出るなら出過ぎた杭になれ! | 城山魂

出るなら出過ぎた杭になれ!

先週、私が最も尊敬する人物の一人、大嶋啓介社長とお話をさせていただく機会があった。ご存知の方も多いと思うが、大嶋社長は居酒屋「てっぺん」を経営する、現在、最も注目されている若手経営者の一人である。その「夢」をテーマにした独特の経営方法が、多くの経営者から注目を浴びている。

それまで、居酒屋はおいしい料理や話しやすい場所を提供するための場所として存在してきた。しかし、大嶋社長の登場は居酒屋の概念を大きく変化させた。社員の夢を聞き、その社員と夢とを繋いであげることを職場の役割としている。その為、職員も高いモチベーションを保ち、仕事にのぞめる。社員も決してお金だけを目当てに会社に来てはいない。

創業以来、「てっぺん」は、既存の居酒屋の概念はもちろん「お客様や社員が夢を語り合うための場所」や「社員の独立道場」としての新たな存在意義を持つようになった。「居酒屋から日本を元気にする」それが大嶋社長の目標である。居酒屋で交わされている愚痴が、夢に変わったら、どれだけ日本が元気になってしまうのだろう、と私まで夢に便乗したくなってしまう会社である。

しかし、私には大嶋社長に対し、一つの疑問を持っていた。そんな個性的な経営をして、周りの人間から批判や反感を受けないのか、ということである。私も、大嶋社長のような個性的な運営を試みる人間の一人である。

私も、過去のブログで繰り返しているように、夢ある子どもたちに通ってもらう幼稚園であれば、卒園してから、あの幼稚園は「最高に輝く大人が集まる幼稚園だった」と言ってもらえるような幼稚園にしたいと考えている(大人が変われば子ともが変わる、子どもが変われば未来が変わる)。

しかし、一方で個性的な意見に対しては批判は、つきものである。大嶋社長は、そこをどのようにして乗り切ったのかを聞きたかったのである。私の、この疑問に対し、大嶋社長は言葉を選ぶように丁寧に答えてくださった。

「どうせ出る杭になるなら、とことん出過ぎた杭になっちゃへよ。杭だって出過ぎちゃったら、打ちにくいだろ?まだまだ、出方が甘いんじゃない?自分個人の意見としては、お前の向かおうとしている方向は絶対正しいと思うよ。自分を曲げずに、それを続けてたら、自然と周りが打たなくなってくるよ。こいつには何を言っても無駄だって思って(笑)」

なるほど・・・感心したのも束の間、大嶋社長は続けた。

「ただし、感謝の気持ちだけは忘れるなよ。感謝の気持ちさえ忘れなければ自然と謙虚さが出てくるから。そして、謙虚さは必ずお前の見方をしてくれるから。自分を絶対に曲げずに、一方で謙虚でいろよ。」

心にストンと落ちる見事な答えであった。

多くの人間は潜在的に「変化」「個性」「改善」といったものに拒絶意識を持っているという話を聞いたことがある。一方で不思議なことにその特性が一定のレベルと超えるとそれが魅力に変わるという。イチロー選手などその良い例ではないだろうか?

そう思うと園作り、会社作り、何でも組織を作るということは、どこまで自分の信念を信じることが出来るか、ということではないかと思えるようになった。正直、私は保育に関する知識は浅いが、園児や職員の夢に、対する思い入れであれば誰にも負けない気持ちがあると考えている。 睡眠中も、どうやって人を感動させようか考えている。

大嶋社長からアドバイスを聞き、経営責任ばかりに目を向け、信念に正直にならないことは、もったいないと思えるようになった。自分の信念に不正直であることは周りから見ても、その人間が何をしたいのか分かりにくい。また、そこに関わってくれた園児、保護者、職員に対しても、何も伝えることができず、かえって失礼なことである。そもそも、特徴ある信念教育こそが私立の魅力であることを私自身忘れていた。

大嶋社長の言葉からは「信念」「感謝」「謙虚」のバランスを学ぶと同時に、私立幼稚園の立ち位置を再度確認することができた。

会うべき時に、会うべき人に会って、出会うべき言葉に出会えた気がした。