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クラシック編
また、溜まって来たアクセス不良の記事を修正しました。
デュトワがモントリオールと華々しい活躍を初めて丁度脂の乗ってきた頃の録音ということで勢いがあります。この頃でしょうかね、現代のアンセルメとしての位置づけで捉えられ始めたのは。ラヴェルの一連のレコーディングで勢いに乗ってフランス音楽の名演を次々レコーディングしていきます。オルガンは、プーランクなどでも共演している名手ピーター・ハーフォードが務めています。LP発売時はこの交響曲第3番一曲だけで発売されていました。
バルトークのお目覚めはジョージ・セルのサンプラーで「中断された間奏曲」を聴いた時です。中々面白い曲だなぁと思いました。その後全曲が収録されたレコードを購入したのはもちろんです。それからというものストコフスキーや、オーマンディ、ライナーの演奏なと瀬も集めました。そういう体験が有り、ついには2004年には小沢征爾がサイトウキネンで演奏したコンサートまで出掛けていきました。小沢征爾は以前は原点版で演奏していましたが最近は後の改訂版で演奏していました。一般には初演版ではなくこの改訂版が使われますからこちらの方が収まりがいいです。もちろんシャイーもこの改訂版で演奏しています。
フランス音楽の名指揮者としてならしたアンセルメですが、ドイツものも結構録音していたのはあまり知られていません。まあ、ベートーヴェンの交響曲全集やブラームスの全集などは一時話題にはなりましたが、彼のウェーバーなんて日本では見向きもされなかったのではないでしょうか(2001年に一度CD化されましたが、ウェーバーとメンデルスゾーンの序曲をセットにしたもので纏まりには欠けていた様な気がします)。しかし、自称隠れアンセルメファンの小生はLP時代にはそういうものまでコレクションをしていました。これはイギリスデッカの「ECLIPSE」シリーズで発売されたものです。
この前日にはデルヴォーのメンデルスゾーンを取り上げましすが、この日はサヴァリッシュです。そして、この組み合わせによるCDは単独では発売されていません。以前はフィリップス・レーベルで432598という番号で全集が出ていましたが今は廃盤です。もう入手は出来ないかなと思っていたところ、何と廉価盤レーベルの「ブリリアント」から2組目のメンデルスゾーンの全集として今年発売されていました。以前の全集が放送のライブ音源を使っていたのに対して今回はサヴァリッシュのものと、弦楽交響曲はレフ・マルキスが指揮するアムステルダム・シンフォニエッタによる颯爽とした演奏がカップリングされて全集として登場しました。こちらは1992ー1995年のデジタル録音です。ですが、やはり目玉はサヴァリッシュとニュー・フィルハーモニア管弦楽団との交響曲でしょう。
DECCAからリリースされたリッカルド・シャイーのボックスセットは全集を買うならいざ知らず、単品で購入を考えているなら実にお買い得なファーストチョイスでしょう。その中に含まれるライプツィヒ・ゲヴァントハウス管の演奏によるメンデルスゾーンなどは、彼のアルバムの中でも最右翼の一枚です。このシャイーの演奏は暫く前にNHK-BS-2で放送された「メンデルスゾーン生誕200周年記念演奏会」での映像とリンクするものでしょう。メンデルスゾーンゆかりのこのオーケストラで、そういうイベントを挙行出来たのは指揮者冥利に尽きるでしょう。
ウィーンフィル・エディション」は今ひとつ、纏まりに欠けるきらいがありますが、中にはなかなか興味深い録音も含まれています。このエリオット・ガーディナーのメンデルスゾーンもそうした一枚でしょう。発売当時は解説の誤記で話題になった物のようです。これなどは国内盤を買わなくて正解だった一枚なのでしょう。ただ、このCDは本来は第5番の「宗教改革」が名演ということでライブレコーディングが発売されたという経緯があります。ですから、本来はこちらの演奏をメインに取り上げるべきなのでしょうが、話題は交響曲第4番に集まっています。それは、この交響曲の改訂版の演奏が収録されているからです。そういうことで話題になり、また解説の誤記で更に話題になったという代物です。国内盤ライナーノートの著者(茂木一衞氏)は、「改訂前のヴァージョンを収録」と書く間違いを犯しているのですが、最近再発されたSHM-CDの解説でも彼の名前が記載されていますし、ジャケットにも世界初録音の表示がありますから困った物です。
中部フィルハーモニー交響楽団の演奏は以前聴いたことがあります。その時の名前はまだ。小牧市交響楽団でした。2005年のことで、振り返れば愛地球博が開催された年です。この時名古屋では初めて「ベートーヴェン/マラソン演奏会」が開催されました。既に東京では2003年から岩城宏之氏がベートーヴェンの交響曲全曲を大晦日に実施していましたが、名古屋のものは2日間かけて全曲を演奏するというものでした。この時、この当時の小牧市交響楽団は2日目のトップに登場し、秋山和慶氏の指揮で交響曲第4、5番を演奏しています。
はっきり言って、アシュケナージは小生の中では理解出来ないアーティストの一人です。最近までは、この枠の中にロリン・マゼールも入っていたのですが、こちらは確信犯的変異体のストコフスキーという位置付けで接していこうと思っています。(^▽^ところが、アシュケナージはそういう者にも当てはまりません。ベースはピアニストとして評価した方が良いのかもしれませんが、小生の中ではピアニストしての認識が希薄で、代表盤であるショパンなんかは一枚も所有していません。少ない中でも、ラフマニノフ、ベートーヴェン、モーツァルトを弾いたCDは協奏曲を中心に数枚所有していますが、それでも十指に余るほどです。
ロシア出身ということでのアシュケナージのこだわりは祖国の作曲家の交響曲全集として結実しています。プロコフィエフ、ラフマニノフ、スクリャービン、そしてこのショスタコーヴッチを完成しています。アシュケナージの記念ボックス50枚組にはこの中から交響曲第7番「レニングラード」がチョイスされて収録されています。これは小生に取って望外の喜びです。既にロイヤルフィルとの第5番は所有しているし、何といっても7番は大好きな曲です。この録音はアシュケナージのショスタコチクルスの第8弾として1997年に発売されたものです。しかし、その後完成せずに中断していた全集です。ポリグラム翼下だったデッカは数々のプロジェクトの中断を余儀なくされていて、このプロジェクトも対象だったようです。デッカに取ってはハイティンク以来の全集でデジタルでは初のものとなるはずでした。それが2007年、NHK交響楽団の演奏を加えて完成したのは記憶に新しいところです。いったんは中止されたプロジェクトなのにアシュケナージの強い要望で多分全集にこぎ着けたではないでしょうか。