土地探し、HM探し、バチバチの打ち合わせ・・・
とにかく刺激的な紆余曲折を経て、9月20日!ついに完成
各社のプラン比較や過激(!?)な商談の様子は、以下の目次からどうぞ!
■web内覧会、開催中!
大手で建てるべきか、地場で建てるべきかを考察した前回。
(参考:#102 大手か地場か?)
結論は、「うだうだ言ってねーで足が棒になるまで見てこいや!」という非常に乱暴な結論!
いやでも、そらそーよ。
うちはたまたま20社目くらいで中村住宅開発さんと出会って、数々のハードルを越えながら契約まで至ったわけですが・・・
(参考:#8 検討した30社のハウスメーカー)
ぶっちゃけ、要望さえ満たしてくれるなら、大手だろうと地場だろうとどこでも良かったわけですよ。
その要望を浮き彫りにするためにも、HM・工務店巡りは欠かせません!
あなたがこだわっているその要望も、実はどこでも出来るような内容かもしれないし、よくよく考えてみると大してこだわる必要も無いと気付くかもしれません。
家事動線、家事動線!とやたらアピってくる工務店、ありませんか?
やたら既製品の住設(キッチンやUB)をアピってくるHM、ありませんか?
いやそんなもんどこでも出来るから!
逆にこだわっていないつもりでも、いざ目の当たりにしたら180度自分の価値観が変わるパターンもあるかもしれません。
そう、私のようにね
(参考:#15 中村住宅開発① 王者の貫禄)
一番最悪なのは、建ててしまってから、或いは契約してしまってから、本当の要望に気付くこと。
HMや工務店も、後から出来ないことをやってくれと言われても、困っちゃいますよね
十分な計画が無いまま家づくりを進めたり、契約を急いだりすると起きがちな印象です。
家づくりでトラブったり後悔したりする原因って、だいたいコレでは?
こういったミスマッチを防ぐためにも、手間は惜しむべきではない!なにせ人生最大の買い物なんだから!
というお話でした
■性能かデザインか?
そして本日も荒れそうなこのタイトル
たくさんのHMや工務店を見ていると、必ず「性能」を推してくる会社や、「デザイン」を推してくる会社も出てきます。
話を分かりやすくするため、ここで言う「性能」とは気密や断熱の温熱環境を指し、
「デザイン」とは設計も含めた、意匠などのいわゆるオシャレを指すこととします
ただ、今回の話も最初に言っておきますが、私は完全にノーサイドです!
というか、どっちも大事でしょ!うん千万も払うんだから!
というのが正直な感想
一生に一度の買い物するのに、何故どっちか片方を選ばなきゃいけないわけ?
そんなもん誰だって、快適でオシャレな家が良いに決まってんじゃん!?
文句あんなら掛かってこいコノヤロー!!
しかし。
性能もデザインも、求めるレベルによって出来る会社と出来ない会社があるのも事実。
heat20 G3クラスの断熱性能や、C値0.1を切るような変態的な超気密を求めるなら、いくらその辺の会社にお金を積んでも難しいでしょう・・・
最初から新住協の加盟店や、パッシブハウスを得意とする性能売りの工務店に頼みましょう
逆に、設計事務所のようなデザイン住宅を求めるのであれば、やはりデザインが得意な会社に頼みましょう!
デザインに強い設計士や、未知の提案をしてくれるインテリアコーディネーターの力を借りないと、いくらセンスのある施主でも素人レベルを脱却するのは難しいです。
~Fin~
・・・。
いやいやそんな極端じゃなくていいよ!
快適に過ごせてお気に入りのデザインの家なら、それで十分満足!
という、そこのあなた!
気が合いますね、私もそのクチです
というか、だいたいの人が該当するのでは?
ですのでここからは極端なレベルは排し、一般論として性能とデザインについて考察してゆきます。
それでは本編をどうぞ(前置きやったんかい!)
↓↓本編↓↓
■性能
まずは性能。
ざっくりと分けて、①断熱性、②気密性の2点について。
①断熱性
断熱性能とは=熱の逃げにくさ。
Ua値やQ値で表され、ZEHやheat20など様々な基準で外皮性能レベルが区分けされています。
断熱性能については、最近heat20 G3なる基準も登場しましたが、マニアックレベルという判定で割愛。
断熱性能で重要なのは、窓、壁、屋根、床、換気。
過去記事でも書いた通り、一定までのレベルであれば断熱・換気性能=札束ゲーです
~参考~
いくら断熱性能が低いといっても、今どきの家だと標準仕様でも省エネ基準くらいは満たしてきます。
それをheat20 G1~G2クラスに上げるくらいなら、窓と断熱材に課金すればどの会社でも出来ますよね?
では具体的に計算してみましょう。(厚みや金額はざっくり所感です)
・窓:アルミ樹脂複合サッシ ⇒ トリプル樹脂サッシに変更・・・+80万円
・壁断熱:吹き付け75mm ⇒ 105mm・・・+40万円
・天井断熱:吹き付け160mm ⇒ 240mm・・・+20万円
・床暖熱:硬質ウレタン50mm ⇒ 100mm・・・+30万円
・換気:第三種 ⇒ 第一種換気へ・・・+30万円
どうでしょう?
地域にもよりますが、よっぽどの寒冷地以外は、heat20 G1~G2くらいなら達成できるのではないでしょうか?
ということは、100万~200万くらい課金すれば、だいたいどこのHM・工務店でも高断熱の家は建てられるということです!(無責任発言①)
また、課金の順番にも、優先順位があります
断熱性能を高めるなら、窓、屋根、壁、床、換気性能。
細かい話をすれば玄関ドアもですが、面積が小さいので今回は割愛。
どうせ課金するなら、熱の逃げやすい個所から課金してゆきたいですよね
この図を見ると、窓>壁>換気>床>屋根、という順になりますが・・・
コスパと体感を考えると、もしかしたら壁は後回しでもいいかもしれません。
壁は面積が大きい=Ua値への影響も大きいのですが、その分コストもかさみます。
なので、直接体が触れる床や、太陽直撃の屋根の断熱を優先するというのも手かと思います
中村住宅開発さんの標準仕様は、アルミ樹脂複合サッシ、断熱性能等級Ⅳ、第三種換気でした。
断熱性能でいうと、省エネ基準をギリギリ満たす程度でしょうか?
でも最終的には以下のように、いろいろと追加・変更し、Ua値0.47のheat20 G1グレードレベルにはなりました!
・窓をオール樹脂サッシに変更
・屋根断熱を160mm→200mmに変更
・寝室・洋室×2を第一種換気に変更
へぇ~、gmgtpもZEHとかG1とか気にするんだ?
というのは、間違いで
実は私、G1レベルを目指して課金したわけではありません。
数値目標なんてまったくありませんでした!
(参考:#22 四社競合 求めるスペックと争点)
でも現居での不満点って、新居では改善したいですよね?
おいなりさん家クラスの無断熱かつ隙間だらけの単層アルミサッシのクソアパートならともかく、私のアパートは新築のDルーム(ダイワ)なのに、やはり少々の不満はありました
・冬場、ベッドで顔に冷気が降りてくる
・夏場、2階がクソ暑い
この2点を解決するために、新居では窓を樹脂サッシに変え、屋根断熱を追加し、ベッドルームだけ第一種換気を採用しました!
そうしたらたまたまUa値が0.47になり、5地域のG1レベルになったというだけの話なのです。
数値目標などは一切考えていませんでした。
今の悩みが解決すればいいか、みたいな
ですので、さしたる根拠もなく数値目標を決めるくらいなら、私のようなアプローチもアリなのではないでしょうか?
~参考~
②気密性
C値で表される気密性ですが・・・当然、家の隙間は少ない方がいいですよね!
隙間が多いと家の中の熱が逃げるだけでなく、換気計画も台無しになります
あえて目標値については触れませんが、下記のグラフを参考にするとC値1.0は切った方が良さそうですよね。
なお、近年は在来工法でもC値0.1を連発する工務店はたくさんあるため、工法云々はあまり気にしなくていいと思います。
ただこのC値、やっかいなのが断熱性能のように計算式で算出できないという点。
つまり建ててみなければ分からない、一発勝負の実測値!
数値の目安を公表する会社も多いですが、実測していないところも多いです
もしC値に大きなこだわりがあるのであれば、全棟気密測定を実施し、C値保障をしてくれる工務店を選ぶべきです。
しかし、1.0~0.5くらいでいいのであれば、外部の気密測定業者を入れて補うというのもアリだと思います
現に、私が建てた中村住宅開発さんは気密測定も気密保障もしていないですが、福田温熱空調さんという気密測定業者を入れることで、C値=0.31という数値が出ました。
(参考:#79 実力。C値)
もちろん、うちの棟梁が超絶当たりの大工さんだったことは、言うまでもないのですが・・・(←)
気密測定とは、大工さんや現場監督の期末試験のようなものです。
期末試験があると分かっていれば誰だって気を抜かないし、対策もしますよね
それに近年は発砲ウレタンや気密テープなど、気密の取りやすい建材も普及してきました。
その気になれば、そこそこの気密は出せる時代。そうとも言えると思います。
実際、その辺の工務店でもC値0.5~0.3くらいなら割と出してくるので、きっと気密処理のポイントがあるのでしょう。ここさえおさえとけばOK的な
測定業者を入れても数万円のことですし、C値1.0切れば十分だよという方は、そこまで深刻に悩まなくていいんじゃないかな
大手だって、実際測ってみたらC値1.0くらい切ってますって、きっと!(無責任発言②)
■デザイン
性能は100万~200万も払えばそこそこ(heat20 G1・G2クラス)ならどこでもイケるっしょ?
と、またもや暴論を吐いた私
ではデザインはどうでしょうか?
例えばこういったオシャレなLDK。
・3m以上の天井高に、庇と連続した下がり天井。
・サッシは天井付け、居室とバルコニーをフルフラットに。
・サンクンリビングも、最近流行りですねえ
デザインを売りにする会社なら、これくらいは普通に提案してきますが・・・
そうじゃないHMや工務店にこれを頼むと、一体いくら掛かるのでしょうか
これも会社によりまちまちでしょうが、なんとなーく所感で計算してみると・・・
・天井高2.4m ⇒ 3mに変更・・・+100万円
・下がり天井の施工・・・+20万円
・サッシ2m ⇒ 2.4mに変更・・・+30万円
・居室とバルコニーをフルフラットに・・・+30万円
・サンクンリビング・・・+20万円
うーん、LDKだけで200万・・・
いや、でもたぶんもっと掛かりますね。普段やってないところに頼むなら。
ここからさらに、造作家具やら勾配天井やら見せ梁やら無垢床やら塗り壁やらタイルやら大理石やら・・・
なんか、めっちゃ高くつきそうじゃないです?
ただもちろん、こういったデザイン住宅ってのは、そもそものスタートの見積もりからして高いです。
当然ですよね、普通より手間掛かってんですから。
ですが、普段やってないところに追加追加追加の嵐で頼むよりは割安でしょう!
それに、施工や細かい納めのスキルでも安心できます。
例えば、廻り縁やドア枠。
この辺までなかなか気が回る施主って少ないと思いますが・・・
このように、下手すると賃貸感MAXの野暮ったい空間が完成します
これ、図面や打ち合わせだけではここまで気が回りませんよね、私たち素人では
しかし、デザインにもこだわるちゃんとしたところに頼めば、その辺も安心!
例えば中村住宅開発さんでは、ハイドアのクロス巻き込み仕上げや、底目地など空間をすっきりさせる施工を標準でしてくれます
壁の内側にドア枠を施工。クロス巻き込み仕上げですっきり!
廻り縁を使わない、クロスの底目地仕上げ。
こういう細かい仕上げを普段やっていない業者に頼んでも、絶対うまく出来ないので注意!
また、デザインってのはそもそも、設計ありきですよね。
施主の生活スタイルにマッチした間取りを実現しつつ、内観と外観のデザインも同時に考えねばならない・・・
これ、本当に大変な作業なんです!
ex)
間取りや居室に夢中になっていたら、外観の窓ぐっちゃぐちゃ。
そんなもん気にしない!って人ならいいんですが、建ってみてがっかりってのは避けたいですよね。
まあ施主が自分でいじくり回したのなら、自己責任なのでまだいいのですが・・・
平気でこのまんま提案してくる設計士も、山ほどいますからね!
優秀な設計士なら、黙ってても間取り・内観・外観ともに100点満点の提案をしてくれるはずですよ
(参考:#93【web内覧会】残念な外観)
さて。
これだけ聞いても、「別にデザインなんてどうでもいいわ」と思った、そこのあなた!
実際のHMや工務店、設計事務所の建物を見ても、まだそう思っているのなら・・・
それがあなたの価値観ということですので、もはや私から何も言うことはありません
でも。
いいんですよ、それで。
私だって興味のない車で、デザインがー 足回りがーとか言われてもピンときませんし
コーヒーは飲みますが、豆から挽くと香りが違うだのどこそこの銘柄だの、どんっっっだけ熱く語られたってウザいだけですからね
というわけで、結局は前回の記事と同じ結論なんですが・・・
たくさんまわって、たくさん見て、たくさん話し合って、たくさん考えて。
理想の生活を手に入れるには、どこまでの性能が欲しいのか?
どんなデザインが好きなのか?
他の家族の希望は?
優先順位は?
じゃあどこの会社なら叶えてくれるのか?
なんてったって、人生最大の買い物ですからねえ。
ここで手間暇を掛けないなら、いったいいつどこに掛けるっていうんです?
だってあなた、3000万稼ぐのにいったいどれだけの時間と労力費やしたんですか!?
・・・うえぇ、言ってて吐きそうになってきた
死ぬほどやり合うのをオススメします!
■web内覧会、開催中!