胃もたれと多発性胃ポリープの整体治療…多発性胃ポリープが消失した症例 | 【大阪】 整体師養成校 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院                      JHSC整体治療室 = 公式ブログ

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胃もたれと多発性胃ポリープの整体治療…

多発性胃ポリープが消失した症例の解説です。
患者Kさん=36才-女性-会社員の症例

 

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①    Kさんの病歴・・・
患者Kさんは、上腹部の調子がいつも気持ち悪く、ひどい胃もたれ状態だそうです。特に揚げ物や肉類を食べると重痛くなるそうです。5年前から毎年人間ドックをしておられて、毎年複数の胃ポリープが見つかったそうですが、経過観察だけで良いとの事だそうです。食道や胃粘膜の炎症や潰瘍などは無く、逆流性食道炎などのその他の異常は見つからなかったそうです。ただ、”胃酸過多”と言われたそうです。食欲は普通だそうですが、満腹まで食べると左の背中痛が増強するそうです。

 



②    Kさんの診察
・Kさんの身長は159cmで体重は42kgだそうです。10代の後半までは49kgまであったそうですが、19-20才頃にうつ病になり、摂食障害の結果今の体重42kgで推移しているそうです。その後うつ状態が改善し、食欲が正常に復しても体重の増加は一度も無かったそうです。
・首は極めて細く、また体幹や上下肢もかなり細く見えました。しかし頭顔面は丸顔でふくよかに見えました。
・血圧は覚えていないそうですが、低めだそうです。
・咳や痰はないそうです。しかし風邪に罹患しやすく、一度風邪を引くと咳も長引くそうです。
・両眼の奥が痛くなることが時々あるそうです。両眼球がやや陥没していましたが瞳孔は正中にあり左右差は無く、眼瞼下垂もありませんでした。眼科医での検査で眼圧は正常で、特段の異常は無いそうです。
・5才の時に中耳炎になったことがあるそうです(どちらの耳かは不明)。
・難聴や耳鳴りは無いそうです。
・4年前から鼻炎があり、鼻づまりやクシャミが生じやすいそうです(特に右側)。4年前の耳鼻科での診察で、右凸の鼻中隔湾曲症があるそうです。アレルギー性鼻炎ではないそうです。
・鼻づまりとクシャミは、特に便意を催してから排便時にかけて鼻汁が多く出て鼻閉するそうです。あと、寒冷暴露時や起床時などにも生じやすいそうです。
・現在虫歯や歯周病は無いそうですが、よく口内炎になりやすいそうです。
・数年前から口の開閉時に左の顎が「カクン」と鳴るそうです。
・顔の左右差が顕著で、人中の縦ラインを境に右側の方が1割近く広く見えました。また顔は全体的に右方向凸の「く」の字型に歪んでいて、口は左側に引っ張られるように数mm移動していました。子供の頃から今に至るまで顔は丸顔で大きいのに、首から下は細い体型だったそうです。
・気道や甲状腺は正中にあり、甲状腺の腫脹や萎縮はありませんでした。頸部や腋窩のリンパ節腫脹はありませんでした。
・頭痛や首の凝りもあるそうです。顔面の頬骨下部、下顎角下方、頸部前面などに著明な緊張と圧痛がありました。
・両手を水平挙上し、そのまま伸展すると左腕~上胸部に突っ張り感があるそうです。しかし可動域は左右差はありませんでした。
・便通は快便だそうです。
・冷え性があり、特に両足首から先と両手、腰、臀部が冷えるそうです。
・両足首と顔の浮腫みもあるそうです。
・乾燥肌で化粧品アレルギーもあり、お化粧は最低限しかしないそうです。視診上、顔色は悪く不透明感が-くすみ-がありました。
・月経周期は24日周期で月経期間は7日だそうです。生理痛は強く、特に下腹部全般と腰が痛むそうです。
・たまに排卵性の不正性器出血があるそうです。排卵痛も生理痛と似た症状が生じるそうです。
・PMSもあり、月経数日前からだるさや情緒不安定やうつ状態になるそうです。たまに月経終了後もPMS状態が続くことがあるそうです。
・15年前に「うつ病」と診断されたことがあるそうです。また最近になってADHDの診断も受けているそうです。
・胸部聴診上、胸椎T6-T7の棘突起左横で吸気時に不規則に「シュー」といった副雑音が聴取されました。また、T1~3の左側で胸膜摩擦音様の雑音(?)が聴取できました。しかし何度か深呼吸をして頂くと、摩擦音は消失しました。それ以外の特段の所見はありませんでした。
・胸部触診上、左胸骨左縁に緊張と圧痛があり、特にT6胸肋関節付近の緊張と圧痛は強度で、同部の押圧で主訴部(T6~T7棘突起左横)に痛みを誘発する事が出来ました。また、右胸骨右縁も一部に軽度の緊張と圧痛がありました。
・T6-T7にサブラクセーションはありませんでした。また圧痛や叩打痛も無く、左右の脊柱起立筋の圧痛もありませんでした。しかし筋緊張はありました。
・腹部聴診上、血管雑音はありませんでした。グル音はやや強めで聴取できました。
・肝叩打痛および脾叩打痛があり、響いて痛む部位はいずれもみぞおち付近から臍にかけての縦のラインでした。臍の炎症歴はないとの事でした。
・腹部触診上、全般的にやや陥凹気味でした。腫瘤感や抵抗感、あるいは肝脾腫はありませんでした。しかし、肝円策から左内側臍策にかけて腫脹と圧痛がありました(以前に肝嚢胞の診断を受けているそうです)。また十二指腸空腸曲部、左右の季肋部、回盲部にも著明な緊張と圧痛がありました。さらに左大腰筋も著名な緊張と圧痛がありました。問診すると、子供の頃から常に左足に体重をかけて立っていたそうです。その理由はよく分からないそうです。
・アンビルテスト、パトリックテスト、トーマステストは陰性でした。股関節の可動域は、当初全方向的に軟部性の制限があり、可動域は狭かったですが、股関節のモビリゼーションを数回している内に可動域の制限が取れ、十分な可動性を確保できました。




➂ 治療目標と整体治療
  ⑴    胃や腸の消化管平滑筋の疲労と緊張を回復する
  ⑵    左胃動脈、胃十二指腸動脈、脾動脈流域の循環を促進し、細胞修復機能を回復する
  ⑶    内側臍策-肝円策(肝鎌状間膜)~横隔筋膜-胸膜ラインの緊張を緩和する
  ⑷    小網の緊張を緩和する

・消化管平滑筋テクニック
・左胃動脈、胃十二指腸動脈、脾動脈解放テクニック
・肝円策-内側臍策解放テクニック・横隔膜解放テクニック・胸膜解放テクニック (3診目より追加)
・胆嚢マニピュレーションおよび小網解放テクニック (7診目より追加)

 





④    経過と結果・・・
・初診治療後、

「お腹が軽くなってスッキリ感じがあります」と仰っていました。

 

・2診目来院時、

「(前回治療してもらった時より)少し戻ってましたが、でも今までよりは楽でした」と仰っていました。また施術後には「前回より大分軽くなりました。最初の4/10くらいです。食欲は出てきましたが、揚げ物などはまだ無理でした」と仰っていました。

 

・3診目来院時、

「今は幾分元に戻って6/10くらいです」と仰っていました。今回の3診目より「肝円策-内側臍策解放テクニック・横隔膜解放テクニック・胸膜解放テクニック」を追加施術しました。

 

・ここまである程度順調に推移していましたが、ところが4診目から7診目まであまり改善せず、胃もたれ感が当初の8~9/10程度になっていました。改めて確認すると、肝門深部から小網にかけて緊張感があり、同部の押圧で心窩部に疼痛が誘発されました(☚胃もたれの部位)。そこで「胆嚢マニピュレーションおよび小網解放テクニック」を追加で施術しました。その施術直後、「胃もたれ感が大分ましです」と仰っていました。

 

・8診目来院時、

「胃もたれ感は2~3/10程度で楽でした。何年かぶりにランチでハンバーグ定食を完食することができました。」と笑顔で仰っていました。

 

・この好結果はその後も続き、11診目時には胃もたれ感がほぼ「ゼロ」の状態で安定していたそうです。そしてこの好状況はKさん本来の主訴である「背中痛」の治療が終了する16診目まで続いていたので、本件も終了する事にしました。


・Kさんは数年前から毎年人間ドックを受けられています。たまたまですが、今年は当院での治療期間中(15診目)に人間ドックに行かれました。そしてその検査結果で興味深いものがありました。それは過去5年間、毎年指摘されていた「多発性胃ポリープ」が、今年の検査では全部消失していたことです。Kさんは担当医に「なぜ消失したのか?」とお尋ねになったそうですが、ハッキリとした説明は無かったそうです。

 

 

 


⑤     今回の症例の概説、、、
・「胃もたれ」という言葉は多く聞かれます。しかし実際には「胃に原因がある」とは限りません。胃以外の臓器が原因する事も多々あります。ただ一般的には、胃の付近=心窩部-左季肋部=に痛みや重だるさ、あるいは臓器間隔があると「胃もたれ」と自己表現してしまう傾向にあると思われます。
 

・胃以外の臓器と言えば、例えば大腸が、小腸が、食道が、膵臓が、動脈が、心臓が、、、あるいは精神的ストレス等々が原因する事があり、さらに言うと、これらが複数あって複雑に絡み合っている事も少なくありません。今回のKさんに限らず、当院に来院されるほとんどの「胃もたれ患者さん」はこの部類=数々の原因が複雑に絡み合っている=に入ります。
 

・また「胃に原因」があったとしても数々の病態があり、最悪の例では悪性腫瘍でしょうが、それ以外にはそれこそ食べ過ぎや飲みすぎの類い、そして表層性慢性胃炎や萎縮性胃炎、そして神経性胃炎、胃潰瘍、、、等々と多数あり、それぞれの治療法が異なります。
 

・ですから胃もたれ患者さんに対してはあらゆる原因を想定し、それを絞っていき、その原因に適応する整体テクニックを施術しながら治療経過を観察し(必要に応じて専門医へ紹介する事もある)、その状況の変化に伴って柔軟に治療法を変更・追加していく必要があります。
 

・結局Kさんについては、胃自体に多発性胃ポリープがあり、びらん様の病態もあったのでしょうが…(1)、それ以外にも
  (2) 胃の平滑筋の疲労
  (3) 胃への血流不足
  (4) 胃周辺の腹膜ヒダの緊張

など、いくつかの要因の複合的な胃もたれであったのでは、と思われます。
以前にうつ病の既往があるので、
  (5) 神経性の要因
も、あるかもしれません。
これら⑴~⑸に追加して
  ⑹ 小網の緊張
も原因の一つであったと思われます。

 

・実は小網の緊張性胃もたれ(胃痛)は意外に多く、小網の緊張を解放させる整体治療を施術する事はしばしばあります。今回のKさんについては、小網を緊張させる要因として胆嚢を考えましたが、小網緊張の原因も多岐にわたります。今回の例では、ひょっとしたら「肝嚢胞」が関係していたのかもしれません。
 

・ところで今回の症例でのサプライズは、人間ドックの診察結果において、5年連続して確認された多発性胃ポリープが全部消失していたことです。Kさんの胃ポリープの種類は不明ですが、胃のポリープは自然消滅例も時々あるそうです。その自然消滅の第一要因は「胃粘膜への刺激が減少・消失すること」ですので、我々整体師にとって都合の良い方に考えてよいのであれば、今回の整体治療によって胃の生理機能が回復し、今までの胃への刺激が減少・消失した結果、あるいは胃の運動回復によって、ポリープの根元からコロッと取れてしまったのかもしれません。

 


 

・ところで【同一胃癌の大彎側と小彎側とにおける発育の際について=陣内伝之助 岡山大学医学部…注1参照】といった古い論文があります。これは胃の攣縮=緊張=による虚血が腫瘍の悪性化=浸潤性=を助長する、といった内容です。言い換えれば、胃の攣縮(緊張)を解き、血液循環を促進してあげれば悪性化が防げる可能性が高まる、と考えることができます。


 

 

 

・胃の攣縮(緊張)の解放と胃への血流回復は当院の最も得意とする整体テクニックですし、当然Kさんに対しても取り入れていました。もとよりこの一例で断定はできませんが、今回のKさんの多発性胃ポリープの消失には、胃の攣縮解放と血流促進が一番功を奏したのかもしれません。


注1
【同一胃癌の大彎側と小彎側とにおける発育の差異について】
陣内伝之助 岡山大学医学部
要 旨
同一胃癌であってもその大彎側においては発育が限局的であり、小彎側では浸潤性であって、その原因の一つとして、胃壁の攣縮による局所性貧血が重大な役割を演じており、結局小彎側では大彎側よりも胃壁の攣縮が強いためにかかる結果を招来するのではないか、と考えている。これが酸素欠乏によるものか否かについてはさらに検討中である。


 

 

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上記解説文で不明な点やご質問は当院お問い合わせHPか、お電話 (06-6180-6880) にてご相談ください。
それではお大事にしてください。 

 

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