犬で肥満になってる子は
いつもハァハァして
呼吸が荒い子が多いよね。
何もしていないのにハァハァしたり
ちょっとでも動くとハァハァしちゃう。
犬がハァハァするのは普通は
体温調整するためには
ハァハァするから
運動した後とか暑い時だけハァハァするけど
肥満の子は常にハァハァしてる。
それは問題なのさ。
肥満ってそもそもどんな状態かと考えると
脂肪が過剰についてる状態だね。
体に必要以上の脂肪がつくことで
負担がかかってる状態になる
何にもしてなくても
休んでる時でも
寝てる時でも
体に負担がかかってることになる。
特に呼吸と循環に大きな負担が
かかっている。
肥満の子で健康状態であっても
肥満してるだけで
「軽度の呼吸器疾患がある子」
「軽度の心臓疾患を持っている子」
と同じように考えると教わるのさ。
肥満になると胸の周りに厚い脂肪がついて
胸が膨らみにくくなって
胸の弾力性が悪くなって
息を吸ったり吐いたりするのが
うまくできなくなる。
弾力がなくなって胸が膨らまないってことは
大きく息を吸うことができないし
縮まないってことはしっかり息を吐くことも
できなくて
浅い呼吸になっちゃう。
浅い呼吸になるとちゃんと換気ができなくて
苦しくなるから回数を増やして
換気をしようとしてハァハァして
呼吸が荒くなっちゃう。
呼吸が浅くなると酸素を十分に
取り込む前に息を吐いてしまうから
慢性的な酸素不足になっちゃう。
常に酸素が不足するから
更に呼吸回数を増やして酸素を取り込もうと
するから
どんどん呼吸が回数が増えて呼吸が
浅くなて悪循環になる。
だから肥満の子はいつもハァハァしてて
呼吸が荒いのさ。
慢性的な酸素不足で苦しいから
いつもハァハァして
何とか酸素を取り込もうと
呼吸を早くしてるってかわいそうじゃねー。
犬が自分から
「ぼくは食べて肥満になるんだ」
「私は肥満になるんだ」って
肥満になったんだったら
ぼくも何も言わない。
だけど犬は自分で食事量を調整したり
おやつの量を減らしたりすることができない。
全てぼくら飼主がやったこと。
犬が自分で肥満になることはできない。
ぼくら飼主が肥満にさせてる。
犬を肥満にして
犬に酸素が少なくて苦しいよって
思いをさせているのは
全て飼主がしてること。
「欲しがるから」
「我慢させるのはかわいそうだから」
「かわいそうで見てられないから」
と言われることが多いけど
酸素が不足して常に苦しい思いをして
一生懸命呼吸することで
何とか苦しい思いを解消しようとしてる方が
ぼくはよっぽどつらそうだとぼくは思う。
高い山に登山される方はわかると思うけど
空気が薄いってホント苦しい。
頭も痛くなるし、だるくなって体が動かなくなる
肥満の子はそれが日常って。
普通に生きてて酸欠って。
よっぽど欲しがるのを我慢させるより
しんどい。
肥満の子がなんでハァハァして
呼吸が荒くなるのかわかってもらえたら
少しは犬の減量しようと思ってくれるかな。
太ってる方がかわいいって言う人もいるけど
肥満って、ただ脂肪が多くて
太ってるってだけじゃないのさ。
今日もありがとう
人間より動物好き獣医
シワ神シワ男
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