イタリアのボルツァーノで、ブゾーニ国際ピアノコンクールが開催されている。
9月1日は、ついにグランドファイナルの日である。
ネット配信を聴いた(こちらのサイト)。
ちなみに、これまでの記事はこちら。
Anna Geniushene (01/01/1991 Russian Federation)
Ludwig v. Beethoven - Piano Concerto no. 5
Jaeyeon Won (22/02/1988 Korea, Republic of)
Ludwig v. Beethoven - Piano Concerto no. 4
Ivan Krpan (28/05/1997 Croatia)
Ludwig v. Beethoven - Piano Concerto no. 5
全員ラフマニノフというのはありがちだが、全員ベートーヴェンというのは珍しい気がする。
第5番を弾いた2人のうちでは、Geniusheneが良いと感じた。
音色が美しく、艶がある。
表情付けも、練られつくしたというよりは感性重視といった印象だが、なかなか味わいがある(少しテンポを緩めすぎているように感じる箇所もあるけれど)。
一方のKrpanもさわやかで悪くないが、やや一本調子な感あり。
また、オーケストラとずれそうになる箇所も散見された。
第4番を弾いたWonは、やはりこれまでの予選同様、いわゆる「ヴィルトゥオーゾ」風の、崩したような弾き方をときどきする。
そういうやり方は、ロマン派(の一部)の曲には似つかわしいだろうけれど、この曲にはいまいち合わないように感じた。
それに、きわめて精緻にコントロールされたというよりは、やや粗めの打鍵が聴かれる部分もある。
というわけで、私としては、
1. Anna Geniushene (01/01/1991 Russian Federation)
2. Ivan Krpan (28/05/1997 Croatia)
3. Jaeyeon Won (22/02/1988 Korea, Republic of)
の順に気に入った(2.と3.は逆でも良い)。
さて、実際の結果は、下記のようになった。
【グランドファイナル結果】
1位: Ivan Krpan (28/05/1997 Croatia)
2位: Jaeyeon Won (22/02/1988 Korea, Republic of)
3位: Anna Geniushene (01/01/1991 Russian Federation)
うーん、Geniusheneの評価が思いのほか低い。
ベートーヴェンにしてはかっちりしていなかったということか?
まぁ、このあたりの順位付けは難しいところ、ということかもしれない。
なお、4位以下の順位は下記の通り。
4位: EunSeong Kim (07/03/1997 Korea, Republic of)
5位: Xingyu Lu (17/06/1999 China)
6位: Dmytro Choni (31/08/1993 Ukraine)
優勝を期待していたKimは4位だったらしい。
3位以上だったらグランドファイナルに進めていたのだが、惜しかった。
そんなこんなで、何となくもやもやした感じの残るまま、2017年ブゾーニ国際ピアノコンクールは終わった(もやもやが残るのは、他の多くのコンクールも同じだが)。
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