子宮内膜症(生理痛)
その五…「なぜ女性は右腹部の方が、癒着が多いのか?」
その四はこちら
女性の内臓整体をしていてずっと以前から疑問に思っていた事があります。それは
「女性は左腹部より右腹部の方が癒着が多い」
事です。
内臓整体治療を始めて25年以上経ちます。
その経験の中で、男性患者さんの腹部の触診-施術で、腹部の癒着所見はそれ程左右差はありませんでした。
しかし女性のそれは圧倒的に「右腹部」に多いのです。それも肝臓周辺に!
「何故だろう…」
と、いつも疑問に思っていましたが、それについての記されている文献は全くお目にかかれませんでした。
ですからずっと「モヤモヤ」していたのですね。
ところがつい先日、この疑問に明快な示唆を与える文献を目にしました。そこには次の様に記されていました。
『先行する骨盤腔内異所性子宮内膜症から腹腔内に遊走した子宮内膜組織は、時計回りの生理的な腹水の流れに従って、上行結腸外側を経由し、右側横隔膜下で停滞し、主として右側横隔膜腱中心部に着床する。左側は横隔結腸間膜が存在するため、左側横隔膜下には到達しにくい。』
と。
これで長年の疑問の一つが解決された気がしました。
女性にとって子宮内膜症はほぼ必然的な所見ですから、どの様な女性患者さんがお見えになっても上記の様な腹水(内膜組織片)の流れがあれば、内膜症による癒着は「右側」、特に肝臓周辺に生じやすい事は明白ですから、「眼からウロコ・・・」の気分でした。
「上には上がある」
まだまだ勉強不足ですね。
でも、チョッと停滞気味だった私の医学の勉強に対する「モチベーション」が、またまた復活してきた気分になれました。
やっぱり
「医学は本当は面白い」
「整体師には基礎医学が一番大切」
ですね。
※婦人科治験例
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