人間と犬は腸の長さや消化時間
などのデータが似てるから
人のデータが使えるんじゃないかと
思っていて人の研究報告などを
参考にしてるんだけど
東京医科大学消化器内視鏡学
分野准教授の永田尚義氏らの
グループが
日本人腸内細菌叢の大規模な
データベースを構築して
薬剤の種類が腸内細菌叢に
与える影響について報告したのさ。
そこでどのような病気の治療薬が
腸内細菌叢に強く影響するか調査してて
消化器疾患薬が最も強く影響して
次いで糖尿病薬、抗菌薬、抗血栓薬
循環器疾患薬、脳神経疾患薬
抗癌薬、筋骨格系疾患薬
泌尿器・生殖器疾患薬
その他（呼吸器系疾患薬や漢方薬）
の順だったんよ。
これにはぼくは驚いた。
抗菌薬が3番目で抗癌剤が7番目
なんて！
抗菌薬が1番で抗癌剤はもっと
上かと思ってたー。
更に消化器疾患薬の中でも
プロトンポンプ阻害薬などの
胃酸分泌抑制薬が最も影響してて
次いで浸透圧性下剤、アミノ酸製剤
胆汁酸促進薬だったのさ。
胃薬が1番腸内細菌に影響を与えるって考えてもなかった！
胃薬の中でもプロトンポンプ阻害薬が
胃酸分泌を抑制して
腸内の病原性細菌が増えて
腸内細菌の多様性が低下して
口腔内の細菌も増えて
短鎖脂肪酸を作る菌が減少
するんだって。
動物では、プロトンポンプ阻害薬は
痛み止めと併用して飲ませることが
多いんだけど
関節炎などで長期に痛み止めを
使う時に一緒に飲ませてると
腸内細菌に影響を与えるから
注意が必要だ。
なんとなく胃薬は、抗生物質や
痛み止めと一緒に飲んで
嘔吐を抑えるからなんとなく
体に優しそうなイメージが
あるけど腸内細菌にとっては
1番影響がある薬だなんて
思いもしなかった。
ぼくは、動物は薬の数が増えると
飲ませるのが大変だから
抗生剤や痛み止めと一緒に
胃薬を出すことは
ほとんどないんだけど
他の動物病院から来た人は
抗生剤や痛み止めと一緒に
胃薬が出てることも多くて
「抗生剤と一緒に胃薬は
もらえないんですか？」って
言われることがよくある。
今までは腸内細菌に影響を
与えるなんて思ってなかったから
言われたら胃薬を一緒に
出していたけど
腸内細菌に与える影響が
強いことを知ったからには
胃薬を出すときは腸内細菌に
影響を与えることを考えて
処方しないといけないなって思った。
人のデータだから動物がホントに
そうかどうかはわからんけどね。笑
今日もありがとう
人間より動物好きの獣医
獣医師シワ男
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