山形新幹線「つばさ」の概要
◆基本情報◆
- 運行区間:東京~山形・新庄
- 所要時間:4時間(東京~新庄)
- 運行本数:16往復
- 使用車両:E8系
- 座席種類:全車指定席(グリーン席有り)
- 車内設備:コンセント有り、Wi-Fi有り
- 車内販売:有り
山形新幹線「つばさ」は東京から山形・新庄を東北新幹線、奥羽本線(山形線)を経由して結ぶ列車です。
「山形新幹線」は奥羽本線の福島から新庄を標準軌に改軌し、新幹線車両を直接在来線に乗り入れさせる「ミニ新幹線」方式で開業しました。
1992年に山形まで開業し、1999年には新庄まで延伸開業しました。
「つばさ」の愛称は東京から山形・秋田を結ぶ特急列車に使用されており、山形県に縁が深い名称であることから新幹線開業後も採用されました。
山形新幹線「つばさ」の停車駅
「つばさ」は東京から福島では基本的に「やまびこ」と併結して走りますが、一部の列車は単独で走ることもあります。
山形までは概ね1時間に1本、新庄までは2時間に1本ほどの間隔で運行されています。
山形県内では停車駅が多く、在来線特急とほとんど変わらないような間隔で停車します。
山形県は同規模の都市が並んでいるため、各都市の需要を満遍なく拾うような運用が行われています。
山形新幹線「つばさ」の使用車両
・E3系1000番台・2000番台(1999年~2025年)
山形新幹線「つばさ」は400系に始まり、2代目の車両としてE3系1000番台、2000番台が使用されていました。
E3系1000番台は山形新幹線の新庄延伸に伴い製造された車両で、最高速度は275km/hです。
E3系2000番台は400系を置き換えるために2007年から導入されました車両で、基本的な性能は1000番台と変わりませんが、ライトが吊り目みたいな形状に変更されました。
1000番台は2024年、2000番台は2025年に運用から撤退し、E3系は完全に引退しましたが、一部の車両は荷物専用新幹線「はこビューン」に改造され当面活躍する予定です。
・E8系(2024年~)
E8系はE5系との併結運転のために最高速度300km/hに対応した車両で、E3系に比べ鼻が長くなっているのが特徴です。
最高速度が300km/hに設定されているのは東北新幹線内で最高速度を出せる区間が短いためで、E5系やE6系に比べると鼻の長さは短くなっている代わりに、座席数が増やされています。
2024年にデビューし、2026年に全列車が当系列に統一されました。
▲E3系2000番台の旧塗装。現在1編成のみリバイバルされています。
山形新幹線「つばさ」の車内とお勧め座席
山形新幹線「つばさ」は全車指定席のため席を予約する必要がありますが、お勧めの座席はAB側です。
板谷峠越えの区間はどちら側の席でも楽しめますが、福島盆地と米沢盆地を見下ろすのであればAB側の方がいいです。
普通車の様子。雰囲気はE5系やE6系に似ており、2010年代以降に製造された車両らしい内装です。
全席にコンセントが設置されているため、長時間の移動も安心です。
最高速度が300km/hに引き上げられたためか、窓はE3系に比べると小さくなった気がします。
山形新幹線「つばさ」の景色と見所紹介(新庄~福島)
・新庄~山形【いくつもの盆地を越えて最上地方の拠点、新庄へ】
新庄を中心とした山形県内陸部の北部は最上地方と呼ばれており、山形新幹線は1994年に山形まで開業した5年後に新庄まで延伸され、最上地方も東京と新幹線で結ばれました。
・山形~米沢【眼下に広がる置賜盆地と白竜湖は必見】
・福島~米沢【生きる鉄道遺産!天下の板谷峠越えを新幹線車両で体験】
米沢は置賜地方の中心都市で、米沢城の城下町として発展しました。
特に財政改革を行い、破綻寸前だった米沢藩の立て直しを行った藩主、上杉鷹山を祀る上杉神社が有名です。
米沢からは山形新幹線の最大の見所である、板谷峠越え区間に差し掛かります。
板谷峠は山形県と福島県にまたがる峠で、山形新幹線が開業する前は4駅連続でスイッチバック駅が連なる区間として、マニアの間では大変よく知られています。
米沢を出発し隣の関根までは住宅が建ち並んでいますが、駅を通過するとパタリと民家等が見えなくなり、何もない秘境の地を突き進んでいきます。
しばらく山の中を突き進むと大沢を通過します。大沢は4駅連続スイッチバック駅の一つで、スノーシェルターの中にホームがあります。スノーシェルターは雪からポイント分岐器を守るために設置されているもので、スイッチバック廃止と共に本線にホームが移設されたため、現在のような形になりました。
現在も本線から外れた所に引き込み線の跡が残っており、車内からも確認することができます。
大沢は2024年から全列車通過扱いとなっており、いずれは廃止される可能性があります。
板谷峠越え区間で最も標高が高い所に、峠駅があります。
峠もまた大沢同様ホームがスノーシェルターに覆われており、スイッチバック駅の痕跡も良く残っています。
駅の近くにある峠の茶屋で売られている峠の力餅が有名で、普通列車が停車する時間には立ち売りが現在も行われています。
峠駅は現在も通年営業しており、普通列車の本数は非常に少ないですが訪問することが可能です。
次の元スイッチバック駅は板谷です。板谷もまたホームがスノーシェルターに覆われており、スイッチバック駅の痕跡が色濃く残っています。
板谷周辺は米沢街道の宿場町だったためか、駅周辺には集落が形成されており、久しぶりに車窓から人の営みを感じることができます。
それでも駅の利用には結びついていないのか、2023年から毎年冬の時期は全列車通過の措置が取られています。
県境を越えて福島県に入ると赤岩を通過します。
赤岩もまた例の如く元スイッチバック駅でしたが、これまでの駅の様にスノーシェルターは設置されていません。
赤岩の旧ホームは上り列車の場合進行方向の左側に見え、その奥には引き込み線用のトンネルも確認できます。
赤岩は4連続スイッチバック駅の中でも屈指の秘境駅として有名でしたが、冬季休業の措置が取られた後通年休業なり、2021年をもって正式に廃止されました。
赤岩を通過すると松川橋梁で松川の深い谷を渡ります。
松川橋梁には赤い橋が架かっているため、山形新幹線の撮影地として有名ですが、こんな山奥には迂闊に立ち入らない方がよさそうです。
現役の橋梁の間には、かつて使われていた橋脚も残っています。板谷峠越え区間が開業したのは1899年と非常に古く、松川橋梁周辺はこれまで3回線路の付け替え工事が行われています。
松川を越えてしばらくするとついに福島盆地が見え、板谷峠越え区間も終わりとなります。
福島市を中心に形成されている福島盆地は、山形同様果物の一大生産地であり特に桃の生産が盛んです。
村山盆地同様、福島盆地の果樹園も花で彩られていました。
福島に近づくにつれ沿線には住宅が多くなり、福島の手前で在来線線路と別れ、アプローチ線を使って東北新幹線に合流します。
山形新幹線のアプローチ線は上下列車で共用しており、長年東北新幹線のダイヤのネックとなっていましたが、2026年度末には上り列車専用のアプローチ線が供用を開始する予定となっているため、上り列車が現在のアプローチ線を使用する光景も間もなく見納めとなりそうです。
福島市街地のビル群を眺めながら、山形新幹線は14番線ホームに停車します。
総評
車窓 :★★★★
スピード感:★★★★
お勧め度 :★★★★★
山形新幹線は全区間を通して景色がよく、乗っていて非常に面白い路線でした。
ミニ新幹線とはいえ峠越え以外の区間ではかなりスピードが速く、特に盆地の中を猛スピードで疾走する光景はとても爽快です。
板谷峠越え区間は120年以上の鉄道の歴史を感じられる「生きる鉄道遺産」とも言える景色を体感でき、厳しい峠に果敢に挑んだ先人たちの努力を感じることができるでしょう。
板谷峠越え区間を長大トンネルでショートカットするという計画もあり、もし実現すれば現在の線路は廃止されると思うので、今のうちの乗っておいた方がいいかもしれません。




















































































































































































































































