城山魂 -79ページ目

日本一大切にしたい会社

昨日、私は二子玉川にあるチョーク工場を見学に行った。企業名は日本理化学工業株式会社。会長である大山泰弘氏は、その人柄や経営哲学が注目されており、『日本一大切にしたい会社』という本の題材になった会社である。

会長の労働哲学は非常にシンプルで「4つの幸せ」に基づいている。

・人に愛されること

・人に褒められること

・人の役に立つこと

・人に必要とされること

そして、これら4つの幸せを同時に得られるのは「仕事」だけというのが会長の考えである。これは会長が、以前、葬式の斎場にて出会った、禅宗のお坊さんから聞いた話だという。

会社の食堂には、社員が書いた今年度の目標シートが貼られている。どれも一生懸命、気持ちをこめて書いた字だというのがわかる。クーラーもエコ基準の28度。工場内のラインに行けば、職員が真剣にラインと向き合っている。

いずれの方も立派な大人の社員だが、仕事をする姿に一生懸命さが感じられなかったり、日常生活が乱れていたり、他人に迷惑をかけるようなことがあれば、強制的に自宅に帰されるという。しかし、職員は仕事がしたくて自宅から電話をしてくる。通常の企業では考えられないことだが、この企業ではそれがあるのだ。

「仕事」でしか得られない幸せを彼ら一人一人が自覚していのである。

そんな熱い社員の集まる会社だ。上司の責任感もすさまじい。中には仕事を覚えるのが遅い職員もおり、単純な作業を一人前になるまで伝えるのに15年かかった者もいるという。それに付き合うのだから、上司の胆力も素晴らしい。

西洋文化の流入とともに、日本人が古来より持つ「仕事は最上の喜び」という、感覚が忘れられがちのように思う。仕事の尊さを再認識する素晴らしい工場見学であった。

ちなみに、彼らの70パーセントが知的障害者と知った時、あなたはどのように思われるだろうか(うち25パーセント以上が重度障害)?

※近年、行政は障害児保育の充実を目標に、重たい腰をいよいよ動かし始めました。「声掛けの仕方」「レベルに合わせた課題」等、障害児保育のノウハウについて莫大な量の情報が耳に入ってきます。おそらく、それらの情報をうまく吸収しきれている園は少ないのではないでしょうか?当園も、そういった意味では決して進んだ園ではありません。はっきりいって、専門医の方と比較したら、素人同然だと思います。しかし、ある時、私は思いました。そんな素人が保育をするにあたって出来る、一番大切なことは何だろう?結果、私の中で、まず、その子供に一生付き合う覚悟を持つことではないかと思ったのです。しかし、実際に彼らが大人になった姿を想像して接している人はどのくらいいるのでしょうか?少し考え込んでしまいます。

そこで、私は今回、実際にそういった方がどうやって生活をしているのかを見学しに、企業にお世話になりました。そこでは、私を含めた健常者が忘れかけていた「働くことの喜び」を、これでもかと思うほど見せつけられました。同時に、その日その日の「点」の付き合いではなく、その人の人生という「線」を通してのお付き合いが大切であるということを再確認することができました。

出るなら出過ぎた杭になれ!

先週、私が最も尊敬する人物の一人、大嶋啓介社長とお話をさせていただく機会があった。ご存知の方も多いと思うが、大嶋社長は居酒屋「てっぺん」を経営する、現在、最も注目されている若手経営者の一人である。その「夢」をテーマにした独特の経営方法が、多くの経営者から注目を浴びている。

それまで、居酒屋はおいしい料理や話しやすい場所を提供するための場所として存在してきた。しかし、大嶋社長の登場は居酒屋の概念を大きく変化させた。社員の夢を聞き、その社員と夢とを繋いであげることを職場の役割としている。その為、職員も高いモチベーションを保ち、仕事にのぞめる。社員も決してお金だけを目当てに会社に来てはいない。

創業以来、「てっぺん」は、既存の居酒屋の概念はもちろん「お客様や社員が夢を語り合うための場所」や「社員の独立道場」としての新たな存在意義を持つようになった。「居酒屋から日本を元気にする」それが大嶋社長の目標である。居酒屋で交わされている愚痴が、夢に変わったら、どれだけ日本が元気になってしまうのだろう、と私まで夢に便乗したくなってしまう会社である。

しかし、私には大嶋社長に対し、一つの疑問を持っていた。そんな個性的な経営をして、周りの人間から批判や反感を受けないのか、ということである。私も、大嶋社長のような個性的な運営を試みる人間の一人である。

私も、過去のブログで繰り返しているように、夢ある子どもたちに通ってもらう幼稚園であれば、卒園してから、あの幼稚園は「最高に輝く大人が集まる幼稚園だった」と言ってもらえるような幼稚園にしたいと考えている(大人が変われば子ともが変わる、子どもが変われば未来が変わる)。

しかし、一方で個性的な意見に対しては批判は、つきものである。大嶋社長は、そこをどのようにして乗り切ったのかを聞きたかったのである。私の、この疑問に対し、大嶋社長は言葉を選ぶように丁寧に答えてくださった。

「どうせ出る杭になるなら、とことん出過ぎた杭になっちゃへよ。杭だって出過ぎちゃったら、打ちにくいだろ?まだまだ、出方が甘いんじゃない?自分個人の意見としては、お前の向かおうとしている方向は絶対正しいと思うよ。自分を曲げずに、それを続けてたら、自然と周りが打たなくなってくるよ。こいつには何を言っても無駄だって思って(笑)」

なるほど・・・感心したのも束の間、大嶋社長は続けた。

「ただし、感謝の気持ちだけは忘れるなよ。感謝の気持ちさえ忘れなければ自然と謙虚さが出てくるから。そして、謙虚さは必ずお前の見方をしてくれるから。自分を絶対に曲げずに、一方で謙虚でいろよ。」

心にストンと落ちる見事な答えであった。

多くの人間は潜在的に「変化」「個性」「改善」といったものに拒絶意識を持っているという話を聞いたことがある。一方で不思議なことにその特性が一定のレベルと超えるとそれが魅力に変わるという。イチロー選手などその良い例ではないだろうか?

そう思うと園作り、会社作り、何でも組織を作るということは、どこまで自分の信念を信じることが出来るか、ということではないかと思えるようになった。正直、私は保育に関する知識は浅いが、園児や職員の夢に、対する思い入れであれば誰にも負けない気持ちがあると考えている。 睡眠中も、どうやって人を感動させようか考えている。

大嶋社長からアドバイスを聞き、経営責任ばかりに目を向け、信念に正直にならないことは、もったいないと思えるようになった。自分の信念に不正直であることは周りから見ても、その人間が何をしたいのか分かりにくい。また、そこに関わってくれた園児、保護者、職員に対しても、何も伝えることができず、かえって失礼なことである。そもそも、特徴ある信念教育こそが私立の魅力であることを私自身忘れていた。

大嶋社長の言葉からは「信念」「感謝」「謙虚」のバランスを学ぶと同時に、私立幼稚園の立ち位置を再度確認することができた。

会うべき時に、会うべき人に会って、出会うべき言葉に出会えた気がした。

大切な子供だから

今日は最高の一日だった。当園の保護者の方と最高の話が出来たからである。

最近、当園では園についてアンケートを実施した。一般企業ではニーズを汲み取るために、無記名でアンケートを実施するということは一般的だが、幼稚園においては、珍しいケースである。というのも、多くの幼稚園も「モンスターペアレンツに言いたい事を言われるのではないか」「素人の意見なんて聞いても仕方がない」等の理由から、アンケートは敬遠する傾向がある。つまり、何もしないことが一番楽なのである。

しかし、かつて私の両親が「自分が学校に子供を預けていた頃、学校に言いたい事や、やって欲しいことが沢山あった」との言葉を聞いたことがあった。それを聞き、教育機関だからと言ってふんぞり返っていてはいけないと思い、最近になりアンケートを実施するようになったのである。

正直、過去の私のブログをお読みの方は既に、お分かり頂けると思うが、私はかなりの情熱家である。故、経営がワンマンに思われがちのところがある。結果、職員の中にはなかなか同意できず、保護者の方にグチってしまうことがあるようだ。アンケートに関しても、そこら辺の手厳しいコメントが書いてあった。内部事情を外部に平気で言いふらしてしまう組織もどうかとは思うが、最大の原因は、私自身にあると考えている。全ては、私が職員に対し、明確なビジョンを伝えきれていないことにあると思う(私のビジョンについては6/126/166/19をご覧ください)。ビジョンが伝えきれていないまま職員に指示を出せば、当然、思いつきで指示をしていると勘違いされてしまうと思う。完全に私の力量不足である。

やはり、何でも新しいことに挑戦しようと思えば、必ず昔からいる人間から抵抗にあう。ちなみに、どこの企業、教育機関、公務機関でも、経営者が新しくなると同様のことが発生するらしい。特に私の場合、商社出身の為、考え方をしっかりと理解していただけないと「営利主義」と思われてしまう(ちなみに、うちの幼稚園で一番給料少ないのは自分なのに(ToT))。

しかし、そんな中、いつも通り、園庭で降園の様子を見ていると、一人の保護者が私の近くに寄って来て、幼稚園に対する夢や希望を語り始めた「○○が出来たら最高」「○○に親も参加出来たら楽しい」「○○をもっと変えていこう」「先生、○○変えて良かったよ」「幼稚園の先生はサラリーマンに比べたら休みも多いし、まだまだ」「先生は一生、この幼稚園に関わるんだろうから先生がやりたいようにやればいい」。決して否定的な言葉ではなく、また自分の育児を楽にするための提案でもなかった。ワクワクしながら話してくれた。最高だった。こんなにも、まだまだ出来ることがあるんだ。こんなにも自分たちに期待をしてくれているんだ。涙が出そうだった。

正直、色々なことに挑戦するペースをもう少しゆるめて見ようかと思ったこともあった。しかし、今日、保護者の方と話して改めて思った。こんなにも自分の子供を愛している親のために、我々は何もしなくて良いのか?職員にとっては、毎年、入ってくる園児の一人かもしれない、でも、親にとっては大切な大切な子供。そして、二度とない3年間。そんな保護者の方にグチを言ってしまうということは、「あなたのお子さんの為に、何か新しいことに挑戦しろっていわれましたが、私は嫌です」と言っているようなもの。私のせいで、そんなグチを聞くはめになってしまった保護者の方に申し訳ない。全て私の責任である。

一方で、今回のアンケートはしっかりと職員に対し、方向性を説明するチャンスだと考えている。これからは、職員と今まで以上に、しっかりと話し合う機会を作りたいと思う。職員にも仕事の中に夢を持って欲しいと思っている。きっと、どんな職員も昔は夢を持って幼稚園に入ってきはず。皆にもう一度、その夢を思い出してほしい。毎年同じカリキュラムを事務的に、こなす保育者に保育される園児ほどかわいそうなものはない。最高の保育、それは何よりも保育者自身が夢に向け輝いていることだと思う。

私は園を「改革」するつもりはない。ただ、昔からある園の特徴をもっともっと良い方向に伸ばし続ける「改善」がしたいのである。きっと、職員は忙しい毎日を過ごしていると、その行き先が、どこにあるのか分からなくなってしまうのだと思う。それを何度でも、しっかりと説明したい。そして、本気で夢と感動に関われる幼稚園を作り上げていきたい。

本日は、本当に保護者の方に救われた。心が洗われ、気合いの入る一日だった。

ありがとうございます。

子供が生まれてくる理由

本日、高校時代の部活の後輩と一緒に食事をする機会があった。その後輩は24歳という若さで、2歳の息子を持つ父親である。私も高校時代は若く、後輩の彼を相当しごいた記憶がある。特に彼は、その優し過ぎる性格が災いして、もう少し人間的に芯を持った方が良いと指摘されていた。

そんな彼と一緒にラーメンをすすりながら、私はこんな質問を彼に投げかけてみた。

「やっぱり、親になってみると自分の子供のために死ねると思えるの?」

すると彼は、何の迷いもなく・・・

「最近、不思議と死ねると思えるようになってきたんですよ。特に理由とかは無いんですけど・・・」

さらっと言ってのけた。園児のことは可愛いと思うが、この親の気持ちというのは妻子を持たない、私にはまだ分からない。後輩いはく、言葉を使いコミュニケーションを取れるようになってくると、その溺愛度は増すようである。

4月から通い始めた保育園も、最初は泣いてばかりだったそうだ。しかし、最近ではバイバイと手を振ると、スタスタと園内にひとりで歩いて行ってしまうらしい。その姿が、親としては嬉しくもあり、寂しくもあるのだという。

今回、私は後輩の変わりようには本当に驚いた。あんなに軟弱であった彼が、今はこんなにもたくましい。「子どもは親を育てるために生まれてくる」というのが分かる気がした一日だった。

共有

本日、新宿歌舞伎町にある日本一夢とありがとうを伝える店「絶好調てっぺん」の吉田氏の講演会に参加してきた。

今回の講演会も心に残る言葉は多々あったのだが、一番自分の心に響いたのは「共有」という言葉であった。

吉田氏は、店舗立ち上げの時、これから苦楽を共にするメンバーと一緒に、登山をしたり、日本最高のすし屋を訪問したという。自らの描く日本一のイメージをより具体的な形でメンバーに浸透させることが目的だったという。そして、職員も日本一に接する事で、自らのやるべきことを見つけていったという。

確かに人間、自分がイメージできた事しか実現しない。現在の私は、セミナーにひとりで参加して、自分だけが満足してしまっている部分がある。しかし、今回のセミナーは私にとって大切な一人の後輩を招待した。その後輩と一緒に大きな夢を見たいと思ったからである。

セミナー後、「絶好調てっぺん」で懇親会が開かれた。自然と夢が膨らんだ。一人より、二人、二人より三人。夢は一緒に語るメンバーが多いほど、実現できた気になる。今の私に必要なのはそういったメンバーを少しでも増やしていく事であることを改めて実感した。

同じ夢を共有し、同じ世界を見る事。考えるだけでワクワクする。自分が、園長になり、本腰を入れて日本一を目指すようになったとき、出陣式は絶対に「絶好調てっぺん」で開催しようと思う。そして、絶好調てっぺんという最高のチームを見て、また同じ世界を見たいと思う。

また、一つ夢が増えてしまった。