今回は、専門的でマニアックな内容なので、天体写真鑑賞のみご希望の方は、最終画像のみご覧いただくだけで十分です。ささっとスクロールさせてくださいね。

 

さて、昨年購入した、ASI6200MMpro の不具合に関しての内容です。ファーストライトの時から、淡いのですが、斜め方向に、大きな幅のストライプノイズがほぼ等間隔で全面に現れます。フィルターや、露光時間、gainなどで強さが異なりますが、同じ傾向です。Dark補正で消えてくれれば良いのですが、Darkには現れません。Light画像、Flat画像では現れます。例えは、FSQ106EDP鏡筒にHαフィルターをセットした時の、gain300、露出5分(F3.6)でのFlat1コマ画像は、PixInsightでSTFオートの条件で見える状況にHTで強調するとこんな画像になります。

淡いですが、左上から右下方向に伸びる、ストライプ模様が確認できるでしょうか。右上から左下方向に、波が押し寄せるかのような模様が全面に広がっています。Flat補正で、Light画像のストライプ模様が消えないか、いろいろ試して見ましたが、完全に消すことはできませんでした。フィルターによって、ノイズはかなり薄くなったり、あまり薄くならなかったりと、希望するほどには消えてくれません。特に、Blueフィルターや、Lumフィルターで縞模様が強く残ります。

今年になってから撮影した、M81とM82の近くに広がる分子雲(火山星雲)画像を、PixInsightで現像に挑戦した時の状況を例に提示します。Blueフィルターで撮影した78分間分の画像を、WBPPでIntegraionした画像に、ABE(Function degree 2) で光害カブリを補正すると、大きな縞ノイズがさらに目立ってきます。

こんな感じです(Blue fileter gain100 60sec 78コマをIntegration)。今回の画像は、フラットパネルフラットですが、スカイフラットでも著変ありませんでした。(STFオートの条件で見える状況にHTで強調)

RGB合成すると、縞模様は色斑となります。

黄色と青色のストライプが分かりますか? これでは、強調処理ができません。

淡い火山星雲を確認できるようにするためには、Lumフィルター画像が重要となります。Blueフィルターと同様に、ダークフラット補正して、202コマをIntegrationしたLumフィルター画像をABE(Function degree 2)で補正した画像は、

火山星雲が見えて来ますが、ストライプ縞ノイズで、だいなしです。これらの画像で、LRGB画像を作ると色ムラが更に強調されてしまうので、遠慮しておきますね。

他にも色々試して見ましたが、行き詰まったので、Googleで、Geminiに相談したところ、

 

💡 最終的な判断

もし「スカイフラット」でも全く消えず、どのフィルターでも同じ位置に同じ強さで出る場合は、カメラ内部のセンサーカバーガラスとセンサー自体の貼り合わせ(並行度)の個体不良の可能性があります。

確認方法: N.I.N.A.のフラットウィザード等で、ヒストグラムが半分くらいになるようにして撮影した画像を大きくストレッチし、その縞のスクリーンショットを撮ってください。

対応: その画像を添付して、購入店またはZWOのサポートに「これは内部干渉(Interference pattern)ではないか」と問い合わせることをお勧めします。ハイエンド機であるASI6200では、本来あってはならないレベルの現象です。

 

とコメントされました。

Geminiへの相談中に、カメラ単体でのFlat画像を撮ってみるようにアドバイスされたので、レンズやフィルター、筒なしのカメラ単体でのFlat画像を撮ってみた(フラットパネル使用 gain0  0.9sec)ところ、

と同様の縞模様が現れました。

これで踏ん切りがついて、販売店にSOS連絡を行った次第です。

販売店担当さんは、

「同条件で撮影比較したASI6200MM-Proに比べて、単なる光量ムラではなく、規則的な斜めのムラが出るのは製品的にオカシイのではないか」と、ZWO社に掛け合ってくださっているようですが、ZWO社からは、「フラット補正で十分補正可能な範囲の画像のムラであろうという回答しか返ってきません」とのことで、まだどのように修理してもらえるのかよくわかりません。

なお、不具合での新品への交換は3ヶ月以内の申し出でしか対応してもらえないような説明もありました。(販売店の保証は2年となっております。)

 

かなりメジャーな天体カメラとなっているものですので、同じカメラをご利用の方々、いかがでしょうか? コメントでご意見いただければ幸いです。

私の個体のみなら、しっかりと修理して欲しいですし、仕様の範囲なら、当たり外れの範疇でしょうか? ハズレを転売するのも少し気が引けます。

こんな縞模様さえ出なければ、とても良い冷却CMOS天文カメラと思います。

 

参考までに、色ムラの影響が少なかった、M82星雲の強拡大画像もご覧いただきます。

全体が青いストライプ内にあり、ここだけ見ると、背景の色ムラは感じられません。ほぼ等倍の小さなLRGB画像ですが、紅いジェットが美しい、過去最高のM82星雲となりました。

 

 

 

備忘録: (以下、個人的な覚書 専門的な内容なので、綺麗な写真の鑑賞が目的の方はスルーしてね)

 

撮影データ:  

SXP赤道儀 + N.I.N.A. コントロール

オフアキシスオートガイド PHD2 + ASI 120MM mini

鏡筒: タカハシ FSQ-106EDP + 645RD QE0.72×(焦点距離 380mm F3.6) + ZWO EAF

光学センサー: ASI 6200MM pro  (cooling -10℃) 

Lum、Red、Green、Blue 各 gain 100、60sec 202、115、107、78コマ(LRGB総露出時間 502分間)

2026年1月16日、18日、2月13日、14日、19日、20日、5月10日の7夜 自宅にて

画像処理: PixInsight (M82星雲のみ、BXT、NXTなども使用) 

 

 

少し前になりますが、ASI6200MMproが長い修理の旅に出ているので、これまで主に彗星や月食などを撮るのに使っていたカラーカメラを、天体望遠鏡に接続して見ました。当初は南の低空の対象を短時間で撮ろうと思っていたのですが、低空すぎて隣家の屋根から昇ってきませんでした(汗💦 仕方なしに、その代わりに、夏の名所をいくつか撮影して見ました。

 

まずは、干潟星雲(M8)付近から。

ワンショットでカラーなので、撮影手順や画像編集はずっと単純でした。APS-Cのやや小さいセンサーなので、撮影範囲は狭まくなりますが、お手軽に撮れますね。この夏にモノクロフルサイズセンサーカメラで撮影した時と、遠目に見れば、あまり差を感じません。あえてトリミング拡大しませんが、悪しからず。

 

次は、イーグル星雲(M16)〜オメガ星雲(M17)付近です。

明るい二つのメシエ星雲は綺麗に写りましたが、暗部を無理に強調しすぎたのか、天の川の描写がのっぺりしてしまいました。遠目に見ても、この夏にモノクロフルサイズセンサーカメラで撮影した時と、差をが出てきました。長時間撮影なのに、画像編集が下手? Hαを選択的に透すフィルターを使っていないためかも知れません。なので、こちらも強拡大はしません。

 

カラーバランスがとりやすいかと、さそり座のカラフルタウンの北寄り(IC4603〜IC4604周辺)も撮ってみました。

隠れミッキーは目立っていますが、色ムラが激しく、青っぽくなるべきところが、赤紫色になってしまいました。ちょっと残念な結果です。以前、モノクロフルサイズセンサーでカラフルタウンを撮った時のトリミング版になるかと思ったのに、カブリ補正が全然ダメなようです。隠れミッキーははっきりわかるので、カバー画像(サムネール)にして見ました。

 

カラーカメラって、撮影する時は簡便ですが、光害地で淡いものを撮影するには、なかなか大変なことになってしまうのを実感したシリーズでした。

 

 

 

備忘録: (以下、個人的な覚書 専門的な内容なので、綺麗な写真の鑑賞が目的の方はスルーしてね)

 

 

撮影データ: 干潟星雲(M8)付近

AXP赤道儀 + N.I.N.A. コントロール  

オートガイド: PHD2 + QHY5L-II + KOWA LM100JC  

鏡筒: タカハシ FSQ-106EDP + 645RD QE0.72×(焦点距離 380mm F3.6) + ZWO EAF

光学センサー: ASI2600MCPro  (Cooling 0℃) 

フィルター: HEUIB-II フィルター (光路長調整のため挿入)

gain100  60sec  232コマ (露出時間 232分間)

2026年6月10日、12日、13日の3夜 自宅にて  

画像処理: PixInsight (BXT、NXT、SXTなどを含む)にて現像 

 

 

撮影データ: イーグル星雲(M16)からオメガ星雲(M17)付近

gain100  60sec  232コマ (露出時間 335分間)

22026年6月12日、13日、7月9日、10日の4夜 自宅にて

他は同上

 

 

撮影データ: IC4606 隠れミッキー周辺

ain100  60sec  137コマ (露出時間 137分間)

2026年7月9日、10日の2夜

他は同上

 

秋雨前線がノロノロ台風に刺激され、全国でお天気が不順でした。水害を受けた方々には、心からお見舞い申し上げます。

 

豪雨で被害を受けなくとも、これだけお天気が悪いと、夜の星見もままなりません。9月の新月期は、天体撮影には絶望的な天気予報となっております😭

 

今回は、8月のお月様が明るい状態で撮った星の並び(アステリズム:星群)から、コートハンガーをご覧いただきます。

10個明るい星が、コートをかけるハンガーのように並んでいます。ハンガーに見えるように、北を下にしています。Collinder Catalogue の399番目に数えられ、Cr399の略号でも表示されています。偶然並んでいるだけで、散開星団のような関連性を持った星の集まりではありません。かと言って、星座に登録されているものでもありません。このような星の並びを、アステリズム(星群)と呼ぶそうです。ハンガーの右には、NGC6802散開星団も確認できますね。

夏の大三角形を散策していると、ベガとアルタイルを結んだ線上近く、はくちょう座のアルビレオの約8度南で、これらの星の並びが目立っています。双眼鏡をお持ちの方には、ぜひ覗いてほしい領域です。6つの直線状に並んだ星と、フックを形成する4つの星たちを確認できると思います。

 

トリミング前の全景も載せておきます

天の川の中なので、星だらけです。Sh2-82 や Sh2-83 も、一緒に写っていますね。

 

コートハンガーを黄緑線で繋いで追加した注釈画像と、星図での位置も示しておきます。

 

 (それぞれの画像をクリックすると、大きく確認できます)

 

 

備忘録: (以下、個人的な覚書 専門的な内容なので、綺麗な写真の鑑賞が目的の方はスルーしてね)

 

撮影データ:  

SXP赤道儀 + N.I.N.A. コントロール

オフアキシスオートガイド PHD2 + ASI 220MM mini  

鏡筒: タカハシ FSQ-106EDP (焦点距離 530mm F5) + ZWO EAF

光学センサー: QHY600M (cooling 5℃) 

Lum、Red、Green、Blue gain 26、60sec 各 9、8、8、7コマ (LRGB露出時間 32分間)

2026年8月24日の夜 月明かりの中 自宅にて撮影

画像処理: PixInsight (MGC、BXT、NXT、MASを含む) 

 

先月終わり頃には、レベル5大雨特別警報が北陸でも発表され、水害を生じております。被害を受けた方々には、心よりお見舞い申し上げます。そして、もうしばらくは、線状降水帯が現れやすいとのことですので、その他の方々もご注意ください。

 

さて、お天気が悪くて、撮影の機会が少ないこの初秋ですが、先週に引き続き、8月の月夜のテスト撮影から、Sh2-119星雲を現像して見ました。

これは、LRGBでの現像写真です。Sh2-119は、はくちょう座の北アメリカ星雲から、少し東にある散光星雲です。その形からニ枚貝に例えられ、欧米では Clamshell Nebula とも呼ばれています。昨年100mmカメラレンズでワイドにこの付近を撮ったとき、その存在感を感じました。最近、諸兄の作品も拝見していたので、露出時間が短い試し撮りです。

 

星雲が薄いので、HOO画像も作って、LRGB画像にブレンドして、強調してみました。

少し紅い散光星雲がはっきりして来ましたね。真っ赤にならないように、HOOブレンドは控えめにして見ました。星の色も綺麗ですね。

 

この画像に注釈を加えたものと、星図での位置画像も載せておきます。

 

 

更に、SIIフィルターでも撮ってあるので、ハッブルパレット現像です。

極彩色の散光星雲が現れました。OIIIは、お月様が沈んだところで枚数を稼ぎましたが、全体的に撮影時間が短いので、無理な現像はできません。それでも、短い露出時間で予想以上に上手く撮れたと喜んでおります。

 

 

 

備忘録: (以下、個人的な覚書 専門的な内容なので、綺麗な写真の鑑賞が目的の方はスルーしてね)

 

撮影データ:  

SXP赤道儀 + N.I.N.A. コントロール

オフアキシスオートガイド PHD2 + ASI 220MM mini  

鏡筒: タカハシ FSQ-106EDP (焦点距離 530mm F5) + ZWO EAF

光学センサー: QHY600M (cooling 5℃) 

Lum、Red、Green、Blue gain 26、60sec 各 27、8、6、6コマ (LRGB露出時間 47分間)

SII、Hα、OIII gain 60、300sec 各 10、5、5コマ (SHO露出時間 60分間)

2026年8月23日、24日の2夜  自宅にて撮影

画像処理: PixInsight (MGC、BXT、NXT、MASを含む)、FlatAideProにてSHOカラーシフト

 

当初は追加撮影を検討していたが、この新月期のお天気は許してくれないようだ

カブリ補正には、主にMGCを用いたが、SIIフィルターのデータは提供されていない

それで、SIIだけは GraXpert を使った 変則的だが、なんとか絵になった

 

Flying Dragon星雲(Sh2-114)は、はくちょう座にある非常に淡く、めったに撮影されない輝線星雲です。昨年、諸兄の報告を見せていただいて、いつかは撮影して見たいと思っていました。でも、380mm画角では小さくて、1800mm APS-C画角には大きすぎて、撮影の機会がありませんでした。今回、530m画角で、写りはやや小さめでですが、周囲を含めて撮影して見ました。

Sh2-114付近を、トリミング拡大しています。両翼を大きく広げた空飛ぶドラゴンの形に見えることから、Flying Dragon星雲と呼ばれています。星図ソフトの Stellarium の日本語表記では、「トビトカゲ星雲」との名前で表示されています。中国語にしたら、「飛龍星雲」と直訳になってました。はくちょう座の天の川方向にあり、多数の恒星が映り込む領域です。LRGBH現像した時の星雲がやや暗かったので、HαをLとして、再度L-RGB合成したら、星の色が少し変になってしまいました。再現像も考えましたが、まだ総露出時間も少ないので、将来にでも考えて見ますね。

 

撮影時に近い範囲を、Sh2-114なども含めて確認して見ましょう

これらの散光星雲は、恒星風と星間磁場との相互作用によって形成された輝線星雲とされています。珍しい輝線星雲ですね。北アメリカ星雲(距離2000光年)や網状星雲(距離1500~2400光年)よりは遠い距離にあるようです。

 

星図での位置と、注釈をつけた画像も紹介しておきます。

 

 

 

 

 

備忘録: (以下、個人的な覚書 専門的な内容なので、綺麗な写真の鑑賞が目的の方はスルーしてね)

 

撮影データ:  

SXP赤道儀 + N.I.N.A. コントロール

オフアキシスオートガイド PHD2 + ASI 220MM mini  

鏡筒: タカハシ FSQ-106EDP (焦点距離 530mm F5) + ZWO EAF

光学センサー: QHY600M (cooling 5℃) 

Lum、Red、Green、Blue gain 26、60sec 各38、11、10、10コマ 

Hα gain 60、300sec 27コマ      (総露出時間 204分間)

2026年8月23日、24日の2夜  自宅にて撮影

画像処理: PixInsight (MGC、BXT、NXT、MASを含む) 

 

 

猛暑日の熱帯夜で、古くなった冷却CCDでも温度管理が大変な状態だ

購入当時は、外気温より30〜35度冷却できることになっていたが、その後、25度程度しか冷やせなくなっている

更に、冷却目標で、0度を超える設定にすると、冷却能力の半分以下しか使えなくなっていた

制御ソフトの問題だったのだろうが、ドライバー類を全て更新したら、今年はフルパワー冷却できている

 

今回は、PixInsightで新たな問題が発生した

WPBB処理中に、Registrationで、エラーがでてしまった

ImageRegisstration のパラメーターを色々と変更して見たが、エラーは改善せず

自動でL画像から参照画像を選択されていたのを、手動で、Hαのものを選んだら処理可能となった

夜の状況が違ったり、月の有無の差など、異なる条件が多すぎたのか原因?

未だに真の原因がわからないが、リニア画像を作るのに苦労して、疲弊してしまった