患者Mさん=33才-女性/主婦の症例
不妊治療のために当院を受診中であった患者Mさんは、排卵痛と生理痛も強かったので、この件も不妊治療と併せて治療する事になりました。
・子宮筋腫が一つだけあるそうです(位置と大きさは不明)。
・MRIによる検査にて、右下腹部と鼠径部、そして左右卵巣に子宮内膜症がある事が確認されています。特に左右の卵巣の周囲が肥厚して白く濃く写っていたそうです。
・月経周期は24-27日で、月経期間は5日だそうです。
・排卵痛が右下腹部を中心に広く生じる事が多く、また排卵日には下痢が生じるそうです。
・排卵後から次の月経開始まで、立ちくらみが生じやすいそうです。不正出血はないそうです。
・月経痛も右下腹部を中心に強く生じるそうです。月経血は1-2日目がやや多いそうです。また、月経の少し前から上腹部痛が生じるそうです。
・基礎体温は低温相と高温相がハッキリとしているそうですが、高温相が8日と、やや短めだそうです。
・血液検査ではやや貧血気味以外の異常所見は特にないそうです。
・排便は1-2日に一度あるそうです。
・腹部聴診上、血管雑音やハム音は確認できませんでした。グル音は正常範囲で聴取出来ました。
・腹部触診上、平坦軟で皮下脂肪は少なめでした。左右の肋骨弓下から恥骨両端までの縦のライン(臍の左右6-7cm)に著明な緊張と圧痛がありました。左右、特に左側の下腹部にアーモンド大の腫瘤(硬-平滑)がありました。肝脾腫は確認できませんでした。
・頚部、および左右鼠径リンパ節の腫脹はありませんでした。
⑴ 子宮-卵巣-卵管への各動脈の血流を改善し、子宮-卵巣-卵管の予備力を回復-向上する(☚特に卵管上皮の線毛運動を促進させ卵子移動を助ける)
⑵ 卵巣周囲にまとわりついている子宮内膜組織を除去し、排卵しやすい様にする
⑶ 消化管の隙間、その他腹腔内に挟まっている子宮内膜組織の除去を促進させ、次の月経時に溶解(炎症)を生じさせないようにする
・消化管平滑筋テクニック
・子宮-卵巣-卵管動静脈解放テクニック
・子宮底解放テクニック
・卵巣解放テクニック
・卵管解放テクニック
・3回目来院時、下腹部(特に右側)のアーモンド大の腫瘤が軟らかくなっていました。
・4回目来院時、「二日前に排卵がありましたが、全然痛みがありませんでした。下痢もありませんでした。」とMさんは仰っていました。
・6回目来院時、「生理が始まって4日目ですが、1日目に少し痛みがあるくらいで、その後はほとんど痛みがありませんでした!」と仰っていました。
・排卵痛と生理痛については、これでひとまず結果が出たので、後は様子を見て頂く事になりました。不妊についてはもう少し経過観察を含めた予防的な治療(月に一度の状況確認と予防的治療)を続ける事になりました。
・前回より一か月後の8回目来院時、「今回の排卵は、全く痛みも違和感もそして下痢もありませんでした。基礎体温も低温期と高温期が0.3度くらいでキッチリとありました。けど、生理が予定日に来なかったので妊娠検査薬で確認したら陰性でした。結局生理は1週間後に遅れてきました。今回は下腹部痛が少しきつかったです。ですから今回は久しぶりに鎮痛薬を服用しました。そのせいか生理は(いつもは5日ですが)1日で終わり、出血も少なかったです。左鼠径部の生理痛は軽減していました。この1か月で、生理時以外に不正出血はありませんでした。」と仰っていましたので、月経血が逆流しにくくなるように、卵管の線毛運動を促進する整体テクニックを中心に施術しました。
・その後Mさんより「運よく妊娠しました、ありがとうございました」との連絡があり、当院での治療を終了する事にしました。
・今回のMさんの排卵痛について、その大きな原因は、おそらく
「(MRI検査で)左右卵巣に子宮内膜症がある事が確認されています。特に左右の卵巣の周囲が肥厚して白く濃く写っていた」
との産婦人科での検査結果でも分かる様に、排卵時の卵胞液と卵子が卵巣に纏わりついている子宮内膜組織に阻まれて卵管采まで飛ばなくなり、腹腔に落ちてしまう事で腹膜が刺激されて痛みが生じているのでは、と考えした。また、その腹膜への刺激で消化管が刺激され、下痢が生じているのでは、と思います。
「⑵-卵巣周囲にまとわりついている子宮内膜組織を除去し、排卵しやすい様にする」
目的で
「卵巣解放テクニック」
を、施術して、卵巣周囲の内膜組織が剥がれていったことが、排卵痛の解消に奏功したのでは、と思います。
・また、
「⑶-消化管の隙間、他に挟まっている子宮内膜組織の除去を促進させ、次の月経期に溶解(炎症)を生じさせないようにする」
目的のために、臓器間の隙間にある内膜組織をマクロファージが貪食しやすい様にする
「消化管平滑筋テクニック・子宮底解放テクニック」
によって内膜組織が減少して溶解する量が減り、生理痛が大幅に解消していたのでは、と思われます。
・上記整体テクニックは排卵痛や生理痛を軽減-解消させる為の治療法ですが、それは同時に卵子の通過を助けるような妊娠しやすい環境を整える治療法でもありますから、Mさんの妊娠も大きく期待できるのでは、と思っています。
・8回目来院時に月経開始が1週間遅れましたが、その原因はわかりません。ただ一つの可能性として考えられることは、Mさんの月経周期は24日~27日(☚高温相が8日と短い=黄体機能の低下か?)と、やや短めでしたから、それが遅れたのは(良い方に考えると)黄体機能が改善して黄体ホルモンの分泌が以前に比べて増加したので、少し長くなったのかもしれません。これは、受精-妊娠には良い徴候かも知れません。
・また8回目来院時には、前回は改善していた月経痛(下腹部痛)が少し強かった事、そして月経が1日で終了した事についてですが、前者の月経痛が少し強かった事についてはよく分かりません。今回の治療の状況を観て、さらに考察していく必要があると思います。後者の月経が一日で終了した事についてMさんに確認したところ、「従来から生理痛が酷い時には市販の鎮痛薬を飲んでいましたが、その時は必ずと言っていい程、生理は1日で終わります。薬を飲まないと、いつも5日前後ですが、、、。」と仰っていました。
・鎮痛薬と月経期間の短縮についての薬理的な因果関係はよく分かりません。今後、研究して対応を考えていく必要があります。ただ、Mさんが服用した鎮痛薬は「プロスタグランジン」の生成-分泌を抑制する薬効があるそうですので、子宮内膜で月経時に生成-分泌されるはずのプロスタグランジンが生成されなくなった(?)事が関係しているのかもしれません(プロスタグランジンは不要になった子宮内膜を剥離-排出させて月経を開始させる作用があります)。
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