GT750 カスタム車
走行距離 約14,833km
エンジンオーバーホール、バイク車検代行のご依頼。
並行してもう一台やっているため、vol.2としています。
エンジン分解
全体的にサビがひどくて、ボルト類が固着。分解するまでが大変な状態でした。
スタッドボルトは交換しますが、ボルトがとおっていたシリンダーヘッドの穴のサビを取り除かなくてはなりません。
完全に固着して外れないボルト
分解直後のシリンダーヘッド
清掃後のシリンダーヘッド
クランクシャフトも錆びています
シリンダー
目視するかぎり、大きなダメージはない様子。
分解直後のシリンダーピストン
どうやらもう一台のGT750ともども、クランクシャフトの修理が必要なようです。
ガスケット剥がし
地味な絵面ですが、ガスケット剥がしも大事な工程の一つです。
よく見ると、シリンダーの角のあちこちに傷が入っています。
過去にエンジンを開けた事があるようです。
エンジン組み立て
写真はとんでいますが、シリンダーヘッドを面研して、エンジンを組んだ状態です。
クランクシャフトはオーバーホール済み
試運転
エンジンを搭載して試運転です。
エンジンはかかったものの、快調とはほど遠い状態。エンジンは吹けず、白煙が異常に多すぎます。
かなり時間をかけてポイント調整を試しましたが、どうやらポイントの経年劣化が原因。交換する事になりました。
→おそらく過去にいじった際、配線をミスったのでしょう。正しくつなぎ直すと、なんとか使えました。
エンジンが吹けない原因は、ほかにもありました。
1、キャブレターのセッティングが合っていない
ワンオフチャンバー装着車とはいえ、明らかに濃すぎます。さらに、アクセルが通常の半分までしか空かない状態(ハイスロットルキット装着車ではありません)。
2、混合ガソリンが使用されている
GT750は分離給油ですが、ガソリンタンクの中には混合ガソリンが入っていました。
分離給油は、2スト用エンジンオイルをオイルタンクに貯蔵し、オイルポンプによって、オイルとガソリンを混ぜ合わせて燃焼する潤滑方式です。
混合ガソリンは、レース車両やベスパなど、オイルポンプを持たないバイクで用いられる潤滑方式。あらかじめ、ガソリンと2スト用エンジンオイルを混ぜ合わせて使用します。
分離給油を混合仕様に変更(オイルポンプをキャンセル)して、混合ガソリンを使用する場合はありますが、このGT750は分離給油のまま、混合ガソリンが使われていたため、オイルが多すぎる状態。
(オーナーさまにも確認しましたが、まともに走れない状態だったようです)
オイルまみれのチャンバーを清掃して、キャブレターを再セッティングして車検です。
キャブレターオーバーホール&セッティング
キャブレターを洗浄して、リペアパーツでジェット類を交換。濃すぎるため番手を下げました。
チャンバーの中は2ストエンジンオイルがたまっているため、可能なかぎり洗浄しました。
無事、車検を終えて代表 日向によるテスト走行。
CBR600RRの加速について行けるぐらいになりました。
足回り、外装、チャンバーなどあちこちカスタムされています。
主な作業内容:
ピストン、ピストンリング等交換、シリンダーヘッド面研、エンジン塗装、クランクシール・ベアリング交換、キャブレターオーバーホール・調整、オイルシール交換、点火タイミング調整、シリンダーヘッドボルト製作、シリンダーキャップボルト防水加工・クロームメッキ、ガスケット・シール類交換ほか、車検代行
オーナーさまには長らくお待たせ致しました。
ぜひ、ご安全に乗ってください。
追記:
「(預けた時の状態を考えると)まさか直るとは思っていませんでした」とオーナー様に喜んで頂けました。
GT750&GSX1300R隼
有限会社ガレージ湘南
旧車ライフお役立ちコラム
https://garage-shonan.wixsite.com/info/column
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