2017年ブゾーニ国際ピアノコンクール 室内楽ファイナル 第1日 | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

イタリアのボルツァーノで、ブゾーニ国際ピアノコンクールが開催されている。

8月29日は、室内楽ファイナルの第1日。

ネット配信を聴いた(こちらのサイト)。

ちなみに、これまでの記事はこちら。

 

セミファイナル 第1日

セミファイナル 第2日

セミファイナル 第3日

セミファイナル 第4日

ソロファイナル 第1日

ソロファイナル 第2日

 

 

Dmytro Choni (31/08/1993 Ukraine)

 

Robert Schumann: Quintetto per pianoforte e archi in mi bemolle maggiore op. 44

 

演奏はまずまずといったところ。

よく弾けてはいるが、やはり音が硬めだし、これといったほどの工夫やこだわりも聴かれない。

ただ、終楽章の主要主題の直後の経過句で、右手に4音ずつの上行音型があるのだが、ここのスタッカートの歯切れの良さはなかなかのもの。

 

 

 

 

Xingyu Lu (17/06/1999 China)

 

Antonín Dvorák: Quintetto per pianoforte e archi n. 2 in la maggiore op. 81

 

テクニック的にスムーズで、力強く、味わいもそれなりにある演奏だが、ややそっけなく感じる部分もないではない。

特に第2楽章など、悪い演奏では決してないし、ぶっきらぼうにならないように表情付けもよくされているけれども、こういう緩徐なメロディの歌わせ方がとてもうまいタイプというわけではない印象。

 

 

 

 

EunSeong Kim (07/03/1997 Korea, Republic of)

 

Johannes Brahms: Quintetto per pianoforte e archi in fa minore op. 34

 

期待の彼だが、思ったよりは普通か。

この曲は、先日のクライバーンコンクールでのレイチェル・チャン(Rachel Cheung)の演奏が、フレージングやアーティキュレーションなどきわめて明快かつ緻密に構成されていて、素晴らしかった(その演奏動画はこちら)。

ついそれと比べてしまうからか、今回のKimの演奏は、感嘆するまでには至らない。

とはいえ、彼のスムーズなテクニック、情熱や抒情性といった持ち味も、ところどころ垣間見ることはできた。

 

 

 

 

そんなわけで、第1日の演奏者のうち、私がグランドファイナルに進んでほしいと思うのは

 

Xingyu Lu (17/06/1999 China)

EunSeong Kim (07/03/1997 Korea, Republic of)

 

あたりである。

 

全体に、ソロのときほどの感銘は受けなかったが、そんな中でも上記2人は比較的良かったのと、コンチェルトに期待できそうということで、選んでおきたい。

 

 


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