PC/ローラーコースター タイクーン おもしろ景観キット ゴールド/メディアカイト
もう15年ぐらい前に遊んでいたゲームである。
最近遊んだという訳ではないが、思い出したので書いた。
というのも、このところ「勇者のくせになまいきだor2」をプレイしていて、ニジリゴケ(いわゆるスライム)などが、ダンジョン内をうねうねうごめいている様を見ると、このゲームに重なって見えてきたからだ。
ジェットコースター(jet coaster)は英語ではありません。英語ではローラーコースター(roller coaster)。というのは英単語豆知識本の定番項目だが、その名の通り、このゲームは遊園地経営シミュレーションである。
特徴としては、コースターの高い設計自由度と、園内を動き回る入園者が遊ぶ様を眺める楽しみが挙げられる。
特にコースターデザインは、豊富なパーツから、予算の許す限り、どんな設計も望みのままである。
昔、妻が設計した「こわいみけぼん」は、世界最大のコースターの多分倍はあるだろうという壮大なシロモノで、目も眩むような高みまで上り詰め、一気に滑り落ちるその最大速度は200km/hオーバー、最大加速度3G超というモンスターマシンだった(と思う)。
そして勇んでやってきた入園者は、マシンの入り口でその威容を見上げたとたんに震え上がり、皆「こえーよ」と帰っていった。「こわいみけぼん」に乗ってやろうという猛者は、とうとう現れなかった、と記憶している。
モンスターマシンだけではなく、メリーゴーラウンドのようなライトな遊具や、ボート類、ハウス物など始め、売店やトイレなどの施設、そしてそれらで働く従業員のシフトなど、経営者としてありとあらゆる点に目を配る事が要求される。
シナリオとしては、入園者や利益などで目標の達成を要求されるが、それさえクリアすれば、どんな遊園地にしようがプレイヤーの自由である。景観パーツばかりを多用した公園のようなパークにしても良いし、コースターばかりの絶叫ランドも良いだろう。
とにかく、自由気ままに遊園地を作り、そしてそこで入園者が遊ぶ様を見ているだけで楽しかった。コースターなどには、実際に、一人一人グラフィックスで描かれた入園者が搭乗し、自分が設計したコースを疾走しながら、時折、キャーと歓声を上げてくれるのだ。
そういや、最近遊んでないし、最新版とかあるのかな、と調べてみると、PCでは3まで登場し、コンシューマでは1をベースにしたっぽい移植版がXBoxで出ていた。
PC版は日本語版が出ているが、XBoxは海外版だけのようだ。しかし、ネットを漁ると、リージョン制限を受けておらず、国内のXBoxで起動可能との情報も得た。
PCでは、あまりゲームをしたくない。仕事兼用マシンであるから不安定要因は入れたくない、という事と、リビングで、できれば妻と遊びたい、という2つの理由からである。
XBox版を買ってみるか。でも日本橋回って見つからなければ海外ショップだな~、と思っていた矢先、なんと衝撃の情報を入手した。
アタリより3DS版「ローラーコースタータイクーン3D」、2012年5月発売!
これだー!
しかし、オチがあって、海外のみなのである。日本のローカライズは全く未定。取り敢えず任天堂にはローカライズ販売してくれとメールしておいたが、何とか日本でも発売されないだろうかと願う。しかしアタリジャパンって無くなってたのか…。

メディアカイト
ローラーコースター タイクーン おもしろ景観キット ゴールド
最近遊んだという訳ではないが、思い出したので書いた。
というのも、このところ「勇者のくせになまいきだor2」をプレイしていて、ニジリゴケ(いわゆるスライム)などが、ダンジョン内をうねうねうごめいている様を見ると、このゲームに重なって見えてきたからだ。
ジェットコースター(jet coaster)は英語ではありません。英語ではローラーコースター(roller coaster)。というのは英単語豆知識本の定番項目だが、その名の通り、このゲームは遊園地経営シミュレーションである。
特徴としては、コースターの高い設計自由度と、園内を動き回る入園者が遊ぶ様を眺める楽しみが挙げられる。
特にコースターデザインは、豊富なパーツから、予算の許す限り、どんな設計も望みのままである。
昔、妻が設計した「こわいみけぼん」は、世界最大のコースターの多分倍はあるだろうという壮大なシロモノで、目も眩むような高みまで上り詰め、一気に滑り落ちるその最大速度は200km/hオーバー、最大加速度3G超というモンスターマシンだった(と思う)。
そして勇んでやってきた入園者は、マシンの入り口でその威容を見上げたとたんに震え上がり、皆「こえーよ」と帰っていった。「こわいみけぼん」に乗ってやろうという猛者は、とうとう現れなかった、と記憶している。
モンスターマシンだけではなく、メリーゴーラウンドのようなライトな遊具や、ボート類、ハウス物など始め、売店やトイレなどの施設、そしてそれらで働く従業員のシフトなど、経営者としてありとあらゆる点に目を配る事が要求される。
シナリオとしては、入園者や利益などで目標の達成を要求されるが、それさえクリアすれば、どんな遊園地にしようがプレイヤーの自由である。景観パーツばかりを多用した公園のようなパークにしても良いし、コースターばかりの絶叫ランドも良いだろう。
とにかく、自由気ままに遊園地を作り、そしてそこで入園者が遊ぶ様を見ているだけで楽しかった。コースターなどには、実際に、一人一人グラフィックスで描かれた入園者が搭乗し、自分が設計したコースを疾走しながら、時折、キャーと歓声を上げてくれるのだ。
そういや、最近遊んでないし、最新版とかあるのかな、と調べてみると、PCでは3まで登場し、コンシューマでは1をベースにしたっぽい移植版がXBoxで出ていた。
PC版は日本語版が出ているが、XBoxは海外版だけのようだ。しかし、ネットを漁ると、リージョン制限を受けておらず、国内のXBoxで起動可能との情報も得た。
PCでは、あまりゲームをしたくない。仕事兼用マシンであるから不安定要因は入れたくない、という事と、リビングで、できれば妻と遊びたい、という2つの理由からである。
XBox版を買ってみるか。でも日本橋回って見つからなければ海外ショップだな~、と思っていた矢先、なんと衝撃の情報を入手した。
アタリより3DS版「ローラーコースタータイクーン3D」、2012年5月発売!
これだー!
しかし、オチがあって、海外のみなのである。日本のローカライズは全く未定。取り敢えず任天堂にはローカライズ販売してくれとメールしておいたが、何とか日本でも発売されないだろうかと願う。しかしアタリジャパンって無くなってたのか…。
スリープトラッカー プロエリート
以前のエントリで、4時間半熟睡法の実践について書いた。その続報を。
これまでを振り返ると、昨秋「4時間半熟睡法」という短時間睡眠の指導書を読み、1ヶ月ほど実践したところ、体調も良く自分に合っている睡眠法だと思われた、ついては専用の目覚ましを購入してさらに継続実践したい、という事である。4時間半熟睡法/遠藤拓郎 4時間半熟睡法その後
実践が昨年の11月の話なので、もう、4ヶ月も前の事である。早い物だ。この4ヶ月半、ほぼ実践している。
そして、前回のエントリで触れたスリープトラッカーを購入しているのでそれを合わせて語ろう。
まず、前回から変更になった点について。
睡眠時間を大きくシフトした。11月のテスト時では、4時就寝8時半起床を基本睡眠時間としていたが、1時半就寝6時起床に変更した。そのエントリ中でも本来はこの時間帯がベストと語っていたと思う。変更の理由は色々あるが、
・イベント等で7時8時など早朝出発する事が希にあるが、そうした時に睡眠時間がずれてしまい調整が面倒
・自分のしたい事に費やすフリータイムは、就寝前より起床後に作った方が、能率も成果も段違い
・より体調に負担の少ない睡眠時間帯である
などである。特に2番目の理由は重要だ。以前は4時まで起きてはいても、しばしばうつらうつらし、半分眠り掛けのボーっとした頭で過ごしている事もままあった。やはり4時間半と短時間とはいえ、睡眠後のリフレッシュした体調とは比較にならない。
ただし、デメリットもある。以前の8時半の起床では、ほぼ確実に起きれられた。妻も起きて動き出すのでその気配も感じるし、何よりこの時間を寝過ごすと仕事に支障が出るデッドラインという潜在意識の危機感がある。それに引き替え、6時起床は、最悪寝過ごしても何も問題はない。よって、6時に目は覚めるものの、うっかりまた寝入ってしまい、気が付いたら7時半、等という事が起こりやすい。
という訳で、表題のスリープトラッカーの出番である。これは一言でいうと、睡眠の浅い状態を検知して起こしてくれる腕時計型目覚ましである。人の睡眠にはリズムがある。眠りが浅い時は脳が覚醒状態に近いので、深い眠りの状態に比べれば容易に起床できる。ならば、その時に目覚ましを鳴らせばよいのでは?という理屈である。
ちょっと前にはテレビ等で話題にもなったらしい。
すこしでも良い睡眠の質そして起床後の体調を求め、大枚はたいて購入した。
まず、見た目はただの安っぽいデジタルウォッチである。ファッションにこだわる人ではなかなか日中は装着しづらいと思われるデザインだ。夜間専用と割り切った方が良いだろう。
眠りの質を検知する原理であるが、眠りが浅いと寝返りなど体がよく動くという単純な現象を利用し、体の動きを内蔵した加速度センサーもしくは振動センサーで検知して判断しているようである。この体の運動信号の処理に多少のノウハウがあるようだ。スリープトラッカーを手に持ってぶんぶん振っても反応せず、ゆっくりと本体を回転させるように動かすと反応する。お尻をぼりぼり掻いても無視し、寝返りを打つと浅い眠り=レム睡眠と判断するような調整と思われる。
特徴として、一晩の睡眠のうち、レム睡眠が発生した時刻を記録して後で閲覧できる機能がある。後述するがPCにデータを取り込んで記録もできる。このデータを見る限りでは、検知された浅い眠りと判断された信号は、一般的なレム睡眠の周期や頻度の傾向に合致するように思われるので、動作精度的には割と信頼できるのではないか。
動作設定の方法は、アラーム時間、アラーム幅時間、そして就寝時間の3つをセットする。
アラーム時間は普通の起床時間である。私の場合は6時だ。そして、この6時のどれくらい前から浅い眠りを検知するのか?という設定がアラーム幅時間(アラームウインドウ)である。この数字は、しばらく本製品を使用して、アラーム周期の平均を調べ、それに基づいて設定してやればよいだろう。私の場合はレム睡眠信号の平均間隔がおおよそ30分台なので、40分に設定してある。最後に、就寝時間を設定すると、それ以後の感知したレム睡眠運動を記録してゆく。規則正しい生活を送る人は、初期に一度設定すれば後は変更の必要はないだろう。就寝時間は周期的に長睡眠の日があるため設定変更の必要があるが、現在時刻の30分後を設定するショートカットボタンがあるので、これで事足りるだろう。
さて、私の場合には、1:30に就寝し、およそ2:00頃に設定された就寝時間より後はレム睡眠を記録してゆく。そして、アラーム時間の6時の40分前、5時20分以降にレム睡眠を感知するとアラームが鳴る、という仕組みである。ずっとレム睡眠を感知しなかった場合にも6時になればアラームが鳴る。また、設定をすると、検知アラーム後に6時にも再度アラームを鳴らす事が可能だ。しかし、この二度寝用の悪魔の機能は不要だったと思う。
さて、一番肝心な、「スッキリ目覚められる」効果はどれほどの物か?という点である。
実は、残念な事に、この点はあまり効果がないと言わざるを得ない。
その理由は、目覚まし時計としての性能における原理的な弱点による。
スリープトラッカーは、基本的に腕時計として腕に装着する。つまり、腕と一緒に布団の中である。耳は布団の外である。元々そんなに大きくないアラーム音は、布団の防音効果でほぼ聞こえないのだ。
アラームには音の他、振動を組み合わせる事もできる。しかし、この振動をしっかり感じるためには、スリープトラッカーのバンドをぎゅっと締めて腕に密着させる必要があるが、私はきつい腕時計バンドは苦手で、とくにリラックスして休みたい睡眠時にはなおさらである。バンドが緩いと、場合によっては最悪スリープトラッカー本体が腕表面から離れ、感知する振動が大幅に減衰して気づかないレベルに落ちる場合もある。
レム睡眠とは山の頂である。たとえそこで目が覚めても、起きずにいれば急速にまた深い睡眠へと落ちてゆく。目覚ましを足元や布団から離れた場所に置いている人も多いだろう。目覚ましを止めるために起きあがったり、歩いたりする事で、眠気を振り払い確実な起床を手に入れるためである。おわかりだろう。腕に装着するスリープトラッカーは、慣れてしまえば、アラームの瞬間、無意識に即座にアラームを止められる。レム睡眠感知時のアラームの他、設定時間での再アラーム機能もあるが、いずれも、瞬間停止して記憶にない、という芸当が可能だ。なにせ布団から腕を出すことすらなく処理できるのであるから。
これらの2つの理由により、スリープトラッカー本体での目覚まし効果は、極めて脆弱といわざるを得ない。
浅い眠りの状態は、確かに深い眠りの状態に比べれば、格段に起床が容易である。それは間違いない。そのタイミングを指摘してくれるスリープトラッカーは、機能の方向性としては間違っていない。
しかし、たとえ浅い眠りでも、魔法のようにぱっちり目が覚める訳ではない。起床時間である事を感知できる適度な信号があり、そして起床するという意志の力がある程度以上働かなければ、起床には繋がらない。
思うに、スリープトラッカーが最も効果的なのは、多忙などで日々の就寝時間が変動しやすく、なおかつ起床と行動に意欲のあるビジネスマンなどではないか。こうした人が限られた時間の中で、できる限り睡眠の質を高めたい、起床後の目覚めを良くしたい、という目的で使用する事には非常に意味があると思う。
逆に、私のように就寝も起床もかなり規則的な生活をしている人には、もともと睡眠の質がよいので、この製品自体の効果はあまり見えてこないだろう。
そして、不規則な生活などに起因する起床困難の悩みから、どんな目覚ましでも起きられないから、藁にもすがる思いでこれを買おう、というようなタイプの人は、多分無駄金を使う可能性が高いだろう。
私は、スリープトラッカーを毎日使用しているが、基本的には、これまで通りの目覚まし時計で、6時に起床している事がほとんどだ。スリープトラッカーのアラームで起床するのは5回に1回程度である。スリープトラッカーの鳴動は感じて憶えているが結局6時の目覚ましで起きるケースが多く、スリープトラッカーの鳴動が全く記憶にない日もままある。また前述のように7時過ぎまで寝過ごしてしまう事も月に数度は発生する。
4時間半熟睡法はおおよそ安定して継続できているが、理想的な周期での規則正しい睡眠を習慣にできた点が最大の要因である。
どんなに眠くても6時には起きる。どんなに眠くても1時半までは寝ない(もしくは12時、10時半など、90分単位での変更なら寝ても良い)。きっちりと時間を守った就寝起床を繰り返す事で、習慣づけたのである。
そして、その実現には通常の目覚ましでも何ら機能不足はなく、スリープトラッカー自体による寄与は低いだろう。
実際、スリープトラッカーで起きた日は、目覚ましで6時に起きた日と比べ、格段に目覚めが良かったり体調が良かったりという実感は特にない。
では、スリープトラッカーは全く無用の長物か、というとそんな事はない。私も毎日使用している。
それは、睡眠の記録機能があるからである。一晩の眠りの中でのレム睡眠発生の分布を記録し、継続した記録の中で傾向を見ることによって、そこから個々の睡眠の質を判断する事ができる。
目覚めが悪いとか、眠気が出てくるとか、睡眠の不調がある場合には、記録を見て対処を練る。例えば、週に1回以上入れるべき長睡眠は、いつどれぐらいの頻度で入れるべきなのか。サインはあるのか。
また、飲食運動など、睡眠前の行動による影響を判断し、生活習慣にフィードバックすることで睡眠の質を改善する手助けになるだろう。
このようにスリープトラッカーの記録機能は重要である。本体単体でも記録を確認する事はできるが、腕時計の液晶表示では分かりづらいし、本体に記録できるのは直前の睡眠のデータだけである。このスリープトラッカープロエリートの特徴は、専用のUSBケーブルが付属して、データをPCに取り込める点にもある。取り込みには専用ソフトをDLして使用する。これにより、連続した記録を一覧し、グラフィカルに把握する事が可能である。
と、原理的にはそうなのだが、ただひとつ難点があって、それはこのソフトの質が最悪なのである。
異様に重い上に、ろくすっぽ機能もなく、表示も貧弱で、おまけにバグもある。今時、高校のパソコンクラブだってもっとましなソフトを作るだろうというデキである。仕様も本当に貧弱で、何のためのソフトか分かって作っているとは到底思えない。評価できるのは、USBでデータを取り込めるというただその点だけである。そのうちDLL流用して自分でもっとましなソフトを作ろうと思っている。
さて、以上をまとめると、
・4時間半熟睡法は、4ヶ月以上に渡って、快調に実践中
・睡眠時間は、1時半就寝6時起床に落ち着いた
・スリープトラッカーの目覚まし効果は貧弱
・スリープトラッカーの記録機能は有用
・スリープトラッカー付属のデータ管理ソフトは最悪レベル
スリープトラッカー本体から電波を受けて鳴動する別売りの目覚ましユニットがあれば、スリープトラッカーの弱点を補い、その効果は倍増するだろう。これは、本当の意味で目覚ましの革命になりうると思われる。ぜひ発売を検討して欲しいものだ。
スリープトラッカー プロエリート
これまでを振り返ると、昨秋「4時間半熟睡法」という短時間睡眠の指導書を読み、1ヶ月ほど実践したところ、体調も良く自分に合っている睡眠法だと思われた、ついては専用の目覚ましを購入してさらに継続実践したい、という事である。4時間半熟睡法/遠藤拓郎 4時間半熟睡法その後
実践が昨年の11月の話なので、もう、4ヶ月も前の事である。早い物だ。この4ヶ月半、ほぼ実践している。
そして、前回のエントリで触れたスリープトラッカーを購入しているのでそれを合わせて語ろう。
まず、前回から変更になった点について。
睡眠時間を大きくシフトした。11月のテスト時では、4時就寝8時半起床を基本睡眠時間としていたが、1時半就寝6時起床に変更した。そのエントリ中でも本来はこの時間帯がベストと語っていたと思う。変更の理由は色々あるが、
・イベント等で7時8時など早朝出発する事が希にあるが、そうした時に睡眠時間がずれてしまい調整が面倒
・自分のしたい事に費やすフリータイムは、就寝前より起床後に作った方が、能率も成果も段違い
・より体調に負担の少ない睡眠時間帯である
などである。特に2番目の理由は重要だ。以前は4時まで起きてはいても、しばしばうつらうつらし、半分眠り掛けのボーっとした頭で過ごしている事もままあった。やはり4時間半と短時間とはいえ、睡眠後のリフレッシュした体調とは比較にならない。
ただし、デメリットもある。以前の8時半の起床では、ほぼ確実に起きれられた。妻も起きて動き出すのでその気配も感じるし、何よりこの時間を寝過ごすと仕事に支障が出るデッドラインという潜在意識の危機感がある。それに引き替え、6時起床は、最悪寝過ごしても何も問題はない。よって、6時に目は覚めるものの、うっかりまた寝入ってしまい、気が付いたら7時半、等という事が起こりやすい。
という訳で、表題のスリープトラッカーの出番である。これは一言でいうと、睡眠の浅い状態を検知して起こしてくれる腕時計型目覚ましである。人の睡眠にはリズムがある。眠りが浅い時は脳が覚醒状態に近いので、深い眠りの状態に比べれば容易に起床できる。ならば、その時に目覚ましを鳴らせばよいのでは?という理屈である。
ちょっと前にはテレビ等で話題にもなったらしい。
すこしでも良い睡眠の質そして起床後の体調を求め、大枚はたいて購入した。
まず、見た目はただの安っぽいデジタルウォッチである。ファッションにこだわる人ではなかなか日中は装着しづらいと思われるデザインだ。夜間専用と割り切った方が良いだろう。
眠りの質を検知する原理であるが、眠りが浅いと寝返りなど体がよく動くという単純な現象を利用し、体の動きを内蔵した加速度センサーもしくは振動センサーで検知して判断しているようである。この体の運動信号の処理に多少のノウハウがあるようだ。スリープトラッカーを手に持ってぶんぶん振っても反応せず、ゆっくりと本体を回転させるように動かすと反応する。お尻をぼりぼり掻いても無視し、寝返りを打つと浅い眠り=レム睡眠と判断するような調整と思われる。
特徴として、一晩の睡眠のうち、レム睡眠が発生した時刻を記録して後で閲覧できる機能がある。後述するがPCにデータを取り込んで記録もできる。このデータを見る限りでは、検知された浅い眠りと判断された信号は、一般的なレム睡眠の周期や頻度の傾向に合致するように思われるので、動作精度的には割と信頼できるのではないか。
動作設定の方法は、アラーム時間、アラーム幅時間、そして就寝時間の3つをセットする。
アラーム時間は普通の起床時間である。私の場合は6時だ。そして、この6時のどれくらい前から浅い眠りを検知するのか?という設定がアラーム幅時間(アラームウインドウ)である。この数字は、しばらく本製品を使用して、アラーム周期の平均を調べ、それに基づいて設定してやればよいだろう。私の場合はレム睡眠信号の平均間隔がおおよそ30分台なので、40分に設定してある。最後に、就寝時間を設定すると、それ以後の感知したレム睡眠運動を記録してゆく。規則正しい生活を送る人は、初期に一度設定すれば後は変更の必要はないだろう。就寝時間は周期的に長睡眠の日があるため設定変更の必要があるが、現在時刻の30分後を設定するショートカットボタンがあるので、これで事足りるだろう。
さて、私の場合には、1:30に就寝し、およそ2:00頃に設定された就寝時間より後はレム睡眠を記録してゆく。そして、アラーム時間の6時の40分前、5時20分以降にレム睡眠を感知するとアラームが鳴る、という仕組みである。ずっとレム睡眠を感知しなかった場合にも6時になればアラームが鳴る。また、設定をすると、検知アラーム後に6時にも再度アラームを鳴らす事が可能だ。しかし、この二度寝用の悪魔の機能は不要だったと思う。
さて、一番肝心な、「スッキリ目覚められる」効果はどれほどの物か?という点である。
実は、残念な事に、この点はあまり効果がないと言わざるを得ない。
その理由は、目覚まし時計としての性能における原理的な弱点による。
スリープトラッカーは、基本的に腕時計として腕に装着する。つまり、腕と一緒に布団の中である。耳は布団の外である。元々そんなに大きくないアラーム音は、布団の防音効果でほぼ聞こえないのだ。
アラームには音の他、振動を組み合わせる事もできる。しかし、この振動をしっかり感じるためには、スリープトラッカーのバンドをぎゅっと締めて腕に密着させる必要があるが、私はきつい腕時計バンドは苦手で、とくにリラックスして休みたい睡眠時にはなおさらである。バンドが緩いと、場合によっては最悪スリープトラッカー本体が腕表面から離れ、感知する振動が大幅に減衰して気づかないレベルに落ちる場合もある。
レム睡眠とは山の頂である。たとえそこで目が覚めても、起きずにいれば急速にまた深い睡眠へと落ちてゆく。目覚ましを足元や布団から離れた場所に置いている人も多いだろう。目覚ましを止めるために起きあがったり、歩いたりする事で、眠気を振り払い確実な起床を手に入れるためである。おわかりだろう。腕に装着するスリープトラッカーは、慣れてしまえば、アラームの瞬間、無意識に即座にアラームを止められる。レム睡眠感知時のアラームの他、設定時間での再アラーム機能もあるが、いずれも、瞬間停止して記憶にない、という芸当が可能だ。なにせ布団から腕を出すことすらなく処理できるのであるから。
これらの2つの理由により、スリープトラッカー本体での目覚まし効果は、極めて脆弱といわざるを得ない。
浅い眠りの状態は、確かに深い眠りの状態に比べれば、格段に起床が容易である。それは間違いない。そのタイミングを指摘してくれるスリープトラッカーは、機能の方向性としては間違っていない。
しかし、たとえ浅い眠りでも、魔法のようにぱっちり目が覚める訳ではない。起床時間である事を感知できる適度な信号があり、そして起床するという意志の力がある程度以上働かなければ、起床には繋がらない。
思うに、スリープトラッカーが最も効果的なのは、多忙などで日々の就寝時間が変動しやすく、なおかつ起床と行動に意欲のあるビジネスマンなどではないか。こうした人が限られた時間の中で、できる限り睡眠の質を高めたい、起床後の目覚めを良くしたい、という目的で使用する事には非常に意味があると思う。
逆に、私のように就寝も起床もかなり規則的な生活をしている人には、もともと睡眠の質がよいので、この製品自体の効果はあまり見えてこないだろう。
そして、不規則な生活などに起因する起床困難の悩みから、どんな目覚ましでも起きられないから、藁にもすがる思いでこれを買おう、というようなタイプの人は、多分無駄金を使う可能性が高いだろう。
私は、スリープトラッカーを毎日使用しているが、基本的には、これまで通りの目覚まし時計で、6時に起床している事がほとんどだ。スリープトラッカーのアラームで起床するのは5回に1回程度である。スリープトラッカーの鳴動は感じて憶えているが結局6時の目覚ましで起きるケースが多く、スリープトラッカーの鳴動が全く記憶にない日もままある。また前述のように7時過ぎまで寝過ごしてしまう事も月に数度は発生する。
4時間半熟睡法はおおよそ安定して継続できているが、理想的な周期での規則正しい睡眠を習慣にできた点が最大の要因である。
どんなに眠くても6時には起きる。どんなに眠くても1時半までは寝ない(もしくは12時、10時半など、90分単位での変更なら寝ても良い)。きっちりと時間を守った就寝起床を繰り返す事で、習慣づけたのである。
そして、その実現には通常の目覚ましでも何ら機能不足はなく、スリープトラッカー自体による寄与は低いだろう。
実際、スリープトラッカーで起きた日は、目覚ましで6時に起きた日と比べ、格段に目覚めが良かったり体調が良かったりという実感は特にない。
では、スリープトラッカーは全く無用の長物か、というとそんな事はない。私も毎日使用している。
それは、睡眠の記録機能があるからである。一晩の眠りの中でのレム睡眠発生の分布を記録し、継続した記録の中で傾向を見ることによって、そこから個々の睡眠の質を判断する事ができる。
目覚めが悪いとか、眠気が出てくるとか、睡眠の不調がある場合には、記録を見て対処を練る。例えば、週に1回以上入れるべき長睡眠は、いつどれぐらいの頻度で入れるべきなのか。サインはあるのか。
また、飲食運動など、睡眠前の行動による影響を判断し、生活習慣にフィードバックすることで睡眠の質を改善する手助けになるだろう。
このようにスリープトラッカーの記録機能は重要である。本体単体でも記録を確認する事はできるが、腕時計の液晶表示では分かりづらいし、本体に記録できるのは直前の睡眠のデータだけである。このスリープトラッカープロエリートの特徴は、専用のUSBケーブルが付属して、データをPCに取り込める点にもある。取り込みには専用ソフトをDLして使用する。これにより、連続した記録を一覧し、グラフィカルに把握する事が可能である。
と、原理的にはそうなのだが、ただひとつ難点があって、それはこのソフトの質が最悪なのである。
異様に重い上に、ろくすっぽ機能もなく、表示も貧弱で、おまけにバグもある。今時、高校のパソコンクラブだってもっとましなソフトを作るだろうというデキである。仕様も本当に貧弱で、何のためのソフトか分かって作っているとは到底思えない。評価できるのは、USBでデータを取り込めるというただその点だけである。そのうちDLL流用して自分でもっとましなソフトを作ろうと思っている。
さて、以上をまとめると、
・4時間半熟睡法は、4ヶ月以上に渡って、快調に実践中
・睡眠時間は、1時半就寝6時起床に落ち着いた
・スリープトラッカーの目覚まし効果は貧弱
・スリープトラッカーの記録機能は有用
・スリープトラッカー付属のデータ管理ソフトは最悪レベル
スリープトラッカー本体から電波を受けて鳴動する別売りの目覚ましユニットがあれば、スリープトラッカーの弱点を補い、その効果は倍増するだろう。これは、本当の意味で目覚ましの革命になりうると思われる。ぜひ発売を検討して欲しいものだ。
スリープトラッカー プロエリート
ふりかけスパゲッティ
レシピというにはおこがましいほどのものだし、誰でも作っているだろうが、最近続けて作ったので書いておく。
用意する物
・パスタ・ふりかけ類・バター・オリーブオイル・塩
作り方
1.鍋にお湯を沸かし、塩を入れて、パスタをゆでる。パスタはやや細麺をやや固めにゆでるのがお奨め。
2.茹だったら手早く湯を切り、ボウルに入れてバターとオリーブオイルをさっと和える。量は1人10g程度でお好みで。
3.パスタにふりかけをかけて素早く和える。量は、一人分のパスタ100gに対して小さじ1~2でお好みで。
4.綺麗に皿に盛り、てっぺんにもう一度少しだけふりかけをかけて仕上げる。
手間とコストそして味を勘案したパフォーマンスでは圧倒的な性能と評価できるだろう。
ふりかけは何でも合うと思うが、特にお奨めのベスト3は、
1位 たらこ(丸美屋)
たらこスパとして遜色なし。海苔も入ってとにかく旨い。七味を加えれば明太子スパに。
2位 お茶づけ海苔(永谷園)
スタンダードな味わいの和風スパに。あられの食感が最高。サケや梅、野沢菜もよいだろう。
3位 のりたま(丸美屋)
ふんわりとした味 の仕上がり。飽きが来ない。
用意する物
・パスタ・ふりかけ類・バター・オリーブオイル・塩
作り方
1.鍋にお湯を沸かし、塩を入れて、パスタをゆでる。パスタはやや細麺をやや固めにゆでるのがお奨め。
2.茹だったら手早く湯を切り、ボウルに入れてバターとオリーブオイルをさっと和える。量は1人10g程度でお好みで。
3.パスタにふりかけをかけて素早く和える。量は、一人分のパスタ100gに対して小さじ1~2でお好みで。
4.綺麗に皿に盛り、てっぺんにもう一度少しだけふりかけをかけて仕上げる。
手間とコストそして味を勘案したパフォーマンスでは圧倒的な性能と評価できるだろう。
ふりかけは何でも合うと思うが、特にお奨めのベスト3は、
1位 たらこ(丸美屋)
たらこスパとして遜色なし。海苔も入ってとにかく旨い。七味を加えれば明太子スパに。
2位 お茶づけ海苔(永谷園)
スタンダードな味わいの和風スパに。あられの食感が最高。サケや梅、野沢菜もよいだろう。
3位 のりたま(丸美屋)
ふんわりとした味 の仕上がり。飽きが来ない。
夏のあらし!/小林尽
例によって職場で拾った本。妻が先に読んでイマイチとのことだったが、若干見所ありそうな予感があり読んでみた。
ちなみに、最近マンガ発掘プロジェクトという感じで、妻と大量の漫画本を職場から持ち帰って読んでいたが、その大半は続きを読みたいと思わせるようなものでなく、予想通り、闇から闇へと消えていったのであった。
取り敢えず手元の1,2巻のみ読んだ。なお作者は知らず作品は初めて読む。
現代の中学生、八坂一(はじめ)のひと夏の物語、のようである。夏休みに祖父の家に帰省した一は、ふと立ち寄った喫茶店「方船」で、ヒロインの嵐山小夜子に一目惚れし、あらしサンと呼んで慕う。どこか古風な雰囲気を漂わせる高校生バイトのあらしは、やはりただ者ではなく、実は60年前と現代を行き来する能力を持った幽霊だった。
一という「通じる」パートナーに出会った事で時間移動能力を得たあらしは、一に60年前の世界を見せる。60年前、あらしはここ横浜の女子高生であり、空襲での死を経て、こうした特異な状況が誕生したようである。あれから60回の夏を巡り、そして今、一と出会ったあらし。同じく中学生の潤、方舟の怪しげなマスターで詐欺師のさやかなどを巻き込みながら、謎の多い物語が動き出してゆく。
と、ここまで読んだ限りでは、テーマとしては、少年の一夏の恋をベースに、タイムトラベル、パラレルワールド、そして戦争、という事になるのだろうか。提示が遅いので、もし2巻を読まずに1巻だけだったら、単なるラノベ調の少年ラブコメと思って、捨てていただろう。逆に、そうした層を引き込むために、お軽い既定路線から攻めて、じっくりと重厚なテーマへ引き込んでゆく、という作戦なのかも知れない。今後、こうした重いテーマについてどれ程描きうるのかについては若干興味がある。
Bの鉛筆で描いたような、線の太く粗いタッチの絵柄は、割と良い感じである。時代感を出すためなのか元々の持ち味なのか、トーンも少なめで物語の空気にマッチしていると思われる。キャラクターの造形は並。一はやや買うが、あらしは今のところ魅力不十分か。今後に期待だろう。構成はややごちゃつき感がある。時々、おっと、目を引く構図があるのは好印象。白抜きのB29は上手いと思った。
さて、今後であるが、展開に興味はあるものの、予算に限りのある身の上では、買ってまで、とは思えなかった。図書館には無いようなので、まあ、新古書店での立ち読みなど機会があれば読んでみたい。

小林尽
夏のあらし!
ちなみに、最近マンガ発掘プロジェクトという感じで、妻と大量の漫画本を職場から持ち帰って読んでいたが、その大半は続きを読みたいと思わせるようなものでなく、予想通り、闇から闇へと消えていったのであった。
取り敢えず手元の1,2巻のみ読んだ。なお作者は知らず作品は初めて読む。
現代の中学生、八坂一(はじめ)のひと夏の物語、のようである。夏休みに祖父の家に帰省した一は、ふと立ち寄った喫茶店「方船」で、ヒロインの嵐山小夜子に一目惚れし、あらしサンと呼んで慕う。どこか古風な雰囲気を漂わせる高校生バイトのあらしは、やはりただ者ではなく、実は60年前と現代を行き来する能力を持った幽霊だった。
一という「通じる」パートナーに出会った事で時間移動能力を得たあらしは、一に60年前の世界を見せる。60年前、あらしはここ横浜の女子高生であり、空襲での死を経て、こうした特異な状況が誕生したようである。あれから60回の夏を巡り、そして今、一と出会ったあらし。同じく中学生の潤、方舟の怪しげなマスターで詐欺師のさやかなどを巻き込みながら、謎の多い物語が動き出してゆく。
と、ここまで読んだ限りでは、テーマとしては、少年の一夏の恋をベースに、タイムトラベル、パラレルワールド、そして戦争、という事になるのだろうか。提示が遅いので、もし2巻を読まずに1巻だけだったら、単なるラノベ調の少年ラブコメと思って、捨てていただろう。逆に、そうした層を引き込むために、お軽い既定路線から攻めて、じっくりと重厚なテーマへ引き込んでゆく、という作戦なのかも知れない。今後、こうした重いテーマについてどれ程描きうるのかについては若干興味がある。
Bの鉛筆で描いたような、線の太く粗いタッチの絵柄は、割と良い感じである。時代感を出すためなのか元々の持ち味なのか、トーンも少なめで物語の空気にマッチしていると思われる。キャラクターの造形は並。一はやや買うが、あらしは今のところ魅力不十分か。今後に期待だろう。構成はややごちゃつき感がある。時々、おっと、目を引く構図があるのは好印象。白抜きのB29は上手いと思った。
さて、今後であるが、展開に興味はあるものの、予算に限りのある身の上では、買ってまで、とは思えなかった。図書館には無いようなので、まあ、新古書店での立ち読みなど機会があれば読んでみたい。
スラムダンク 19巻/井上雄彦
いよいよ陵南との後半戦がスタート。
前半終了間際、三井の3ポイントで追い上げムードの湘北サイドには、いける、という気合いがみなぎっていた。
そして、静かに一人闘志を燃やす流川。前半は捨て、限られた体力を全て後半に注ぎ込む。一度は圧倒されたライバル、仙道に勝つために。後半、爆発的な流川のオフェンスがゲームをリードする。
一方で花道は自信を失ってうろたえていた。夢想した成功と賛辞へのステップを粉砕されたのだ。福田にも、仙道にも、魚住にも、そして流川にも、自分は負けたんだ。うこれまでに経験のない、トラウマに近いショックに目的を見失い、戸惑いから立ち直れずにいた。
しかし、ゴリのアリウープや流川の快進撃など、チームメイトの驚異の活躍を目の当たりにし、徐々に、バスケというゲーム自体に気持ちが引っ張られてゆく。ファインプレイと褒められ、前向きなチームムードに助けられ、雑念が消えた花道は、ゲームに集中してゆく。もう邪念はない。花道の頭にあるのは勝つ事だけだ。
この一戦にかけるゴリの気迫が湘北の爆発的な強さを引き出した。
ファウル4つでベンチに下がった魚住は自身への怒りに燃え、焦る。
だが、陵南田岡監督は、諦めていないどころか、着々と勝利への道を敷いていた。ラスト5分で魚住投入。必ず、もう一度流れはうちに来る、と。
ノッてくるムードの描写が凄く上手い。盛り上がり感、躍動感、バスケの魅力を余すところ無く描いて、なおかつ物語としても深い流れをじっくりと紡いでいる。
次巻、いよいよクライマックスか?それとも勝者の決定は持ち越しか。
安西先生がラストだけ見に来そうな予感。あと、もし田岡先生の予想通り湘北にピンチが訪れるなら、それを救うのはやはりメガネ君しかいない。彼の活躍もぜひ見たいのだ。

井上雄彦
スラムダンク 19巻
前半終了間際、三井の3ポイントで追い上げムードの湘北サイドには、いける、という気合いがみなぎっていた。
そして、静かに一人闘志を燃やす流川。前半は捨て、限られた体力を全て後半に注ぎ込む。一度は圧倒されたライバル、仙道に勝つために。後半、爆発的な流川のオフェンスがゲームをリードする。
一方で花道は自信を失ってうろたえていた。夢想した成功と賛辞へのステップを粉砕されたのだ。福田にも、仙道にも、魚住にも、そして流川にも、自分は負けたんだ。うこれまでに経験のない、トラウマに近いショックに目的を見失い、戸惑いから立ち直れずにいた。
しかし、ゴリのアリウープや流川の快進撃など、チームメイトの驚異の活躍を目の当たりにし、徐々に、バスケというゲーム自体に気持ちが引っ張られてゆく。ファインプレイと褒められ、前向きなチームムードに助けられ、雑念が消えた花道は、ゲームに集中してゆく。もう邪念はない。花道の頭にあるのは勝つ事だけだ。
この一戦にかけるゴリの気迫が湘北の爆発的な強さを引き出した。
ファウル4つでベンチに下がった魚住は自身への怒りに燃え、焦る。
だが、陵南田岡監督は、諦めていないどころか、着々と勝利への道を敷いていた。ラスト5分で魚住投入。必ず、もう一度流れはうちに来る、と。
ノッてくるムードの描写が凄く上手い。盛り上がり感、躍動感、バスケの魅力を余すところ無く描いて、なおかつ物語としても深い流れをじっくりと紡いでいる。
次巻、いよいよクライマックスか?それとも勝者の決定は持ち越しか。
安西先生がラストだけ見に来そうな予感。あと、もし田岡先生の予想通り湘北にピンチが訪れるなら、それを救うのはやはりメガネ君しかいない。彼の活躍もぜひ見たいのだ。
ごくせん 10巻/森本梢子
この巻も色々とイベント発生。内容と面白さは、まあそこそこ可も不可もなくと言う感じ。
まず、黒十字とのごたごたは解決。藤山先生を救出し、黒十字は一斉検挙。
ナイト様問題と、ヤンクミの出自が藤山先生にばれてしまう事態が発生するも、何とか一件落着。
その他、若松の浮気問題や留学生の話などを経ながら、物語は次の大きなうねりへ。
慎のライバル登場。超エリート校青玉に上杉有り。
喧嘩をふっかけられたヤンクミは、次巻どう出るのか。
若干漂うマンネリの気配に飽きてきた感もあるが、まあ、もう少しは引っ張れそう。
ごくけんは相変わらず。もうイナフ。
自出問題で藤山先生に嫌われたと思ったヤンクミが、傷つき落ち込み、屋上に慎を探し、弱音を吐いて甘えるシーンがある。
物語全体から見ると、当然、意味のある重要なシーンである。でも、ヤンクミは、そんな事はしないだろう。甘えないだろう、という違和感を感じた。ヤンクミの芯、つまりは作品自体の芯にふらつきがあるようで残念な感じだ。

森本梢子
ごくせん 10巻
まず、黒十字とのごたごたは解決。藤山先生を救出し、黒十字は一斉検挙。
ナイト様問題と、ヤンクミの出自が藤山先生にばれてしまう事態が発生するも、何とか一件落着。
その他、若松の浮気問題や留学生の話などを経ながら、物語は次の大きなうねりへ。
慎のライバル登場。超エリート校青玉に上杉有り。
喧嘩をふっかけられたヤンクミは、次巻どう出るのか。
若干漂うマンネリの気配に飽きてきた感もあるが、まあ、もう少しは引っ張れそう。
ごくけんは相変わらず。もうイナフ。
自出問題で藤山先生に嫌われたと思ったヤンクミが、傷つき落ち込み、屋上に慎を探し、弱音を吐いて甘えるシーンがある。
物語全体から見ると、当然、意味のある重要なシーンである。でも、ヤンクミは、そんな事はしないだろう。甘えないだろう、という違和感を感じた。ヤンクミの芯、つまりは作品自体の芯にふらつきがあるようで残念な感じだ。
見学しよう工事現場2 トンネル/溝渕利明
豊富な写真と解説で工事現場の実際を学べる児童向けの写真絵本。
別段期待もせずに手に取ったが、読んでみるとかなり凄い内容で圧倒された。
ライターではなく、ちゃんと現場のプロが書いている。だから、やさしく書いてあるのに、詳しく正確な知識となっている。この両立は難しいハズだ。子供向けだからと曖昧にしたり手を抜いたりしていない。だから圧倒的に面白いのだ。
工法もナトムとシールドを扱い沈埋にも触れる。実際のプロジェクトの実際の現場写真を用い、プロジェクトの進展に伴って解説してゆく内容は、工事現場には「何があるのか」といった散発のデータだけではなく、「誰がどう進めてゆくのか」がしっかり解説されており、建機ではなく工事は「人間」が成し遂げるんだ、という事がよく分かる。プロジェクトに対する自負のこもった現場の生の声も掲載されていて素晴らしい。
知識欲に餓えた子供には最高の情報である。実際大人が読んでも十分すぎるほど面白い。技術好きなら血が踊るだろう。
それどころか、土木会社で新人の研修に使用できるレベルだと思われる。
ちょうど読んだ頃に、偶然シールド現場での事故があった。この絵本で知識を得ると、どんなところで何が起こったのか、理解が深まる筈である。
勤め人の頃、シールド現場の設備系の設計に携わった事もあり、個人的により印象が深い本であった。何度も通った現場を思い出した。
シリーズ物であるので、他の工事現場の本も読むつもりだが期待大で今から楽しみである。

溝渕利明
見学しよう工事現場2 トンネル
別段期待もせずに手に取ったが、読んでみるとかなり凄い内容で圧倒された。
ライターではなく、ちゃんと現場のプロが書いている。だから、やさしく書いてあるのに、詳しく正確な知識となっている。この両立は難しいハズだ。子供向けだからと曖昧にしたり手を抜いたりしていない。だから圧倒的に面白いのだ。
工法もナトムとシールドを扱い沈埋にも触れる。実際のプロジェクトの実際の現場写真を用い、プロジェクトの進展に伴って解説してゆく内容は、工事現場には「何があるのか」といった散発のデータだけではなく、「誰がどう進めてゆくのか」がしっかり解説されており、建機ではなく工事は「人間」が成し遂げるんだ、という事がよく分かる。プロジェクトに対する自負のこもった現場の生の声も掲載されていて素晴らしい。
知識欲に餓えた子供には最高の情報である。実際大人が読んでも十分すぎるほど面白い。技術好きなら血が踊るだろう。
それどころか、土木会社で新人の研修に使用できるレベルだと思われる。
ちょうど読んだ頃に、偶然シールド現場での事故があった。この絵本で知識を得ると、どんなところで何が起こったのか、理解が深まる筈である。
勤め人の頃、シールド現場の設備系の設計に携わった事もあり、個人的により印象が深い本であった。何度も通った現場を思い出した。
シリーズ物であるので、他の工事現場の本も読むつもりだが期待大で今から楽しみである。
じゅうじゅう うめぇ家 住之江店/お好み焼き&鉄板焼き
数年前に開店してから、しょっちゅう行っているお好み焼き屋。
焼肉五苑グループのチェーン店のようである。
お好み焼き屋ではあるが、まず特筆すべきなのは、焼きそば。独自のモチモチ太麺が、非常に美味しい。
唐辛子と丸ごとガーリックでパスタ風に味付けした「ペペ焼きそば(多分ペペロンチーノに当てている)」を始め、どて焼き風、ネギ、ホルモン、キノコ、もやし、シーフード、と変わり種メニューも多彩で、どれも美味しい。
プラス200円でダブル玉にしてくれるのも嬉しい。
もちろん、お好み焼きもなかなか美味しい。低めの温度でじっくり焼いたような柔らかいふんわりとした生地である。
こちらも変わり種が多数ある。パリパリポテトを載せたじゃがべー君、餅が入った黄色いハンカチ、トロロ掛けの豚トロ、イカスミ真っ黒、ピザ風など見た目も面白い。
妻と二人で行って、W玉焼きそば+お好み2枚が基本のオーダーという感じ。たまにたこ焼きを追加する時も。
味付けは結構濃いめなので、後で喉が渇くのは玉にキズ。
スタッフは割 とはきはきして愛想良い。
スタンプカードもお得である。
焼肉五苑グループのチェーン店のようである。
お好み焼き屋ではあるが、まず特筆すべきなのは、焼きそば。独自のモチモチ太麺が、非常に美味しい。
唐辛子と丸ごとガーリックでパスタ風に味付けした「ペペ焼きそば(多分ペペロンチーノに当てている)」を始め、どて焼き風、ネギ、ホルモン、キノコ、もやし、シーフード、と変わり種メニューも多彩で、どれも美味しい。
プラス200円でダブル玉にしてくれるのも嬉しい。
もちろん、お好み焼きもなかなか美味しい。低めの温度でじっくり焼いたような柔らかいふんわりとした生地である。
こちらも変わり種が多数ある。パリパリポテトを載せたじゃがべー君、餅が入った黄色いハンカチ、トロロ掛けの豚トロ、イカスミ真っ黒、ピザ風など見た目も面白い。
妻と二人で行って、W玉焼きそば+お好み2枚が基本のオーダーという感じ。たまにたこ焼きを追加する時も。
味付けは結構濃いめなので、後で喉が渇くのは玉にキズ。
スタッフは割 とはきはきして愛想良い。
スタンプカードもお得である。
青い星まで飛んでいけ/小川一水
SF一水節をとても堪能できる文庫である。
カバーイラストが示すように、六編中、4つが遠未来の宇宙時代の話で、ハード好きはずっしり堪能できるのではないか。一方で、現代社会派SFあり、ある意味ファンタジーのような話もありと、バラエティに富んでいる。
もちろん、SF小説など荒唐無稽な絵空事であることは分かっている。
科学が色を失った時代、科学が描く未来に夢がもてない時代と言われているが、それでも、私はSFが、未来の話が好きだ。科学が象徴する理知と、空想。この2つこそが人間精神の本質だと思うからである。
月のない夜、墨を流したような真っ暗な崖道の歩き方を知っているだろうか。高校に通っていた時、街灯が切れた田舎道で時折このような状況に遭遇した。
崖から落ちたくないと、足元を見てはダメである。見つめれば見つめるほど、足元は見えているのか見えていないのか分からなくなる。自分の手のひらもよく見えないような闇なのである。
そう言う時は、思い切って顔を上げよう。星明かりやうっすらと町の灯りでシルエットになった山や木立や電柱の形で、自分の位置が把握できる。そして、視線を外す事で、むしろ足元もよく見えるようになるのだ。明暗を感じる視細胞は網膜の中心ではなく周囲部分に密に分布しているからである。
明日をも知れぬ混迷の時代だからこそ、顔を上げて遠くを眺めるべきだろう。その時星明かりとなるのは、こうした荒唐無稽な空想の数々だと私は思う。
収録作品の中で、とくに良かったのが巻頭を飾った「都市彗星のサエ」。ぐいと引き込まれ、素晴らしい筆致で綴られるジュブナイルが良質な感動をもたらす。
人類が太陽系に拡散しつつある時代。宙域での水資源の確保を目的として開発され発展してきた、彗星をくりぬいた都市惑星バラマンディ。そこに暮らす少年少女の物語である。
技術が発達しているので、重力が低いという事を除けば内部は非常に快適である。彗星内部より氷の塊を切り出し、マスドライバーで火星など各宙域に打ち出し、逆にそれらの交易地より必要資源を入手している。産業は自動化され、快適な都市環境は治安も良く、自給自足の生活は資源が尽きるまで数万年の安定継続が保証され人々はその生活に満足していた。
その世界から出る事ができない、という点を除いて。
コミュニケーションや無人の交易は活発なものの、コスト的な問題から有人での航路がそもそも存在しない。そもそも有人で活発に行き来しあえるような低コストの技術が存在するなら、宇宙への資源供給拠点としての彗星都市の意味が無い訳である。したがって軍や探査機が希に寄港するだけで、民間人などは誰も来ないし、誰も出てゆかない。行けないのだ。
そうした世界の「狭さ」を、少年ジョージィは感じる。彼は森番だった。都市環境の安定維持を目的として整備された緩衝林の維持を託された世襲職である。氷に閉ざされた世界、そして自らに課せられた宿命の、二重の狭さを彼は嫌い、脱出を志す。氷に偽造した自作の宇宙ポッドをマスドライバーに紛れ込ませて打ち上げさせ、火星へ逃れようと計画したのだ。
偶然の事故から立ち入り禁止の緩衝林に迷い込んだ主人公のサエは、ジョージィに出会って彼の計画を知る。そして、自分が普段ぼんやりと感じていた不満とも言えない心のモヤモヤの正体を知る。そう、この世界は狭いのだ。そして自分の手で脱出に挑戦する人がいるという衝撃。
私も行きたい!
サエは必死にジョージィに食らいついて、同行を懇願する。
火星への脱出は遠足とは違う。それは死と隣り合わせの冒険であり、遊びではない。打ち出し時、4Gで40秒という加速に耐え、火星まで数ヶ月の道のりを僅か2.5m立方の氷の中で過ごさねばならない。高Gで負傷する危険や心停止の可能性もあるし、自作のポッドが破損し、気密が漏れたり、生命維持に必要な機器が破損したりすれば、すぐに死が待っている。不安に怯えながらじっと身動きもできないポッドで何ヶ月も先の到着を待ち続けるのだ。普通の家庭で育った女の子が耐えられる訳がない。
相手にせずむしろサエを突き放すジョージィだったが、彼女の気持ちの本気さを知り、徐々にサエを認め、そしてついには同行を許す。
当然、このような脱出行為は禁止されているだけでなく、明らかな違法行為である。森番を監視するロボットから隠れながら二人はポッドを作成し、火星とバラマンディ公転位置から決行の日を決定する。
しかし決行を目前にして、サエは嘘をついて立ち入り禁止の緩衝林に行っていた事がばれてしまう。何とか秘密は隠し通し、大事にはならなかったものの、こっぴどく叱られて外出禁止を言い渡され…。
というお話である。
自分の手で、命を賭けて運命を切り開く。安穏だが宿命に縛られた生活を捨て、自分の命をそして技術を活かせる世界に飛び出してゆく。王道の青春譚だろう。
確固としたジョージィも良いが、熱病に浮かれたような情熱に駆られながら、しかし同時に拭いきれない不安と迷いのあるサエの視点がまた良い。
目頭と胃のあたりがじっとりと熱くなる佳作である。
この話を読んだ後、一瞬我を忘れて、そうだ俺も行くぞ!、と本気で思える人は、永遠の少年であると言えるだろう。大切な何かを忘れた大人こそ読むべきだ。
「グラスハートが割れないように」
現代を舞台に、傷ついた心を抱えてひたむきに生きる女子高生と、幼なじみで彼女を見守る大学生が織りなす、SF風味のハートウォーミングストーリーである。マシュマロ食べたい。
「静寂に満ちていく潮」
遠未来のファーストコンタクトもの。軍事や政治ではなく、それを生物として草の根の交雑として捉えた点が骨太で好感である。人間はいつか、生物としての人間の殻を、自ら脱ぎ捨てなければいけない。
「占職術師の希望」
何故か人の天職が見えてしまう、という異能の主人公。ある意味ファンタジーだろう。ユーモアっぽい軽い話とも読めるが、その割りに読後の充実感がみっちりとある。天職というのは噛みしめると奥深いテーマである。
「守るべき肌」
これも遠未来もの。物理的実体を持った生物から、計算機が演算する仮想の世界へデータとなって転生した2500億の人類が暮らす世界でのお話である。天体ほどもある巨大な計算機群が夢見るように紡ぐ仮想の世界、という設定は、一水は結構好きだね。主人公が求めた、肌の暖かさ、その意味とは何か?
「青い星まで飛んでいけ」
表題作品は超遠未来もの。人類によって作られ、「他の知的生命を探索し交わる事」という使命を携えて、何十万年も宇宙を旅する艦隊の話。重厚で壮大なテーマと、軽妙なタッチのミスマッチ。とくに人工知能の人格とその下位意識を、共に卑下た砕けた感じに表現したセンスが光る。こうした人工知能の誕生が、人類300万年、生命46億年の歴史の果実だったとするなら、それは素晴らしい事だなあ、とうっとりする。
遠未来ものは、正直、あまりSFを読み付けてない人にはかなり好き嫌い分かれると思うが、それでもお奨めである。

小川一水
青い星まで飛んでいけ
カバーイラストが示すように、六編中、4つが遠未来の宇宙時代の話で、ハード好きはずっしり堪能できるのではないか。一方で、現代社会派SFあり、ある意味ファンタジーのような話もありと、バラエティに富んでいる。
もちろん、SF小説など荒唐無稽な絵空事であることは分かっている。
科学が色を失った時代、科学が描く未来に夢がもてない時代と言われているが、それでも、私はSFが、未来の話が好きだ。科学が象徴する理知と、空想。この2つこそが人間精神の本質だと思うからである。
月のない夜、墨を流したような真っ暗な崖道の歩き方を知っているだろうか。高校に通っていた時、街灯が切れた田舎道で時折このような状況に遭遇した。
崖から落ちたくないと、足元を見てはダメである。見つめれば見つめるほど、足元は見えているのか見えていないのか分からなくなる。自分の手のひらもよく見えないような闇なのである。
そう言う時は、思い切って顔を上げよう。星明かりやうっすらと町の灯りでシルエットになった山や木立や電柱の形で、自分の位置が把握できる。そして、視線を外す事で、むしろ足元もよく見えるようになるのだ。明暗を感じる視細胞は網膜の中心ではなく周囲部分に密に分布しているからである。
明日をも知れぬ混迷の時代だからこそ、顔を上げて遠くを眺めるべきだろう。その時星明かりとなるのは、こうした荒唐無稽な空想の数々だと私は思う。
収録作品の中で、とくに良かったのが巻頭を飾った「都市彗星のサエ」。ぐいと引き込まれ、素晴らしい筆致で綴られるジュブナイルが良質な感動をもたらす。
人類が太陽系に拡散しつつある時代。宙域での水資源の確保を目的として開発され発展してきた、彗星をくりぬいた都市惑星バラマンディ。そこに暮らす少年少女の物語である。
技術が発達しているので、重力が低いという事を除けば内部は非常に快適である。彗星内部より氷の塊を切り出し、マスドライバーで火星など各宙域に打ち出し、逆にそれらの交易地より必要資源を入手している。産業は自動化され、快適な都市環境は治安も良く、自給自足の生活は資源が尽きるまで数万年の安定継続が保証され人々はその生活に満足していた。
その世界から出る事ができない、という点を除いて。
コミュニケーションや無人の交易は活発なものの、コスト的な問題から有人での航路がそもそも存在しない。そもそも有人で活発に行き来しあえるような低コストの技術が存在するなら、宇宙への資源供給拠点としての彗星都市の意味が無い訳である。したがって軍や探査機が希に寄港するだけで、民間人などは誰も来ないし、誰も出てゆかない。行けないのだ。
そうした世界の「狭さ」を、少年ジョージィは感じる。彼は森番だった。都市環境の安定維持を目的として整備された緩衝林の維持を託された世襲職である。氷に閉ざされた世界、そして自らに課せられた宿命の、二重の狭さを彼は嫌い、脱出を志す。氷に偽造した自作の宇宙ポッドをマスドライバーに紛れ込ませて打ち上げさせ、火星へ逃れようと計画したのだ。
偶然の事故から立ち入り禁止の緩衝林に迷い込んだ主人公のサエは、ジョージィに出会って彼の計画を知る。そして、自分が普段ぼんやりと感じていた不満とも言えない心のモヤモヤの正体を知る。そう、この世界は狭いのだ。そして自分の手で脱出に挑戦する人がいるという衝撃。
私も行きたい!
サエは必死にジョージィに食らいついて、同行を懇願する。
火星への脱出は遠足とは違う。それは死と隣り合わせの冒険であり、遊びではない。打ち出し時、4Gで40秒という加速に耐え、火星まで数ヶ月の道のりを僅か2.5m立方の氷の中で過ごさねばならない。高Gで負傷する危険や心停止の可能性もあるし、自作のポッドが破損し、気密が漏れたり、生命維持に必要な機器が破損したりすれば、すぐに死が待っている。不安に怯えながらじっと身動きもできないポッドで何ヶ月も先の到着を待ち続けるのだ。普通の家庭で育った女の子が耐えられる訳がない。
相手にせずむしろサエを突き放すジョージィだったが、彼女の気持ちの本気さを知り、徐々にサエを認め、そしてついには同行を許す。
当然、このような脱出行為は禁止されているだけでなく、明らかな違法行為である。森番を監視するロボットから隠れながら二人はポッドを作成し、火星とバラマンディ公転位置から決行の日を決定する。
しかし決行を目前にして、サエは嘘をついて立ち入り禁止の緩衝林に行っていた事がばれてしまう。何とか秘密は隠し通し、大事にはならなかったものの、こっぴどく叱られて外出禁止を言い渡され…。
というお話である。
自分の手で、命を賭けて運命を切り開く。安穏だが宿命に縛られた生活を捨て、自分の命をそして技術を活かせる世界に飛び出してゆく。王道の青春譚だろう。
確固としたジョージィも良いが、熱病に浮かれたような情熱に駆られながら、しかし同時に拭いきれない不安と迷いのあるサエの視点がまた良い。
目頭と胃のあたりがじっとりと熱くなる佳作である。
この話を読んだ後、一瞬我を忘れて、そうだ俺も行くぞ!、と本気で思える人は、永遠の少年であると言えるだろう。大切な何かを忘れた大人こそ読むべきだ。
「グラスハートが割れないように」
現代を舞台に、傷ついた心を抱えてひたむきに生きる女子高生と、幼なじみで彼女を見守る大学生が織りなす、SF風味のハートウォーミングストーリーである。マシュマロ食べたい。
「静寂に満ちていく潮」
遠未来のファーストコンタクトもの。軍事や政治ではなく、それを生物として草の根の交雑として捉えた点が骨太で好感である。人間はいつか、生物としての人間の殻を、自ら脱ぎ捨てなければいけない。
「占職術師の希望」
何故か人の天職が見えてしまう、という異能の主人公。ある意味ファンタジーだろう。ユーモアっぽい軽い話とも読めるが、その割りに読後の充実感がみっちりとある。天職というのは噛みしめると奥深いテーマである。
「守るべき肌」
これも遠未来もの。物理的実体を持った生物から、計算機が演算する仮想の世界へデータとなって転生した2500億の人類が暮らす世界でのお話である。天体ほどもある巨大な計算機群が夢見るように紡ぐ仮想の世界、という設定は、一水は結構好きだね。主人公が求めた、肌の暖かさ、その意味とは何か?
「青い星まで飛んでいけ」
表題作品は超遠未来もの。人類によって作られ、「他の知的生命を探索し交わる事」という使命を携えて、何十万年も宇宙を旅する艦隊の話。重厚で壮大なテーマと、軽妙なタッチのミスマッチ。とくに人工知能の人格とその下位意識を、共に卑下た砕けた感じに表現したセンスが光る。こうした人工知能の誕生が、人類300万年、生命46億年の歴史の果実だったとするなら、それは素晴らしい事だなあ、とうっとりする。
遠未来ものは、正直、あまりSFを読み付けてない人にはかなり好き嫌い分かれると思うが、それでもお奨めである。
スラムダンク 18巻/井上雄彦
全国への切符を賭けた陵南との死闘。前半戦もいよいよ大詰め。
しかし、こんな大事な局面で、回り中から口先だけと評され怒る花道は空回り、うっかり足の怪我を意識してしまったゴリは萎縮してしまう。
頼みの綱の安西先生はいない。非常にマズい展開の予感が、湘北サイドに暗雲と立ちこめる。
しかし、花道の「メチャクチャ」が、ゴリを吹っ切れさせる。その裏に秘めた花見の繊細なハート。
いつものペースを取り戻した湘北だったが、それでも陵南はそびえる壁だった。
魚住と仙道ががっちりと組み立てたゲームの上を、福田が縦横無尽に駈ける。奴の技量は三井の想定をもしのぐレベルであった。無論のこと、経験の浅い花道がディフェンスで対応できるものではない。
経験。
その絶対的に不足している自身の弱点を思い知らされる花道。
前半終了間際に驚異のアリウープを見せつけられ、同時に負傷交代となった花道は、悔しさで震え、床に寝かされたまま天井を見つめ、ゲームの歓声をどこか遠い場所の音として聞いていた。
三井の3ポイントで何とか6点差と食らいついて終えた前半。
果たして後半花道の復活はあるのか。そして、バスケットマンとして、新たな成長と覚醒は?
しかし、流川が異様におとなしいな。体力温存作戦だろうか?
次巻も非常に楽しみである。

井上雄彦
スラムダンク 18巻
しかし、こんな大事な局面で、回り中から口先だけと評され怒る花道は空回り、うっかり足の怪我を意識してしまったゴリは萎縮してしまう。
頼みの綱の安西先生はいない。非常にマズい展開の予感が、湘北サイドに暗雲と立ちこめる。
しかし、花道の「メチャクチャ」が、ゴリを吹っ切れさせる。その裏に秘めた花見の繊細なハート。
いつものペースを取り戻した湘北だったが、それでも陵南はそびえる壁だった。
魚住と仙道ががっちりと組み立てたゲームの上を、福田が縦横無尽に駈ける。奴の技量は三井の想定をもしのぐレベルであった。無論のこと、経験の浅い花道がディフェンスで対応できるものではない。
経験。
その絶対的に不足している自身の弱点を思い知らされる花道。
前半終了間際に驚異のアリウープを見せつけられ、同時に負傷交代となった花道は、悔しさで震え、床に寝かされたまま天井を見つめ、ゲームの歓声をどこか遠い場所の音として聞いていた。
三井の3ポイントで何とか6点差と食らいついて終えた前半。
果たして後半花道の復活はあるのか。そして、バスケットマンとして、新たな成長と覚醒は?
しかし、流川が異様におとなしいな。体力温存作戦だろうか?
次巻も非常に楽しみである。