過去記事の修正69 クラシック編  | geezenstacの森

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過去記事の修正69 

クラシック編 

 

 

 

 1982年にキングから発売された「ストコフスキー幻の名盤1800」シリーズの中の一枚です。この年はストコフスキーの生誕100年の記念の年でした。この時、キングからは4枚のレコードがリリースされていますが、何故かハチャトゥリアンの交響曲第2番だけは出ていません。ユナイテッドアーティストには、都合5枚のレコードが残されていたのになんで4枚だけ発売になったのかは解せません。今ではWARNERに原盤権があります。

 

 

 幾らブラームスの初期の作品とはいえれっきとしたオーケストラ作品なのですから、もう少し演奏されてもいいのではないでしょうか。個人的にはこの曲はお気に入りで以前にもケルテスの演奏は取り上げています。そこではこれらの曲についての成り立ちも書きましたから重複は避けますが、特に第一番のセレナードは冒頭からホルンが大活躍する曲なので、ホルン三重奏曲と並んで好きです。元々の曲の成り立ちが室内楽用の作品として作曲されたという経緯もありますが、ホルンが4本という楽器編成は特異でホルン好きにはたまりません。

 

 

 このボックスセットでもう一つの特徴は今はあちこちのコンサートで演奏を拒否されている序曲「1812年」でしょうか。ここでは、オーマンディは普通のオーケストラ編成にブラスバンドと合唱を加えています。ですから、冒頭はその荘厳な合唱で始まります。尚かつ合唱にオルガンの響きを加えるというアレンジを施しています。ここまで手の込んだ録音を残している所もオーマンディのチャイコフスキーの特徴でしょう。

 

 

 この曲は冒頭の2分が勝負の曲です。メジャーになったのはやはりスタンリー・キュープリックの映画「2001年宇宙の旅」に使われてからでしょう。冒頭のトラッペットの高らかなファンフアーレとそれに続くティンパニの連打で盛り上げ最後は壮大なオルガンの重低音が響き渡って序章を締めくくるという演出は素晴らしいの演奏効果をもたらしています。映画では猿人が初めて道具を使って勝利の雄叫びを挙げるシーンで使われています。

 

 

 アタウルフォ・アルヘンタの名前はレコード時代から知っていましたが、どうも胡散臭い名前だったのでレコードは買わなかった記憶があります。それが、このデッカボックスに入っていたので、多分当時からの優秀録音だったのかなぁ、という印象しか持ち合わせていませんでした。しかし、聴いてみると印象は一変しました。さすがデッカが目を付けただけあります。そして、なんという瑞々しい演奏でしょう。1956年というステレオ最初期の録音にも関わらず、音質も充分現在でも通用するレベルで、デッカの当時の録音技術がアメリカの雄RCAに匹敵する品質を保持していたことに驚きます。

 

 

 期待された指揮者の中で、テンシュテットはセッションではベートーヴェンの交響曲全集を完成することなく亡くなってしまいましたが、彼が逝ってしまってから発見、発売されたベートーヴェンの録音はどれも充実した演奏であり、ついにはライブであるけれども交響曲全集が発売されています。EMIがBBCの音源を使ってリリースしたこの演奏は手兵のロンドンフィルを指揮しているものとあってそれだけ充実したものになっているのでしょう。

 

 

 3曲収録されていますが、ピカ一はやはり、レスピーギの「ローマの松」でしょう。ライナーのスタイルは「ひきしまった、まったく贅肉のない演奏」とよくいわれていますが、その特質を充分に生かした演奏です。オリジナルは3チャンネル録音だそうですが、管楽器に別働隊まで必要とするこの曲の魅力をモア、レイトンコンビは余す所無く収録しています。アナログマスターでは翌強奏部分が玉砕しているものがありますが、ここでは最後の「アッピア街道の松」でもそういう部分は感じられません。一番すばらしいと感じるのはテープヒスの少なさでしょう。

 

 

 1960年代の終わり頃から、LPの廉価盤ブームが起こりました。その火付け役となったのが日本コロムビアの「ダイヤモンド1000シリーズ」でした。初期のラインナップはそれこそ、一流どころとはほど遠いアーティストによる安かろう、悪かろうというような無いようでとても人に勧められたものではなかったのですが、それでも寝その中にきらりと光る掘り出し物が潜んでいました。そんな一枚がこのレコードでした。このシリーズの中で最初に買ったLPです。記録を見ると1969年10月25日に購入しています。この曲のディフェクト・スタンダードとなる記念すべきレコードです。

 

 

 

 面白いのは最後のテレマンの「ブロックフレーテとフルートのための協奏曲ホ短調」です。こんな曲が1962年に録音されています。ブロックフレーテは名手・フランツブリュッヘン、フルートはフランツ・ヴェスター、そして演奏がアンドレ・リュウの指揮するアムステルダム室内管弦楽団です。今でこそ、アンドレ・リュウはポップ・クラシカルの世界で大成功を収めていますが。純粋にクラシックを目指していた頃もあったんですね。

 

 

 激安の『グレート・クラシカル・マスターワークス2』に含まれる一枚です。シュテファン・ザンデルリンクの名前につられてこの一枚を引っ張り出しました。この第2集にはハイドンの交響曲集は3枚収録されています。他の2枚はジーン・グラヴァーの指揮ですが、この一枚がシュテファン・ザンデルリンクのものです。彼のハイドンは第1集にも交響曲第94、100番を収録したものがありますし、メンデルスゾーンの「イタリア」と「スコットランド」をカップリングしたものもあります。