子どもが減って何が悪いか!/赤川学
いわゆる少子化問題とされるものについて鋭く迫った本。特に少子化対策としてあげられている施策の根拠を斬っていくところはなかなかよい。限りある予算を効果のない対策に割くべきではないとする点には同意。
少子化対策の方向を歴史的にぼんやり俯瞰すると、子供を産めとか産むなとか、如何に一般市民が国や産業界から将棋の駒のように扱われているかがよく分かる。
子供を産み育てるという極めて個人的な意志決定に国が干渉しすることは非常に問題だ。世界的な人口増加問題を考えれば、逆の人口抑制政策ならばまだ納得出来る。干渉として、例えば出産を促すために育児に対して補助金を出したり、税金を優遇するような事は非常に問題だと思う。誤解の無いように書くが、これは、育児者もしくは妊婦など社会の中でサポートしましょう、例えば、電車で席を譲りましょう、などの助け合いの精神とはまるで次元の違う話である。まるで35年ローンでマンションを買わせるような非常に姑息な意図が透けて見える。育児という個人の自由意志の結果に対して報償がある事はおかしい。そうではなくて、税金を使ったサポートは、直接、すべての子供に対して等しく行われるべきだ。これは例えば義務教育の無料化などである。育児に対するサポートと子供に対するサポートは同じようで全く違うものだ。
また、著者が言うように、こうした施策は、「逆に少子化を招く」という点にも同意できる。
個人的には、少子化問題というのはメディアによって大げさに取り上げられすぎている感がある。むしろ、世界的な人口爆発問題を十分に考えるべきだ。なぜならば、50年後の世界において、日本の年金問題よりも、この地球における飢餓・エネルギー不足・資源不足・戦争・宗教対立などの方が、比較にならないほど深刻な問題である事は明らかであり、そして、こうした問題の90%は人口増加が直接の原因である事も、また明らかであるからだ。
読むべき点は多いが、わざとなのか、著者が非常にサブカル臭満載の書き方をしているので、内容がうさんくさく見えて仕方がない。タイトルにしてもそうだ。もう少しオーソドックスにすれば良い本になったのに。
少子化対策の方向を歴史的にぼんやり俯瞰すると、子供を産めとか産むなとか、如何に一般市民が国や産業界から将棋の駒のように扱われているかがよく分かる。
子供を産み育てるという極めて個人的な意志決定に国が干渉しすることは非常に問題だ。世界的な人口増加問題を考えれば、逆の人口抑制政策ならばまだ納得出来る。干渉として、例えば出産を促すために育児に対して補助金を出したり、税金を優遇するような事は非常に問題だと思う。誤解の無いように書くが、これは、育児者もしくは妊婦など社会の中でサポートしましょう、例えば、電車で席を譲りましょう、などの助け合いの精神とはまるで次元の違う話である。まるで35年ローンでマンションを買わせるような非常に姑息な意図が透けて見える。育児という個人の自由意志の結果に対して報償がある事はおかしい。そうではなくて、税金を使ったサポートは、直接、すべての子供に対して等しく行われるべきだ。これは例えば義務教育の無料化などである。育児に対するサポートと子供に対するサポートは同じようで全く違うものだ。
また、著者が言うように、こうした施策は、「逆に少子化を招く」という点にも同意できる。
個人的には、少子化問題というのはメディアによって大げさに取り上げられすぎている感がある。むしろ、世界的な人口爆発問題を十分に考えるべきだ。なぜならば、50年後の世界において、日本の年金問題よりも、この地球における飢餓・エネルギー不足・資源不足・戦争・宗教対立などの方が、比較にならないほど深刻な問題である事は明らかであり、そして、こうした問題の90%は人口増加が直接の原因である事も、また明らかであるからだ。
読むべき点は多いが、わざとなのか、著者が非常にサブカル臭満載の書き方をしているので、内容がうさんくさく見えて仕方がない。タイトルにしてもそうだ。もう少しオーソドックスにすれば良い本になったのに。
- 赤川 学
- 子どもが減って何が悪いか!
ケンミンの焼きビーフン
知らなかったが、いつの間にかアメブロのテーマ最大数が100になっていた。
ので、料理テーマを作成してみた。
夜食によく作るメニューを紹介しよう。
材料:
ケンミンの焼きビーフン…1袋、玉子…1ヶ、ベビーチーズ…1ヶ、刻みネギ…ひとつかみ、水…2カップ
作り方:
1.片手鍋に水を入れ、沸騰したら焼きビーフンを入れて1分ほど煮て軽くほぐす。
2.玉子を落とし、適当に細かくちぎったベビーチーズを入れ、蓋をして2分ほど煮る。
3.ネギを散らし、お好みで胡椒・ラー油を垂らして完成。
冷凍刻みネギの場合は2.で入れるとよい。
そこそこ美味しく、すぐに作れて腹がふくれ、油分が少ないため胃がもたれない所がよい。
ので、料理テーマを作成してみた。
夜食によく作るメニューを紹介しよう。
材料:
ケンミンの焼きビーフン…1袋、玉子…1ヶ、ベビーチーズ…1ヶ、刻みネギ…ひとつかみ、水…2カップ
作り方:
1.片手鍋に水を入れ、沸騰したら焼きビーフンを入れて1分ほど煮て軽くほぐす。
2.玉子を落とし、適当に細かくちぎったベビーチーズを入れ、蓋をして2分ほど煮る。
3.ネギを散らし、お好みで胡椒・ラー油を垂らして完成。
冷凍刻みネギの場合は2.で入れるとよい。
そこそこ美味しく、すぐに作れて腹がふくれ、油分が少ないため胃がもたれない所がよい。
爆笑オンエアバトル 第8回チャンピオン大会 ファイナル/NHK総合
すっかりサボって、なんと今年初の記事。
11組のネタを見終わった時点では、タカトシ防衛とは思わなかった。
個人的にはハマカーンがこの日ベストのネタだと思っていた。
ただ、確かに途中塩こしょうのテンポの速いところで詰まり掛けていたので、それが影響して2位だったのかも。
チャンピオンは強い。チャンピオンと言うだけで強いのだと思う。チャンピオン・あのタカトシ、それだけで十分笑いを取りやすい、期待しやすい雰囲気に持って行っていた。ネタ自体は最上と言うほどでもなかった。スタイルがバタバタなので分かりづらいが、途中、かなりネタがよれてたと思う。撮ってないので確認出来ないがミスも何回かあったように感じた。
一番印象に残ったネタは、やはり東京03だろう。
「別れて欲しいの」
この一瞬の空気は凄かったと思う。炎の転校生の有名な見開きシーンに匹敵するパノラマ感があった。
前半、もう少し盛り上がってさえいれば、もっと点に結びついたと思う。フリーターの不安定さは、ネタにすると笑えない人が多いのかも知れない。
塚原アナは続投?この人の間の悪さ加減は制作部長公認なのだろうか。
11組のネタを見終わった時点では、タカトシ防衛とは思わなかった。
個人的にはハマカーンがこの日ベストのネタだと思っていた。
ただ、確かに途中塩こしょうのテンポの速いところで詰まり掛けていたので、それが影響して2位だったのかも。
チャンピオンは強い。チャンピオンと言うだけで強いのだと思う。チャンピオン・あのタカトシ、それだけで十分笑いを取りやすい、期待しやすい雰囲気に持って行っていた。ネタ自体は最上と言うほどでもなかった。スタイルがバタバタなので分かりづらいが、途中、かなりネタがよれてたと思う。撮ってないので確認出来ないがミスも何回かあったように感じた。
一番印象に残ったネタは、やはり東京03だろう。
「別れて欲しいの」
この一瞬の空気は凄かったと思う。炎の転校生の有名な見開きシーンに匹敵するパノラマ感があった。
前半、もう少し盛り上がってさえいれば、もっと点に結びついたと思う。フリーターの不安定さは、ネタにすると笑えない人が多いのかも知れない。
塚原アナは続投?この人の間の悪さ加減は制作部長公認なのだろうか。
ミニチュア庭園鉄道〈3〉欠伸軽便鉄道弁天ヶ丘線の野望/森博嗣
森さんの素晴らしい本、庭園鉄道シリーズも3冊目にしてこれにてひとまず完。
相変わらず楽しいひとときを過ごさせてもらいました。
森さん、ミステリはもういいから、こういう趣味物をいろいろ書いて欲しいな。とりあえずRC飛行機についてひとくさりどうでしょうか。
相変わらず楽しいひとときを過ごさせてもらいました。
森さん、ミステリはもういいから、こういう趣味物をいろいろ書いて欲しいな。とりあえずRC飛行機についてひとくさりどうでしょうか。
老ヴォールの惑星/小川一水
4話の短編集。素晴らしいできだった。この作家は短編の方が向いているかも知れない。
最も良かったのは、最後で最長?の話「漂った男」。設定には説得力がやや薄く首をひねる点もあるが、そこさえ気にならなければストーリーは良い。ラストも出色。
表題作は設定が素晴らしい。ただ、人類と異星人との意思疎通という点について、あのヴォール達の意志が擬「人」化されす ぎている気がしてやや残念。
「幸せの箱庭」は、異星のコロニーでの描写が非常に鮮やかだった。最初の話である「~の迷宮(タイトル失念)」は、設定が面白かった。展開も読ませた。それだけにラストはもう一山欲しかったし、すべてのマップを重ねると解ける暗号というのが不合理で強引すぎる点が難だった。
密かに小川節と考えている説明口調も健在だが、まあ、慣れてきてだんだん気にならなくなってきた。
最も良かったのは、最後で最長?の話「漂った男」。設定には説得力がやや薄く首をひねる点もあるが、そこさえ気にならなければストーリーは良い。ラストも出色。
表題作は設定が素晴らしい。ただ、人類と異星人との意思疎通という点について、あのヴォール達の意志が擬「人」化されす ぎている気がしてやや残念。
「幸せの箱庭」は、異星のコロニーでの描写が非常に鮮やかだった。最初の話である「~の迷宮(タイトル失念)」は、設定が面白かった。展開も読ませた。それだけにラストはもう一山欲しかったし、すべてのマップを重ねると解ける暗号というのが不合理で強引すぎる点が難だった。
密かに小川節と考えている説明口調も健在だが、まあ、慣れてきてだんだん気にならなくなってきた。
- 小川 一水
- 老ヴォールの惑星
あなたの人生の物語/テッド・ チャン
図書館で表紙にひかれてジャケ買い(借り)した。読んでみて驚いた。学部の頃SFマガジンで読んで好きだった「理解」の人だったとは。あ、と思った時にはとても懐かしい感じだった。この本は短編集でどの話も非常に面白い。一番気に入ったのは、「地獄とは神の不在なり」だろうか。こういう空想力って楽しい物だ。「72文字」も良かった。読んでいる最中に、唸って、やられたなあと思うような小説は久しぶりに読んだ気がした(まあ、それは読書量が少なく偏っているからだが)。こういう、その話を読んでいる最中にゾクゾク感を得られるのは読書の魅力の最たる物だと思う。チャンはテクニカルライターもしており、作品発表が遅い方で邦訳もこれ1つきりだという。是非新作も読みたい。
- テッド チャン, Ted Chiang, 浅倉 久志
- あなたの人生の物語
第六大陸 全2巻/小川一水
小川一水という作家の、これが初めて読んだ本だった。妻のお薦めであったが、確かにお薦めだけあって非常に面白かった。日本のSFとしてはかなりの良作だと思う。
SFのSの部分は良く練り込まれていて好感が持てた。惜しむらくは計画がスムーズに行きすぎて(スムーズに行っているように感じられて)、主人公の達成感に共感が行きにくいところだろう。全巻を通じて最も感動し涙がこぼれそうになった場面が、プロジェクト始動のシーンであるほどだ。また、全体にさりげなさを装いながらも技術に関しての説明口調が目について没入感をそがれる気がした。つまり、近未来の話ではあるが、地の文の視点つまり作者の視点が、明らかに読者のいる今この時代をちらちら意識しているからだと思われる。ただ、シミュレーション小説として幾分かは仕方ないとも思う。
Fの部分については、この小説ではそっちがメインじゃないから、と言い訳する事も可能だとは思うが、これだけの力量のある作家だからむしろ要求を出したいと思う。つまり、せっかくの骨太の話のベースに比べて人物があまりに弱かった。これだけの大プロジェクトを成し遂げる行動力ある人達のはずなのに、そのギトギトしているはずのエネルギーをあまり感じない。精力的にプロジェクトを進めているのは作者であり、その作者の駒として動かされている感がどうしてもちらついてしまう。特に主人公の2人が顕著だと思う。彼と彼女が、10年に及ぶプロジェクトにおいて、キーとなるシーンでの行動に説得力が薄い。特にプロジェクトの原点である妙の人格はもっともっと描き込んで欲しかったところだし、常人の想像の及ばないような地点に立地してくれたら最高だったろう。
ともあれ、面白い本を書く人を見つけたのでしばらく楽しめそうで嬉しい限りだ。
SFのSの部分は良く練り込まれていて好感が持てた。惜しむらくは計画がスムーズに行きすぎて(スムーズに行っているように感じられて)、主人公の達成感に共感が行きにくいところだろう。全巻を通じて最も感動し涙がこぼれそうになった場面が、プロジェクト始動のシーンであるほどだ。また、全体にさりげなさを装いながらも技術に関しての説明口調が目について没入感をそがれる気がした。つまり、近未来の話ではあるが、地の文の視点つまり作者の視点が、明らかに読者のいる今この時代をちらちら意識しているからだと思われる。ただ、シミュレーション小説として幾分かは仕方ないとも思う。
Fの部分については、この小説ではそっちがメインじゃないから、と言い訳する事も可能だとは思うが、これだけの力量のある作家だからむしろ要求を出したいと思う。つまり、せっかくの骨太の話のベースに比べて人物があまりに弱かった。これだけの大プロジェクトを成し遂げる行動力ある人達のはずなのに、そのギトギトしているはずのエネルギーをあまり感じない。精力的にプロジェクトを進めているのは作者であり、その作者の駒として動かされている感がどうしてもちらついてしまう。特に主人公の2人が顕著だと思う。彼と彼女が、10年に及ぶプロジェクトにおいて、キーとなるシーンでの行動に説得力が薄い。特にプロジェクトの原点である妙の人格はもっともっと描き込んで欲しかったところだし、常人の想像の及ばないような地点に立地してくれたら最高だったろう。
ともあれ、面白い本を書く人を見つけたのでしばらく楽しめそうで嬉しい限りだ。
- 小川 一水
- 第六大陸〈1〉
19歳―一家四人惨殺犯の告白/永瀬隼介
読後感の悪い本。作者には悪いが、犯人の人物像に迫るというこの本を読んでも無益な時間を過ごしただけと思えてならない。まさに無益。それは、作者は必至に彼に迫ろうとしているが、彼はこちら側へなんのメッセージも送ろうとしていないからだ。
この本を読んで、殺人犯の心境が理解できないと感じるのは、決して、殺人を犯すような特殊な境遇の人間とは意思の疎通ができない等という理由からでは無く、単に、彼がコミュニケーションを拒否している人間だから、というだけだと思う。
この本を読んで、殺人犯の心境が理解できないと感じるのは、決して、殺人を犯すような特殊な境遇の人間とは意思の疎通ができない等という理由からでは無く、単に、彼がコミュニケーションを拒否している人間だから、というだけだと思う。
- 永瀬 隼介
- 19歳―一家四人惨殺犯の告白
キリンヤガ/M・レズニック
内容を一言で言うと、アフリカの伝統部族の生活を実践するために地球外のユートピア惑星に移住した部族末裔とそれを率いる指導者の物語。
これだけではほとんどの人は食指が動かないと思うが、読んでみるとめっぽう面白い。
誇り高きアフリカ部族の伝統は、近代のヨーロッパ文明の汚染により崩壊し、その末裔は汚染の呪いとも言える貧困と地位低下に苦しんでいる。ならば純粋な部族社会を隔離された世界に再現しようと試みるわけだが、最終的には崩壊し哀しい結末を迎える。
主人公の指導者は欧米の大学で博士号を複数持つような学者肌。両文化の酸いも甘いもかみ分けて、その上で伝統社会の再生を心から願う老人だ。キリンヤガはそうした彼らが作り出したユートピアだ。
文化・伝統とは生き物だ。人の心を介して生命を与えられた無形の意志である。だからキリンヤガが崩壊するのは、死体は腐る、という事と同じである。部族の伝統社会の状況を完全に再現できない以上、形式だけ維持する事は無理な話なのである。主人公も当然そうした事は分かっている。分かっているが、自らの理想のために部族社会の維持に励む。しかし崩壊していく社会を止める事はできない。ここに激しい哀しみが生まれる。
一つには望郷の念がある。永遠にたどり着けない理想の故郷。それが哀しい。
さらには、移りゆく人の心の悲しさ。理想郷建設をともに掲げた仲間たちがついには指導者たる自分を無視し始めるのだ。迫害ではない。革命でもない。哀れな無力な老人として捨て置かれるのだ。ほぼ瞬間といってもいいほどのドラスティックな変遷に、理想郷という共同幻想は粉微塵に砕かれ散る。他人は自分ではない。同じ想いを抱いていたと感じても全く同じではなくしかも変遷する。深淵に阻まれた如くの相互不理解。社会それ自体が幻想であるという諦観。
これはキリンヤガでのアフリカ部族の話などではない。私が望む社会は、あなたが望む社会ではない、というどうしようもないほどの真理が老人の姿となって迫ってくるのだ。この結末に圧倒されない人はいないだろう。
ストーリーやプロットも秀逸なので万人に安心して薦められる。
これだけではほとんどの人は食指が動かないと思うが、読んでみるとめっぽう面白い。
誇り高きアフリカ部族の伝統は、近代のヨーロッパ文明の汚染により崩壊し、その末裔は汚染の呪いとも言える貧困と地位低下に苦しんでいる。ならば純粋な部族社会を隔離された世界に再現しようと試みるわけだが、最終的には崩壊し哀しい結末を迎える。
主人公の指導者は欧米の大学で博士号を複数持つような学者肌。両文化の酸いも甘いもかみ分けて、その上で伝統社会の再生を心から願う老人だ。キリンヤガはそうした彼らが作り出したユートピアだ。
文化・伝統とは生き物だ。人の心を介して生命を与えられた無形の意志である。だからキリンヤガが崩壊するのは、死体は腐る、という事と同じである。部族の伝統社会の状況を完全に再現できない以上、形式だけ維持する事は無理な話なのである。主人公も当然そうした事は分かっている。分かっているが、自らの理想のために部族社会の維持に励む。しかし崩壊していく社会を止める事はできない。ここに激しい哀しみが生まれる。
一つには望郷の念がある。永遠にたどり着けない理想の故郷。それが哀しい。
さらには、移りゆく人の心の悲しさ。理想郷建設をともに掲げた仲間たちがついには指導者たる自分を無視し始めるのだ。迫害ではない。革命でもない。哀れな無力な老人として捨て置かれるのだ。ほぼ瞬間といってもいいほどのドラスティックな変遷に、理想郷という共同幻想は粉微塵に砕かれ散る。他人は自分ではない。同じ想いを抱いていたと感じても全く同じではなくしかも変遷する。深淵に阻まれた如くの相互不理解。社会それ自体が幻想であるという諦観。
これはキリンヤガでのアフリカ部族の話などではない。私が望む社会は、あなたが望む社会ではない、というどうしようもないほどの真理が老人の姿となって迫ってくるのだ。この結末に圧倒されない人はいないだろう。
ストーリーやプロットも秀逸なので万人に安心して薦められる。
- マイク レズニック, Mike Resnick, 内田 昌之
- キリンヤガ
独断・これが日本だ。/青木 雄二, 北野 誠
ふと見かけたので思わず借りてしまった。
2003年の書き下ろし。青木雄二が鬼籍に入ってすでに長い年月が経っているような気がしていたので、吃驚だった。
本の内容は同意する部分も多数あるし面白かったのだが、一言だけ言うと、編集してまとめてくれた方が良かったかな、という気がする。同じ話の繰り返しでページがムダ。まあ、居酒屋議論を脇で聞く雰囲気は味わえるが。
2003年の書き下ろし。青木雄二が鬼籍に入ってすでに長い年月が経っているような気がしていたので、吃驚だった。
本の内容は同意する部分も多数あるし面白かったのだが、一言だけ言うと、編集してまとめてくれた方が良かったかな、という気がする。同じ話の繰り返しでページがムダ。まあ、居酒屋議論を脇で聞く雰囲気は味わえるが。
- 青木 雄二, 北野 誠
- 独断・これが日本だ。