2017年ブゾーニ国際ピアノコンクール グランドファイナル および結果発表 | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

イタリアのボルツァーノで、ブゾーニ国際ピアノコンクールが開催されている。

9月1日は、ついにグランドファイナルの日である。

ネット配信を聴いた(こちらのサイト)。

ちなみに、これまでの記事はこちら。

 

セミファイナル 第1日

セミファイナル 第2日

セミファイナル 第3日

セミファイナル 第4日

ソロファイナル 第1日

ソロファイナル 第2日

室内楽ファイナル 第1日

室内楽ファイナル 第2日

 

 

Anna Geniushene (01/01/1991 Russian Federation)

 

Ludwig v. Beethoven - Piano Concerto no. 5

 

 

 

Jaeyeon Won (22/02/1988 Korea, Republic of)

 

Ludwig v. Beethoven - Piano Concerto no. 4

 

 

 

Ivan Krpan (28/05/1997 Croatia)

 

Ludwig v. Beethoven - Piano Concerto no. 5

 

 

 

全員ラフマニノフというのはありがちだが、全員ベートーヴェンというのは珍しい気がする。

 

第5番を弾いた2人のうちでは、Geniusheneが良いと感じた。

音色が美しく、艶がある。

表情付けも、練られつくしたというよりは感性重視といった印象だが、なかなか味わいがある(少しテンポを緩めすぎているように感じる箇所もあるけれど)。

一方のKrpanもさわやかで悪くないが、やや一本調子な感あり。

また、オーケストラとずれそうになる箇所も散見された。

 

第4番を弾いたWonは、やはりこれまでの予選同様、いわゆる「ヴィルトゥオーゾ」風の、崩したような弾き方をときどきする。

そういうやり方は、ロマン派(の一部)の曲には似つかわしいだろうけれど、この曲にはいまいち合わないように感じた。

それに、きわめて精緻にコントロールされたというよりは、やや粗めの打鍵が聴かれる部分もある。

 

というわけで、私としては、

 

1. Anna Geniushene (01/01/1991 Russian Federation)

2. Ivan Krpan (28/05/1997 Croatia)

3. Jaeyeon Won (22/02/1988 Korea, Republic of)

 

の順に気に入った(2.と3.は逆でも良い)。

 

 

さて、実際の結果は、下記のようになった。

 

【グランドファイナル結果】

1位: Ivan Krpan (28/05/1997 Croatia)

2位: Jaeyeon Won (22/02/1988 Korea, Republic of)

3位: Anna Geniushene (01/01/1991 Russian Federation)

 

うーん、Geniusheneの評価が思いのほか低い。

ベートーヴェンにしてはかっちりしていなかったということか?

まぁ、このあたりの順位付けは難しいところ、ということかもしれない。

 

なお、4位以下の順位は下記の通り。

 

4位: EunSeong Kim (07/03/1997 Korea, Republic of)

5位: Xingyu Lu (17/06/1999 China)

6位: Dmytro Choni (31/08/1993 Ukraine)

 

優勝を期待していたKimは4位だったらしい。

3位以上だったらグランドファイナルに進めていたのだが、惜しかった。

 

そんなこんなで、何となくもやもやした感じの残るまま、2017年ブゾーニ国際ピアノコンクールは終わった(もやもやが残るのは、他の多くのコンクールも同じだが)。

 

 


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