだらレポートしたい。
先週読んだ漫画 13/5/19-5/25
●今日から俺は!! 1巻/西森博之

著者初期の作風がかなり直近と異なっており、あれこんなんだったかなと違和感。この1巻のもう少し後ぐらいから連載を読んでいたと思うのだが。珠玉の近作を読みつけた目からすると、イマイチ感はやむを得ないだろうが…。まあ、機会があれば続きも読むか。読者の期待を超える三橋の卑怯ぶりなどは流石。
●本屋の森のあかり 8巻/磯谷友紀

杜三のソウル支店奮闘記をメインに、あかり、緑くん、潮見の四つ巴恋愛バトル(と思っているのは潮見だけか)。正直、あかりには杜三と緑くんと、どっちが合っているのか読者は悩むだろう。この辺の両天秤具合が本書の魅力であろうか。もちろん、本屋業界本としての本好きに対する訴求力は相変わらずでその点も安心してよいl。
●神様はじめました 9巻/鈴木ジュリエッタ

積み本消化で久々にシリーズを手に取った。久々過ぎてすっかり話を忘れていた。読めば読んだで確かに面白いが、なんか平凡な感じであまり心惹かれず。今巻はほぼクラマの話。巴衛のヤキモチはちょっと露骨かな。一応次巻も読んでみるか。
●お伽もよう綾にしき 1巻/ひかわきょうこ

新規開拓で妻が借りてきたのをご相伴。中世日本の物の怪歴史ロマン、と言う感じ。もののけを使役する術者の才を秘めた主人公の少女すず。強大な敵に立ち向かい9年前に姿を消したすずの父(養父)。その父の形見とも言える笛より現れるは、父によく似た、そして記憶を失った、公家姿の屈強の術者であった。ピンチを救ってくれたものの言う事を聞かない半もののけの彼に「おじゃる様」ととっさに名付けてしまい、名付けの力で公家様はすずの支配下に。こうしてすずとおじゃる様との珍道中がはじまる。おじゃる様と父との関係は…。立ち現れる敵の正体は…。という様な話。犬夜叉とヒカルの碁をミックスしたような雰囲気か。取り敢えず2巻を読んでみようか。
●ナルト 35巻/岸本斉史

前巻読んでどうなるかと思っていたが、予想よりは読める感じ。可も不可もなくか。ただ、人柱力は登場即でバタバタ倒されるわ、ナルトの修行は裏技でインフレするわで、構造的にちょっと先行き不安。サスケへのしつこい想いだけではそろそろ読者にも脱落者が出るだろう。
●絶対可憐チルドレン 13-15巻/椎名高志

アニメ兵部恭介以後読んでなかったので、再開。すると、アニメとは無関係だろうが、以前と比べて、かなり筆が乗ってきたというか、実に漫画の魅力が増していて驚いた。元々好きだったがさらにポイントアップした感じ。特に紫穂を筆頭にチルドレンの描き込みが充実しキャラの心情描写が深化。また一方でパロディやギャグもきっちり描いており、実に隙のない構成。今後がますます楽しみなところでチルドレン達は小学校卒業だ。
●道士郎でござる 4-7巻/西森博之

最高。今読んでいる中では一番面白い。と言っても、基本的な所は前作の天使な小生意気と同じか。「天こな」が貫く意志の強さをメインテーマとしてゲンゾーを中心にめぐ団の活躍を描いたとするなら、今作では、もちろん道士郎の圧倒的強さや武士キャラの特異性を前面に押し出しているのだけど、それよりも、道士郎が殿と慕う全くの凡人「健介」を裏の主人公としてフォーカスしているところが実に興味深い。天こなでの藤木に相当する健介を通じて、誰にもない特別なチカラとは、実は誰でも持っているチカラなんだ、という真理を描く。そしてもちろん、持っているからといって誰でも使える訳でもない、と言うところも含め。いずれにせよ藤木ファンの自分としては、待っていた、という歓喜の漫画。ただ、全8巻と次巻で終わっちゃうんだよね。結局、スケールアウトしてゆくとチカラの構造がやがては限界を迎えると言う事なんだろうが…。ここまでのストーリー展開だと、残り1巻では、どうしてもぶつ切り感が強い終わりにならざるを得ないだろうと考えると、軽く鬱になる。まあ、いずれにせよ秀逸なギャグマンガである事は事実で、今年読んだ内ではトップかな。最終巻、刮目して待て。
著者初期の作風がかなり直近と異なっており、あれこんなんだったかなと違和感。この1巻のもう少し後ぐらいから連載を読んでいたと思うのだが。珠玉の近作を読みつけた目からすると、イマイチ感はやむを得ないだろうが…。まあ、機会があれば続きも読むか。読者の期待を超える三橋の卑怯ぶりなどは流石。
●本屋の森のあかり 8巻/磯谷友紀
杜三のソウル支店奮闘記をメインに、あかり、緑くん、潮見の四つ巴恋愛バトル(と思っているのは潮見だけか)。正直、あかりには杜三と緑くんと、どっちが合っているのか読者は悩むだろう。この辺の両天秤具合が本書の魅力であろうか。もちろん、本屋業界本としての本好きに対する訴求力は相変わらずでその点も安心してよいl。
●神様はじめました 9巻/鈴木ジュリエッタ
積み本消化で久々にシリーズを手に取った。久々過ぎてすっかり話を忘れていた。読めば読んだで確かに面白いが、なんか平凡な感じであまり心惹かれず。今巻はほぼクラマの話。巴衛のヤキモチはちょっと露骨かな。一応次巻も読んでみるか。
●お伽もよう綾にしき 1巻/ひかわきょうこ
新規開拓で妻が借りてきたのをご相伴。中世日本の物の怪歴史ロマン、と言う感じ。もののけを使役する術者の才を秘めた主人公の少女すず。強大な敵に立ち向かい9年前に姿を消したすずの父(養父)。その父の形見とも言える笛より現れるは、父によく似た、そして記憶を失った、公家姿の屈強の術者であった。ピンチを救ってくれたものの言う事を聞かない半もののけの彼に「おじゃる様」ととっさに名付けてしまい、名付けの力で公家様はすずの支配下に。こうしてすずとおじゃる様との珍道中がはじまる。おじゃる様と父との関係は…。立ち現れる敵の正体は…。という様な話。犬夜叉とヒカルの碁をミックスしたような雰囲気か。取り敢えず2巻を読んでみようか。
●ナルト 35巻/岸本斉史
前巻読んでどうなるかと思っていたが、予想よりは読める感じ。可も不可もなくか。ただ、人柱力は登場即でバタバタ倒されるわ、ナルトの修行は裏技でインフレするわで、構造的にちょっと先行き不安。サスケへのしつこい想いだけではそろそろ読者にも脱落者が出るだろう。
●絶対可憐チルドレン 13-15巻/椎名高志
アニメ兵部恭介以後読んでなかったので、再開。すると、アニメとは無関係だろうが、以前と比べて、かなり筆が乗ってきたというか、実に漫画の魅力が増していて驚いた。元々好きだったがさらにポイントアップした感じ。特に紫穂を筆頭にチルドレンの描き込みが充実しキャラの心情描写が深化。また一方でパロディやギャグもきっちり描いており、実に隙のない構成。今後がますます楽しみなところでチルドレン達は小学校卒業だ。
●道士郎でござる 4-7巻/西森博之
最高。今読んでいる中では一番面白い。と言っても、基本的な所は前作の天使な小生意気と同じか。「天こな」が貫く意志の強さをメインテーマとしてゲンゾーを中心にめぐ団の活躍を描いたとするなら、今作では、もちろん道士郎の圧倒的強さや武士キャラの特異性を前面に押し出しているのだけど、それよりも、道士郎が殿と慕う全くの凡人「健介」を裏の主人公としてフォーカスしているところが実に興味深い。天こなでの藤木に相当する健介を通じて、誰にもない特別なチカラとは、実は誰でも持っているチカラなんだ、という真理を描く。そしてもちろん、持っているからといって誰でも使える訳でもない、と言うところも含め。いずれにせよ藤木ファンの自分としては、待っていた、という歓喜の漫画。ただ、全8巻と次巻で終わっちゃうんだよね。結局、スケールアウトしてゆくとチカラの構造がやがては限界を迎えると言う事なんだろうが…。ここまでのストーリー展開だと、残り1巻では、どうしてもぶつ切り感が強い終わりにならざるを得ないだろうと考えると、軽く鬱になる。まあ、いずれにせよ秀逸なギャグマンガである事は事実で、今年読んだ内ではトップかな。最終巻、刮目して待て。
先週読んだ漫画 13/5/12-5/18
●ポケットモンスター SPECIAL 5巻/日下秀憲/真斗

相変わらずの素晴らしい筆致。キャラの作画がピカ一で、ポケモンをキチンと軸にしたストーリー展開やコマ割りは実に見事としか言い様がない。いよいよ四天王と渡り合うイエロー。個人的にファンのブルーも登場でご満悦。次巻いよいよレッドの行方が分かるのか?!
●パタリロ! 12巻/魔夜峰央

と言う事で期待の12巻は1巻丸々の中編「霧のロンドンエアポート」収録。こちらも素晴らしい筆致。特に先週、著者の近作を観てしまったから余計にそう思うのかも。アクションも表情もメリハリがきいて、ぎゅっと締まった展開を描くコマ割りも無駄がない。内容的にも映画的パロディ表現のオンパレードだけど、実に映画的な作品で読み応えがある。
●ガラスの仮面 49巻/美内すずえ

いよいよ紅天女の試演が近づく中、マヤと真澄の関係は一転。お互いの気持ちを確かめ合った二人だったが、元フィアンセの紫織が精神異常に。優しい振りをしてビジネス目的で婚約し、その後一方的に婚約解消。そりゃショックも受けるだろうと、マヤとの真実の愛を眼前にしながら、紫織も見限れない真澄。ついには頭まで下げる鷹宮会長の孫娘を想う気持ちにほだされ、婚約解消を取消に。マヤにはあの夜は遊びだったと冷たく突き放す。混乱し「紅天女の恋」さえも見失うマヤ。しかし、本当の魂の片割れなら、心は繋がっているはず。何か理由があるはずで見た目に囚われるな、との月影先生のアドバイスで、マヤは真澄を信じる事に決めた。一方で真澄を支える影である聖は、愛を封じ人生を捨てた主人の態度にマヤは私がもらうと一世一代の大芝居。真澄の心に燻る消しきれない真実の愛を燃え上がらせる。そうこうしている内にも着々と紅天女を掴もうと孤独な特訓に打ち込む亜弓。ますます目が離せない展開の連続だ。続きが気になるねえ。50巻は今月出るらしいぞ。
真澄のグダグダにヤキモキするが、あそこで冷徹に紫織を見限れない優しさを芯に持つ真澄だからこそ、マヤは好きになったのだろう。ビジネス上では鬼でも、「愛」の関係の前には初な少年のままなのだ。
相変わらずの素晴らしい筆致。キャラの作画がピカ一で、ポケモンをキチンと軸にしたストーリー展開やコマ割りは実に見事としか言い様がない。いよいよ四天王と渡り合うイエロー。個人的にファンのブルーも登場でご満悦。次巻いよいよレッドの行方が分かるのか?!
●パタリロ! 12巻/魔夜峰央
と言う事で期待の12巻は1巻丸々の中編「霧のロンドンエアポート」収録。こちらも素晴らしい筆致。特に先週、著者の近作を観てしまったから余計にそう思うのかも。アクションも表情もメリハリがきいて、ぎゅっと締まった展開を描くコマ割りも無駄がない。内容的にも映画的パロディ表現のオンパレードだけど、実に映画的な作品で読み応えがある。
●ガラスの仮面 49巻/美内すずえ
いよいよ紅天女の試演が近づく中、マヤと真澄の関係は一転。お互いの気持ちを確かめ合った二人だったが、元フィアンセの紫織が精神異常に。優しい振りをしてビジネス目的で婚約し、その後一方的に婚約解消。そりゃショックも受けるだろうと、マヤとの真実の愛を眼前にしながら、紫織も見限れない真澄。ついには頭まで下げる鷹宮会長の孫娘を想う気持ちにほだされ、婚約解消を取消に。マヤにはあの夜は遊びだったと冷たく突き放す。混乱し「紅天女の恋」さえも見失うマヤ。しかし、本当の魂の片割れなら、心は繋がっているはず。何か理由があるはずで見た目に囚われるな、との月影先生のアドバイスで、マヤは真澄を信じる事に決めた。一方で真澄を支える影である聖は、愛を封じ人生を捨てた主人の態度にマヤは私がもらうと一世一代の大芝居。真澄の心に燻る消しきれない真実の愛を燃え上がらせる。そうこうしている内にも着々と紅天女を掴もうと孤独な特訓に打ち込む亜弓。ますます目が離せない展開の連続だ。続きが気になるねえ。50巻は今月出るらしいぞ。
真澄のグダグダにヤキモキするが、あそこで冷徹に紫織を見限れない優しさを芯に持つ真澄だからこそ、マヤは好きになったのだろう。ビジネス上では鬼でも、「愛」の関係の前には初な少年のままなのだ。
医者は現場でどう考えるか/J・グループマン/美沢惠子
医者は患者を診察し、診断し、処置を行い、薬を与え、治療を行う。この現場において、医師は何を考え、どう判断するのか。例えば、医者の気分や、患者に対する好悪などの感情が診断に与える影響。過酷で多忙な環境による意識レベルの低下がもたらす過誤。マニュアル依存やクローズドコミュニティの不文律。製薬業界の無言の圧力。そして医療ビジネスが要求する効率。
自身医師である著者が、多数の同僚へのインタビューを通じて、実際の誤診のケースなどを豊富に記録し、なぜそうしたケースが起こりえたかを記してゆく。
色々と面白いポイントがあった。
まず1つ目は、この本が一般向けに書かれているように、医師が誤診するという可能性を患者が知っている事も大事だ、という指摘だ。こうした事例を知悉し聡明な患者となる事で、誤診を防ぎ、正しい医療へと医師を導く一助になる事が、患者自身に期待されている。
2つ目は、AI的な知見。人工知能華やかなりし80年代にもてはやされたエキスパートシステム。その代表事例が医療診断システムだった。本書では、むしろ、マニュアル診断を批判している。症例データベースからベイズ理論に基づいて診断を行うシステムでは、ろくな診断はできない。その理由は、生身の人間には失敗は許されないから。いくら最も蓋然性が高い診断を出せるシステムがあったとしても、目の前の患者の実際の役に立たなければ何の意味もないからだ。99.99%間違いがない診断であっても、私自身の症例が残りの0.01%なら、私にとってそれはただの誤診だ。個々人が希少、という人間の特性を鑑みると、医療診断における統計的手法の直接の適用は限度外だろう。
そしてなにより、診断に必要な情報というものは、生身の人間という複雑で不定型なデータからは、予め完全に想定する事ができない、と言う事だ。どこを調べろと言うマニュアルは、そこ以外へ向けようとする目を止めてしまう。優秀な医師は、患者が入ってきた瞬間に、顔色、歩き方、表情など、いくつもの情報を得て、即座に診断をスタートしているという。そして棋士がポンと最善手を思いつくようにヒューリスティックなメカニズムで、正しい診断へたどり着く。盤面の組合せが有限なゲームなら力任せな計算力で人間を凌駕する事ができても、医療診断ではそれはできない。
3つ目は、認知学的な情報。錯覚の科学で挙げられていたような事例が、やはりごまんとあるのが診断の現場だ。特に面白かったのが、医師の感情、というものが、診断を曇らせる障害にもなり、同時にヒューリスティックな探索の原動力にもなる、診断において最も重要なファクターであるという点だろう。もしも高度な人工知能、というものが生まれうるのなら、どうやらそこには感情も備わっていそうだ。
最後に、人間が人間を診る、という基本。相互の信頼関係。対話。そして交錯する感情。
症状を診るのではなく、人を診る。こうした泥臭いコミュニケーションこそが迅速で確度の高い診断に不可欠の要素である、という点は実に示唆に富んでいる。

J・グループマン/美沢惠子
医者は現場でどう考えるか
自身医師である著者が、多数の同僚へのインタビューを通じて、実際の誤診のケースなどを豊富に記録し、なぜそうしたケースが起こりえたかを記してゆく。
色々と面白いポイントがあった。
まず1つ目は、この本が一般向けに書かれているように、医師が誤診するという可能性を患者が知っている事も大事だ、という指摘だ。こうした事例を知悉し聡明な患者となる事で、誤診を防ぎ、正しい医療へと医師を導く一助になる事が、患者自身に期待されている。
2つ目は、AI的な知見。人工知能華やかなりし80年代にもてはやされたエキスパートシステム。その代表事例が医療診断システムだった。本書では、むしろ、マニュアル診断を批判している。症例データベースからベイズ理論に基づいて診断を行うシステムでは、ろくな診断はできない。その理由は、生身の人間には失敗は許されないから。いくら最も蓋然性が高い診断を出せるシステムがあったとしても、目の前の患者の実際の役に立たなければ何の意味もないからだ。99.99%間違いがない診断であっても、私自身の症例が残りの0.01%なら、私にとってそれはただの誤診だ。個々人が希少、という人間の特性を鑑みると、医療診断における統計的手法の直接の適用は限度外だろう。
そしてなにより、診断に必要な情報というものは、生身の人間という複雑で不定型なデータからは、予め完全に想定する事ができない、と言う事だ。どこを調べろと言うマニュアルは、そこ以外へ向けようとする目を止めてしまう。優秀な医師は、患者が入ってきた瞬間に、顔色、歩き方、表情など、いくつもの情報を得て、即座に診断をスタートしているという。そして棋士がポンと最善手を思いつくようにヒューリスティックなメカニズムで、正しい診断へたどり着く。盤面の組合せが有限なゲームなら力任せな計算力で人間を凌駕する事ができても、医療診断ではそれはできない。
3つ目は、認知学的な情報。錯覚の科学で挙げられていたような事例が、やはりごまんとあるのが診断の現場だ。特に面白かったのが、医師の感情、というものが、診断を曇らせる障害にもなり、同時にヒューリスティックな探索の原動力にもなる、診断において最も重要なファクターであるという点だろう。もしも高度な人工知能、というものが生まれうるのなら、どうやらそこには感情も備わっていそうだ。
最後に、人間が人間を診る、という基本。相互の信頼関係。対話。そして交錯する感情。
症状を診るのではなく、人を診る。こうした泥臭いコミュニケーションこそが迅速で確度の高い診断に不可欠の要素である、という点は実に示唆に富んでいる。