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第1次ゲーム整理報告

ここ数年、手持ちのゲームを整理するのが懸案だった。
しかし、元来無精な性格のため、遅々として進まず、時には何ヶ月もほったらかしで、ずっと長いことかかってしまった。
先日ようやく、最低限のチェックだけなんとか完了したので、ここにまとめてみた。

最低限のチェックとは、今現在、我が家にあるゲームソフトのうち、付属品の状態や動作するしないを問わず、重複無しでの機種別のリストを作成することである。

機種名 所有数(本) 発売数(本) コンプ率
ファミコン 196 1252 15.7%
スーファミ 328 1447 22.7%
バーチャルボーイ 9 19 47.4%
NINTENDO64 71 208 34.1%
ゲームキューブ 89 282 31.6%
Wii 67 428 15.7%
ゲームボーイ/カラー 127 1238 10.3%
ゲームボーイアドバンス 34 791 4.3%
DS 56 1758 3.2%
3DS 3 40 7.5%
PS 526 3297 16.0%
PS2 225 2873 7.8%
PS3 3 407 0.7%
PSP 18 1020 1.8%
Xbox 13 223 5.8%
Xbox360 15 444 3.4%
メガドライブ 51 554 9.2%
セガサターン 172 1057 16.3%
ドリームキャスト 96 499 19.2%
ゲームギア 21 195 10.8%
PCエンジン 48 650 7.4%
ネオジオ 11 129 8.5%
ネオジオポケット 1 82 1.2%
3DO 1 211 0.5%
ワンダースワン 15 197 7.6%
合計
2196 19301 11.5%

なお、発売数データはウィキペディアによる(8/11現在)。
ちなみに1本もソフトを所有していないハード、つまり、SG-1000やマークIII、プレイディア、PC-FX、レーザーアクティブなどは表に入っていない。また、MSXやピピンなどを含めPC系ゲームはカウントしておらず、追加要素のない廉価版や、DLソフトもカウント対象外である。

こうしてみてみると、VBのコンプ率トップは予想通りとして、64の2位というのが意外である。また、GBAが少ないのも意外だった。予算の関係上、現行機種が低めに出るのは当然だが、それにしてもWiiは多いと思う。Wiiは良いゲームがたくさん出た素晴らしいハードだった(とまだ過去形にしてはいけないが)。

リスト作成作業を行って良かったと思ったのは、手持ちのソフトの中から、妻と一緒にプレイしたら楽しそうなタイトルを多数発掘(!)できたことだ。その為、現在、リビングにあるゲームラックの、「プレイするかもゲーム」置き場があふれかえっている。
今回、特にSSオリジナルの良作を多数発掘できたのでちょっと楽しみにしている所だ。

オールドゲームなんて、今時公式エミュのDLCでプレイした方が便利だろうに、という声もあろう。また、名作はリメイクも多数作られている。
もちろん、そうしたものを拒む理由は何もないし大歓迎だが、版権の関係や諸事情で未来永劫DLCにはできないソフトもあるし(例えばSFCライブアライブ、FCえりかとさとるなど)、現行機の性能ではエミュレートがまだ難しいSS・DCなどは実機でプレイするしかない。またリメイクは出来不出来があるし、大体、新たに出費がかさむのは痛い。
実機でオリジナルをプレイするのが一番などと通ぶるつもりは毛頭ないが、すでに持っているソフトをもう一回買うのもどうかなあと思ってしまうのは貧乏性だろうか。オカリナ3Dもスタフォ643Dも躊躇した口である。

これで機種別所有リストができたので、発売済みリストとの差分をとれば、未所有ソフトリストが作成できる。このリストを常日頃持ち歩けば、ジャンクセールなど思わぬ出物があった際に、いる要らないの判断がスムーズに行える訳だ。早急に作成しようと思う。

11人いる! SFロマン傑作選/萩尾望都

表題作は特に有名であるが、これまで読んだことはなかった。例によって職場で拾ったので、これはいい機会と読んでみた。
萩尾望都は昔何冊か読んだことがある。ちょうど森博嗣を読んでいた頃で、森さんがあまりにやいやい言うのでどれどれと読んだような気がする。読んだのはトーマの心臓、半神、マージナルぐらいだったか。ついでに少しずつ感想を書いておく。
まず、半神は、そもそも最初に夢の遊民社の舞台ビデオを高校ぐらいの時に見て、えらく感銘を受けていた。よって、なんだ原作があったのか、と言う感じで、派手な舞台を先に見てしまうと特にどうということもない印象しか残らないのはしかたないだろう。内容的には傑作だと思う。
次に、トーマの心臓。これは寄宿舎で少年達が織りなす物語の雰囲気が最高に素晴らしい。溶けない氷のように透明なトーマの美しさの印象が今でも胸に残る。
マージナルは女のいない惑星というSF設定で長編。冒険譚となっており、かなり楽しめた記憶がある。

ということで、この本も楽しみに読んだ。
表題あわせ4本の短編集。3本がSFテイストで、ラスト1話はさらに短いショートショート3本ひと組のお話。

表題の「11人いる!」。どこか手塚治虫を彷彿とさせるようなSF短編である。
銀河系の各地に植民し異星人との交流も進んだ約600年後の世界。宇宙大学の入学試験を受けるために、各地の狭き門をパスし、星間連盟中から集まった優秀な若き受験生達がいた。その最終試験は、無作為に集められた10人が廃棄された宇宙船 白号に乗り込み、53日間生き抜くことだった。しかし乗り込んで白号のハッチを閉めると、そこには11人の受験生が!。なぜと思う間もなく謎の爆発が発生し…。というようなSFを基調としてサスペンスタッチで進むストーリー。
ベースストーリーはスタンダードという感じで、それほど驚きはない。
それより、編み込まれた設定の妙を楽しむ漫画だろう。
11人の若者は男ばかりだったが、ヴェネから来た見た目が女性っぽいフロルは実は両性体だった。成熟しホルモン投与で分化するまでは男であり女でもあるのだ。しかし本人は女を嫌っており、自分は男だ、テストに合格して男になるんだと言い張る。そんなフロルに惹かれていくのが主人公のタダである。ここで描かれる性的に成熟する前の恋愛というモチーフは、トーマの心臓での少年達の愛とも通じるものがある。
ラストで再会を約束して去っていく若者達の頭上に輝く眩い未来への希望、この瑞々しい感動に共鳴できる限り、その人は若者なのだろうと思う。

「ユニコーンの夢」は絵のタッチが少し独特で驚いた。特に終盤近くは秀逸かと。
「6月の夢」はどこか藤子・F・不二雄テイストなSF。内容は普通な感じ。
3人の少女の心理を描いた「10月の少女たち」。自分でも持て余すような単純ではない少女の気持ちの揺れを丁寧に描いている。やはり真知子が良い感じ。

解説が小松左京なのだが、奇しくもそれを読んだ日に鬼籍に入ったとのことで、次の日朝刊を読んで驚いた。


萩尾望都
11人いる! SFロマン傑作選

SS/グランディア/ゲームアーツ

名作RPGシリーズとして名前はしばしば耳にしており、いつかはプレイしたいと思っていた。
今回タイミングがあったので、SSのボタン電池を交換し、コレクションからソフトを引っ張り出してプレイした。

ほぼ7月一杯かけてプレイ。累計75時間ほどでクリアした。

とても素晴らしいゲームだった。
RPGはこれまで多数プレイしたが、こんなに「冒険をしているんだ」と感じたものは初めてだった。
港町パームに暮らす主人公の少年ジャスティンの夢は、父や祖父のような立派な冒険者になること。幼なじみの少女スーと一緒にその夢に向かって迷わず進み、冒険に飛び込んでいくジャスティンを素直にのびのびと描いた本作は、そのまま冒険の雰囲気が随所ににじみ出ていた躍動感あふれるゲームだった。

まず、一緒に食事をするシステムが素晴らしい。これは、シナリオ上一旦区切りのつく所で、宿屋のテーブルやキャンプファイヤを囲んで、みんなで食事を摂りながら会話をするシステムである。他のゲームなら、セーブしますか?はい、で終わりとなるシチュエーションである。そこではキャラを選択しボタンを押すと、今日の冒険を振り返ったり、明日の冒険を想像したり、食べている料理を褒めたり、元気のない仲間を心配したりする台詞が表示されるのだ。聞くだけなら大したことがないシステムと思うだろう。だが、これが非常に効果的なのである。それほどコストはかからないシステムだと思うので、もっと、いまの数倍ほど台詞を収録しても良かったと思う。さらに冒険感が増したに違いない。

目を閉じて振り返ると、いろんなシーンが脳裏に浮かぶ。
出会いと別れは冒険譚に欠かせないが、一番衝撃を受けたのは、なんと言っても、スーとの別れだろう。頑張ってジャスティンと一緒に冒険を続けてきたが、スーはわずか8歳の女の子である。体力が持たず過労で倒れ、ジャスティンの足を引っ張ると考えたスーは、一人故郷に戻る事を決意する。ジャスティンにはのびのびと思いっきり冒険をして欲しいと願ったのだ。
故郷のパームを離れて遙か彼方まで来ていたので、珍しい奇跡のアイテムを使ってスーが帰って行くのをジャスティンは見守る。
スーがいないのは寂しいが、きっとまた後半合流するんだろう。そう思うプレイヤーは、あるアイテムを道具箱に見つけて愕然とするだろう。スーの絵日記。これは、これまでの冒険でスーが得たスキルポイントを、現在のパーティキャラに再配分するという象徴的なアイテムである。つまり、もう、スーは戻らないのだ。遠く遠く離れた故郷パームに戻っているスーには、もういつ会えるか分からない。このどうにもならない空間的距離が、世界の広さと、友人との離別の寂しさをくっきりと際立たせる。
グランディアでは、基本的に通り過ぎた街へは、もう戻れない。海を渡れば、もう二度と故郷の地は踏めないかもしれない、そんな覚悟が必要なのだ。戻れないというこだわりが、世界の広大さと、お遣いなどではない、冒険というもののもつリアルな重みを感じさせるのだ。

そして、一番素晴らしいと思ったのは、冒険者協会という形骸化した組織のルールに縛られていたフィーナが、冒険者の初心を取り戻すシーン。
新大陸への渡航船で、ジャスティンとスーはニューパーム一の冒険者と噂されるフィーナという女の子に出会う。彼女とは道中ちょっとした冒険をこなしたりしながら仲良くなり、新大陸でも一緒に冒険をしようと約束する。
ニューパームでは冒険者協会に入って冒険者パスをもらおうとしたが、バカ息子の二代目会長パコンが牛耳る協会には入会できず、目的地であるドム遺跡への地図ももらえなかった。やむなく地図を貸してもらおうとフィーナの家を訪ねる。だが、協会の規則で地図は貸せない、協会の規則で一緒に冒険はできない、というフィーナの頑なな返事に、とうとうジャスティンが爆発。冒険者は自分のしたいと思った冒険をする、風のように自由なものだろう?
ジャスティンの情熱的な言葉、そして結婚を迫るパコンの陰謀からフィーナを救い出した行動力により、フィーナは、風のように自由に生きたくて冒険者になったことを思い出す。
高原の朝の風の中で、風の生まれくる場所について語る二人の清々しさそして高揚感といったらない。
ある意味、自営業も冒険者みたいなモノである故、非常に共感すること大であった。ただし、リアル冒険者にはデータセーブもリセットもないので注意しなければならないが。

その他にも数々の名シーンがあるし、登場キャラも魅力的な人物が多かった。
上記の主役級キャラはもちろん素晴らしいが、個人的には特にフィーナの双子の姉のリーンが良かった。
リーンとジャスティンがツインタワーで共闘し打ち解けるシーンは強く印象に残っている。敵対するガーライル軍の中尉とはいえ、フィーナと同じ15歳である。任務を帯びた軍人の頑なさ、それとはアンバランスな少女の弱さと優しさ、そして出自ゆえの内に秘めた決意と寂しさ。もう片方のフィーナ&ミューレン大佐の組の会話も合わせ、物語の核心を担う双子姉妹の魅力を描いて余す所がない。ここで存分にリーンという人物が伝わってきているので、中盤の行動に掛ける想いがよく分かるし、終幕、彼女の悲壮な決意には胸を打たれる。

途中で仲間になるカフーの少年ラップは、戦闘時の台詞が非常に楽しかった。グランディアはフルボイスという訳ではないが、ほんの一部のイベントシーンでは台詞がある。そしてバトル時には、必殺技や魔法を使うとボイスが入る。このボイスが、結構個性的なものが多くて楽しかった。
ラップは、けんかっ早くておつむは軽いが性根は良い奴という設定なので、勝利ボイス「百倍かかってこい!」、炎魔法「100億万度だ、コラ!」、氷魔法「マイナス500度だ、コラ!」など、愉快で豪快なものが多い。必殺技・魔球のボイスなども発声に非常に力が入っていて素晴らしい。

ストーリーは、超古代の英知、復活する破壊者、それを阻止する運命の者たち、人間と精霊の絆、そして少年の思いが未来を開く、と王道中の王道パターンである。だがそれがよい。
ストーリーの行く先がどうなるか、ではなくて、ストーリーの進む中で、運命に翻弄されつつ、自ら運命を切り開く主人公達の、身の丈にあったやり取りの行方が興味の的であった。
スクリプトは痺れるというほどではなかったが、かなり個性的で良かったと思う。
「HPを少しづつ回復する」という感じで、時々誤字があったのはご愛敬か。

ほんの少しだけムービーも入るが、ほとんどのスキットはキャライラスト+テキストのシンプルな表示である。しかし、このキャライラストが、かなり特徴的なタッチで、極めて魅力的なのだ。ムービーとも、取説のイラストともタッチが違う。単純なラインながら生き生きと情感が溢れるようで、とくに女性キャラから漂う微かな色気はシーンによっては時折見惚れるほどだった。カットの種類も定番の数種の他、イベントなどほんの一瞬一回使用するだけのカットも合わせ、結構な枚数が用意されており贅沢だった。

バトルシステムはフィールド型コマンドATBといった感じで、高低差付き2Dフィールド上にキャラとモンスターが散らばり、ATBでコマンドを選択すると、実行ターンまで待機したあと射程に自動移動してアクション、というのが基本。特徴的なのが、クリティカル攻撃により、相手の予定アクションを確率でキャンセルできるという点、相手が攻撃中にこちらの攻撃を当てるとカウンターになる点、攻撃を受けるとATBゲージの進みがダメージによって巻戻る点、などである。これらにより、上手く攻撃方法・相手を選ぶと、かなり有利にバトルを進めることができる。特にキャンセルは有用で、連続キャンセルを仕掛けることにより、相手の攻撃を受けずに攻撃をし続けることもできる。
またその一方で、雑魚敵などあまり手を掛けたくないときには、作戦を設定することにより、フルオートでバトルさせることもできる。キャラ毎に作戦とマニュアルを設定することも可能だ。ただし、オートバトルは見ているだけだと
非常に眠くなってくるのが難点だ。
フィールドではシンボルエンカウントで、ダンジョン規模に比べ、モンスターはかなり密でバトル回数も多い。残念なのは、バトルに入るとき、バトルから戻るときのロードが共にかなり長いということである。入るときは上手くごまかせているが、出るときは戦果画面で固まるので、とくに長く感じる。
また、冒険を通じて、バトル中に計2回フリーズした。フリーセーブではなく、セーブポイント方式なので、フリーズの発生場所によってはかなり厳しいことになっただろう。

大体、50時間ほど経過した所で物語の大詰めと思われる地点へ到達し、ガイアと呼ばれるラスボスらしきモノが登場する。案外短かったな、と思っていたら、結局それから20時間もかかって終盤戦を戦ったことになる。
その後、ジャスティンは、簡単にはいかないんだ、ということを骨の髄まで沁みて思い知らされるのだ。これまで迷い一つなく冒険者として自分の心の指し示す先を目指して駆けてきた。しかし、ここで痛烈な挫折を味わう。

誰も救えない自分。何もできない自分。離れていく仲間。失った大切なもの。
自分は何がしたかったんだろう。
なぜ冒険者になんてなろうと思ったんだろう。
…これからどうしたらいいんだろう。

激しく降り出した雨に打たれながら、力無く独り原野を歩く。そんなジャスティンの回りを精霊が誘うように舞う。精霊に導かれて、ガイアに破壊されたジールパドンの街にたどり着いたジャスティンは、驚愕する。

声を掛けられて振り返ると、そこには、何とパームにいるはずの、スーの姿があった。そして、かつて共に闘った仲間達、一度は離れた仲間が皆ジャスティンを待って集まっていたのだ。精霊の力が、大切な仲間を呼び寄せてくれたのである。
精霊と人間の架け橋となる事。その為に仲間と力を合わせて頑張ることができる事。
何もできなかったと思いこんでいたジャスティンは、自分に課せられた使命と乗り越えるべき運命、そして失うことのなかった大切なものを思い出したのだった。皆の想いに応えるべく最後の戦いに挑む決意を固める。

このジャスティンがどん底まで落ちるシーンはかなり痛々しかった。個人的にはもう少し暗くて長い演出でも良いかと思うが、あまりやりすぎるとショックが大きくなるのでこんなものだろう。そして、その直後のスーである。これは感動した。いや、多分近々スーとか他の仲間も出てくるだろうとは思っていたが、結構不意打ちだったので、まさかこのタイミングでという驚きで琴線をかき鳴らされた感じである。
ここからはラストダンジョンに向けてバトルに継ぐバトルでかなりの分量の戦闘をこなさないといけない。かなり時間がかかるので、正直ややダレる。この感動の鮮度を維持したままエンディングを迎えられたら良かったと、そこが少々残念ではあった。

最後は完全なハッピーエンドで、本当に気持ちよく物語は終わる。
ただ一点の疑念を残して。

それは、ラップの父母が、その後どうなってしまったかという、想像だに恐ろしい点である。
ラップの父母はガイアにより石化したが、ラップは毎日見舞って磨いていたので、最近ではつるつるの丸い石になってしまっていた。
しかし、ガイアを倒したとき、全ての石化は解け、人々は生き返ったのだった!!
…まあ、なんとか上手いことなっていそうではあるが。

エピローグで10年後のスーを見せ、ジャスとフィーナは見せない演出は非常に良かったと思う。

という訳で、非常に手間暇とコストのかかった名作と呼ぶにふさわしいRPGだった。
予算的にも、技術的にも古き良き時代だから作れた、という面がかなりあるだろう。

機会があればファンディスクをやってみたい。

ゲームアーツ
グランディア

愛がなくても喰ってゆけます。/よしながふみ

職場に落ちていたので、あ、西洋骨董洋菓子店の人だ、と拾ってきて読んだ。

内容は、エッセイ風グルメ読み切り漫画×15本。作者行きつけの実在の店が登場し、各話最終ページにマップや予算が載って、ガイド風。作者の身辺雑記のようなショートエッセイ漫画が絡んで、その店で食事するシーンが入る、とそんな感じ。
この作者が相当食い意地が張っていて蘊蓄もあるというのは、西洋骨董洋菓子店を読んでいたので、さもありなんという事であった。
どの話も、作者と思われるYなが+αのメンツが、うまいうまいと蘊蓄を語りながら食餌を貪るシーンがメインである。
ただ、美食家ではないし何でも旨いと思う程度の味覚の持ち主である私は、それほどは興味が引かれない。旨そうだなーとは思うし、食べてみたいとも思うが、割とあっさりした印象である。それほど引き込む表現ではないだろう。特に、西洋と同じで、絵面はそれほど旨そうではないし、結局登場人物達がうまい旨い言っているだけなので、続けて何話も読むと食傷してくる。
ただ、内容のない読み切りに見せて、微妙にストーリーが流れており、作者らしきYながを始め、S原、M脇などアシスタント達や友人関係などを模した、多分創作の「エッセイ風ストーリー」は、なかなか滋味があって良かった。

愛がなくてもなどと強がっているが、その実、一度として独りで食事に行くことはない。旨い食事も気の置けない人と食べてこそ、蘊蓄も聞いてくれてこそだ。

多分だが、よしながふみはしっかりパンチの利いた濃い味が好きなのだろうという印象。その点好みは若干合いそうにない。

よしながふみ
愛がなくても喰ってゆけます。

ガラスの仮面 45巻/美内すずえ

世間では47巻が出たらしいが、うちではやっと45巻を読めました。
結構間が空くので前巻の細かな所を忘れてしまう。
さて、45巻であるが…。

さても演劇の稽古とは果てのないものなんだな、という事をしみじみ教えてくれる巻であろう。
むろん、半分イヤミである。
しかし、紅天女を「つかむ」為に皆必至にやっているのだが、マヤもこれまでに何度も何度も色々つかんでいたように思うが、今回はさらにそれに加えて重層的に解釈が付加されたという事なのだろうか。
いい加減ちょっと引っ張りすぎではないだろうか。
それよりも速くストーリーを進めて欲しいというのが読者の正直な願いだろう。
速水とマヤはまたすれ違ったままでした。

あと、ここに来て亜弓さんは目に爆弾を抱えてしまい、背水の陣で試演に臨むことに。その凄まじい決意と根性を目の当たりにした読者は、やはり判官贔屓したくなるだろう。ただ、あまりに露骨な描かれ方なので、興ざめする人がいないかと心配ではある。
亜弓さんの特訓ということで、歌子さん久々の登場。ヘレンケラーのサリバン先生以来である。
というか狙ってのことだろうが、亜弓さんの特訓の様子は、もろにヘレンケラーでのマヤとのバトル競演を彷彿とさせる。

美内すずえ
ガラスの仮面 45巻

PSP/カルネージハート エクサ/アートディンク

相変わらずちまちまと遊んでいる。
最近では、2週に1回ぐらいの頻度で、レギュレーションを切って身内の3人でアドパ対戦するのが定番である。

機体や武装の組合せを固定とし、開発の負荷を減らす為にCPUを中型までと限定すると、大体2週間ほどで、設計・開発・調整・対戦のサイクルが無理なく回る感じである。
一般の大会などと違い、ギリギリまで絞るような調整や、メタ読み対応などとはまったく無縁の世界であり、大体8割の完成度の機体で、のんびりわいわい気楽に対戦する訳である。
リソースが割けないから仕方がないね、という言い訳が最初から用意してあるので、肩肘張らずに素直に楽しめ、細く長く遊んでいられる。

今日は、そんなアドバで3人対戦する場合の設定をメモっておこう。

まず、はっきり言ってエクサの通信プレイの仕様は非常に癖があって変則的、というのが前提である。なので、プレイヤーが工夫する必要がある。

作成できるルームには、チーム募集と、メンバー募集の2タイプがある。
このうちチーム募集は、チームを持ち寄っての1vs1の対戦である。ルームに入れるのは2人だけで、他のプレイヤーが観戦をすることはできない。まあローカルなんだから後ろから覗けという事なのだろう。よってアドパで3人以上で遊ぶときには、組合せの度にルーム作成する必要があるし残りの1人は試合が見えないしで、面倒くさく且つ遊びにくいので使用しない。
次にメンバー募集であるが、この対戦仕様は、最大6人がルームに入り、各自が任意の数の機体を登録してその場で2チームを作成する。ただし操作型は各自最大1機しか登録できない。作成したチームは親が読み込んだセーブデータの登録チームリストの末尾に入るので、あとはこれを使ってマッチなどを行う。

このような条件であるので、「3人で通常の3機チームでの総当たりリーグをアドパでやりたい」という場合、次のように工夫する。

1.各自出撃機体を作成し、特に通信プレイの親はチームに組んでおく。
2.親がメンバー募集のルームを作成し、二人の子はルームに入室する。
3.子は、上下のABのチーム枠に別れて、その場でもう一度チームを組む。フォーメーションに注意する。組み終わったら登録決定する。
4.親は機体を登録しない。
5.全ての子が登録決定したら親も登録決定する。
6.マッチメイクなどで、今作成したAB2チーム(チームリストの末尾にある)と、あらかじめ作成しておいた親のチームを混ぜ(必要があれば他の任意のチームも混ぜ)、好きなようにレギュレーションを設定して遊ぶ。バトルの様子は親子3人共に配信され画面で見ることができる。もちろん視点変更なども可能である。
7.マッチが終わり別の機体でのマッチが行いたいときは、ルームを解散し、1からやり直す。

子のチームは、あらかじめチーム搬入で親に渡しておくという手もあるが、何回かリーグする間にピットタイム(調整やバグ取り、編成の変更などを行う)を取りたい場合などは、結局その場で組んだ方が柔軟に対応できる。

なお、4~6人での対戦の場合には、4~6番目の子は親にあらかじめチームをデータで渡しておいて、ルームでは機体を登録せずに登録決定すればよい。…筈であるが、これは試してないので分からない。

アドパを使ってボイチャしながらのんびり対戦するのは、かなり楽しい。特に、一回対戦が終わり、そうか~意外とミサイル重視で来たのか、ならばECMを強化して…、など数分で必死に調整して次の対戦に送り出すと、あれ?もうミサイル使ってないやん!とか、エンバグしてECMが起動しません!とか、笑えること必至である。

エクサの遊び方としては決してメインストリームではないと思うが、楽しいのでお奨めしたい。
次回は、アドパでのバトルロイヤルマッチの組み方を紹介したい。いつになるかは分からないが。


アートディンク
カルネージハート エクサ

無停電電源装置(750VA) UPS-750C/サンワサプライ

震災余波による原発停止で、各電力管区の電力の安定供給が逼迫する中、需要オーバーによる停電におびえながら節電に励む夏となった2011。

閑話であるが、個人的見解を書くと、国内の全ての原発の稼働は一切まかりならん、というのは、いくら福島の惨状を目にしたとて、あつものに懲りて膾を吹くの謂いではなかろうか。
原発は安全だ、などと言うつもりは毛頭ない。合理的な判断をすべきだ、という意味である。

100%安全な技術などありえない。理性的な人間がすべき事は、事故発生の確率に、その被害を掛け、そのリスクの期待値で見積もることであろう。たしかに原発の被害が甚大であることは骨身に沁みて分かった。だが、各地の原発が、ここ1,2年の間に同様規模の地震災害などに襲われて汚染などの被害が発生する確率は実際どれだけあるのか?それを掛け合わせたものが想定すべき被害量であり、それを、電力不足による社会的損害と比較して冷静に判断すべきだ。ヒステリックに原発はもう嫌だ、すぐ止めろ、とするのは合理的判断ではない。

万が一にも原発が損壊した際の甚大な被害は取り返しがつかない、という気持ちは分かる。しかし、完全な技術など無いのだ。車が走ればぶつかるし、飛行機は落ちるし、原発はメルトダウンするのだ。そうした事故をできるだけ少なくするよう技術を追求すべきだが、それでも、一人の死者も許されないというなら誰も車に乗れないし、少しの環境汚染も許されないというなら、ほぼ全ての工場は稼働できなくなるだろう。それは極論である。同様に、原発も、放射能汚染のリスクを想定しつつ、それが社会的に許容できる範囲内なら、リスクを理解した上で使用すべきだろう。

よって、原発はこれまで通り稼働させながら、電力供給への影響が少なくなるよう、時間を掛けて1基ずつ順に停止して検査するような方策を検討すべきである。もちろん技術的にきちんとしたごまかしのない検査や補修改修をすべきだし、安全性の評価基準も震災の教訓を基に見直すべきだろう。場合によっては、原発施設全体の停止や大規模改修が必要になるかも知れないし、最悪、立地的に安全を見込めないなら廃炉を検討する場合も出てくるだろう。

閑話休題。

ということで、発生が予想される停電に備え、UPSを導入した。
常識的にはサーバと同時購入すべきであるが、うちのような個人商店のサーバにはコスト面からも導入は躊躇する場合もあるだろう。実際、うちの場合、この10年間で、突発的な停電によるサーバの異常停止は数回ほどで、しかもその過半数は、足でコンセントを引っこ抜いた事が原因である。それ以外は、マンションの電気工事のミスによる事前予告無しの瞬停が1回、落雷による停電・瞬停が1回だったと記憶している。これらの異常停止では、ラッキーなことに、いずれもサーバに損害はなかった。落雷による停電自体はもっと回数が多いのだが、雷鳴が聞こえ出したら用心してサーバを落としてしまう、という小回りが利くのが小規模事業所のメリットなのである。

しかし、リスクということであれば、もちろん突然電源が落ちればデータ破損の可能性はある。いい機会なので、UPSを導入することにして選定を始めた。
クライアントPCは無視である。データはサーバ保存なので最悪クライアントPCなぞ壊れても買い直せば済む問題だし、そもそも大半がノートなのでUPS常備のようなものだ。そこでUPSに求められる性能として、
・安いこと
・そんなに大容量な物は要らない
・出力も矩形波で十分
・シャットダウン機能があること
・NT4.0ServerのUPSサービスと連携できること
・RS232Cで通信ができること
となり、いろいろスペックを見比べた結果、表題の機種に決め、即日Amazonで購入した。

非常に小型で簡易なので、何もUPS側の設定は必要無く(というかできず)、配線すれば即完成である。動作テストも良好であった。
今時、NT4.0ServerのUPSサービスなど使っている人はいないだろうからどれだけ有用か分からないが一応設定をメモしておく。

(1)「無停電電源インターフェース電圧」の項目は以下のように設定
電源障害信号:負
バッテリ容量低下信号:負
リモート無停電電源シャットダウン:正

(2)シャットダウン時に止めたいサービスがあれば、net stop うんたら、を書いたバッチファイルをsystem32フォルダ直下に置いて、「コマンドファイルを実行する」にバッチファイル名のみを記述

(3)瞬停ではシャットダウンして欲しくなければ、「バッテリの予測寿命」を3分以上に設定
3分の場合、停電から1分経過後にシャットダウンスタートする。それまでに復電した場合はシャットダウンしない
なお、(2)のバッチとシャットダウンプロセス自体は2分以内に完了しなければならない

以上

設置から1ヶ月以上経過したが、安定して動作してる。ただ、これはUPSの問題では無いと思うが、たまに、深夜の決まって3時か4時頃に、電源異常のアラームが鳴る。イベントビューアを見ても、UPSからの電源異常ログが入っている。頻度は1~2週に1回ほど。直結時にはサーバが落ちたりする事はこれまで無かったので、マンションの電源関係が問題で、僅かに電圧低下でも起こっているのではないかと思った。

サンワサプライ
無停電電源装置(750VA) UPS-750C

フリーランチの時代/小川一水

気が向いて久々の小川一水。全5話の短編集。相変わらず素晴らしい出来映えだ。
例によって、説明語り口調も全開で、ああ、小川一水を読んでいるんだな、と満喫できた。

まず語るべきはこれ。この本を読んだら、誰しも、おっと思う点があるハズ。
それは、「Slowlife in Starship」に出てくる逸話だ。
人間一人がどこでも生きてゆける個人用の生命維持装置の出現により、太陽系内に拡散した人類、とくに、小惑星帯に個人で気ままに暮らすベルターたちがいる時代。主人公は、半ベルターで、一人乗りの宇宙船を駆って小遣いを稼ぎ、気ままな生活を楽しんでいた。あるミッションを請け負い、トランスポンダを修理しに向かった、とある小さく変哲のない「く」の字型の小惑星でトラブルに合う。150年前に地球の小国が打ち上げた探査機の遺物であるターゲットマーカを回収して一儲けを企む男と鉢合わせしたのだ。
その探査機「ハヤブサ」とはもちろん、あのはやぶさだが、作中では、ハヤブサはここにたどり着いたあと行方不明になったと男は語る。作品が書かれた当時は、確かに行方不明になっていたのだ。しかし、実際にはハヤブサが奇跡のリカバリーと帰還を果たしたのは誰しも知る所である。著者もよもやと思ったろう。後日には臍を噛んだか脱帽したはずである。

表題作は、異星人とのファーストコンタクトもの。異星「人」かどうかは分からないが、巨大な知的演算処理を行う存在として描かれている。また「Live me Me」では、巨大なコンピュータによる、人一人の人格の生成、という現象を描いている。前の短編集でも見られたが、小川一水はこうした演算による知性と人格の生成にこだわる点がしばしば見受けられると思った。

一番引き込まれたのは「Live me Me」。自己の在処、についての佳作である。
ある女性が事故で脳死寸前の状態になってしまう。何も感じられず、体は微動だにせず、何も訴えられない。その女性を人間社会に繋ぎ直したのが、ハイペットと呼ばれる脳の状態を精密に検出する脳センサと、シンセットと呼ばれる遠隔操作する人型ロボット、そしてそしてそれらを繋ぐコンピュータの技術である。
シンセットのカメラを通して物を見、センサで音を聞き、アームで物に触れる。主人公は、かつて自分であった、ベッドに横たわったままの人の形をした肉塊よりも、シンセットが自分自身の在処であると感じるようになっていく。このへんは石黒さんの研究と同じ感覚だね。
彼女は、彼女を支えていた技術者の求婚を受け入れ結婚した。シンセットは改良を重ね、人としての法的な権利も獲得する。しかし、ある日巨大地震が彼女の居城である病院をおそい、単なる脳の容器として存在してた彼女の肉体を破壊する。脳センサが外れ、死に瀕している元の自分を発見した時、彼女は自分自身の在処という問いを再度突きつけられることになる。
脳センサが外れている以上、今こうして考えているのが、その肉体の脳では無いことが明らかであるからだ。
私は誰?
とまどう彼女は、直後、伴侶だった技術者ががれきの下で事切れているのを発見する。悲嘆に暮れ死をも考える彼女。
しかし、その後、彼女に生まれた生への意志。元自分だった人間を自らの手で安らかに送るラストシーンは、知性を持つ意志というものの屹立とした尊厳を鮮やかに描いて感動を呼ぶ。

不老不死の技術を手にした人類の混迷を描いた「千歳の坂も」。ハインラインの「愛に時間を」を少しだけ思い出した。
国家が不老不死化を国民に強制する時代。そうした国家組織に勤める主人公の役人は、どうしても処置を拒否する老女の真意が気になっていた。時代により国や政治の構成が代わるたびに、不死化は義務になったり違法になったり、不死を享受する裕福層と妬む貧困層、そして宗教的許容の可否による対立。人類は以後千年近くに亘り混迷を極めた。その時間軸に沿って展開するパノラマ感が、短いページで非常に上手く書けている。リズムが良いのだろう。

「アルワラの潮の音」は、時砂の王という長編の続編らしい。その長編はかなり評価が高いのでちょっと気になっている。ただ、こちら短篇の内容は、悪くはないがとくにどうと言うこともない感じの、普通のアクションだった。


小川一水
フリーランチの時代

3DS/いつの間にテレビ/任天堂

この3DSの特長を生かした動画配信サービスがスタートして、もう2ヶ月である。

プッシュ型のサービスで、Wifiの範囲内で勝手に受信してくれる。ただしストックはできないので、今日の番組は今日見ておかないと、明日になったら更新されてしまってもう見られない。

3DSが現在のメイン携帯ゲーム機ではないため、なかなか手にとって開くことも減っており、いくら毎日動画配信があるといっても面倒くさくてすべてはチェックしきれない。

最初は珍しかったがすぐに飽きて、ずーっと見ていなかった。ここ2週間ほどは、またボチボチと見るようになった。どれも深夜や早朝にボーっと眺めていると良い感じに緩んでくる。

今現在は、週2,3回ぐらいの割合でチェックしている。見ている番組は、手品、鉄ビュー、彫刻。
最初はそれほど3Dの効果があるのか疑問な番組も多かったが、最近の彫刻などは3D度合いを意識したような映像に変わって、結構きついほどである。ただ、3DSの解像度自体が低いので、致し方ない点もある。

豆芝やCMは即座にストップだ。でもこの情報もフィードバックされてるはずなので、途中に挟んだり頭に入れたり、いろいろしてくるだろうな。

お茶にごす。 3巻/西森博之

という訳で早速買ってしまいました。

しかし、パソコン画面をクリックするだけで、わざわざブックオフに出向いて買うより安い値段でしかも送料無料、翌日に宅急便で届くというのは、ちょっとやり過ぎなのではないかと誰かに向かって言いたくなるね。と利用しておいて言うのも何だけど。

内容。
相変わらず面白いのではあるが、この巻はちょっとバイオレンスに偏重してしまってやや期待はずれ。
茶道部なんだからもっと茶道をやろうよ。
というのは嘘で、面白ければ別に茶道はどうでもいいけどね。あ~るのような全然部活動をしない漫画に向かってもよいな。多分ならないだろうけど。

姉崎部長がみんなに指導・説得して回る所が一番面白かった。ああいう繰り返しのような形式ギャグは実は結構好きだ。彼^2でも、まったく同じシーンを雪野と有馬の両方の心象で2回描いた話や浅葉と雪野がそれぞれ有馬と夏休みの話をする話などは出色だった。

まークンと部長だけでなく、夏帆と山田の線が出てきた。今後に期待。


西森博之
お茶にごす。 3巻