不妊症の原因と整体治療…その③
(整体手技で卵管閉塞が解消した症例…しかし残念ながら妊娠まで至りませんでした)
患者Yさん=45才-女性/主婦の症例
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① Yさんの病歴・・・
患者Yさんは、5才になるお子さんがおられますが(☚自然妊娠-普通分娩)、あともう一人子供が欲しいそうです。ところが原因不明(☚おそらく加齢と担当医より言われている)の卵管閉塞の為、不妊状態がここ数年続いているそうです。婦人科での検診と治療も受けられているそうですが、別の鍼灸院で鍼灸治療も併せて受けているそうです。しかし1か月前の検診でも卵管閉塞状態は変わらず、不妊状態が続いていたので、当院に来院されました。
② Yさんの診察
・婦人科の検診では、AMH(アンチミュラーリアンホルモン)はまだ少し余力があるそうです。その他の血液検査で異常は無いそうです。血圧も普通だそうです。右卵管は完全に閉塞していて、2年程前に手術して開放したそうですが、今はまた元に戻り、完全閉塞状態だそうです。左卵管も右側ほどでは無いそうですが、相当な閉塞状態で、妊娠は不可能だそうです。
・小さな子宮筋腫が二つあったそうですが、2年前に切除しているそうです。
・月経周期は28日タイプで月経期間は5日だそうです。月経痛や排卵痛もほとんど感じないそうで、基礎体温も低温期と高温期の差が0.4°とはっきりしているそうです。
・便通は毎日一回あります。
・両足先の冷え性があるそうです。
・腹部聴診上、血管雑音やハム音は確認できませんでした。
・腹部打診上、上部が鼓音で中部~下部が濁音でした。
・腹部触診上、恥骨上部に緊張と抵抗感がありましたが、腫瘤感はありませんでした。臍部の両サイドから恥骨上部付近にかけて緊張と圧痛がありました。肝脾腫は確認できませんでした。子宮底はほぼ中央に触診できました。
③ 治療目標と整体治療
⑴ 腹部消化管の圧迫を解放する
⑵ 卵管の癒着を解放する
⑶ 卵管-卵巣-子宮の予備力を回復-向上する(特に卵管上皮の線毛運動を回復させる)
・平滑筋テクニック
・卵管解放テクニック
・卵巣動静脈・子宮動静脈解放テクニック
④ 経過と結果・・・
・上記整体テクニックを4回連続で施術後、Yさんの下腹部の所見(恥骨上部の抵抗感、臍両サイドの緊張など)が改善してきたので、その後2週間に一度…4週間に一度と治療間隔を開けていきました。11回目の来院時、直前の検診(前回の検診より半年目)で「卵管の閉塞が左右とも改善して完全に開放しています。自然妊娠が可能です。」と、担当医から言われたそうです。言うまでもありませんが、Yさんは大変喜ばれていました。
・その後現在まで、卵管の解放状態を維持する為に月に一度のペースで来院されていますが、コウノトリが飛来してくるのはもう少しかかりそうです。、。
⑤ 今回の症例の概説、、、
・一度は自然妊娠-分娩されているYさんですから、卵管閉塞に至る重篤な基礎疾患が無い限り、閉塞状態を改善する事は充分可能だと思いました。ただ、その詳細な原因は不明で、「おそらく加齢」との担当医の見解ですから、整体治療的には色々な可能性を考えて、それらを一つ一つ解決していくしかありません。
・そこで主な原因として上記③「治療目標と整体治療」に掲げた三つの仮説を考えました。
⑴ 腹部消化管の圧迫を解放する
腹部の大腸や小腸など消化管の重みが卵管を圧迫して閉塞している
あるいは、それらの圧迫により卵管が折れ曲がって閉塞している
⑵ 卵管の癒着を解放する
月経血の逆流などによる残存血腫が卵管内で癒着-閉塞を起こしている
⑶ 卵管-卵巣-子宮の予備力を回復-向上する(特に卵管上皮の線毛運動を回復させる)
卵巣動静脈や子宮動静脈の血流減少により、卵巣－卵管の自然治癒力が減弱したり、あるいは卵管上皮細胞の線毛運動機能が低下している
・上記⑴~⑶の目標を達成する最も適した整体テクニックとして「平滑筋テクニック・卵管解放テクニック・卵巣動静脈・子宮動静脈解放テクニック」を選択したわけですが、結局どのテクニックが一番効果的だったのかはよく分かりません。先述した様に特段の重篤な疾患が見つからなかったのですから、おそらく上記⑴－⑶が関連しあって卵管が閉塞していたのでは、と思います。
・後はコウノトリを待つだけです。ただYさんはいわゆる「老化卵子」による不妊の可能性もある年齢ですから、その旨もお話ししておきました(☚担当医からもお聞きのようでした)。しかし、AMH(アンチミュラーリアンホルモン)に少し余力がある、との検査結果なので、その点に期待して、吉報を待ちたいと思います。
・その後、Yさんが満46才になったおり、その段階で妊娠が成立しなかったので、残念ながらあきらめることにしたそうです。お役に立てず、申し訳ありませんでした。
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