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看護師ブログ: 
good-and-can(GC看護)のCanです!
看護師やってます。日々思うことなどボチボチ書いていこうと思います。
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さて、以前の記事では

CO2が貯留したことで意識障害になったのがCO2ナルコーシスです、二酸化炭素を直接吸い込んでしまったり、密室において自分の吐いた二酸化炭素が徐々に濃度を増して、それによるものだったり様々な場合がありますよ、とお伝えしました。


そしてCO2ナルコーシスの例を挙げて終えました。
以前の記事↓
COPDの既往がある方がいます。
体に酸素が足らないので在宅でもO2を使用していました。
その方がある時、苦しくなったので救急車で搬送されました。苦しがっているので酸素投与量をドンドン増やしていきました。
病院に着く頃には、呼吸が止まっています。もちろん意識はありません。血液ガス分析を行ったところ、PaCO2が異常高値で、pHも酸性となっていました(HCO3-も高い値だった)。呼吸性アシドーシスです。

実は途中に過剰投与した酸素により呼吸停止していたのです。
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はい。

いくつか重要なポイントがあるのですが
過剰な酸素投与で呼吸抑制、呼吸停止に至ってしまう、ハイリスクな方がいます。


人間全員がそうなるというわけではなく、ある特定の、ハイリスクな体質といいますか、ハイリスクな体を持っている方がおりまして


その方に対して、酸素を過剰に投与すると呼吸抑制、呼吸停止に至ってしまうのです。


つまり、酸素を過剰投与すると良くない人は特にどういう人なのか?過剰かどうかっていうのはどうやって判断するのか?ということが重要になってきます。


まず、その体質と言いますか、患者さんの背景、
呼吸抑制、呼吸停止が起こるリスクのある方はどういう方なのでしょうか?


ズバリ
「普段から血液の中の二酸化炭素が多い方」です。
つまり、「PaCO2が基準値よりも高い。」方です。
(そのため「代償的にHCO3-も基準値より高い」ことが多い)


そんな人いるの?ということなのですが、、、


居ます!


血液中の二酸化炭素多い、つまり血中の分圧が高い(PaCO2が高い)とはどういうことかと言いますと、


人間呼吸する上で、二酸化炭素ができてしまいます。ある程度は体の酸-塩基平衡、つまり血液の酸っぽさ、アルカリっぽさのバランスを保つのに必要です。

しかし、過剰にあると酸っぽさが増えすぎて、つまり酸性側に傾いて臓器障害を引き起こしてしまいます。

というわけで、過剰には入りません。
そこで、呼吸をすることで少しずつ少しずつ捨てています。
吸気として大気を吸います、この時点では二酸化炭素濃度は0.03%しかありません。
呼気として、息を吐くときには、体から出た二酸化炭素が少し足されていますので、呼気の二酸化炭素濃度は0.03%よりも高くなります。

空気を吸って、吐いて、吸って、吐いてして
「換気」をしています。酸素を取り込み、二酸化炭素を排出するこれを肺で行っています。


通常、この換気がうまく機能しているので、人体でどんどん発生している二酸化炭素が過剰にならないように発生量分だけちゃんと呼吸によって捨てることができています。


しかし、呼吸機能が十分でない、つまり不十分な方は二酸化炭素の発生は、他のみんなと同じくらいでも、呼吸がうまくいっていない、換気ができていない、つまり、空気の入れ替えが不十分なことがあります。結果、発生した二酸化炭素を十分に捨てられなくて、吐ききれなかった二酸化炭素が体内に溜まることになります。
発生に対して、排出が追いついていない状態ですね。



そうすると、体内の二酸化炭素濃度が高くなるので、血液検査の結果として、血液中の二酸化炭素が多い、という結果になるのです。
血液ガス分析の結果が、PaCO2つまり、血中の二酸化炭素分圧が基準値よりも高い、ということになります。


しかし、ここで人体の恒常性(ホメオスタシスが働きます)

以前の記事



体内の二酸化炭素が多いということは、酸とアルカリ(塩基)の内、酸の成分が多いということです。

つまり、酸とアルカリ(塩基)のバランスである酸-塩基平衡が崩れて、酸側に傾いていってしまいます。血液が酸っぽくなってしまうんですね。

具体的にはpHが下がっていきます(酸側は低値、アルカリ(塩基)側は高値)。
7.35よりも下回ったらアシデミアといってアシッド(asid:酸)の血液という異常状態になります。

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※余談)アシドーシスという言葉がありますが、アシドーシスは、酸側に働く力、酸っぽくなっている力っていう力の方向の話ですね。血液の状態はアシデミア。
ケトアシドーシスなど、ケトンによって、アシッド(酸)側に傾いていっていますよ、そっち方向にパワーが寄っていってますよ、というのがアシドーシスという言葉です。そのため、アフカローシスというアルカリ側に傾く病態と、別の病態でアシドーシスという酸側に傾く病態が混在していて、結果、酸側のパワーが強くてアシデミアでした、みたいなこともあります。
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あれ?pH=7が中性だから、7.35はなんだったらアルカリ性だよ、と言う方!着眼点が良いですね!
確かに物質一般ではそうなのですが、「人体の正常にとって酸側かアルカリ(塩基)側か」という基準ですので7.35より下、つまり、7.30などはアシデミアと呼ばれます。

7.35-7.45が人体のpHの基準値になります。(学生時代に、おおよそ、7.4(ナシ 梨)の語呂で覚えました 笑。全然関係ないですが、梨の果汁のpHは品種にもよりますが、pH=5台くらいで酸性のようです。脱線が過ぎましたね。すみません。)

ということで、人体の恒常性(ホメオスタシス)、人体が現状を保とうと色々調整する力によって、

もしも、呼吸が悪くて二酸化炭素が溜まってしまう人がいても、「なんとかかんとか!」腎臓側で調整をしてくれます(代謝性の代償)。



この、腎臓側が頑張ってバックアップというか、尻拭いというか、調整をしてくれる、代償機能という機能のお陰で、

二酸化炭素は、吐き出しきれてないけど、血液のpHが変わるという劇的な状態には至っていない、ということがあります。

こういう、破綻してる部分もあるけど(換気が不十分)、バックアップしてくれてる腎臓があるから、総合的にはなんとかなっています。(正常ではない。pHが動いていないだけ。)という状態の方、

それが例に挙げました、血液中の二酸化炭素が多い方、なんですね。
それで過ごしていた証拠として、HCO3-という腎臓の数値もバックアップのために上がっているということなのです。PaCO2は時間単位で上昇しますが、HCO3-の変化には日や週の単位を要します。
そのため、HCO3-が上昇していることから一朝一夕の状態ではないのだな、と考えられます。

ちょっとまとめますね。
•呼吸機能が十分でないと、二酸化炭素が吐ききれない。
•吐ききれない二酸化炭素が溜まると、血液のpHが酸性に傾いてしまう
•血液の酸性化を防ぐべく、腎臓がバックアップでHCO3-を増やして対応してくれていた。
•腎臓の変化は一朝一夕ではないため、普段から二酸化炭素が高くて、そのバックアップに腎臓が代償していたことが予想される。

ということが現状わかりました。
なんか、色んな要素があってわかりにくいですよね。

これが、
「普段から血液の中の二酸化炭素が多い方」です。
つまり、「PaCO2が基準値よりも高い。」方です。
(そのため「代償的にHCO3-も基準値より高い」ことが多い)

という前述しました、過剰の酸素投与で呼吸抑制、呼吸停止のリスクがある、という患者さんでした。



疾患名として具体的なイメージは
COPD(慢性閉塞性肺疾患:タバコ病)ような閉塞性の肺疾患の方、
間質性肺炎や重度の肥満のような拘束性換気障害の方などがわかりやすい例です。

とはいえ、疾患名は病院にかかって、医師に診察してもらってから初めて言われるものですから、病院にかかっていない人は実際にはどんな体の状態であっても、診断されていないことも多分にあります。

そのため、診断をなされていないだけで、実際には同様のリスクがある状態だったということもありえます。
また、高齢の方ですとそもそも内臓の機能が落ちてきているので、診断によらずともハイリスクである場合もあります。

そういった方への酸素の過剰投与は呼吸抑制、呼吸停止のリスクがあります。



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以前の記事



さてではどうして「普段から」二酸化炭素が溜まっている方だと酸素の過剰投与によって呼吸抑制、呼吸停止に至ってしまうのでしょうか?


これは言葉を選ばすに端的にいうと「息が苦しい」と感じる人体のセンターが、バグっている(大変失礼な表現ですみません)ということによります。


正確には人体には呼吸の苦しさを感じるセンサーが2種類あります。

一つは「酸素の不足」を感じて、苦しいから呼吸たくさんしてね!というセンサー。

もう一つは「二酸化炭素が多過ぎます!」のいうのを感じて、苦しいから呼吸たくさんしてね!というセンサー。

さて、センサーがバグってるという話と、普段から血液中の二酸化炭素が多い方、、、

話の筋が見えてきましたか?^_^


そうです!普段から血液の中の二酸化炭素が多い人は、当初は苦しさを感じていたのですが、時が経つにつれて、「苦しさを感じない」「自覚としては苦しさを感じるけども、呼吸を誘発するような呼吸中枢が反応しない」という状態になっています。

普段から二酸化炭素高いから、二酸化炭素の高さでは呼吸頑張ろ!とはならない体ということです。
酸素不足のセンサー、二酸化炭素過剰のセンサー、この両輪の片方が機能していないということです。


そうすると、特殊な状況で呼吸抑制、停止に至ってしまいます。

今回、COPDの人が呼吸が苦しくなった例を挙げました。

この時点で、(他臓器疾患の可能性は便宜上、除外します)呼吸の苦しさを感じていますからおそらく、酸素が足りない、低酸素血症となっていたのでしょう。誤嚥などなんらかの原因で酸素が欠乏した。

そこで、酸素投与を増やしたのは正しいです!
SpO2が90%前後となる程度の酸素投与は必要です。

しかし、大事なのはその後です。そのまま、SpO2=90%程度ならばよかったでしょうか、
息苦しさがなくなってきたり、ご本人が落ち着いてきたときに、ちゃんと深い呼吸ができたりして、同じ酸素投与量でもSpO2が97%とか高値になることがあります。人体の呼吸は一定に見えますが、毎回微妙に違いますし、心拍も変動しますので、酸素を受け取る側も変動しています。(心拍が速すぎると酸素を受け取りきれない)

ここです!SpO2=97%とか100%って正常値だー!よかった。ではないのです。


低酸素が是正されたことはよかったのですが、

ここで酸素が不足することによる呼吸のセンサーが働きをやめます。酸素は十分に行き渡ったのですから。


すると人体としては酸素は充足されたから呼吸の誘発もない。
二酸化炭素過剰な時に働くセンサーは元々機能していない。
この両輪ともに機能していないことで、呼吸をしなくなってしまいます。


これが、医療従事者が意図しない、CO2ナルコーシスになります。
酸素が欠乏したから酸素を増やしたら、今度は過剰だということで呼吸が止まった!

という、どっちやねん!と言いたくなるような調整が難しい状態なのです。もちろん、他にも患者さんを担当しているでしょうからずっとその方の病室にいるわけにもいきませんし、モニターをずっとみていてSpO2が89%なのか95%なのかと、見ているわけにもいきません。

その中でも、呼吸抑制、呼吸停止のリスクがある!という意識を持って、頻繁に確認をして調整をしなければならないのです。

ナカナカに難しい。

以前の記事

しかし!!
重要なことはCO2ナルコーシスを恐れるあまりに、低酸素血症を放置してはならない!ということです!
ココめちゃくちゃ大事です!
この点や過剰かどうかの判断などは別の機会に書きたいと思います。

呼吸療法認定士を目指す方にも重要な論点かと思いますので参考になれば幸いです!

長々と読んで頂きありがとうございます!


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経験を元に書いていますが、身バレ予防のため時期、場所、特徴などは微妙に修正してますので、一部矛盾あるように感じるかもしれません😌