片岡亮太 ̄めざせ!!ファンキー グルーヴ“千里の道も一歩から~♪♪” -5ページ目

片岡亮太ニュースレター~時明かり~第51号

‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐0. はじめに日頃より私、片岡亮太への暖かなご支援、ご声援を賜り誠にありがとうございます。日差しは強いものの、穏やかで美しい秋の陽気が続いているかと思えば、またしても台風の襲来…。大きな災害が生じないことを祈るばかりです。天候だけでなく、気温や気圧の変化も激しい毎日ですが、皆さまお変わりありませんでしょうか?去る9月4日、このニュースレターでもご紹介いたしました山村優子のジャズライブ、無事開催することができました。今回僕は演奏には参加しておりませんが、緊急事態宣言下ゆえに、いろいろと不安を抱えつつも、久しぶりのメインフィールドであるジャズの演奏に向けて準備を進めていた彼女の様子を傍らで見ていたため、多くのお客様と音楽を共有できていたことをとても嬉しく思いました。その翌日には、Ajarriaとして東京都慰霊堂にて演奏。無観客ではありましたが、久しぶりに大きな空間で太鼓やホルン、声を響かせることができ、心が熱くなりました。両日の演奏、Youtubeにて公開しておりますので、ぜひご覧ください。9月4日山村優子ライブ(セカンドセットのみ)https://youtu.be/8z0_TFn34oc9月5日慰霊堂での演奏(片岡亮太大太鼓ソロ)https://youtu.be/wRZDULZMsSM(Ajarria)https://youtu.be/VKxCLnLwmeg次回の舞台、まだ予定は立ちませんが、必ず訪れる「その日」のため、今できること、継続していきます。それでは時明かり第51号をお届けします。‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐1.コラム「私の視点」「壁と風」先日、地元の駅のホームを一人で歩いていたら、急に怖くなり、落ち着かない心持ちになりました。突然のことに戸惑いつつ考えたその理由と、そこから派生した思いについて、今回は書かせていただきます。そこは、何十年も利用しており構造を熟知している駅。もちろん点字ブロックも敷かれています。十分安全なはずなのになぜだろうと思いを巡らせて気づいた原因は、「風」でした。コロナ禍で外出の機会が激減した僕が、現在日常的に一人で歩いているのは授業のために行き来している都心。利用している全ての駅のホームにはホームドアが設置されています。万が一転んでも線路に転落する心配はないし、白杖と手でホームドアを確認しながら歩けば、並んでいる人にぶつかることなく乗車位置に移動することもできるので、過信はしませんが、いつも緊張せずに歩けます。そのようなホームでは、線路側から直接風を受けることはありません。また、ホームドアで電車の音がわずかに遮断されたり、足音が反射することで、線路と自分の間に壁があることも察知できます。ところが、地元の駅には、ホームドアがなく、さらに時間帯の影響もあって人も少なかったため、四方からの風が直接体に届くし、あらゆる音がダイレクトにホームを抜けていく。失明時期や加齢などの影響による個人差はありますが、僕たち視覚障害者は、目を使わなくても、空気の流れや音の響きを通して、自分がいる場所のおよその広さや高さ、近くに壁や柱のような障害物がないかなどをある程度であれば把握することができます。僕が抱いたのは、この「空間認知力」と呼ばれる感覚が線路と僕の間に何の壁もなく、一歩間違えれば落下してしまうことを伝えてきたことで感じた恐怖でした。当たり前に利用していると忘れがちですが、電車が行き来するホームは、死に直結する不慮の事故がいつでも起こり得る空間。にもかかわらず、ほとんどの駅では視覚障害者に対して点字ブロックのわずかな凹凸のみで「それ以上行くと危ない!」と警告している。その手段が十分に安全確保の役割を果たせているとは言えないことを、度々発生する視覚障害者の転落が語っています。危うい場所を歩いていることに改めて気づかされました。風から恐怖を感じたことは他にもあります。それは、2009年に、太鼓仲間との演奏旅行で初めて渡米した際、ニューヨーク同時多発テロの跡地、グラウンド・ゼロを訪れた時、そして、2013年に仙台市内の海岸沿いを歩き、津波による被害を目の当たりにした時です。それまでの僕にとって、9.11も3.11も、ニュース映像の音と様々な言葉を通して得られた「情報の集積」でしかありませんでした。けれど現地に立った時、そこに吹いていた風を通して僕が感じたのは、「あったはずのものが存在しない」という、強烈な違和感。大都会マンハッタンの一角で、さえぎるものなく広範囲からの風を受けることの不自然さと、仙台市の海岸沿いで、日常の営みの気配はせず、ただ工事車両の作業音や鳥の声だけが、風に乗ってどこまでも広がっていったあの空白の印象。それらを通してテロや津波が引き起こしたことの一端を痛感しました。恐ろしさと共に、胸を締め付けられるほどの悲しみを感じたあの経験は今でも忘れられません。マスクやフェイスシールド、アクリル板やインターネットなど、ある種の「隔たり」や「距離」と共に生活することが当たり前になって早一年半。リモートでのミーティングが増え、直接会う人の声はマスク越しにくぐもって聞こえ、街中や買い物に訪れたお店の中のにおいもかすかにしかわからず、何かに触る際も感染予防のために着用したゴム手袋越し…。視覚以外で外界の情報を取得する僕にとってそんな状況はまるで色の消えた世界の中にいるよう。なかなか慣れることはできません。表現者としても同様の気持ちを抱いています。演奏や言葉が発する波動、その場所が持つ空気感のようなものは、撮影や録音、通信技術がどんなに高度化しようとも直接伝えることは不可能です。そして、人の心が動く原因とは、多くの場合そういったものに宿っているように感じます。情熱や思いはきっとそのハードルを越えられると信じ、動画配信に力を注ぐ一方で、何の「壁」もない空間で、そこに巻き起こる「風」を多くの方と共有できる日の再訪を待ち望まずにはいられません。‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐2. 今月の一枚「私の視線」以前から風邪やインフルエンザの予防のために不織布のマスクは多用していましたが、昨年来、運動や外出先の人の量など、場面に合わせて使い分けるための布マスクが増えました。まだしばらくは彼らとの生活が続きそうですね。https://www.instagram.com/p/CUY1fc7BA0i/?utm_medium=copy_link‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐3. 音楽のプレゼント!以下で演奏動画を随時アップしています!いずれも登録等必要なくご覧いただけますので、ぜひご視聴ください。最近Facebook、インスタグラム、Youtubeそれぞれに、稽古中の動画や「亮太の修行」と題した、休憩なしの30分を超える即興演奏の動画も掲載しています。片岡亮太Facebookhttp://www.facebook.com/#!/ryota.kataoka.566(演奏動画は投稿の最初に「♪音楽のプレゼント♪」とタイトルを付けています)Ajarriaのyoutubeチャンネルhttps://www.youtube.com/user/Ajarria(Facebookに投稿した全動画をアップしています)山村優子のyoutubeチャンネルhttps://www.youtube.com/user/yukohorn(山村優子のジャズホルンの世界をお楽しみください!)山村優子のインターネットラジオ!https://radiotalk.jp/program/76192(これまであまり語ることのなかった彼女の様々な思い、良かったらお聞きください。)Zoomでの配信番組アーカイブhttps://www.youtube.com/playlist?list=PLEGv1kEnujhBf1yRNXDQUI5y5UPXih988(最近は、毎月第3日曜日を基本にし、30分を超える即興演奏を披露する場となっています。生配信の日時はSNSで告知しています。)‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐間もなく10月。2021年も後半ですね。コロナ禍に翻弄されていて時間の流れを感じづらくなりがちですが、今年は、ワクチン摂取も完了しているので、リフレッシュを兼ねて秋を感じるために、小旅行でもしてみようかと考えています。----------  片岡亮太(和太鼓奏者/パーカッショニスト/社会福祉士) 「人が集い、音が響き、時が輝く」☆演奏、講演、指導(グループでも個人でも可)、執筆等、ご連絡は以下から☆ いつでもお待ちしています。Mail: r_taiko_fukumimi@yahoo.co.jpBlog(Japanese): http://ameblo.jp/funky-ryota-groove/twitter: http://twitter.com/funky_ryotaFacebook: http://www.facebook.com/#!/ryota.kataoka.566youtube channel: https://www.youtube.com/user/Ajarria

片岡亮太ニュースレター~時明かり~第50号

‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐0. はじめに日頃より私、片岡亮太への暖かなご支援、ご声援を賜り誠にありがとうございます。長く続いた大雨の影響で各地でたくさんの被害が生じた今月。皆さんのお住まいの地域は大丈夫だったでしょうか?今年は、新型コロナウイルスの感染拡大に加え、猛暑や長雨など、心配事の多い夏でしたね。間もなく9月。台風への備えが必要な季節となりますが、これ以上の災害が発生しないことを祈らずにはいられません。そんな最近ではありますが、この度、ダスキン愛の輪基金の研修同期で、一般社団法人WheeLog代表理事の織田友理子さんにお声がけいただき、現在官公庁が推進している「心のバリアフリー認定制度」のPR動画に出演させていただきました!演奏や講演ではなく、「演技する片岡亮太」をぜひご覧ください!そして、観光・飲食業の皆様、この動画をきっかけに、バリアフリーについて改めてお考えいただけましたら幸いです。https://www.mlit.go.jp/kankocho/topics06_000339.htmlそれでは時明かり第50号をお届けします。‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐1.コラム「私の視点」「灯された火」皆さんは東京パラリンピックの開会式、ご覧になりましたか?世界中の注目が集まる大舞台を、僕は胸を熱くしながら鑑賞しました。そこで今回は、あの開会式を通して、考えたことを書かせていただきます。オリ・パラともに、セレモニーのショーは、言葉を用いずパフォーマンス、映像、音楽を主体に構成されます。そのため、僕にとってはわかりづらい場面も多々ありましたが、Eテレの音声ガイドとラジオ中継の解説を聞き、会場の様子を想像するだけでも、「片翼の飛行機(少女)」を巡る物語は、十分楽しめるものでした。空にあこがれを抱きながらも飛べずにいた片方の翼しか持たない飛行機が、様々な特徴(=障害)のある飛行機と出会い、吹き付ける向かい風を追い風に転じ、多様な身体を力に変えられることを知って、勇気をもって大空へ羽ばたく。シンプルな内容ではありましたが、「風」、「翼」をテーマに、各シーンを彩った主要な出演者の多くが、実際に様々な心身の特徴を有する人であったことで、ストーリーが内包するメッセージに説得力と厚みをもたらしていたように感じます。音楽やダンスの随所にちりばめられた3発の手拍子は、「心、身体、魂」を象徴し、ラテン語で「私は動く」という意味を持つパラリンピックのロゴ「スリー・アギトス」をモチーフにしていたとのこと。また、途中で流れた世界の人口の15パーセントが何らかの障害のある人であることを示す国際的な取り組み「WeThe15」のビデオも力強い色を添えていました。華やかでポップなビジュアルと音楽、主人公の内面の変化とパラリンピックが目指す世界観とがリンクした、統一感と一貫性を持ったステージはまさに秀逸の一言。どんな人にも自信が持てず、離陸をためらう瞬間はある。そんな時、「違い」というある種の弱さを「光」に変えている存在に、力づけられる人は少なくないでしょう。障害の有無や年齢を問わず、それぞれの視点でギフトを得られる演出だったと感じました。一方で、ショーの中では(おそらく)大きく取り上げられていなかった「社会」の存在について考えることも忘れてはなりません。いくら個人が自信を持ち、自ら輝こうと動いても、それを阻む差別や偏見、無理解は、時に嵐や厚い雲となって離陸や飛行を阻みます。それどころか、滑走路に出ることさえ許されず、飛ぶ機会を与えられないことも多い。おそらく実社会では、パラリンピックのように公平に戦える環境の方が少ないのが現状です。僕で言えば、和太鼓と出会った時点で全盲のプロ奏者は他にいないし、比較対象も常に障害のない方たち。もちろん音楽は記録を争うものではありませんが、例えるなら、パラアスリートが常にオリンピックに出場しているような状態です。それが当たり前ではあるものの、何の壁も感じないかと言えばうそになります。また、8年前に婚姻届を提出した時のこと。決意と思いを込めて記名しようと思った書類には、点字が書かれているわけもなく、僕にとってただの紙切れ。今のように、スマホのアプリで文字を認識させることもできず、妻に指でなぞってもらいながら読み上げてもらう以外に、内容を知るすべはありませんでした。当事者の一人であるはずの僕が、蚊帳の外に置かれたような、実感の伴わない入籍の瞬間のあの切なさを、一生忘れることはないでしょう。職場や学校、生活している地域などで、たった一人、自分だけに障害がある。そんな環境に立った時、自らが前向きに、主体的に一歩踏み出すことが、「飛翔」を助けることは間違いありません。けれど、それだけでなく、「社会」という名の空もまた、どんな機体にも羽ばたく可能性があることを知り、他機と同等の上昇気流を送ることが求められているのではないでしょうか。日本、そして世界にとって東京パラリンピックがそんな社会の実現の一助になることを願います。本音を言えば、今大会にオファーを受けて関われる奏者になっていたかったとも思っています。日本選手団には母校の後輩たちが名を連ね、一昨年卒業した教え子、佐藤ひらりさんが国歌斉唱の大役を果たし、各地の公式イベントには多くの知人が出演している。目標に手が届かなかった悔しさから目を背けず、いつか世界の舞台で太鼓を打つ姿を皆さんに見ていただけるよう、あらゆる雲を越えて、青空へと突き抜けていきたい。今、心で熱い火が燃えています。‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐2. 今月の一枚「私の視線」ある日の空。自分が放つ音を、この空に、世界に響かせたい。コンサートができない今だからこそ、思いは一層強くなります。https://www.instagram.com/p/CTLkjkqBKsa/?utm_medium=copy_link‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐3. 山村優子のジャズライブ、9月4日に東京で開催決定!久しぶりの山村優子のジャズライブはピアノとのデュオ編成。ニューヨーク時代、ほぼ毎週共演していたピアニスト上野原浩さんと共に、土曜の昼を彩ります。今のところ予定通り開催する方向で準備を進めていますが、急遽延期・中止となることもあり得ますので、お越しくださる予定の方は一度ご連絡をお願いいたします。Saturday Afternoon Jazz <ホルン&ピアノduo>9月4日(土)ヤマムラ ユーコ(Hr)、上之原浩(P)チャージ:\3,200(入れ替えなし)(Open) 12:00noon(1st set)13:00-13:45(2nd set)14:15-15:00(会場)吉祥寺Strings東京都武蔵野市吉祥寺本町 2-12-13 (TNコラムビル地階)Tel & Fax 0422-28-5035http://www.jazz-strings.comイベントページhttps://facebook.com/events/s/saturday-afternoon-jazz-%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%B3%E3%83%92%E3%82%A2%E3%83%8E/508873030338106/※ご予約等は上記イベントページか、またはお店へお問い合わせ下さい。4. 再び9月5日に東京都慰霊堂にて演奏させていただきます!山村優子のライブ翌日、9月5日には、昨年から続けているZoom配信番組のご縁で、再び東京都慰霊堂にて演奏をさせていただきます。当日ZoomとYoutubeで生中継があるかと思いますので、下記HPをチェックしていただけましたら幸いです。(僕のSNSにも、中継URL等、わかり次第アップしますので、そちらもチェックお願いいたします。)https://shutobo.net/僕のソロ、Ajarriaとしての出演はもちろん、他のミュージシャンの皆さんの演奏もご覧になれます!ぜひ当日、一緒に時間を過ごしましょう!!5. 音楽のプレゼント!以下で演奏動画を随時アップしています!いずれも登録等必要なくご覧いただけますので、ぜひご視聴ください。最近Facebook、インスタグラム、Youtubeそれぞれに、稽古中の動画や「亮太の修行」と題した、休憩なしの30分を超える即興演奏の動画も掲載しています。片岡亮太Facebookhttp://www.facebook.com/#!/ryota.kataoka.566(演奏動画は投稿の最初に「♪音楽のプレゼント♪」とタイトルを付けています)Ajarriaのyoutubeチャンネルhttps://www.youtube.com/user/Ajarria(Facebookに投稿した全動画をアップしています)山村優子のyoutubeチャンネルhttps://www.youtube.com/user/yukohorn(山村優子のジャズホルンの世界をお楽しみください!)山村優子のインターネットラジオ!https://radiotalk.jp/program/76192(これまであまり語ることのなかった彼女の様々な思い、良かったらお聞きください。)Zoomでの配信番組アーカイブhttps://www.youtube.com/playlist?list=PLEGv1kEnujhBf1yRNXDQUI5y5UPXih988(最近は、毎月第3日曜日を基本にし、30分を超える即興演奏を披露する場となっています。生配信の日時はSNSで告知しています。)‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐なかなか晴れ晴れとした話題が少ない昨今、オリンピック、甲子園、パラリンピックと、スポーツに全力を注ぐ人たちの姿に胸が熱くなる毎日です。彼らの雄姿に自分を重ね、再度立ち込めた種々の暗雲に負けぬよう、日々の稽古やトレーニング、オンラインでの動画配信など、今できること粛々と続けております。舞台に立てない今、SNSでのコメントや、メールで頂ける皆さんからのお言葉は大きなエネルギーの源です。引き続き、応援のほど、なにとぞよろしくお願いいたします。----------  片岡亮太(和太鼓奏者/パーカッショニスト/社会福祉士) 「人が集い、音が響き、時が輝く」☆演奏、講演、指導(グループでも個人でも可)、執筆等、ご連絡は以下から☆ いつでもお待ちしています。Mail: r_taiko_fukumimi@yahoo.co.jpBlog(Japanese): http://ameblo.jp/funky-ryota-groove/twitter: http://twitter.com/funky_ryotaFacebook: http://www.facebook.com/#!/ryota.kataoka.566youtube channel: https://www.youtube.com/user/Ajarria

片岡亮太ニュースレター~時明かり~第49号

‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐ 0. はじめに 日頃より私、片岡亮太への暖かなご支援、 ご声援を賜り誠にありがとうございます。 今月初旬、静岡県東部を中心に発生した記録的な豪雨の際には、 多くの方からご心配のご連絡をいただき、ありがとうございました。 幸い、我が家周辺には目立った影響はなかったのですが、 大規模な土砂災害となってしまった熱海市をはじめ、 近隣市町での多くの被害には胸が痛むとともに、かつてない恐怖を感じています。 まさかと思うような出来事が多発している近年、 改めて日々の備え、大切にしなければいけませんね。 被害にあわれた方々に、 一日も早く日常が戻ってくることを心から祈っています。 今号は、久しぶりに開催される山村優子のジャズライブの情報を掲載しています。 詳しくは3.をご覧ください。 それでは時明かり第49号をお届けします。 ‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐ 1.コラム「私の視点」 「新たな物差し」 最近、室内で足踏みを続ける「その場駆け足」を毎日50分間行っています。 最初は10分で汗だく、30分でふらふらでしたが、 二週間経った頃には、直後に太鼓の稽古をできるまでになりました。 体力やスタミナが向上すると、 「時間の捉え方」まで変わってきているように感じます。 今回はそのことについて書かせていただきます。 稽古部屋で足踏みをしているせいか、 当初から、50分という時間が、 はせみきた師匠や林英哲さんなど、 尊敬する和太鼓奏者の方々が舞台で作り上げる、 複数の楽曲を組み合わせた「大曲」の長さと重なり、 そのような演奏を行う時の感覚とは どのようなものなのだろうかと気になっていました。 僕の曲は長いものでも15分程度。 休憩をせず、30分以上打ち続けるなんて未知の領域。 けれど、50分間足を動かすことができるようになった今、 30分くらいの演奏ならできるかもしれない。 長時間集中できる体と心になることは、演奏家としての成長にもつながるはずだ。 そう思ったら、いてもたってもいられず、 毎月恒例のZoomでの配信ライブの際、 「今日から30分以上の演奏をします!」と宣言していました。 太鼓人生初の挑戦。 大まかな構成だけ決め、ほぼ即興で組み立てた演奏は、約31分。 目標達成の喜びを感じる一方で、 その内容には決して満足できませんでした。 長い時間をかけて曲を作り上げるのだから、 最初や中間部で、まるでスローモーションのように ゆっくり腕を動かす場面を作り、 間(ま)や、余韻を強調し、徐々に物語を展開していこうと思っていたのに、 静寂に耐えられず、序盤からリズムを畳みかけてしまったり、 途中、休符を意識しても、イメージとは程遠い、 焦りを帯びたものになっていたからです。 太鼓を打つこととは、 「時」という長く伸びた数直線のような存在に、 音でメモリを刻む行為なのではないかとよく考えます。 時に細かく、時に大きく、音楽の物語に合わせてメモリの幅を、自在に操り、 一つの舞台や曲の中で流れる時間の濃度や緊張感をコントロールするには 体力や技術だけでなく、 その瞬間が、公演や楽曲全体において、 どんな位置で、どんな役割を果たすのかを把握するための 物差しのような意識が不可欠。 僕の心身には、大曲に耐えうる物差しが必要であることを痛感した 貴重な経験となりました。 最近、目まぐるしいスピードで届く情報と、 短時間で味わえる各種コンテンツの渦の中、 「今」しか見ずに、短距離走のような思考と行動を重ねることに、 僕たちは慣れすぎてしまっているのではないかとよく考えます。 一昨年末、NHKラジオ第2の「視覚障害ナビラジオ」での取材のため、 日本におけるハンセン病をめぐる差別の問題について 本や資料を読んでいた時、 「この病気は感染しない」という国際的な見解を無視し、 非人道的な差別を法的根拠を作ったうえで長きにわたって続けてきたために、 今でも多くの方が苦しんでいることを知り、 そのおぞましさに震える思いがしました。 そんな僕にとって、放送直後に始まった新型コロナウイルスのパンデミックの中、 感染された方やそのご家族等に向けられた執拗なまでのバッシングは、 頭の中で思い描いていた昭和の人々のハンセン病への反応そのもの。 あの過去が今に生かされていない、 そのことが悲しくてたまりませんでした。 また、東京オリンピックのセレモニーの演出にかかわる人々の 過去の言動に端を発した諸問題に対する メディアやネット上での人々の反応の中には、 報道内容が客観的な事実であると信じ、 自らが正義であると疑わない、 鋭くて冷たい発言が点在しています。 ネットの誹謗中傷がきっかけで自ら命を絶ってしまう方が 年々増加していることを忘れてしまったかのような言葉の嵐。 以前、演奏に伺ったあるお寺の僧侶の方が、 「私たちの役割は千年以上前に建てられたこの場所を 次の千年先の方々に受け渡すことだと思っています。」 と話しておられ、 数百年前の人々の営みと、現在を生きる僕たちの生活、 そして100年、200年後の人々の暮らしとを結び付けた視点に、 感動したことがありました。 社会という大きなオーケストラが奏でる 過去から未来につながる音楽において、 僕たち一人一人の役割と、 この時代が持つ意味を問い直し、 「明日」に引き継ぐための新たな物差しを作るべき局面に、 今、我々は立っているのかもしれません。 * 31分間の演奏、こちらに全編アップしています! https://youtu.be/Cwg6WFWv-3k ‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐ 2. 今月の一枚「私の視線」 種々の技術も体力もまだまだ足りないことはわかったものの、 とにかく必死で演奏を続けた31分のオンライン演奏は、 全身がたがたにはなりましたが、充実感を得られるものでした。 これからも精進いたします! https://instagram.com/p/CR7t6P6Bfd8/ ‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐ 3. 山村優子のジャズライブ、9月4日に東京で開催決定! 久しぶりの山村優子のジャズライブはピアノとのデュオ編成。 ニューヨーク時代、ほぼ毎週共演していたピアニスト上野原浩さんと共に、 土曜の昼を彩ります。 この頃には、感染状況、少しでも落ち着いていることを願って、 ライブ詳細をご紹介します。 Saturday Afternoon Jazz <ホルン&ピアノduo> 9月4日(土) ヤマムラ ユーコ(Hr)、上之原浩(P) チャージ:\3,200(入れ替えなし) (Open) 12:00noon (1st set)13:00-13:45 (2nd set)14:15-15:00 (会場)吉祥寺Strings 東京都武蔵野市吉祥寺本町 2-12-13 (TNコラムビル地階) Tel & Fax 0422-28-5035 http://www.jazz-strings.com イベントページ https://facebook.com/events/s/saturday-afternoon-jazz-%E3%83%9B%E3%83%AB%E 3%83%B3%E3%83%92%E3%82%A2%E3%83%8E/508873030338106/ ※ご予約等は上記イベントページか、またはお店へお問い合わせ下さい。 4. 音楽のプレゼント! 以下で演奏動画を随時アップしています! いずれも登録等必要なくご覧いただけますので、ぜひご視聴ください。 最近Facebookには、稽古中の動画や音源も掲載しています。 山村優子のインターネットラジオ! https://radiotalk.jp/program/76192 (これまであまり語ることのなかった彼女の様々な思い、 良かったらお聞きください。) 片岡亮太Facebook http://www.facebook.com/#!/ryota.kataoka.566 (演奏動画は投稿の最初に「♪音楽のプレゼント♪」とタイトルを付けています) Ajarriaのyoutubeチャンネル https://www.youtube.com/user/Ajarria (Facebookに投稿した全動画をアップしています) 山村優子のyoutubeチャンネル https://www.youtube.com/user/yukohorn (山村優子のジャズホルンの世界をお楽しみください!) Zoomでの配信番組アーカイブ https://www.youtube.com/playlist?list=PLEGv1kEnujhBf1yRNXDQUI5y5UPXih988 (気楽にトークしながら、ここでしか披露していない即興演奏を中心に ゆるゆるとお送りしています。) ‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐ 連日、熱戦が繰り広げられている東京オリンピック。 開催の是非や運営における様々な問題など、 今後検証が必要なことは多々あるとは思いますが、 不透明な状況の中でも努力を欠かさず、 結果を残しているアスリートたちの姿には、理屈なしに心が震えます。 コロナ禍以前のように舞台に立つことができない僕も、 今重ねる努力が、明るい未来の土台を作ると信じて、稽古に励みます。 ----------   片岡亮太(和太鼓奏者/パーカッショニスト/社会福祉士)  「人が集い、音が響き、時が輝く」 ☆演奏、講演、指導(グループでも個人でも可)、執筆等、ご連絡は以下から☆  いつでもお待ちしています。 Mail: r_taiko_fukumimi@yahoo.co.jp Blog(Japanese): http://ameblo.jp/funky-ryota-groove/ twitter: http://twitter.com/funky_ryota Facebook: http://www.facebook.com/#!/ryota.kataoka.566 youtube channel: https://www.youtube.com/user/Ajarria

片岡亮太ニュースレター~時明かり~第48号

‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐ 0. はじめに 日頃より私、片岡亮太への暖かなご支援、 ご声援を賜り誠にありがとうございます。 早くも夏本番を思わせるような強い日差しの照る日が増えていますが 皆さんお変わりありませんか? さて、以前からお伝えしておりました 2月のAjarria(アジャーリア)のコンサートの動画。 撮影していただいたV-Max様に映像編集をご協力いただき、 当日の雰囲気をギュッと凝縮したようなビデオにしていただきました。 公開第1弾として、 最後の演目であり、コンサートタイトルでもある「貫伽羅麗(かんからり)」と アンコール演奏を以下にアップしました。 このコンサートを象徴する2曲を、ぜひご視聴ください。 イヤフォン等を使ってお聞きいただけると、 クリアでダイナミックなサウンドをお楽しみいただきやすいと思います。 我々の思いに寄り添いながら、 より良い作品にすべく長期にわたり編集作業を繰り返してくださった V-Max様にはどれだけ感謝してもし足りません。 https://www.youtube.com/watch?v=wJno0mgEkh8 去る6月14日には、関西大学の学生さん約300名に向けて 「伝える社会福祉~明日障害者になっても絶望しない社会を目指して」と題した、 片岡亮太の講演会をオンラインにて行わせていただきました。 対面での実施はかなわなかったものの、講演後の質疑応答では、 時間が足りなくなるほどの質問を学生さんからもらうことのできる、 とても充実したひと時となりました。 山村優子も新たな発信の手段としてインターネットラジオをスタートさせ (詳細は3.をご参照ください)未だ演奏活動の再開の目途は立ちませんが、 ひき続き、今できることに注力し、発信を続けていきます。 前置きが長くなってしまいましたが、 それでは時明かり第48号をお届けします。 ‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐ 1.コラム「私の視点」 「花火の下」 昨年来、外出の機会が激減したことで、読書時間が増えました。 最近は、「読んだことのなかった国のミステリー」をテーマに、 人気作を読むことに夢中です。 物語に没入しつつ、各国の生活や風土の一端に触れていると、 思いがけず価値観を揺さぶられることがあります。 そこで今回も前回に引き続き、 読書を通じた気づきについて書かせていただきます。 先日読んだピエール・ルメートルの『悲しみのイレーヌ』という フランスを舞台にした刑事ものの作品では、 猟奇殺人を捜査している警官たちが、 当たり前にカフェやレストランでランチをしたり、 結婚記念日だからと定時に帰宅しようとしており、 日本とかけ離れた行動にびっくり。 「その間にまた誰か殺害されたらどうするんだ!?」 思わずそう突っ込んだ後、ハッとしました。 僕は何の疑問も抱かず、警察官は寝食や私生活を犠牲にすべきと考えている。 語弊のある表現かもしれませんが、 日本的ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活のバランス)に 偏っていた自分に気づかされた瞬間でした。 本は、時として世界中の社会を除く窓のような存在となって、 文化的なギャップを見せてくれます。 海外の作品において、特に面白いと思うのは、 身体や精神、発達に障害のある人や、 依存症、セクシャル・マイノリティの人物が 自然にストーリーを彩っていることです。 そしてこれらの特徴を有する人々が、 主要キャラクターどころか、物語にさほど影響を及ぼすわけでもない、 いわゆる「ちょい役」として現れることも少なくありません。 日本の小説に心身に障害のある人物が登場した場合、 重要な意味を持っているか、 勇気や希望、絶望や悪など、 何かの象徴のように描かれることが多いように思います。 この差は何だろうと考えていた時、こんな落語の小話を耳にしました。 「盲目の男が夜になると必ず提灯に火をともして歩いていた。 お前には必要ないだろ?と言うと、世の中には悪い人がたくさんいて、 わざと人にぶつかってくるような奴もいるから、それを見極めるためにも こうやって提灯を持つんだと答える。 ある夜、その男が歩いているとぶつかってきたものがいた。 なんだ!?と男がすごむと相手が一言。 兄さん提灯の明かりが消えてるよ。」 思えば、落語やとんち話、講談の中では 現代では障害者と呼ばれるであろう存在が、 さりげなく登場することがよくあります。 そうか、日本には昔から障害を笑いに転じられる文化があったのか! 僕の日常においても、ふざけてぶつかってきた友人が「どこ見てんだ?」と言い、 「どこも見えてねえよ!」と返して二人で笑ったり、 色覚以上のため色の認識をしづらい友人に何がどう見えているかを聞いて驚くなど 障害で「遊ぶ」ことは多々あります。 自虐や揶揄でもなく、「ジョーク」に昇華させられた時、 障害は人生の彩となります。 そしてかつて日本人はそのことを皆で共有できる風土を持っていた。 きっと海外と比べて日本人の国民性が 障害に対して冷たく偏っているというわけではない。 けれど今の日本において、テレビや本の中で障害を笑いのネタにすることは 倫理的に認められないでしょう。 東京パラリンピックの開催が近づくに連れ、 今後マスメディアによる、障害者アスリートを主人公とした 種々の情報を見聞きすることが増えていくことと思います。 一方で、障害を理由にした差別や権利の侵害は、未だ枚挙にいとまがありません。 つい先日も、聴覚障害のある児童が亡くなった交通事故をめぐる裁判の中で、 その子が生涯に得られたであろう収入額の算定について、 「聴覚障害があった場合、言語力や思考力の獲得に困難が生じるため、 就職が難しかっただろうから、金額を一般の40パーセントまで引き下げるべきだ」 と被告側が主張していると知り信じられない思いでした。 放送倫理や「コンプライアンス」によって整理整頓された情報や、 高々と打ち上げられる、大きなイベントという花火の眩しさでは映し出せない 大輪の下で営まれる日常。 けれど、本来「多様性」という言葉が目指すものは、 特定の個人の整った姿だけを皆が知ることではなく、 多くの人にとって「ちょい役」ですらない人々の生活の背後で どのような物語が進行しているのかについて、 幅広い視野で想像できる力を養うことであるはずです。 この先、東京パラリンピックが放つ光は何を照らすのか、 注目したいと思います。 ‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐ 2. 今月の一枚「私の視線」 読書に次ぐおうち時間の友は、このギター! 大学時代にバンド仲間に譲ってもらった愛用の一本で、弾き語りをしながら、 舞台の減少による喉の筋力の低下を防いでいます! https://www.instagram.com/p/CQumwGohxvy/?utm_medium=copy_link ‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐ 3. 音楽のプレゼント! 以下で演奏動画を随時アップしています! いずれも登録等必要なくご覧いただけますので、ぜひご視聴ください。 最近Facebookには、稽古中の動画や音源も掲載しています。 新たに始めた山村優子のインターネットラジオ! https://radiotalk.jp/program/76192 (これまであまり語ることのなかった彼女の様々な思い、 良かったらお聞きください。) 片岡亮太Facebook http://www.facebook.com/#!/ryota.kataoka.566 (演奏動画は投稿の最初に「♪音楽のプレゼント♪」とタイトルを付けています) Ajarriaのyoutubeチャンネル https://www.youtube.com/user/Ajarria (Facebookに投稿した全動画をアップしています) 山村優子のyoutubeチャンネル https://www.youtube.com/user/yukohorn (山村優子のジャズホルンの世界をお楽しみください!) Zoomでの配信番組アーカイブ https://www.youtube.com/playlist?list=PLEGv1kEnujhBf1yRNXDQUI5y5UPXih988 (気楽にトークしながら、ここでしか披露していない即興演奏を中心に ゆるゆるとお送りしています。) ‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐ 先日、東京での授業の帰りに乗車していた新幹線が、 突然の局地的な大雨によって30分ほど停車しました。 年々いわゆるゲリラ豪雨の発生や 30度を超える暑さになる時期が早まっている気がしてなりません。 暑がりの僕としては、なるべく穏やかな夏を望むばかりです。 皆さんもどうかご自愛ください。 ----------   片岡亮太(和太鼓奏者/パーカッショニスト/社会福祉士)  「人が集い、音が響き、時が輝く」 ☆演奏、講演、指導(グループでも個人でも可)、執筆等、ご連絡は以下から☆  いつでもお待ちしています。 Mail: r_taiko_fukumimi@yahoo.co.jp Blog(Japanese): http://ameblo.jp/funky-ryota-groove/ twitter: http://twitter.com/funky_ryota Facebook: http://www.facebook.com/#!/ryota.kataoka.566 youtube channel: https://www.youtube.com/user/Ajarria

片岡亮太ニュースレター~時明かり~第47号

‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐ 0. はじめに 日頃より私、片岡亮太への暖かなご支援、 ご声援を賜り誠にありがとうございます。 例年にない速さの梅雨入りにより、しとしとと雨が続くのかと思いきや、 激しい風雨と、真夏のような日差し…。 このお天気についていくだけで心身ともに疲れがたまってしまいそうですが、 皆様いかがお過ごしでしょうか? 最近ありがたいことに、複数の大学とご縁をいただき、 オンラインによる講演や、少数のゼミへのゲスト、研究への協力等、 種々のお声がけをいただいています。 舞台が減り、自室で稽古に明け暮れることの多かった約1年、 学生さんや教授の皆さんと言葉を交わすことで、 自らの思考や気づきが深まっていく喜びを感じています。 まさにこれこそが、人とかかわることの醍醐味ですね。 音楽で多くの人の心と交流できる日を待ちながら、 言葉を介した活動にも引き続き注力してまいります。 それでは時明かり第47号をお届けします。 ‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐ 1.コラム「私の視点」 「マングローブ師匠」 最近、やっとこの人だ!と思えるロールモデルを見つけることができました。 和太鼓奏者で社会福祉士の視覚障害者なんて、 マイノリティの要素をてんこ盛りにしたような僕には、 自分と重ね合わせられる存在などいないと思い続けて早十数年。 巡り合ったその人の名は「ミッツ・マングローブ」。 今回はなぜそのような考えに至ったかについて書かせていただきます。 きっかけは、ミッツさんの著書、「熱視線」(2019年、朝日新聞出版)。 僕は、マツコ・デラックスさんや、美輪明宏さんなど、 芸能界で活躍するセクシャル・マイノリティの方の本をよく読みます。 そのセクシュアリティゆえに、 自分がメディアや時代のスタンダードになることは困難だと受け入れつつ、 今日まで見出してきた視点や、 どんなに有名になろうとも「少数派」である現実との葛藤、 世間との折り合いの付け方などに、共感し、学ぶ点が多いからです。 この一冊もそのような思いから選びました。 芸能、スポーツ、政治の分野におけるアイドル的存在や 世間を騒がせた出来事について、 独自の切り口で述べているこの本には、 読み手(=社会)へのメッセージが盛りだくさん。 例えば、2018年末の紅白歌合戦。 サザンオールスターズ、松任谷由美さん、北島三郎さんによる 熱い共演への称賛から、話題はLGBT問題へ。 いわゆる「オネエ系タレント」による、 「出演するなら桃組」という発言とそれを期待する空気は 笑いとしては成立するものの、 社会が尊重の名のもと、異質なものには別枠を設け、 安易にそこへ当てはめていくのなら、それは紛れもない排除。 だれにでも、必ず生物としての性別はある。 ただ、多彩な白と紅が存在しているだけ。 多様性をうたうのであれば、桃組を作るより、 様々な紅白を認めていくことが重要なのではないか。 そのように論が展開されます。 僕が要約すると、硬くなってしまいますが、 このような考えを、毒とユーモアをたっぷり盛り込みながら、 巧みな言葉の選択により読みやすくまとめ上げている筆力にうなりました。 そして全体としては、 ドラーグ・クイーンでシンガーでもある プロのエンターテイナーの視点で、 各界のアイドルを時に下世話なまでに深掘りする形が貫かれているため、 純粋に面白い本であることにしびれずにはいられませんでした。 これこそ僕が目指すもの。 最近、SNSやマスメディアから届く言葉が、 以前にも増して刃のような鋭さを帯びているように思えてなりません。 コロナ禍の影響で溜まった鬱屈を吐き出したい人、 いわゆる「炎上商法」で自らの主張を広めたい人など、 理由は様々でしょうが、 たたきつけるような言葉の応酬が、 あたかもブームのようになっていることを、 一表現者として懸念しています。 2016年に話題になった、 「保育園落ちた日本死ね」のようなフレーズは、 一発ギャグにも通じる瞬発力とインパクトがあるうえに、 意図がわかりやすく、同調や引用が容易であるがゆえに、 伝える手段として有効な瞬間もあるのでしょう。 けれど、社会福祉を学んでいた大学時代、 語尾や相槌の使い方一つで、 人の心に寄り添うことも傷つけることもできると実感してきた僕には そういった言葉を使ったり真似ることはできません。 また、物事の本質や社会が共有すべきこととはえてして、 メディアが取り上げ、ネットで拡散されるほどセンセーショナルでもなく、 さりとて世間話で話すには重たすぎて、 ともすれば見逃してしまう、 狭間のような場所にこそ存在しているのではないか。 そう信じ、語り、書いてきた身として、 端的な言葉で他者や社会を批判し、断ずる風潮には 大事なものを取りこぼしてしまうのではと危うさを感じてもいます。 でも一方で、受け手の心に響く強さや派手さがなければ そもそも誰にも届かないことも理解している。 そのジレンマに日々悶々としている僕にとって、 過剰な彩を加えず、軽やかに主張するミッツさんはまさにお手本。 音楽活動も精力的に行い、 今日の活躍は慶應卒の学歴や、叔父の徳光和夫さんの恩恵も大きいと 冷静に捉え、そのことに感謝しつつも、 LGBTのタレントの一人として、安易な商品にはなるまいと、 丁寧に、論理的に、そして面白く、 時には世間に異を唱える「やっかいな存在」であり続けられる意思と、 バランス感覚を備えたミッツ・マングローブさん。 新たな心の師匠を見習って今後も精進します。 ‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐ 2. 今月の一枚「私の視線」 コラムの執筆やSNSへの投稿、 アイデアの整理などの際には、これらのデバイス(PC、点字用の電子手帳)と、 この写真の撮影に使用しているiphoneが僕の必需品です。 https://www.instagram.com/p/CPfDDxch_8V/?utm_medium=copy_link ‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐ 3. 音楽のプレゼント! 以下で演奏動画を随時アップしています! いずれも登録等必要なくご覧いただけますので、ぜひご視聴ください。 最近Facebookには、稽古中の動画や音源も掲載しています。 間もなく、ふじのくにエールアートプロジェクトの助成を受けて2月に実施した Ajarria(アジャーリア)のコンサートの映像も公開予定です。 撮影を依頼したV-Maxさんにお力添えいただき、 ビジュアルもサウンドも 当日の躍動感をギュッと凝縮したものに仕上げていただいています。 どうぞご期待ください。 片岡亮太Facebook http://www.facebook.com/#!/ryota.kataoka.566 (演奏動画は投稿の最初に「♪音楽のプレゼント♪」とタイトルを付けています) Ajarriaのyoutubeチャンネル https://www.youtube.com/user/Ajarria (Facebookに投稿した全動画をアップしています) 山村優子のyoutubeチャンネル https://www.youtube.com/user/yukohorn (新たな試みも始めた山村優子のジャズホルンの世界をお楽しみください!) Zoomでの配信番組アーカイブ https://www.youtube.com/playlist?list=PLEGv1kEnujhBf1yRNXDQUI5y5UPXih988 (気楽にトークしながら、ここでしか披露していない即興演奏を中心に ゆるゆるとお送りしています。 回を追うごとにZoomを使いこなし、音質が向上してきました。) ‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐ このところ、本番が少ないことによる心肺機能の低下を防ぐため、 毎朝、心拍数をぐっとあげられる運動をするよう意識しています。 暑くなると、すぐに体温が上がって、大量の汗が出るので ついつい怠けそうになりますが、 負けてなるものかと、自らを叱咤する日々です。 ----------   片岡亮太(和太鼓奏者/パーカッショニスト/社会福祉士)  「人が集い、音が響き、時が輝く」 ☆演奏、講演、指導(グループでも個人でも可)、執筆等、ご連絡は以下から☆  いつでもお待ちしています。 Mail: r_taiko_fukumimi@yahoo.co.jp Blog(Japanese): http://ameblo.jp/funky-ryota-groove/ twitter: http://twitter.com/funky_ryota Facebook: http://www.facebook.com/#!/ryota.kataoka.566 youtube channel: https://www.youtube.com/user/Ajarria

片岡亮太ニュースレター~時明かり~第46号

‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐0. はじめに日頃より私、片岡亮太への暖かなご支援、ご声援を賜り誠にありがとうございます。新年度に入り、コロナ禍とはいえ、それぞれに目標や情熱を持って心機一転頑張ろう!という空気になった途端、首都圏を中心にまたしても緊急事態宣言が発出されてしまいましたね。お仕事や生活に大きな影響を受けている方も多いことと思います。僕も学校での指導はあるものの、活動は引き続き縮小状態です。ですが、今後の発展のために必要と思われる楽器の購入や、長年抱いている「首都圏にも稽古できる環境を持つ!」という大きな夢を実現するため、今だからできる行動はないかと、パートナー山村優子と共に模索しながら、挑戦を続けています。そのような我々の思いに対して、昨年末から多くの方が活動支援をお寄せくださっています。心から感謝しております。音楽と言葉に誠実に向かい合い続けることでお気持ちにこたえていけるよう、これからも精進します。それでは時明かり第46号をお届けします。‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐1.コラム「私の視点」「(続)頑張ってるの先へ」前回、表現と障害との距離について書いたところ、多くの反響をいただきました。そこで今回は、このテーマをさらに深めて書かせていただきます。数年前、オーストラリアのジャーナリスト兼コメディアンで、幼いころから車いす生活をおくっていた女性、ステラ・ヤング(Stella Young)さんが、感動の手段として障害者を描き消費してしまう社会の在り方を、静的快楽のために作られたポルノ映像に重ね「Inspiration porn(インスピレーション・ポルノ)」と称したことが大きな話題を呼びました。日本では、「感動ポルノ」と翻訳され、現在ではスポーツ等において、苦行に耐える様子を過剰に美しく描く動きに対しても使われています。ステラさんのメッセージが内包していたのは、その人が誰であるか、何を成し遂げているかを考慮せず、テレビの画面や聴衆の前に障害のある人がいるというだけで、自動的に「感動を与えてくれる人」であると想定してしまいがちな人々の意識に対する違和感と批判。そして、政治や社会構造上のバリアの問題として問われるべき話を、障害者の「個人的困難」を努力によって乗り越えた美談へとすり替えてしまう危険性への警鐘です。障害のある音楽家として自らを省みた時、このステラさんの指摘にはドキッとさせられます。あえて厳しい目で振り返ると、20代前半の頃の僕の活動は、「弱視で生まれ、10歳で失明した、社会福祉士の資格をもつ和太鼓のプロ」というプロフィールが生み出す感動ポルノとしての価値を、お客さまやイベント主催者、メディアの方々だけでなく、僕自身も共有していたことで成り立っていたところがあったように思います。当初は全く自覚していませんでしたが、失明時の苦しさに重点を置いて語ることで、歩むべき道を見出した自分に過剰な輝きをまとわせる話し方をしていたし、それこそが求められている役割だと信じていました。そういった「感動の土台」の上で、僕の演奏は響いているのではないか。そのことを自覚し、どんどん規模が大きくなるステージに実力が追いついていないのではという不安を看過できなくなって、このままではだめだと選んだ手段が一年間の渡米。何も語らなくても演奏だけで納得していただけるくらいの奏者でありたい。そして、求められていることだけではなく、障害や福祉に対する新たな価値観や視点を伝えられる存在になりたい。そう思って飛び出したアメリカでは、僕の障害に気づいていても、演奏が一定水準を超えていなければ拍手一つもらえず、「全盲なのにすごいですね」と言葉をかけられることもない。クールな反応を目の当たりにしながら、未熟さを突きつけられる日々でした。けれど、だからこそ、在米中、演奏で手ごたえを感じた瞬間には、聞こえてくる拍手の根拠が、奏でた音によるものだという確信がありました。きっとアメリカには、視覚障害者が演奏をしていても、驚くに値しないだけの意識が出来上がっているのでしょう。「全盲なのに○○ですごい」が成り立つためには、「全盲では○○はできないだろう」という前提が必要です。そういった誤解や思い込み、偏見などを根拠に、「感動ポルノ」は生まれるのだと思います。社会福祉士で視覚障害当事者でもあるアーティストの僕が目指すのは、その偏りを顕在化し、感動の土台を取り払ったフラットな土壌を作ったうえで、音楽と言葉を通して、聞いてくださる方の心に触れることです。そこに辿り着くための大前提として、表現の主軸となる和太鼓の演奏を、根性や体力、奇抜さだけではない、確かな技に裏付けされた作品に昇華させられるほどの妥協しない精進が不可欠です。感動の根拠なんて本来コントロール不可能であることを承知の上で、こういう話題に言及していると、まるで、「裸の王様」が、何も着ていないことを自ら大声で公表しているかのような、妙な気持ちにさいなまれます。けれど僕は、社会やイデオロギーによって着せられる根拠のない幻想に彩られたきらびやかな衣装で舞台を作り上げるくらいなら、たとえその姿が多少地味であろうが、何も身にまとわない素のままの自分で伝えられる思いに全力を注ぎたい。ずっと言葉にしたかったこの気持ち。ようやくここまで言語化できたということは、僕だからこその表現を形にする準備が整ったということなのかもしれません。* ステラ・ヤングさんの講演動画はこちら。https://www.ted.com/talks/stella_young_i_m_not_your_inspiration_thank_you_very_much/transcript?language=ja‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐2. 今月の一枚「私の視線」約10年、演奏の中核に据えて打ち続けている大太鼓。やればやるほど難しさと奥深さに打ちのめされ、同時に面白さのとりこになる。それほどにのめりこめる対象を見つけられたことを幸せに思います。https://www.instagram.com/p/CORb-pCBf_r/?igshid=mm66qie3j618‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐3. 「視覚障害ナビ・ラジオ」亮太が行く!第7弾が放送されました!今回取り上げたのは、東京高専の学生さんたちが開発した、自動点字翻訳システム「てんどっく」。開発チームの中核を担った二人の学生は「てんどっく」をきっかけに起業。システムの独自性を知っていただくとともに、このお二人のまぶしいほどの熱意に触れていただけましたら幸いです。先月放送されたこの番組、下記URLからもご視聴いただけますので、ぜひお聞きください。https://www.nhk.or.jp/heart-net/shikaku/list/detail.html?id=47274#contents4. 音楽のプレゼント!以下で演奏動画を随時アップしています!いずれも登録等必要なくご覧いただけますので、ぜひご視聴ください。間もなく、ふじのくにエールアートプロジェクトの助成を受けて行った2月のコンサートの映像も公開予定です。今回撮影を依頼したV-Maxさんにお力添えいただき、ビジュアルもサウンドも当日の躍動感をギュッと凝縮したものに仕上げていただいています。どうぞご期待ください。片岡亮太Facebookhttp://www.facebook.com/#!/ryota.kataoka.566(演奏動画は投稿の最初に「♪音楽のプレゼント♪」とタイトルを付けています)Ajarriaのyoutubeチャンネルhttps://www.youtube.com/user/Ajarria(Facebookに投稿した全動画をアップしています)山村優子のyoutubeチャンネルhttps://www.youtube.com/user/yukohorn(新たな試みも始めた山村優子のジャズホルンの世界をお楽しみください!)Zoomでの配信番組アーカイブhttps://www.youtube.com/playlist?list=PLEGv1kEnujhBf1yRNXDQUI5y5UPXih988(気楽にトークしながら、ここでしか披露していない即興演奏を中心にゆるゆるとお送りしています。回を追うごとにZoomを使いこなし、音質が向上してきました。)‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐ゴールデンウィークは地元の歩行者天国で久しぶりに演奏できるかも!?と期待していますが、昨今の社会の動きによってはどうなることか…。まだまだ予断を許さぬ状況、皆さんどうかご自愛ください。----------  片岡亮太(和太鼓奏者/パーカッショニスト/社会福祉士) 「人が集い、音が響き、時が輝く」☆演奏、講演、指導(グループでも個人でも可)、執筆等、ご連絡は以下から☆ いつでもお待ちしています。Mail: r_taiko_fukumimi@yahoo.co.jpBlog(Japanese): http://ameblo.jp/funky-ryota-groove/twitter: http://twitter.com/funky_ryotaFacebook: http://www.facebook.com/#!/ryota.kataoka.566youtube channel: https://www.youtube.com/user/Ajarria

片岡亮太ニュースレター~時明かり~第45号

いつもお世話になっている皆様へ下記ニュースレターは、メールでもお送りしています。送信をご希望くださる方はメッセージ等にてご一報ください。また、アドレス変更や、こちらの手違い等の理由で毎月の配信が届かなくなっておられる方なども、ご連絡いただけるとありがたいです。よろしくお願いいたします。片岡亮太‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐0. はじめに日頃より私、片岡亮太への暖かなご支援、ご声援を賜り誠にありがとうございます。各地から桜の便りも届き始め、いよいよ春本番!皆さんいかがお過ごしでしょうか?我が家周辺では、鶯(うぐいす)やイソヒヨドリなどたくさんの鳥たちが、その透き通った声で、耳からも春の訪れを感じさせてくれています。ちょうど一年前、山村優子と共に行う予定であった中米のドミニカ共和国でのツアーが延期になった時、「来年の今頃には海外に行けるようになっていたらいいな」と淡い期待を抱いていましたが、なかなか状況は好転しませんね。間もなく迎える新年度も、我々表現者にとっては厳しい状態が続きそうですが、雲が晴れ、晴天を迎えた時、全力で動ける状況を整えるべく、日々を過ごしています。この一年、新型コロナウイルス感染症の影響で、ご苦労をなさっている方も多いことと思います。最近は、東北地方を中心に比較的大きな地震が続くなど、不安に追い打ちをかけるようなことも多数生じていますので、どうか皆さん心身に負担をかけすぎず、程よく肩の力を抜いてお過ごしください。それでは時明かり第45号をお届けします。‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐1.コラム「私の視点」「頑張ってるの先へ」全盲の演奏家であるが故の宿命化、表現と障害との「距離」についてよく考えます。スティーヴィー・ワンダーやレイ・チャールズ、お正月の風物詩、宮城道雄作曲の「春の海」を聞きながら、「目が見えないのにすごいなあ」と思う人は少ないでしょう。それどころか彼らが全盲であることを知らない人だって一定数いるはず。きっと圧倒的な音楽の前では、それを演じている人の障害の有無なんて関係ない。では僕はどうだろう?今回はそんな僕の葛藤について書かせていただきます。振り返ると、子供のころから、得られた評価と障害との関係について考える癖がありました。中学1年の時、あまりの文章力のなさを心配した国語の先生が、作文の機会を増やさねばと、試しに応募した「私の主張」という弁論大会の地元での大会で優勝した時のこと。内容に自信がなかったうえに、盲学校の生徒としては初出場だったため、珍しさゆえの結果に違いないと思い込んだ僕は学校を通じてその思いを大会本部に伝えました。後日、そのような理由による審査ではないと返答があり、安心したことをよく覚えています。最終的に全国大会まで進むことができたのですが、全く歯が立たず、審査員の先生方から、改善すべき点や推敲の甘さを指摘された時には、敗北感以上に、厳正に評価してもらえていることへの喜びを感じていました。また、盲学校の仲間たちと出演した和太鼓のコンサートで、全団体が修練の成果を披露している場であるにもかかわらず、お客様から届く感想の中に、「盲学校の子供たちが頑張っていてすごい」との言葉が多いと、視覚障害のあるメンバーによる演奏であるという事実のインパクトに音楽の中身が勝てなかったのだと悔しく思っていました。障害という文脈から切り離した平等な視点で他者と比べてもらうことを求めていた気持ち。それは、弱視だったころ、一般の幼稚園や小学校での生活の中で、視力の低さや支援の不足から、周囲と同じようにふるまえず、意図せず目立ってしまったりからかいの対象になった瞬間などに抱いた、もどかしさや心の片隅に植え付けてしまった劣等感、そして後の失明により、自分がマイノリティであることを認めざるを得なかった時の衝撃などの影響から生まれたものなのかもしれません。けれど、卑屈さやコンプレックスにも繋がりえるこの思考こそが、演奏家としての今の僕にとって自分への厳しさの原点でもあります。例えば、多くの和太鼓奏者が取り組む、複数の和太鼓を並べての演奏。今では僕も当たり前にやっていますが、以前は長椅子の両端と真ん中にペットボトルのキャップを張り付け、それらを撥(ばち)で素早く打ち分け、打点を絞るトレーニングをしたり、身体の感覚の探求のために武術の稽古に参加するなど工夫を凝らしました。こういった種々の試行錯誤と、和太鼓奏者としては異例のサングラスをかけたいでたち、太鼓を打ちながら足に巻いた鈴を鳴らし、歌やホーミーなど声を多用した独自性の強いスタイル。それらを通じて、これまでの歩みの中で障害を上回る印象を提示することに、ある程度は成功してきたのではないかという自負があります。ならば、そういった奇抜な個性を排除したうえでなお、音楽から障害の存在を消していくことはできるのか。約10年にわたり着手している大太鼓の独奏を通し、全身の使い方、腕の上げ方、撥の振り方、構え方、動きの止め方など、あえて「見た目」に訴える所作や、「型」の要素が多い奏法に挑戦しているのは、太鼓打ちとしての成長のためであると同時に、そういった自問に答えるためでもあります。決して自らの障害を否定しているわけではありません。僕は社会福祉士として障害のことも語っていきたいので、「片岡亮太は全盲である」という前提でこれからも活動し続けます。そのうえで、障害を忘れてしまうほどのパフォーマンスをするには相当の困難が伴うでしょう。けれど、今までオーディエンスとして何度となく経験してきた、言葉を失うほどの演奏を目の当たりにした瞬間の、その人がどこのだれで、どんな人間であるかなんてどうでもよくなるあの感覚。そこに至れるだけのエネルギーとクオリティを、宿らせることができれば、きっとたどり着ける。今新たな気持ちで「頑張っていてすごい」の先にあるものに手を伸ばします。‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐2. 今月の一枚「私の視線」25年前、当時の先生からもらった最初の撥と、現在愛用している大太鼓用の撥。あの頃の僕が今の僕の演奏を聞いたらどんな風に思うのだろう。https://www.instagram.com/p/CNEJPTSBuMm/?igshid=2uaqdzcpnp69‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐3. 「視覚障害ナビ・ラジオ」亮太が行く!第7弾が放送されました!番組製作のスケジュールの事情で前号では告知ができなかったのですが、久々にNHKラジオ第2「視覚障害ナビ・ラジオ」にてリポートをさせていただいた番組が、今月21日に放送されました(再放送は28日)。今回取り上げたのは、東京高専の学生さんたちが開発した、自動点字翻訳システム「てんどっく」。開発チームの中核を担った二人の学生は「てんどっく」をきっかけに起業。システムの独自性を知っていただくとともに、このお二人のまぶしいほどの熱意に触れていただけましたら幸いです。現在NHKラジオのアプリでの聞き逃し配信や、下記URLからもご視聴いただけますので、ぜひお聞きください。https://www.nhk.or.jp/heart-net/shikaku/list/detail.html?id=47274#contents4. 音楽のプレゼント!以下で演奏動画を随時アップしています!いずれも登録等必要なくご覧いただけますので、ぜひご視聴ください。片岡亮太Facebookhttp://www.facebook.com/#!/ryota.kataoka.566(演奏動画は投稿の最初に「♪音楽のプレゼント♪」とタイトルを付けています)Ajarriaのyoutubeチャンネルhttps://www.youtube.com/user/Ajarria(Facebookに投稿した全動画をアップしています)山村優子のyoutubeチャンネルhttps://www.youtube.com/user/yukohorn(新たな試みも始めた山村優子のジャズホルンの世界をお楽しみください!)Zoomでの配信番組アーカイブhttps://www.youtube.com/playlist?list=PLEGv1kEnujhBf1yRNXDQUI5y5UPXih988(気楽にトークしながら、ここでしか披露していない即興演奏を中心にゆるゆるとお送りしています。回を追うごとにZoomを使いこなし、音質が向上してきました。)‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐家で過ごす時間が多い今、英語やスペイン語など、言語を学ぶ時間を増やしてみようかと最近考えています。おすすめの学習方法がある方、ぜひ教えてください!(*今後このようなメールがご不要の方は、お手数ですがお知らせくださいますようお願いいたします。)----------  片岡亮太(和太鼓奏者/パーカッショニスト/社会福祉士) 「人が集い、音が響き、時が輝く」☆演奏、講演、指導(グループでも個人でも可)、執筆等、ご連絡は以下から☆ いつでもお待ちしています。Mail: r_taiko_fukumimi@yahoo.co.jpBlog(Japanese): http://ameblo.jp/funky-ryota-groove/twitter: http://twitter.com/funky_ryotaFacebook: http://www.facebook.com/#!/ryota.kataoka.566youtube channel: https://www.youtube.com/user/Ajarria

本日ラジオ

本日3月21日、久々のラジオ出演です! 東京高専の学生さんたちが開発した 自動点字翻訳システム「てんどっく」を取材させていただきました。 画期的なシステムの内容はもちろん、 開発で社会貢献をと情熱を燃やす 学生さんたちの思いにもぜひ耳を傾けてください。 各種アプリ等でもお聞きいただけます。 亮太が行く!第7弾 若者発・“目”になる開発 2021年3月21日(日)[ラジオ第2] 午後7時30分?8時00分 (再)2021年3月28日(日)[ラジオ第2] 午前7時30分?8時00分 番組詳細:  https://www.nhk.or.jp/heart-net/shikaku/list/detail.html?id=47274#contents ----------   片岡亮太(和太鼓奏者/パーカッショニスト/社会福祉士)  「人が集い、音が響き、時が輝く」 ☆演奏、講演、指導(グループでも個人でも可)、執筆等、ご連絡は以下から☆  いつでもお待ちしています。 Mail: r_taiko_fukumimi@yahoo.co.jp Blog(Japanese): http://ameblo.jp/funky-ryota-groove/ twitter: http://twitter.com/funky_ryota Facebook: http://www.facebook.com/#!/ryota.kataoka.566 youtube channel: https://www.youtube.com/user/Ajarria

片岡亮太ニュースレター~時明かり~第44号

‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐0. はじめに日頃より私、片岡亮太への暖かなご支援、ご声援を賜り誠にありがとうございます。厳しい寒さもようやく一段落、春めいた日が増えてきましたね。皆様いかがお過ごしでしょうか?昨年末よりこのニュースレター内でもご紹介しておりました、山村優子とのデュオAjarria(アジャーリア)のコンサートが、先日無事終了いたしました。お越しくださった皆様、応援してくださった皆様、そして多方面でお力添えくださった皆様、本当にありがとうございました。現在コンサートの動画配信に向けて準備を続けておりますが、それに先立って、2月1日の公演の様子をダイジェストでご紹介した宣伝動画を公開していますので、ぜひご覧ください。https://youtu.be/S45c4T8LUZo年明け以降はずっとこの演奏の準備を中心に過ごしていたのですが、そんな中、言葉による活動についても嬉しいニュースが舞い込んできました。昨年3月のコラムを再構成して執筆した文章が、「第18回オンキョー世界点字作文コンクール」にて佳作に選ばれました。下記に授賞作品への講評などが掲載されております。よかったらご一読ください。https://onkyo.com/tenjisakubun/毎月皆さんにコラムをお読みいただいていることが、このような結果に繋がったと思っています。これからも書く力を磨き続け、皆さんに思いを届けられるよう精進します。引き続きご愛読いただけると嬉しいです。それでは時明かり第44号をお届けします。‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐1.コラム「私の視点」「まばゆい種火」人前で演奏するという、日常の一場面であったはずのことが、特別な意味を持つようになってから約1年。多くの出演が中止や延期となる中、応援してくださる方々と生(なま)の音楽を共有したくて昨夏より準備を進めてきたAjarria(アジャーリア)のコンサート「寛伽羅麗(かんからり)」が、先日無事2公演共に終了しました。完全燃焼と言えるほどに全力投球できたステージ。今回は未だ興奮冷めやらぬこのコンサートについて書かせていただきます。県内のアーティストを支援するため静岡県文化財団が立ち上げた「ふじのくに#エールアートプロジェクト」からの助成を受け開催した本公演。先の見通しも立たない未曽有の状況下でいかにコンサートを企画するか、悩みだしたらきりがない。可能な限り種々のリスクを回避するために必要なことを何度も2人で話し合い、そして多くの方にお力添えいただきながら計画を進めました。時には不特定多数の方が集まる機会を作ることが後ろめたく感じる瞬間もありました。年が明け、都心を中心に緊急事態宣言が発令されてからは、広報活動をするにも躊躇する気持ちがぬぐえない。不安や迷いを抱えつつ、それでも準備を続けてこられたのは、音楽を届けたいという願いと、我々ミュージシャンだけでなく、聞いてくださる方々もまた、生の舞台を待ち望んでくださっているはずだと信じる思いがあったから。結成以来、各地で踏んできた舞台と、公私共にパートナーとして積み重ねてきた日々を通じて育ててきた音世界を表現するため、新曲を作ったり、レパートリーをアレンジしなおしたり…。そして、ほとんど人前に出られなかった昨年の寂しさや悔しさを包み込み、音楽への情熱を伝えるべく、稽古とリハーサルを重ねて迎えた本番。通常時と比べたらその数は少ないとはいえ、オンラインではない環境で、目の前にお客様がいる。音に、言葉に、拍手が帰ってくる。その愛おしさに目頭が熱くなるとともに、演奏もどんどんヒートアップ。今回僕が意識的に取り組んだ音楽的なアプローチの一つは、即興を極力少なくした太鼓を打つこと。これまでは、その場の雰囲気しだいでどんな方向にもハンドルを切れる、ある種の「遊び」のような余白を残したセッション的な組み立て方をしてきましたが、まさにそういった演奏こそを特異とするジャズプレイヤーの山村優子が最大限自由に演奏できるよう、僕は再現性を優先し、その分、体の動きや細かな音色のコントロールに集中しました。そうしたことで、お互いの個性や楽器の響きが今まで以上に際立ったように感じています。Ajarriaが当初より目指していた風景を結成から10年を経て、明確に描き出すことができた。そんな思いです。新たに加えた演出もありました。それは、グッズを作成し、お客様に配ること。長年演奏や指導で関わらせていただいている地元の福祉施設「高尾園(たかおえん)」の皆さんにご協力いただき、同施設が以前から作成している4cm四方のヒノキの積み木に山村優子デザインの焼印を押してもらい、ウッドブロックのように打ち鳴らす楽器にする。「手のひら楽器アジャリコ」と名付けられたこの新しいアイテムで会場全体で音楽を作ることを、声を使ったコール・アンド・レスポンスができない今だからこその手段として実践したところ、手拍子とは違う、暖かな木の響きが、音楽に華やかな色を添えてくれました。本公演のタイトル「寛伽羅麗(かんからり)」は、山村優子が作詞作曲したオリジナル曲の名前でもあります。「太鼓響かせ歌声編めば泣いて笑って日が昇る」最後の一説のこの歌詞にもある通り、どんな時も、音楽家は音を紡ぎ続ける。けれど、その行為を確かな「活動」足らしめるのは、僕たちの思いを、音楽を、言葉をお客様として、またスタッフとして、受け止めてくださる方たちの存在です。舞台という場を、まぶしい照明を、拍手の音を、完成を、一時的に奪われてしまったからこそ、乾ききっていた喉を潤すように染みわたったライブの快感。それをもっともっと大きな感動と共に味わうためにも、まだしばらくは続くであろうこの状況に耐え、更に熱のこもった全力を表現できるよう、技と心を磨きたい。今、心にあるのはその思いだけ。燃え尽きるほどに熱くなったコンサートは、次の舞台に向かうための、力強くてまぶしい種火となりました。‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐2. 今月の一枚「私の視線」「手のひら楽器アジャリコ」、高尾園(たかおえん)の皆さんに作っていただいたこのニューアイテムが、今回のコンサートをより暖かなものにしてくれました!https://www.instagram.com/p/CLyXu0KB8lu/?igshid=1553k7wtfs7os‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐3. 音楽のプレゼント!以下で演奏動画を随時アップしています!いずれも登録等必要なくご覧いただけますので、ぜひご視聴ください。片岡亮太Facebookhttp://www.facebook.com/#!/ryota.kataoka.566(演奏動画は投稿の最初に「♪音楽のプレゼント♪」とタイトルを付けています)Ajarriaのyoutubeチャンネルhttps://www.youtube.com/user/Ajarria(Facebookに投稿した全動画をアップしています)山村優子のyoutubeチャンネルhttps://www.youtube.com/user/yukohorn(新たな試みも始めた山村優子のジャズホルンの世界をお楽しみください!)Zoomでの配信番組アーカイブhttps://www.youtube.com/playlist?list=PLEGv1kEnujhBf1yRNXDQUI5y5UPXih988(気楽にトークしながら、ここでしか披露していない即興演奏を中心にゆるゆるとお送りしています。回を追うごとにZoomを使いこなし、音質が向上してきました。)‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐来月で東日本大震災から10年。先日はまた大きな余震が東北を中心に発生しましたし、防災の意識、忘れないようにせねばと思っています。季節の変わり目、皆様心身ともにご自愛ください。----------  片岡亮太(和太鼓奏者/パーカッショニスト/社会福祉士) 「人が集い、音が響き、時が輝く」☆演奏、講演、指導(グループでも個人でも可)、執筆等、ご連絡は以下から☆ いつでもお待ちしています。Mail: r_taiko_fukumimi@yahoo.co.jpBlog(Japanese): http://ameblo.jp/funky-ryota-groove/twitter: http://twitter.com/funky_ryotaFacebook: http://www.facebook.com/#!/ryota.kataoka.566youtube channel: https://www.youtube.com/user/Ajarria

片岡亮太ニュースレター~時明かり~第43号


‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐ 0. はじめに 日頃より私、片岡亮太への暖かなご支援、 ご声援を賜り誠にありがとうございます。 厳しい寒さの合間に訪れる春のような温かさと、 風に乗って届く梅や沈丁花などの香りに、 心と体が緩むような気がする最近です。 皆様いかがお過ごしでしょうか? 現在僕は、来月に地元で開催いたします、 デュオユニット「Ajarria(アジャーリア)」のコンサートに向け、 日々稽古を重ねています。 大々的な広報活動がし辛い状況下ではありますが、 僕たちの精一杯の演奏をお届けできればと準備中です。 (コンサートの情報は下記3.をご覧ください) そんな中、去る1月17日、初めての試みである「活動報告会」を、 オンラインにて実施いたしました。 当日ご視聴くださった皆様、本当にありがとうございました。 未だに慣れないオンラインという環境と、理屈っぽい性格が合わさり、 中盤、山村優子が参戦してくれるまでは、 実に淡々と語る時間になってしまいましたが(苦笑)、 近年の活動や、現在、そしてこれからについての思いと考えを、 改めて言葉にできたことで、 「決意表明」の意味も持った活動報告会にすることができました。 以下から当日の映像をご覧いただけますので、 1時間半と少々長いですが、ご視聴いただけると嬉しいです。 普段あまり舞台では喋ることのない、山村優子のこれまでの歩みについても インタビュー形式でいろいろ語ってもらっています。 https://www.youtube.com/watch?v=-KZLVDWwEBg&t=1s 動画の最後にもお話ししている「活動へのご支援のお願」の詳細につきましては こちらを御参照ください。 https://ameblo.jp/funky-ryota-groove/entry-12640960948.html それでは時明かり第43号をお届けします。 ‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐ 1.コラム「私の視点」 「掴んだもの」 10年前の1月、僕は単身ニューヨークへ旅立ちました。 まさにターニングポイントだったあの日々。 今回は、一年のアメリカ滞在が、もたらしたものについて書かせていただきます。 渡米の意思を固めたのは2009年の秋、 在米していた太鼓仲間が企画してくれたアメリカでの演奏ツアーでのことでした。 生まれて初めて海外へ出た僕にとって、 ニューヨーク市の観光と、同州北部の都市での演奏を含んだ 約10日間の旅は、すべてが新鮮で、感動の連続。 当時、演奏や講演を始めてまだ3年と日が浅かったものの、 活動は順調。 けれど、好評の傍ら、演奏に対する厳しい批評が聞こえたり、 思うような結果を出せないこともありました。 さらに、視覚障害のある社会福祉士として、 考えを伝えたいと、この道を選択したはずなのに、 気付けば講演の主軸は、いつでも10歳での失明のことばかり。 視力を失った時の苦悩や葛藤、 そこからプロの和太鼓奏者になるまでのプロセスなど、 話題は全て過去。 それらの中に、社会へのメッセージとして 伝えるに足る内容が含まれてはいるのかもしれないけれど、 10年以上前に偶然生じた失明を 人生のクライマックスのように語っている自分の姿に 違和感を感じました。 「一度冒険のような経験をしたらきっと何かが変わる。」 初めて味わったアメリカの空気は そんな思いを後押ししてくれているようでした。 ツアーから帰ってすぐ、 障害のある若者が海外で研鑽を積むことを支援し続けている、 ダスキン愛の輪基金「障害者リーダー育成海外研修派遣事業」に応募。 第30期研修生に採用され、一年の在米のチャンスを得ました。 ところが、2011年の1月初旬に始まったニューヨークでの生活は、 英語の壁に歯が立たなかったことから始まり、 あらゆることに悪戦苦闘することに。 新たな知識と視点を得たくて、 「障害学」という学問に触れるため講義を受講したコロンビア大学の大学院では、 呼吸を忘れるほど集中しても、議論の主題すらわからない。 音楽なら大丈夫と、、友人を介して出会った、 後のパートナーとなる山村優子に頼んで、 ジャズのセッションに参加すれば、結果は散々。 自分だけ拍手がもらえないレベル。 当初、1年かければ、大学院で様々な本を読みながら、学友と議論し、 学問の傍ら、ジャズも演奏できるようになっている。 そんな華々しい未来を想像していました。 それらがことごとく打ち砕かれ、 抱えきれないほどの挫折感を抱いて帰国し、 その消化に数年の時間を要したことは、 折に触れて書き、語っている通りです。 今でも、時おり苦い思いがこみ上げるし、 失敗と成功の二択で評価するなら、 失敗の方が多い時間だったのかもしれません。 でもあの一年、 キラキラした情熱を持って研究や音楽、アートに打ち込み、 世界中から集まったライバルたちと切磋琢磨している人たちと出会う中、 海外で暮らせば全てが好転すると淡い期待だけを頼りに 日本からやってきた自分の甘さを痛感できたことは、まさに渡米したから感じられ たこと。 また、東日本大震災の発生のショックにより、 一時的にひどい鬱状態になった時、 現実逃避のつもりでひたすら音楽を聞いていたらまた頑張ろうと思えたことや、 何をやってもうまく行かなかった在米中、 和太鼓を打っている時だけは堂々としていられることに気づき、 もっと真剣に演奏と向かい合いたいと思うようになったことが、 帰国後着手した大太鼓の独奏を中心に、 和太鼓奏者としての自分を、1から鍛えなおすきっかけとなりました。 少し照れますが、 あのタイミングで渡米していなければ 山村優子との結婚も、 ましてや、新ユニットAjarria(アジャーリア)の結成もなかったでしょう。 絶望的な無力感や、愕然とした気持ち、 こんなにも未熟だったのかと気づかされたこと、 ネガティブでどろどろとした感情と、 たくさんの情けなかったエピソード。 そこから這い上がるためあがいたこと。 描いていたストーリーとはかけ離れていたけれど、 伝えたいことも一気に増えました。 狭い井戸の中にしかいなかった蛙のような僕が 大会へ飛び出し世界の広さに驚嘆し、 潮流や渦に翻弄されながら見つけたのは、 一見すれば渡米前にやっていることと何も変わらないものたち。 けれどそこには自分で選び、進み、転び、もがいた結果、 確かに掴み取ったという自信と確信があります。 その変化こそが、あの旅立ちを通して得たものだったのかもしれません。 ‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐ 2. 今月の一枚「私の視線」 2011年、いろいろなことがうまく行かなかったアメリカ生活の悔しさや焦り、 「もっと前進したい」という思いを、 このカホンと平胴太鼓はずっと受け止めてくれていました。 https://www.instagram.com/p/CKq4B68hnLc/?igshid=1635dspmn0oma ‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐ 3. Ajarriaコンサート「寛伽羅麗(かんからり)」開催間近! このようなご時世だからこそ、生の音楽で心も体も元気に! そんな思いで準備を進めています。 定員を本来の3分の1から4分の1に減らすなど、 できうる限りの感染対策をして実施いたします。 お近くの方はぜひおいでください。 Ajarriaコンサート「寛伽羅麗(かんからり)」 ジャズホルン奏者/作曲家の山村優子と、 和太鼓奏者/パーカッショニストの片岡亮太が 厳しい修行を経なければ得ることのできない 「阿闍梨(あじゃり)」の名に由来し、 信じる音楽と思いを奏で続けるため命名したデュオユニット 「Ajarria(アジャーリア)」。 2011年にニューヨークで結成して以後、 国内外の様々な舞台を踏んできた二人が、 「今だからこそ」響かせたいメッセージを オリジナル曲のタイトルでもある「寛伽羅麗(かんからり)」に集約し 開催するコンサート。 (後日動画配信も予定しております。 詳しくは下記お問い合わせ先か、メンバーそれぞれのSNSを御参照ください) (公演日程) ■2021年2月1日(月) 会場:みしまプラザホテル「プロヴァンスの9月」 〒411-0855 静岡県三島市本町14-31 18:30開場、19:00開演 定員:50名(完全予約制) * コンサート前にレストランでのディナーをご希望の方は 下記をご参照ください。 ■2021年2月21日(日) 会場:沼津市民文化センター小ホール 〒410-0832 静岡県沼津市御幸町15-1 13:00開場、13:30開演 定員:70名(完全予約制) 入場料:1,000円 (各回ともご入場時に受付にてお支払いください) ご予約・お問い合わせ先: 090-7301-8818(片岡亮太携帯) Ajarria2020@gmail.com * 本公演は公益財団法人静岡県文化財団様の 「ふじのくに#エールアートプロジェクト」の助成を受けて開催します。 (新型コロナウイルス感染予防対策について) 各会場とも、ご入場の際に手指のアルコール消毒や検温、 距離を取っての着席等、感染防止にご協力ください。 また、万が一当日体調のすぐれない方、発熱などの症状のある方は、 大変恐れ入りますが、ご来場をお控えいただき、 次回公演をお待ちいただけましたら幸いです。 皆様に安心してお楽しみいただけますよう、我々も最大限準備いたしますので、 どうかご理解のほど、なにとぞよろしくお願いいたします。 (みしまプラザホテル コンサートディナーのご予約について) ホテル1F『カフェレストランセゾン』お一人様2,640円(税込み) コンサートチケット代は別途となります MENU ・プチオードブル2品・スープ・メイン料理(魚料理or肉料理) ・本日のデザート・コーヒー・ホテルメイドの焼き立てパン ※16:45~17:30までにお入りください。 コンサートディナーご予約 055-976-2303 ※お食事のご予約をいただいたお客様には コンサートの指定席をご用意いたします。 4. 音楽のプレゼント! 以下で演奏動画を随時アップしています! いずれも登録等必要なくご覧いただけますので、ぜひご視聴ください。 片岡亮太Facebook http://www.facebook.com/#!/ryota.kataoka.566 (演奏動画は投稿の最初に「♪音楽のプレゼント♪」とタイトルを付けています) Ajarriaのyoutubeチャンネル https://www.youtube.com/user/Ajarria (Facebookに投稿した全動画をアップしています) 山村優子のyoutubeチャンネル https://www.youtube.com/user/yukohorn (新たな試みも始めた山村優子のジャズホルンの世界をお楽しみください!) Zoomでの配信番組アーカイブ https://www.youtube.com/playlist?list=PLEGv1kEnujhBf1yRNXDQUI5y5UPXih988 (気楽にトークしながら、ここでしか披露していない即興演奏を中心に ゆるゆるとお送りしています。 回を追うごとにZoomを使いこなし、音質が向上してきました。) ‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐ 間もなく立春。 1年以上にわたって種々の不安と戦い続けている我々の心にも、 速く暖かい春が来てほしいものです。 その時、満開の花のような演奏ができるよう、精進せねば! ----------   片岡亮太(和太鼓奏者/パーカッショニスト/社会福祉士)  「人が集い、音が響き、時が輝く」 ☆演奏、講演、指導(グループでも個人でも可)、執筆等、ご連絡は以下から☆  いつでもお待ちしています。 Mail: r_taiko_fukumimi@yahoo.co.jp Blog(Japanese): http://ameblo.jp/funky-ryota-groove/ twitter: http://twitter.com/funky_ryota Facebook: http://www.facebook.com/#!/ryota.kataoka.566 youtube channel: https://www.youtube.com/user/Ajarria