プレヴィン /ツァラトゥストラはかく語りき | geezenstacの森

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プレヴィン

ツァラトゥストラはかく語りき

曲目/リヒャルト・シュトラウス

交響曲「ツァラトゥストラはかく語りき」op.30

 
指揮/アンドレ・プレヴィン
演奏/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

TELARC CD-80167
 
 
 この曲は冒頭の2分が勝負の曲です。メジャーになったのはやはりスタンリー・キュープリックの映画「2001年宇宙の旅」に使われてからでしょう。冒頭のトラッペットの高らかなファンフアーレとそれに続くティンパニの連打で盛り上げ最後は壮大なオルガンの重低音が響き渡って序章を締めくくるという演出は素晴らしいの演奏効果をもたらしています。映画では猿人が初めて道具を使って勝利の雄叫びを挙げるシーンで使われています。猿から人間への進化の瞬間を表現しているのですが、そう言えばしばらく前に原始人の石塚がプッチンプリンを容器から出そうとして四苦八苦していて、それを見ていた子供が容器の底の爪を折ると無事皿の上にプルンと、という内容のCMが放送されていました。これも人類が初めて道具を使いこなすというシチュエーションのパロディなのでしょうがここでもこの音楽が使用されていました。
 
 映画ではカール・ベーム/ベルリン・フィルの演奏がサントラとして使われていましたが、今となってはちと音が古すぎるし演奏もあっさりしすぎているのでこの演奏を選んでみました。テラークの素晴らしい録音で壮大なオーケストラサウンドが満喫できます。さて、この曲のタイトルは「ツァラトゥストラはかく語りき」と文語体になっています。すべからく昔からのレコードやCDのタイトルはこの表現が使われているのですが、岩波新書版のニーチェの原作の翻訳は「ツァラトゥストラはこう言った」と訳されているし,天下のNHK様は「ツァラトゥストラはこう語った」という表現で絶対に「かく語りき」とは表現しないのであります。でも原作が哲学書であることからして、雰囲気的には「ツァラトゥストラはかく語りき」という雰囲気の方がぴったりと言う感じがするのですが如何なものでしょうか。ちなみに「ツァラトゥストラ」とは誰のことなのでしょうか。それは知る人ぞ知るゾロアスター教の開祖、ゾロアスターさんのことです。この人をドイツ語、またはペルシャ語で発音するとツァラトゥストラとなります。実在の人物なのです。