2021年1月24日加筆あり。
みなさんこんにちは、自転車乗りの親の初心者です。
先日は、ポルタII A80Mfの良いところを書きました。
評価や評判は人によっていろいろあります。
良いところがあれば悪いところもある。
ということで、今回はポルタII A80Mfの悪いところを書きます。
【ポルタII A80Mfの悪いところ】
(PORTA II A80Mf)
1.品質
これは私がビクセン ポルタII A80Mfを購入して実体験しての、一個人の感想となります(他のもそうですが)
ポルタII A80Mfの品質は、かなりムラがあるのではないでしょうか。
良い物はそれこそ素晴らしい天体観測ライフを演出してくれるかもしれませんが、外れくじ引くと、、、、、。
私は、これを購入して2週間で2回、初期不良で交換と相成りました。
1回目は鏡筒本体の凹み。
2回目は鏡筒本体と接眼部が斜めにずれて取り付いている。
ベテランの方には、
「海外生産の5万円程度の入門機なんだから、そんなもんだよ」
とお叱りを受けるかもしれませんが、
天体望遠鏡の常識も何も右も左もわからない初心者にとりまして、入門機と言えど5万円の価格のものは、相当のものです。
1万円以下の物であれば「それは仕方ないね」ってことになりますが、実売価格でも諭吉様5枚でおつりがくるような高価なものです。
初心者、素人はそんな高い天体望遠鏡にこんなにも初期不良品が出るとは思ってもいないです(1万円以下ならまだしも)
ポルタII A80Mfは海外メーカのOEM品とのことですので、検査をOEM先に任せっきりで、自社に納倉されたときに受入検査を行っていないか、していてもロットごとにごくごく少数のサンプル検査しかしていないのではないでしょうか(まぁどこのメーカも同じだとは思いますが)
価格を抑えるために、、、、、いやいや、品質管理をコストカットしてはいけないでしょう。
特に、これか天体観測を始めて天体観測にハマってもらう人たちのための入門機は。
われわれ初心者は、例え不具合があってもそれを不具合と気が付かない場合があります。
不具合と気が付かず使い続け、天体望遠鏡ってこんなもんかって、天体観測ライフをやめてしまう可能性もあります。
それじゃぁあまりにも悲しすぎますよね。
だから入門機だからこそ、品質管理はしっかりしておいてほしいと切に願います。
OEM先に検査、品質管理を任せっきりにするのであれば、定期的に監査しないとだめじゃないですかね。
1回目の鏡筒本体の凹みは、
メーカから直送されてきて箱を開け、さぁ出そうかって出したら鏡筒本体に凹みを見つける、、、、。
メーカから直送されてきたものなのに??目を疑いました。
すぐに販売店へ電話して次の日に交換です。
2回目の鏡筒本体と接眼部が斜めにずれていたのは、交換品を使って天体観測していて、見え方に違和感を覚えて本体をチェックしたら気が付きました。
写真を撮ってビクセンさんへ送ったら、ビクセンさんも「あってはならないこと」「光軸がずれている可能性あり」とのことでした。
対物レンズ側に蓋をしてドローチューブ側から覗いてみて、真ん中付近から覗いて自分の目が一つになれば光軸のズレはほぼありません。
2回目の初期不良品は、ドローチューブの真ん中と端との真ん中、要するにドローチューブの直径を4分割して、端から1つ目のところから覗いたときに目が一つになりました。
これは絶対に光軸ずれてるだろうって思いました。
後日、返送したこの接眼部が斜めについていた鏡筒の光軸検査結果をお聞きしたところ、これだけ目が一つになる位置が中心からずれていても、光軸はビクセンさん基準の範囲内だったそうです。
天体望遠鏡の光軸の許容範囲ってすごく広いんだなぁってこれはこれで勉強になりました。
カメラレンズからしたら、絶対にあり得ませんけどね。ビクセンさんの基準、大丈夫ですかね??と疑いたくなるほどですが、専門の施設で計測しているらしいですので。これ、他のメーカでも同じ基準なのでしょうか??ご存知の方いらしたら教えて欲しいです。
〈上の2枚目3枚目、これだけズレていても専用確認器で確認するとズレていないとのことです〉
ただ、「鏡筒本体と接眼部が斜めに取付いているのはあってはならないこと」とのことでしたので、結果として光軸がずれていなかったとしても交換してもらってよかったと思います。
初期不良品が2回もヒットしたのは、たまたま運が悪かったのかもしれませんが、もう少し品質管理に力を注いでほしいところですね。
そんなこともあり、ポルタII A80Mfは良い物だとは思いますが、品質のムラから、これから天体望遠鏡を購入しようとしている私と同じ初心者の方には、大手を振ってはおススメはできません。
良品に当たった時には、素晴らしい星を見せてくれますが。
2.付属レンズ
ビクセンさん、なぜに自社の接眼レンズをセット品としなかったのか??
ケンコートキナーさんのPLシリーズの方がNPLシリーズより良いレンズなのですかね?
そのセット品の接眼レンズなのですが、とても綺麗に見れるのですが1点だけとても残念なことが。
それはPL6.3の方。
天体望遠鏡で星を見るときに、接眼レンズを通してみるのですが、その接眼レンズのレンズと人間の瞳との間の間隔にも実は関係性があったのです。
アイレリーフというらしいのですが、このアイレリーフという数値のところに瞳をあわせないと、接眼レンズから覗く像にケラレが生じたりするらしいです。
でです、セット品のPL6.3のアイレリーフは、なんと3mmとのこと!!!(3mmではなかったかもしれませんが、相当短いのは確かです)
そう、接眼レンズのレンズの3mm手前まで瞳を近づけなければならないのです(怖い!!)
子供にこの3mmまで近づけさせるの怖いですよね。
下手したら接眼レンズにぶつかって眼球傷付けかねないです。
まぁただ、アイレリーフ15mmとかあってもその可能性がなくなるというわけではないのですが。
それにしても3mm、、、、、、怖いです。
なので私は、アイレリーフが長め(といいましても標準?)の高倍率用接眼レンズを後日別に購入しています。
レンズの周りが上がって見口の高さが変えられるやつです。
高さ上げれば、それ以上には目がレンズに近づくことないですからね。
これ、子供用も兼ねているのであれば、セットの接眼レンズはもう少し考えてほしかったですね。
こういうこともあり、子供に使用させるのであれば接眼レンズは買い足し(買い替え)前提です。
オールインワンのセットではありますが、細かいところを見ると、、、って感じです。
ただ、お子さんが中学生とか大きい子であれば、アイレリーフ3mmは除き続けるのに疲れるってだけになるかもしれないので、接眼レンズ買い足しせずにそのままお使いになっていても問題ないかもしれません。
我が家はまだまだ小さいので、ちょっと怖いですが。
3.個体差があるポルタIIの微動機能
もしかしますとポルタIIの微動機能動きには、大きな個体差があるかもしれません。
凹みのあった1個目はまともに動かす前に交換返却してしまったので何とも言えませんが、
それで送られ来た2個目の初期不良品のポルタIIの微動動作は、上下方向の微動ハンドルを動かしてほんの少しの遊びがあったのちに架台が動き始めました。
それが、2個目の初期不良の交換で来た、現在手元にあるもののポルタIIは、上下方向の微動ハンドルを60度くらい回さないと動き始めません。
これもビクセンさんに確認しましたが、「遊びはあります、その角度の遊び(60度)も基準範囲内です」とのことでした。
基準範囲内なのは良いんですが、高倍率で精度を求める調整をする微動ハンドルにこれだけの遊びがあると使い勝手が悪いのなんのって。
ちなみに、左右動かす微動ハンドルは、ほんの少しの遊びの後にかっちりと動き始めます。
フリーストップで手で動かす方の固さや固定力は調整できるようになっているのですが、この微動ハンドルの方の動きの固さや遊びの調整はできないそうです。
なお、これを遊びを少なくする、固くするのにはどうしたらよいですか?とお聞きしたところ「修理依頼をしてください。」とのことでそれには費用も発生するとのことでした(しかも、1万円近い値段提示)
「修理」と表現されていましたが、保証期間内でもこの修理には費用がかかるそうです。
保証期間内に「修理に費用がかかる」といわれると納得いきませんよね。
保証期間内に修理費用とはこれ如何に??
「カスタム調整になりますので、その際には費用が発生します」と言われれば納得いくのですが。
ちなみにユーザ側で調整は実はやれなくはないですが、やると保証範囲外のことをしたことになります。
私は初心者アルアルで、何とか良くしようと思いちょっとイモネジを締めるなど試してしまったので、保証対象外になってしまったかもしれません。
4.意外に揺れる台と三脚
初めて購入する天体望遠鏡のため、他と比較していないので、初心者的には「こんなものか」という感じなのですが。
期待していたほどの制震、免震性能ではありませんでした。
意外と揺れます。
まぁ、ビクセンさんも「ポルタIIの三脚はアルミ製で軽量を目的としているので他の重たい三脚より揺れます」とおっしゃっていたのでそうなんだと思います。
なので、過大な期待は持たないで購入することをお勧めします。
天フリさんだったかなブログでは、三脚をポルタIIにして、ポルタIIの経緯台とスコープテックさんの新作経緯台ZEROとの振動の減衰を比較したら、ZEROの方が良かったとのこと。
台の性能もあるんでしょうね。
とりあえず高倍率を見る時、ポルタIIの台でも振動が減衰する時間(10秒前後?もうちょっとかな??)を見越して、振動が止まった時に星や惑星など見たいものが真ん中に来るように端に置いてみれば振動なく見れますので安心してください。
ZEROの方が振動減衰が数秒早いというだけで、揺れるは揺れると思います。
まぁ、その数秒が大きいのですが。
ただぁしです。
スコープテックさんの経緯台ZEROは経緯台のみでの販売です(もしくは、鏡筒と架台と三脚のセット)
ちなみに経緯台本体のみで3万円超えますので、「高いからポルタIIの台よりも性能が良い」ともとれるかもしれませんね。
ポルタIIのアルミ三脚の強度を上げるっていうのに挑戦している方もいらっしゃるようです。
「ポルタII 三脚 強化」みたいにネット検索すると出てきます。
まぁとりあえずは、意外に振動するということで。
5.拡張性
定価5万円以上するセット製品ですが、入門機ということで拡張性が入門機です。
接眼部のレンズ側I/Fの規格が50.8mm(2インチ)に標準対応しておりませんので、取付けられるオプションが限られてきます。
5万円もするんだから、せめて50.8mmも標準対応してほしかったです。
ただ、工夫をすれば50.8mmのものも使用することはできます。
ドローチューブや接眼部ユニットの耐久性的に大丈夫なのか?というのは別に置いておきまして。
一番私的に残念だったのは、フリップミラーが付かない!(普通には)
フリップミラーを使いたかったのですが、それが付いているセット製品を買おうとすると価格が倍近くに跳ね上がるため、標準オプション品としてはあきらめて、後々別途、追加オプションとして購入すればよいと思っていたら、、、、、接眼部側のI/Fが50.8mmでA80Mfには付かないことが判明!!!
日本製のA80M(今はA81Mでしたっけ?)なら付くらしいんですが、、、、
あとで買えばいいやって思っていた分、かなりがっかりしました。
とりあえず、フリップミラーの件は後々解決させましたが、A80Mfは入門機のために5万円もすれど拡張性も入門機になります。
いろいろやりたかったら、もっと高い上位機種買ってねってことでしょうね。
6.梱包
製品は当然段ボールで梱包されています。
鏡筒本体は、対物レンズ側と接眼部側の双方端の方に発泡スチロールを抑えクッションにして入っています。
そこの何処が悪いところ?と言われるかもしれませんが、真ん中に支えがありません。
天体望遠鏡の端同士で抑えられ、中央は宙に浮いている状態です。
大体、言いたいところわかりましたでしょうか。
対物レンズの方は簡単に取り外せるフードになっています。
接眼部の方もねじ止めになっています。
真ん中にはそれになりに重量のあるマウントプレートが付いている状態で宙に浮いています。
そう、重量が中央に集中していて、かつその支えがなく、さらに抑えられている端の方はフードが単にはめてある、接眼部がねじ止めされているという外れたり動く要素のあるもの。
発泡スチロールでショックが吸収されるといっても、輸送中に大きな振動やショックが与えられたときに中央が支えられていないと、ずれたり歪んだりしないかと心配になります。
せめて真ん中付近も発泡スチロールで挟んでいてほしかったですね。
良いところもあれば悪いところもある。
今回はポルタII A80Mfの悪いところを書きましたが、参考になりましたでしょうか。
メーカの方やベテランの方達には所詮5万円と安いものだから仕方ないよ、かもしれませんが、我々初心者にとっては5万円もするのに???て感じですよね。
そう、天体望遠鏡世界では、ポルタII A80Mfは所詮5万円クラスみたいな感じのようです。
天体望遠鏡の世界って凄いっす!!!
自転車パーツで5万円の物って、相当精度良いですよね。
まぁ自転車のパーツは変なメーカでない限りは低グレードでも結構な精度出てますが。
天体望遠鏡の情報は少ないですよね。
比較対象にできる情報量が少ないので、これが本当に良い物なのか悪い物なのか判断できないところの方が多いかもしれません。
良いことしか書いていないところもあると思いますし。
なので、私のこれら良いところ悪いところの書込みも含めて、ネットの情報、評価や評判はあまり鵜呑みにせず、ご自身で調べたこと感じたことを基に購入可否を決定されると良いと思います。
「初心者にはポルタII A80Mf」確かにそうなのかもしれませんが、他にも同じ価格帯でいい製品を出しているところもあります。
大手ビクセンさんより、ネットに流れている情報量が少ないと思うので、比較するほどの情報を得るのは難しいかもしれませんが、そういった他の製品もちゃんと比較して購入することをおススメします。
我が家のように、他とそれほど比較せず、在庫がすぐになくなるかもしれない、子供の誕生日に間に合わないかもしないって、慌てて購入することは無きように。
あ、最後にフォローはしますが、良品に当たればポルタII A80Mfはとても良い製品だと思いますよ。
私たち親子のように、2週間で2回連続で初期不良品に当たることはないかもしれませんが、実際に私たちに起こっているので無いとも言い切れず。
私たち親子と同じ大変な思いを、他の親子、ご家族様はされないことを切に願います。
そのため、このブログがみなさんの初めての天体望遠鏡選びの参考になれば幸いです。
ビクセンさんには、会社方針で「ビジョン「星を見せる会社」になること」掲げるのであれば、さらに一層の品質管理の徹底をして欲しいですね。
では最後に、昨夜は撮影した月の写真を載せて、今回はこれにて失礼いたします。
〈ポルタII A80Mf + ケンコートキナーPL20mm + Nikon D750で拡大撮影〉