お客さまからいただいたメール。

 

ガレージ湘南 お客さまのメール

 

感想を送ってくださって、ありがとうございます。

 

基本的にバイクの状態が良好で、あつかい方が適切であれば、2ストでも極端に被ることなく、このお客さまのように快適に走れます。

 

(もちろん例外として、もともと被りやすい仕様の車種はあります)

 

不調の原因

 

意外と盲点だったりするのが、スロットル(アクセル)操作です。

 

2スト・4ストを問わず、キャブ車はバイクの状態だけでなく、ライダーの乗り方によって大きく調子が変わります。

 

たとえば、インジェクション車はスロットル操作をバイク側で補正してくれますが、キャブ車の場合、ライダーがエンジンの状態に合わせたスロットル操作をおこなう必要があります。

 

エンジンの回転を無視したガバ開け(ラフなスロットル操作)はNGです。

 

※ふだんキャブ車に乗っている方がインジェクション車に乗ると、「キャブ車とちがい、少しずつスロットルを回しても、ガバッと開けても、エンジンの上昇が一定」と感じます。

 

言葉だけでは伝わりづらいと思いますが、

 

キャブ車とインジェクション車のスロットルワークは別物である

 

と捉えてください。

 

2スト・4ストの乗り方

次に同じキャブ車でも、2ストと4ストでは、乗り方がちがってきます。

 

4ストの場合、低回転で早めのシフトアップ・・・

 

という走り方をする場合がありますが、同じことを2ストで続けていると、プラグが被ってしまいます。

 

 

プラグが被るとは?

燃焼しきれなかった混合気(ガソリンと空気)がプラグに付着した状態。

 

4ストは通常、煤(すす)が付きますが、2ストは液状の未燃焼ガスで、プラグが濡れた状態になります。プラグが濡れると、正常に火花が飛ばなくなり、始動不能、エンスト、アイドリング不安定などの症状が発生します。

 

 

メールをくださったお客さまも当初、「ほとんどエンジンが回らない状態でシフトアップ」という乗り方をされていました。

 

バイク側の調整で改善・対処することもある程度は可能ですが、ライダー側が、乗り方を変えて対応したほうが良い場合もあるわけです。

 

2ストプラグの焼け

当店のお客さまによる資料提供

 

「2ストは6000回転以上、まわして走るのが基本」という方なので、プラグの焼けは通年良好です。

 

(Cはお客さまいわく「エンジンは回るけどトルク感がない。低速で走っているとギクシャクして、燃えにくいオイル」AとBはおなじ銘柄のオイルです)

 

 

おなじキャブセッティングのままでも、気温や湿度、標高が変われば走行フィーリングがちがってきますし、とくに2ストは使用するオイルによってもちがってきます。


インジェクションとちがい、「常に一定」というものが存在しないのがキャブ車です。

 

変化を楽しむ、曖昧さを楽しむ、といったところでしょうか。

 

 

まとめ

 

・不調の原因が全てバイクにあるとは限らない

 

・バイク側で対処できること、ライダー側で対処できること、それぞれある

 

・バイク側の問題か?ライダー側の問題か?切り分けが大事

 

 

以下、4ストですが、基本的な内容を紹介しておきます。

 

 

トラブルシューティングまとめ
 

・燃料が腐っていないかどうか
 

・ガソリンコック、ホースの詰まり

 

・キャブレターの分解清掃(とくにスロージェットは詰まりやすい)

 

・プラグの火花を確認する(火花が弱いと濃くなる)

 

・キャブレターの同調を確認する

 

・エアクリーナの詰まり、二次エア(エア漏れ)の確認

 

・キャブレターのパイロットスクリューの調整

 

・バルブクリアランスの調整

 

・点火時期の点検

 

 

基本的な考え方


プラグの焼けが濃い=点火系統を疑う
プラグ、プラグコード、プラグキャップ、イグニッションコイルなど

プラグの焼けが薄い=キャブレターを疑う
スロージェット(パイロットジェット)、メインジェットの詰まり、フューエルラインの詰まり


例外

濃くなる
エアクリーナーの詰まり、過走行によるジェットニードル、ホルダー、プランジャーの摩耗

薄くなる
エアクリーナーとキャブレターの継ぎ目、あるいはキャブレターとエンジン側の継ぎ目のゴム部品にヒビが入ってエア漏れしている

※車種によっては社外部品もありますが、ゴムの質が悪いのか、割れる(裂ける)インシュレーターもあります。

上記のいずれにも該当しない場合、ピックアップコイル、ステーターコイル、CDI(イグナイター)などを疑います。

ちなみに見た目が大丈夫そうなプラグを交換して調子が良くなった例もあるので、1つずつ地道にチェックするしかありません。

 

引用元:【キャブ不動車】プロが教えるアイドリングしないバイクの対処法

 

 

いずれにしても、エンジンの圧縮が正常であることが大前提です。

 

 

有限会社ガレージ湘南

 

バイクレストア エンジンオーバーホール専門店

 

 

旧車ライフお役立ちコラム

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