2か月間持続する原因不明の耳鳴り-整体治療解説
Sさんの症例解説の前に…当院の治療方針について…
◆ リンパ管と静脈の還流障害を解放する整体治療で耳鳴り解消
耳鳴りの仮説-その一 蝸牛小管(外リンパ液)開口部の圧力増…
聴覚を担当する感覚器=蝸牛には、蝸牛から頭蓋腔に抜ける蝸牛小管(外リンパ管)と呼ばれる細いパイプがあり、蝸牛内の圧力を調節する「圧力弁」としての機能があります。
その蝸牛小管(外リンパ管)の開口部の圧力増などで、蝸牛小管から圧力が抜けずに蝸牛の内圧が上がると、蝸牛内の有毛細胞(☚音刺激を受容する細胞)が常に刺激され、耳鳴りが生じる可能性があります。
蝸牛小管(外リンパ管)開口部
耳鳴りの仮説-その二 迷路静脈の還流障害による蝸牛内圧増…
また、蝸牛などから心臓に戻る静脈「迷路静脈」の還流障害でも、蝸牛内の圧力が調節できず、上記と同様の機序で耳鳴りが生じる可能性があります。
蝸牛・半規管から心臓に向かう迷路静脈
◆ 耳鳴りの整体治療…Sさんの整体治療の概要
リンパ管と静脈の減圧治療が決めて
当院では、上記可能性が疑われる場合、蝸牛小管(外リンパ管)開口部の減圧を図る整体治療や、迷路静脈の還流を促進し蝸牛内の圧力調節を図る整体治療を施術する事があります。
今回紹介するSさんの症例も同様でした。
すなわちSさんに、蝸牛小管の減圧や迷路静脈の還流促進を図る目的で、
「静脈還流促進テクニック」
「迷路静脈解放テクニック」
を施術しました。
すると3診目には「不思議と一度も耳鳴りが出ませんでした」と、Sさんは驚いておられました。
これから紹介する「2か月間持続する原因不明の耳鳴り-整体治療解説」の全文をお読みになる前に、
上記概説を参考にしながらお読みいただくと、分かりやすいと思います。
・赤い部分…内リンパ液で充ちている内リンパ管
・白い部分…外リンパ液で充ちている外リンパ管
それでは長文ですが、上記概略を参考にしながら、Sさんの治験例解説-全文を、よろしくお読みください。
下記解説文で不明な点やご質問は当院お問い合わせHPか、お電話 (06-6180-6880) にてご相談ください。
尚、耳鳴りの整体治療総合案内はこちらをご参照ください。
◆ 患者Sさん=52才-男性・会社員の耳鳴り治療解説-全文
整体治療3診目で耳鳴りが解消した症例より
患者Sさんは、2か月前から左耳で耳鳴りがするようになったそうです。耳鼻科で診てもらったところ、「特に異常は無いので病気ではないですから安心していいですよ。お薬を出しておきますので様子を見てください」と言われ、血流の改善薬と精神安定剤を処方されたそうです。しかし2か月経っても全然耳鳴りが改善しないそうです。Sさんは逆流性食道炎と食道裂孔ヘルニアの治療で通院されていましたが、本件も併せて整体治療する事になりました。
・難聴やめまいは無いそうです。また中耳炎などの既往も無いそうです。
・眼球は左右とも正中にあり、瞳孔や眼裂に左右差はありませんでした。
・左の鼻がつまる事が多いそうです。鼻汁はあまり出ないそうです。発熱は無いそうです。
・気道は正中にあり、甲状腺の腫脹や萎縮はありませんでした。頸部-鎖骨部のリンパ節腫脹はありませんでした。
・左頸部の椎前筋群と胸鎖乳突筋は右の同筋群に比べて緊張と圧痛が著明にありました。
・直近の内視鏡検査ではバレット食道は無いそうです。
・血圧はやや高めだそうですが、具体的数字は覚えていないそうです。血液検査での異常は無いそうです。
・便は毎日1-2回ほどの排便があるそうです。
・1か月ほど前から、右の鼠径部(ASISの内下方3~4cm)に間欠的な腹痛が生じるそうです。内科の診断では「便が溜まって炎症が生じているのでしょう」との事で、抗生剤の処方で痛みは解消したそうですが、その薬が無くなると又同部に腹痛が生じているそうです。
・上記腹痛が解消すると、そのほぼ真裏の腰部で鈍い腰痛が生じるそうです。そしてその腰痛が消失していきだすと腹痛が生じるといったように、腹痛と腰痛が交代して生じるそうです。腰痛は安静時でも生じるそうです。
・胸部聴診上、特段の所見はありませんでした。
・腹部視診上、腹部全般的に陥没していました。
・腹部聴診上、血管雑音は無く、グル音はやや弱めで聴取出来ました。
・腹部触診上、肝脾腫は無く、抵抗感・腫瘤感もありませんでした。しかし、回盲部、盲腸部-上行結腸部、心窩部-臍部、左季肋部、十二指腸部(D1~D2)に著明な緊張と圧痛がありました。
⑴ 蝸牛の内-外リンパ管(前庭水管・蝸牛小管)を減圧する
・静脈還流促進テクニック
・迷路静脈解放テクニック
・初診治療後、
・3診目来院時、
◆ 内耳のリンパ液うっ滞が耳鳴り原因に多い ?!
解剖学的には、内耳のリンパ液も迷路静脈から頸部の静脈叢を経て、最終的には心臓に戻るので、もし頸部に圧迫刺激源があれば(☚頸部の筋肉群の緊張・肥大が多い)、究極的には内耳のリンパ液うっ滞につながるからです。
◆ 頭頚部を酷使するライフスタイル変化が遠因・・・
◆ 頸部筋肉群の整体治療で耳鳴りが解消するケースもある!!
以上が、Sさんの耳鳴りの整体治療解説-全文です。ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
本解説文で、意外な部位が耳鳴りの原因になりえる事を、お知りいただければ幸いです。
Sさんの様な耳鳴り患者さんも少なくないので、今後とも整体治療および研究に励んでいきたいと思います。
(了)
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