グルコサミン博士のブログ

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グルコサミンのことならなんでもお答えします♪

南イタリア、マルタ、そしてキプロスへ続いた旅も、ついに最終日を迎えました。

 

名残を惜しみながら、今日も朝から濃密なスケジュールで島の歴史と自然を巡りました

最初に向かったのは、アギア・ナパの海岸。
目の前に広がる翡翠色の海は、まるで宝石を砕いて溶かしたような透明度。

キプロスのアギア・ナパ海岸、透明な海

アギア・ナパの海岸、翡翠色の海と洞窟

キプロス アギア・ナパの海岸と洞窟

キプロスのアギア・ナパ海岸、透明な海で泳ぐ人

キプロスのアギア・ナパ海岸の海と洞窟

アギア・ナパの海岸、シー・ケーブと人々
 

その海に刻まれた Sea Caves は、自然の造形美そのもの。
陽光を受けて青く輝く洞窟の入り口を見ていると、地中海の大きさに包み込まれるような感覚でした。

アギア・ナパの海と洞窟

 

次に訪れたのは、ハラ・スルタン・テッケ。
キプロスにおけるイスラム教で最も重要とされるこの場所は、
預言者ムハンマドの乳母ウム・ハラームが眠る聖地。

ハラ・スルタン・テッケの案内板

ハラ・スルタン・テッケのモスク

ハラ・スルタン・テッケの内部
 

なぜこの島にイスラムの最重要寺院があるのか?
キプロスが古来、東西文明の交差点として、
多くの信仰が行き交った歴史を象徴しているようでした。

 

続いて向かったのは、聖ラザロ教会。

聖ラザロ教会と広場

イエスによって復活させられたラザロは、その後キプロスに渡り、
およそ30年間にわたり主教としてこの地を導いたと伝えられています。

聖ラザロ教会内部のイコノスタシス
 

9世紀、彼の墓の上に建てられたこの教会は、
重厚な石造りが静かに語るように、時を超える信仰の重みがありました。

 

ランチの後は、旅の締めくくりとして ラルナカ城 を見学。

お城は海沿いの海浜道路の近くに建つ。

キプロスのアギア・ナパ海岸とヤシの木
 

12世紀頃、この地を守るために築かれた砦は、
ヴェネツィア統治時代に現在の要塞として整えられました。
海に面して凛と佇む姿は、
この島がいくつもの支配者と時代を乗り越えてきた証そのものでした。

 

最終日もぎゅっと詰まった観光のあとは、夕方のフライトでフランクフルトへ。

飛行機から見た夕焼けと街並み
 

キプロスは真夏のような暑さだったのに、
深夜のフランクフルトは初冬の冷たい空気。
翌日、上海に到着すると再び20度以上の暖かさが戻ってきました。

さらに私は、翌朝東京へ、そのまた翌日には真冬の軽井沢へ。


わずか数日のあいだに夏・秋・冬を一気に駆け抜けるという、
まさに地球を飛び越える旅となりました。
これほど急激な気候の変化と時差が続いたのに、
不思議と体調はまったく崩さず、
むしろ「旅の勢い」がそのまま私を支えてくれたように感じています。

こうして、南イタリア、マルタ、キプロスを巡る旅は幕を閉じました。
 

地中海の風、歴史の重み、出会った景色や人々、
そのひとつひとつが、しばらく心に残り続けると思います。

 

また新しい旅へ。
その日まで、この余韻を大切に持ち帰ります。

キプロスを旅していると、海風の香りの中にどこか懐かしいような、

それでいて異国の深みを感じる瞬間があります。

この島は東西文明の交差点として、古代からさまざまな文化が行き交ってきました。

そんな「香りの記憶」を、実は世界の有名ブランドも取り入れています。

 

 香水の世界に生き続ける「キプロス=CHYPRE(シプレ)」

「シプレ(Chypre)」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。

フランス語で「キプロス」を意味するこの言葉は、

香水の世界でひとつ「香調」を表す専門用語でもあります。

 

今からおよそ100年前、フランスの調香師フランソワ・コティが

「Chypre(キプロス)」という香水を発表したのが始まりでした。

オークモス(苔)、ベルガモット、パチョリ、ローズなどを組み合わせた

深く上品で、少し湿ったような香りだそうです。

その名を「キプロス」と名づけたのは、

この島に漂う地中海の緑と太陽の記憶を表したかったからだと言われています。

 

以来、エルメス(Hermès)、ディオール(Dior)、グッチ(Gucci)など、

多くの名香がこの「シプレ調(キプロス調)」を継承してきました。

つまり、ブランドの香りの系譜の中に「キプロス」という地名が

いまも静かに息づいているのです。

 

エルメスという名に重なる「旅と伝達の神」

キプロス島は「愛と美の女神アフロディーテ」が生まれた島として知られています。
エメラルド色の海と、どこか懐かしい静けさ。
歩いているだけで、神話の時代に迷い込んだような気持ちになります。

そんなキプロス、実はフランスの高級ブランド「エルメス」とも深い関係があるのです。

ギリシャ神話では、アフロディーテと「旅と商業の神エルメス」との間に
「ヘルマフロディトス」という神が生まれました。
つまり、キプロスはエルメスと「神話の家族」のようなつながりを持っているのです。

19世紀、フランスの鞍職人ティエリー・エルメスは、
自らのブランドにこの神の名「Hermès(エルメス)」を選びました。
旅人のために馬具を作る彼にとって、
旅と商いを司る神の名は、理想的なシンボルだったのでしょう。

キプロスから生まれた神話の風が、
パリのラグジュアリーな世界へと受け継がれている。
そう思うと、エルメスが大切にしてきた「旅」や「美」の精神が、
神話の時代からずっと続いているように感じます。

 

たしかに、私がキプロスで見た海の青さ、
古代から変わらぬ石の街並み、
そして風の中に漂う静かな気配。
そのすべてが、エルメスの物語と重なり合うように思えました。

 

地中海の香りを纏うということ

シプレ(キプロス)の香りは、

単なる調香のスタイルではなく、

どこか哲学のような深さを持っています。

太陽の下で乾いた風に混じるオリーブや苔の匂い、

港に漂う塩気、古代から続く祈り。

そのすべてが一滴の香水の中に封じ込められているのです。

 

私が歩いたサラミ遺跡の石畳にも、

そんな「地中海の香り」が確かに残っていました。

ブランドの香水瓶の中に息づく「キプロス」を思うと、

旅の記憶がふと甘く蘇ります。

 

今日は、キプロス博物館から始まり、ファマグスタ門を通ってニコシア旧市街へ。

その後、北部に入り、サラミ遺跡と聖バルナバス修道院を訪れました。

 

朝はまだ静かだった博物館の中で、古代の土器やモザイクを見ながら、

この島がいかに長い歴史を積み重ねてきたのかを思いました。

ニコシア市立劇場の外観と上演案内のバナー

キプロス博物館の古典的な列柱と庭園

かつては東西交易の要衝として栄え、ギリシャ、ローマ、ビザンツ、オスマン、そしてイギリスと、

さまざまな支配を受けながらも、文化が絶えず交わり続けてきた島――それがキプロスです。

古代キプロス博物館の動物文様土器

キプロス博物館の古代土器とモザイク

 

現在はご存じの通り、南北に分断されたまま。

「グリーンライン」と呼ばれる緩衝地帯が、いまも町の中央を横切っています。

そこは国連の管理区域で、自由に往来することはできません。

 

南部はキプロス共和国としてEUに加盟し、

キプロスの地図が描かれた国旗とギリシャ国旗が掲げられています。

キプロスとギリシャの国旗

一方、北部は「北キプロス・トルコ共和国」を名乗り、

国際的には承認されていないものの、トルコ国旗と、赤と白が反転した独自の旗が翻っています。

キプロス海岸と都市の眺め

 

南北行き来には、パスポートの提出が認められます。

ここは歩行者が南部から北部に行くときのチェックポイント。

ニコシアのレドラ・ストリート検問所

街を歩くと、南は豊かで整備された印象、北はやや素朴で時間が止まったような雰囲気――

その対比に複雑な思いが込み上げました。

 

そして今日、何より心を揺さぶられたのはサラミ遺跡でした。

古代ローマ時代の円形劇場、浴場跡、列柱の並ぶ広場。

サラミ遺跡の「SALAMIS」文字看板

キプロス サラミ遺跡の円形劇場と彫刻

サラミ遺跡 古代ローマ円形劇場

サラミ遺跡の石造りのアーチと青空

サラミ遺跡の円形劇場に立つ観光客

遠くに海が見え、風が吹き抜ける中で立っていると、

二千年前の人々の声がどこからか聞こえてくるようでした。

キプロスのビーチ、青い海と空

キプロス海岸と都市の眺め

 

ここキプロスは、新約聖書にも登場する地であり、

聖パウロが宣教の旅の途中に訪れた場所でもあります。

(使徒行伝第13章1節〜12節)

信仰と歴史、そして人間の営みが交錯する――そんな島の深い記憶を感じました。

 

最後は聖バルナバ修道院を見学。聖バルナバはキプロス出身の使徒であり、伝統的に「キプロス正教会の創立者とされています。

聖バルナバス修道院 キプロス 古代建築

聖バルナバ修道院の石造りの外観と木製ドア

 

聖バルナバ修道院の内部、椅子と祭壇

 

分断の痛みを抱えながらも、確かに生き続けているこの島。

その風と光の中で、私は静かに祈るような気持ちになりました。

 

今日の午前は、リマソルの西にあるクーリオン古城(库利翁古城)を訪ねました。

クーリオン古城の木製通路と地中海

ここは紀元前2世紀頃に栄えたギリシャ・ローマ時代の都市遺跡で、

地中海を見下ろす丘の上に建つ円形劇場がとても印象的でした。

クーリオン古城の円形劇場と地中海

クーリオン古代劇場の石段と海

劇場はもともと紀元前2世紀に建てられ、ローマ時代に改修されたもの。

現在でも音響が素晴らしく、夏にはコンサートなどが開かれるそうです。

背後に広がる紺碧の海と、白い大理石の座席のコントラストが美しく、

まるで古代にタイムスリップしたような気持ちになりました。

 

近くにはローマ時代の公衆浴場跡やモザイクの床も残されており、

当時の人々の豊かな暮らしぶりを感じさせます。

クーリオン古城の円形劇場と地中海

パフォス遺跡のモザイク画 魚モチーフ

 

その後、海沿いを走って向かったのはロミオス海岸(罗谬海岸)。

ロミオス海岸:アフロディーテ誕生の地

ここは愛と美の女神アフロディーテ(ビーナス)誕生の地として有名です。

伝説によれば、彼女は海の泡から生まれ、この岸辺に上陸したといわれます。

ロミオス海岸:アフロディーテ誕生の地

海の中にそびえる大きな岩は「ビーナスの岩(Petra tou Romiou)」と呼ばれ、

その周りを一周泳ぐと「永遠の愛が叶う」というロマンチックな言い伝えがあります。

地中海の碧い海と白い岩が織りなす風景はまさに神話の世界そのものでした。

 

昼食は中華レストランでランチ。

旅の途中でいただくアジアの味は、どこか懐かしくほっとします。

 

午後は世界遺産・パフォス(帕福斯)の考古遺跡を見学しました。

クーリオン古城の石段を上る人々

ここにはローマ時代のモザイク画が数多く残るディオニュソスの館をはじめ、

神話やキリスト教を題材にした絵が多く見られます。

クーリオン古城の石造りの遺跡と青い空

パフォス遺跡のローマ時代モザイク画

 

特に印象的だったのは、魚をモチーフにした装飾。

パフォス遺跡の魚モチーフモザイク

古代では「魚(イクトゥス)」という言葉が「イエス・キリスト」を象徴しており、

信仰をひそやかに守る人々の祈りが、今も静かに伝わってくるようでした。

 

リマソルへ戻る途中、聖パウロの柱(St. Paul’s Pillar)に立ち寄りました。

パフォス考古遺跡の石造り教会と柱

新約聖書によると、パウロはキプロスで布教活動を行い、

この地でローマ総督に福音を伝えたと伝えられています。

その記念として建つ石柱には、今も花が手向けられ、

訪れる人々が静かに祈りを捧げていました。

 

夕方にはリマソル市内に戻り、旧市街を少し散策。

その後、地元レストランでキプロスの名物料理メゼ(Meze)を堪能しました。

キプロス料理メゼ:串焼き、フライドポテト、サラダ

オリーブやチーズ、グリルされた肉料理や魚介など、

太陽の恵みをそのまま味わうような豊かな夕食でした。

 

今日も日差しが強く、地中海の青がまぶしい一日。

古代の遺跡と神話、そして信仰の地をめぐる、印象深い旅になりました。

 

マルタの最終日。朝、ホテルを出てバスは南東の海岸線へと走りました。

まず訪れたのは、マルタでも屈指の景勝地、ブルー・グロット(Blue Grotto)。

マルタ ブルー・グロットの洞窟とエメラルドグリーンの海

断崖絶壁の下に広がる海は、光を受けて深いエメラルドグリーンに輝いています。

海面がまるで鏡のように光を返し、波の動きに合わせて岩肌まで青く染めていく。

その名の通り「青の洞窟」と呼ばれるこの場所は、自然が描き出す光の芸術でした。

マルタのブルーグロット、洞窟から見た青い海

マルタの断崖からの青い海と太陽の光

 

次に向かったのは、マルタ南東部のマルサシュロック漁村(Marsaxlokk)。

古くから漁業で栄えたこの村では、港に色とりどりの小舟が並んでいます。

マルタ漁村の伝統的な青い舟

マルタ漁村の港に停まるカラフルな小舟

 

小舟の舳先には、必ずと言っていいほど「目」が描かれています。

マルタ漁船の船首に描かれた「オシリスの目」

マルタ漁村の舟:オシリスの目

これは古代フェニキア時代から伝わる「オシリスの目」と呼ばれる護符で、

「航海の安全」や「悪霊からの守護」を願うものだそうです。

波間に揺れる無数の瞳が、今も静かに海を見守っているようでした。

漁港ににぎやかなマーケットもあります。

マルタの漁村のマーケット、露店には衣類や雑貨

 

漁村の中心には聖母教会があり、その正面上部には船を踏むマリア像が掲げられています。

マルタの漁村の聖母教会

これは、マリア様が「嵐や危険から人々を救う守護者」であることを象徴しており、

荒れ狂う海や悪しきものを踏み越える力を表しているそうです。

漁師たちにとっては、まさに海の守り神のような存在。

青空を背に立つマリア像が、穏やかな港の光景と重なり、心に残る印象的な一場面でした。

 

昼食は港近くのレストランで、焼き魚のランチを。

マルタの焼き魚と副菜

シンプルな塩味に、レモンを絞り、バルサミコ酢を少し。

マルタの海を見ながら味わう最後の食事は格別でした。

 

午後、バスは空港へ向かい、夕方にはこの旅の最終地、キプロスに到着。

マルタとの時差は1時間。ギブロスの方が少し早く時が流れています。

EU圏内にもかかわらず、入国審査には少し時間がかかりましたが、本来なら見れる夕日は無理でした。

碧い海、信仰の象徴、そして穏やかな陽光。

マルタで過ごした数日間は、きっと心のどこかにずっと残っていく気がします。

 

 

今日は、マルタの海のハイライトともいえるコミノ島ブルーラグーンへ。

赤い帆のヨットと遠くの船

透明度の高いターコイズブルーの海に、白い砂浜が映える風景はまさに「地中海の宝石」。

マルタ コミノ島ブルーラグーンのターコイズブルーの海

コミノ島ブルーラグーンで泳ぐ人々

コミノ島ブルーラグーンのターコイズブルーの海

遠くから見るよりも、実際に近づくとその青さの深みがわかります。

陽射しを受けてキラキラと輝く海面は、まるで絵の具を溶かしたような不思議な色合いでした。

 

昼食を挟んで、次は映画『ポパイ』のロケ地として知られるポパイ村へ。

マルタ・コミノ島ブルーラグーンのターコイズブルーの海

ポパイ村の海辺の木造家屋

映画「ポパイ」のオープンセットとして建てられて、撮影後は観光地として保存後悔されています。

ポパイ村のカラフルな木造家屋

ポパイ村の木製ウォールと海

ポパイ村のポストオフィスとカラフルな建物

カラフルな木造の家々が並び、どこを切り取っても絵本のような世界。

 

その後は、メーリーハ修道院に立ち寄り、修道院の丘からビーチを撮影。

メーリーハ修道院と青い空

マルタの教会とスターバックス

マルタの銅像と街並み

海の青と教会の白壁が溶け合うように見えて、とても印象的でした。

そして、旅の締めくくりはディングリ断崖。

マルタ ディングリ断崖と地中海

マルタ ディングリ断崖からの夕日

地中海を見下ろす絶壁に立つと、風の音と波の響きだけが耳に残り、心まで澄んでいくような

静けさでした。

 

今日のランチは中華、夕食は洋食。

添乗員によると、マルタには団体旅行向けの中華料理店が3軒あるそうで、私たちはそのすべてを制覇したとのこと。

時々食べる中華はホッとするけれど、さすがに毎日となると少し飽きてしまいます。

それでも、旅の途中でお箸を握る安心感は、やっぱりありがたいものです。

 

明日はマルタ島の最終日。どんな風景が待っているのでしょうか✨

 

朝、フェリーでマルタ本島を離れ、穏やかな海を渡ってゴゾ島(Gozo)へ向かいました。

島に到着してまず向かったのは、切り立った断崖と深いエメラルド色の海が印象的な入り江(ベイ)です。岸辺に近づくと、海の色は言葉を失うほど澄み、光を受けて宝石のようにきらめいていました。

 

入り江の周囲は断崖に囲まれ、崖の間に小さな入り口や洞窟がいくつも穿たれています。中でも狭い裂け目のような入口をくぐって進み、外の光が細い線となって差し込む「一線天」のような洞窟から覗く海の眺めは、まるで額縁に収められた一枚の絵のよう。

洞窟の暗がりから見えるエメラルドの海面は、強いコントラストで一層鮮やかに映り、思わず息をのむ美しさでした。

南地中海の10月下旬はまだ気温が高く、ここで一日泳いだり、日焼けをしたりと大変の欧米人はのんびりと過ごしています。

 

私は、海辺のカフェで少し休憩し、波の音と潮風に身をゆだねる時間。地中海の静けさが心にゆっくり染み渡ります。

ランチは港近くのレストランで新鮮な魚料理を。

シンプルにオリーブオイルとレモンで仕上げられた白身魚は、ふっくらと柔らかく、海の恵みをそのまま味わえる一皿でした。地元のパンと合わせてゆっくりいただくと、旅の疲れもほどけていきます。

 

午後は島の中心部にあるチタデル(Citadel)=要塞都市へ。

中世に築かれた堅牢な石壁が今も残るその場所からは、ゴゾの田園風景と遠くの海が一望できます。

石畳の路地を歩きながら、要塞内部にある聖母被昇天教会(Cathedral of the Assumption)を見学しました。

驚いたのは、天井が平らなのに、見上げると立体的なドームが描かれていること。

巧みな遠近法の絵によって、まるで本物のドーム型教会の中にいるような錯覚を覚えます。

主祭壇

説教台

教会内部は金色の装飾や天井画が美しく、静かに祈りを捧げる地元の人々の姿が印象的。石の町並みと共に、時間の重なりを感じさせる落ち着いた空間でした。

さらに2階へ登ると、当時の生活用品や宗教画、歴史的な展示物が並び、静かな中に時の重みを感じました。

 

夕方、再びフェリーに乗って本島に戻るころ、海は夕陽に染まり、入り江で見たエメラルドは次第に柔らかな金色へと変わっていきました。断崖、洞窟、要塞——自然と歴史が調和するゴゾ島の一日は、心に静かに刻まれる旅の一コマになりました。

 

宿泊したホテルは東京でいうと銀座のような最先端な場所である。

 

イタリアから海を渡り、マルタ共和国へ。

 

マルタは地中海のほぼ中央に位置する、小さな島国です。国土は東京23区ほどの大きさしかありませんが、マルタ島・ゴゾ島・コミノ島の三つの島から成り立ち、古代から多くの文明が交差した歴史の舞台でもあります。

 

午前中は、マルタ本島のほぼ中央にある古都ムディーナ(Mdina)へ。

その名はアラビア語の「マディーナ(町)」に由来すると言われ、「石の古城」とも呼ばれています。

マルタ・ムディーナの石造りの古城門

11世紀に築かれたこの街は、中世には貴族たちの居住地として栄え、マルタの政治と宗教の中心でした。17世紀の大地震で東部の建物が崩壊し、その後バロック様式で再建され、現在の美しい街並みとなっています。

ムディーナの石畳と歴史的建造物

ムディーナは「静寂の街」とも呼ばれています。

マルタ、ムディーナの石畳の路地とランタン

マルタの石畳の路地を馬車が走る

というのも、基本的に居住者以外の車の乗り入れが禁止されており、細い石畳の路地を歩くと、まるで時が止まったかのよう。

観光客の足音や、教会の鐘の音だけが響く静かな空気の中に、マルタの長い歴史を感じます。

 

街の中心には聖パウロ大聖堂(St. Paul’s Cathedral)があります。

マルタの古都ムディーナ、聖パウロ大聖堂

バロック様式の堂々たる外観と、内部の装飾が印象的。

マルタ、ムディーナの聖パウロ大聖堂内部

『新約聖書・使徒行伝』によると、聖パウロはエルサレムからローマへ向かう途中、マルタ近海で嵐に遭い、漂着したと伝えられます。命を救われたパウロはこの地で伝道を行い、マルタの人々にキリスト教を伝えたそうです。

そのため今でも、マルタでは聖パウロが最も尊敬される聖人とされています。

 

午後は首都バレッタ(Valletta)へ。

バレッタは世界文化遺産に登録されており、港を見下ろす丘の上に建つ城塞都市です。

マルタ・バレッタの石造りの街並みと港

16世紀、聖ヨハネ騎士団によって築かれたこの町は、ルネサンスとバロックが融合した壮麗な街並みが魅力。

マルタ、ムディーナの石畳路地とThe Medina

マルタ・ムディーナの石畳と古城門

石造りの建物が並ぶ坂道を歩くと、かつて地中海の要塞国家として繁栄した時代の息吹を感じます。

 

そして バラッカの丘に建つマルタ・ヴァレッタ教会を見学しました。外観は石造りの質素な佇まいで、通りすがりには気づかないほど控えめ。

マルタ・バレッタ大聖堂の時計塔とファサード

それだけに、一歩中へ入ると息をのむような美しさです。天井や祭壇を飾る金色の装飾、繊細なフレスコ画、柔らかな光に包まれた聖堂全体が静かな荘厳さに満ちていました。

マルタ・ヴァレッタ教会内部の荘厳な装飾

カルパッチョの絵画が2枚飾られていると聞き、しばらく見入ってしまいました。

マルタ・ムディーナの聖パウロ大聖堂、カルパッチョ作

マルタの聖パウロ大聖堂の絵画

古都の静けさの中に今も息づく信仰と芸術の力を感じます。

 

その後訪れたアッパー・バラッカ・ガーデン(Upper Barrakka Gardens)は、港を一望できる絶景スポット。

マルタ・バレッタのアーチと展望台

眼下には碧いグランドハーバーと、対岸に広がる三つの古い都市。

マルタ・バレッタ港と歴史的建造物

マルタ・バレッタの港と街並み

マルタ、バレッタの要塞と青い空

 

海風に吹かれながら眺める地中海の光景は、本当に美しく、どこか平和への祈りを感じるような時間でした。

 

こうして、マルタでの最初の一日が静かに終わりました。

古代の信仰と騎士の歴史、そして地中海の青。小さな国ながら、その深い物語に心を打たれました。

 

南イタリア旅の最終日は、シチリア島東南部のシラクーサ(Siracusa)から。

ここは古代ギリシャの科学者アルキメデスの故郷として知られ、

紀元前の栄華をいまも静かに伝える街です。

アルキメデス像とシラクーサの街並み

 

最初に訪れたのはアポロ神殿公園。

シラクーサの噴水とバロック様式の建物

風に揺れるオリーブの木の向こうに、古代の石柱が並び、

時の流れがゆっくりと溶け込んでいました。

 

続いてギリシャ劇場と円形闘技場へ。

シラクーサの古代劇場とモダンな教会

周辺の遺跡

シラクーサの古代遺跡、洞窟と植物

シラクーサの洞窟から流れ落ちる滝

 

旧市街のドゥオモ

シラクーサのドゥオモと街並み

シラクーサのドゥオモと街並み

シラクーサのドゥオモ(大聖堂)の壮麗な扉

『マレーナ(シチリアの美しい伝説)』のロケ地として知られ、

映画の中で見た情景が、目の前で息をしているようでした。

マレーナのロケ地、シチリアの広場

シラクーサの古代遺跡と街並み

そして街並み

シラクーサの石畳の路地とカフェ

シラクーサの港、ヨットと遠景

シラクーザの階段アートと街並み

 

ランチは今日も中華。

イタリア滞在中、何度か中華に助けられましたが、

ここのお店も本格的で、旅の最後にぴったりの優しい味でした🥢

 

午後はノートへ移動。

この街は「バロック建築の宝石」と呼ばれるほど美しく、

淡いハチミツ色の建物が夕陽に染まる姿は、まさに芸術そのもの。

シラクーサのバロック建築と石畳の路地

シチリアのバロック建築と緑豊かな風景

ノートのバロック建築と戦没者記念碑

バロック建築の窓とバルコニー

 

中心にそびえるドゥオーモ(大聖堂)

ノートのドゥオーモと市庁舎

ちょうどセレモニーが行われていて、関係者以外は中に入れませんでしたが、

扉の外から眺めるだけでも十分に荘厳で、胸がいっぱいになりました。

 

市庁舎

シラクーサのバロック建築市庁舎

 

こうして念願だった南イタリアの旅も、これで円満に終了。

夕刻、港から船に乗り込み、

光の海の向こうマルタ島へ向かいます。

 

この8日間の旅で出会った街や人の笑顔を思い出していました。

それぞれの場所に、それぞれの物語があり、

その一つひとつが私の心の中で静かに灯り続けています。

 

ホテルの早朝に撮影。

早朝のヤシの木と空

 

ホテルを出発して、まずはアグリジェント近くの丘の上にある神殿の遺跡を見学しました。

地中海を見下ろす高台に、古代ギリシャの柱が今も残っていて、

遠い昔の祈りの気配がそのまま風に溶け込んでいるようでした。

古代ギリシャ神殿遺跡と青空

アグリジェントの丘にある古代ギリシャ神殿遺跡

アグリジェントの神殿遺跡と地中海

そのあとバスで東へ向かい、シチリア島第2の都市カターニアへ。

この街は、かの有名なエトナ火山のふもとにあります。

 

カタニーアアの町を眺望

タオルミーナの丘陵地帯に広がるカラフルな街並み

タオルミーナの街並みと海、遠景

 

まわりの建物はどれもバロック様式。

重厚で華やか、でもどこか温かみを感じます。

カターニアのバロック様式建築とバルコニー

 

バロック様式の大聖堂

カターニャ大聖堂と時計塔

イタリアには、各町にその場所を守る守護聖人がいます。カターニアでは、聖アガタがそうです。

聖アガタ修道院。

カターニアのバロック様式大聖堂と広場

 

カターニアは静かで清潔、海のそばにあって魚介もとても美味しい。

シチリアの中でも、私の好きな町のひとつになりました。

 

そして午後、タオルミーナ(Taormina)へ。

展望台から見るタオルミーナ。

タオルミーナの街と青い海、リゾート風景

海を見下ろす高台のリゾート地です。

 

旧市街には、古代ギリシャ時代の劇場跡が残っています。

タオルミーナ古代劇場と地中海

タオルミーナ古代劇場とエトナ山

おしゃれなカフェやショップが並ぶメインストリートを散策しました。

古代ギリシャ神殿跡と緑豊かな木々

タオルミーナ古代劇場から海を望む

タオルミーナの眺望と地中海

 

夕暮れ時の街はロマンチックです。

タオルミーナ、古代ギリシャ劇場跡と街並み

南イタリア旅の終わりが近づいているのを感じながら、

ゆっくりと時間を楽しみました。