片岡亮太ニュースレター~時明かり~第51号 | 片岡亮太 ̄めざせ!!ファンキー グルーヴ“千里の道も一歩から~♪♪”

片岡亮太ニュースレター~時明かり~第51号

‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐0. はじめに日頃より私、片岡亮太への暖かなご支援、ご声援を賜り誠にありがとうございます。日差しは強いものの、穏やかで美しい秋の陽気が続いているかと思えば、またしても台風の襲来…。大きな災害が生じないことを祈るばかりです。天候だけでなく、気温や気圧の変化も激しい毎日ですが、皆さまお変わりありませんでしょうか?去る9月4日、このニュースレターでもご紹介いたしました山村優子のジャズライブ、無事開催することができました。今回僕は演奏には参加しておりませんが、緊急事態宣言下ゆえに、いろいろと不安を抱えつつも、久しぶりのメインフィールドであるジャズの演奏に向けて準備を進めていた彼女の様子を傍らで見ていたため、多くのお客様と音楽を共有できていたことをとても嬉しく思いました。その翌日には、Ajarriaとして東京都慰霊堂にて演奏。無観客ではありましたが、久しぶりに大きな空間で太鼓やホルン、声を響かせることができ、心が熱くなりました。両日の演奏、Youtubeにて公開しておりますので、ぜひご覧ください。9月4日山村優子ライブ(セカンドセットのみ)https://youtu.be/8z0_TFn34oc9月5日慰霊堂での演奏(片岡亮太大太鼓ソロ)https://youtu.be/wRZDULZMsSM(Ajarria)https://youtu.be/VKxCLnLwmeg次回の舞台、まだ予定は立ちませんが、必ず訪れる「その日」のため、今できること、継続していきます。それでは時明かり第51号をお届けします。‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐1.コラム「私の視点」「壁と風」先日、地元の駅のホームを一人で歩いていたら、急に怖くなり、落ち着かない心持ちになりました。突然のことに戸惑いつつ考えたその理由と、そこから派生した思いについて、今回は書かせていただきます。そこは、何十年も利用しており構造を熟知している駅。もちろん点字ブロックも敷かれています。十分安全なはずなのになぜだろうと思いを巡らせて気づいた原因は、「風」でした。コロナ禍で外出の機会が激減した僕が、現在日常的に一人で歩いているのは授業のために行き来している都心。利用している全ての駅のホームにはホームドアが設置されています。万が一転んでも線路に転落する心配はないし、白杖と手でホームドアを確認しながら歩けば、並んでいる人にぶつかることなく乗車位置に移動することもできるので、過信はしませんが、いつも緊張せずに歩けます。そのようなホームでは、線路側から直接風を受けることはありません。また、ホームドアで電車の音がわずかに遮断されたり、足音が反射することで、線路と自分の間に壁があることも察知できます。ところが、地元の駅には、ホームドアがなく、さらに時間帯の影響もあって人も少なかったため、四方からの風が直接体に届くし、あらゆる音がダイレクトにホームを抜けていく。失明時期や加齢などの影響による個人差はありますが、僕たち視覚障害者は、目を使わなくても、空気の流れや音の響きを通して、自分がいる場所のおよその広さや高さ、近くに壁や柱のような障害物がないかなどをある程度であれば把握することができます。僕が抱いたのは、この「空間認知力」と呼ばれる感覚が線路と僕の間に何の壁もなく、一歩間違えれば落下してしまうことを伝えてきたことで感じた恐怖でした。当たり前に利用していると忘れがちですが、電車が行き来するホームは、死に直結する不慮の事故がいつでも起こり得る空間。にもかかわらず、ほとんどの駅では視覚障害者に対して点字ブロックのわずかな凹凸のみで「それ以上行くと危ない!」と警告している。その手段が十分に安全確保の役割を果たせているとは言えないことを、度々発生する視覚障害者の転落が語っています。危うい場所を歩いていることに改めて気づかされました。風から恐怖を感じたことは他にもあります。それは、2009年に、太鼓仲間との演奏旅行で初めて渡米した際、ニューヨーク同時多発テロの跡地、グラウンド・ゼロを訪れた時、そして、2013年に仙台市内の海岸沿いを歩き、津波による被害を目の当たりにした時です。それまでの僕にとって、9.11も3.11も、ニュース映像の音と様々な言葉を通して得られた「情報の集積」でしかありませんでした。けれど現地に立った時、そこに吹いていた風を通して僕が感じたのは、「あったはずのものが存在しない」という、強烈な違和感。大都会マンハッタンの一角で、さえぎるものなく広範囲からの風を受けることの不自然さと、仙台市の海岸沿いで、日常の営みの気配はせず、ただ工事車両の作業音や鳥の声だけが、風に乗ってどこまでも広がっていったあの空白の印象。それらを通してテロや津波が引き起こしたことの一端を痛感しました。恐ろしさと共に、胸を締め付けられるほどの悲しみを感じたあの経験は今でも忘れられません。マスクやフェイスシールド、アクリル板やインターネットなど、ある種の「隔たり」や「距離」と共に生活することが当たり前になって早一年半。リモートでのミーティングが増え、直接会う人の声はマスク越しにくぐもって聞こえ、街中や買い物に訪れたお店の中のにおいもかすかにしかわからず、何かに触る際も感染予防のために着用したゴム手袋越し…。視覚以外で外界の情報を取得する僕にとってそんな状況はまるで色の消えた世界の中にいるよう。なかなか慣れることはできません。表現者としても同様の気持ちを抱いています。演奏や言葉が発する波動、その場所が持つ空気感のようなものは、撮影や録音、通信技術がどんなに高度化しようとも直接伝えることは不可能です。そして、人の心が動く原因とは、多くの場合そういったものに宿っているように感じます。情熱や思いはきっとそのハードルを越えられると信じ、動画配信に力を注ぐ一方で、何の「壁」もない空間で、そこに巻き起こる「風」を多くの方と共有できる日の再訪を待ち望まずにはいられません。‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐2. 今月の一枚「私の視線」以前から風邪やインフルエンザの予防のために不織布のマスクは多用していましたが、昨年来、運動や外出先の人の量など、場面に合わせて使い分けるための布マスクが増えました。まだしばらくは彼らとの生活が続きそうですね。https://www.instagram.com/p/CUY1fc7BA0i/?utm_medium=copy_link‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐3. 音楽のプレゼント!以下で演奏動画を随時アップしています!いずれも登録等必要なくご覧いただけますので、ぜひご視聴ください。最近Facebook、インスタグラム、Youtubeそれぞれに、稽古中の動画や「亮太の修行」と題した、休憩なしの30分を超える即興演奏の動画も掲載しています。片岡亮太Facebookhttp://www.facebook.com/#!/ryota.kataoka.566(演奏動画は投稿の最初に「♪音楽のプレゼント♪」とタイトルを付けています)Ajarriaのyoutubeチャンネルhttps://www.youtube.com/user/Ajarria(Facebookに投稿した全動画をアップしています)山村優子のyoutubeチャンネルhttps://www.youtube.com/user/yukohorn(山村優子のジャズホルンの世界をお楽しみください!)山村優子のインターネットラジオ!https://radiotalk.jp/program/76192(これまであまり語ることのなかった彼女の様々な思い、良かったらお聞きください。)Zoomでの配信番組アーカイブhttps://www.youtube.com/playlist?list=PLEGv1kEnujhBf1yRNXDQUI5y5UPXih988(最近は、毎月第3日曜日を基本にし、30分を超える即興演奏を披露する場となっています。生配信の日時はSNSで告知しています。)‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐‐‐=‐‐‐‐‐間もなく10月。2021年も後半ですね。コロナ禍に翻弄されていて時間の流れを感じづらくなりがちですが、今年は、ワクチン摂取も完了しているので、リフレッシュを兼ねて秋を感じるために、小旅行でもしてみようかと考えています。----------  片岡亮太(和太鼓奏者/パーカッショニスト/社会福祉士) 「人が集い、音が響き、時が輝く」☆演奏、講演、指導(グループでも個人でも可)、執筆等、ご連絡は以下から☆ いつでもお待ちしています。Mail: r_taiko_fukumimi@yahoo.co.jpBlog(Japanese): http://ameblo.jp/funky-ryota-groove/twitter: http://twitter.com/funky_ryotaFacebook: http://www.facebook.com/#!/ryota.kataoka.566youtube channel: https://www.youtube.com/user/Ajarria