中三依塩原温泉口駅

栃木県日光市にある駅です。

開業時の駅名は「下野上三依」でしたが、上三依地区と塩原温泉を結ぶ尾頭トンネルが開通すると塩原温泉へのアクセスが可能となったため、「上三依塩原」に改称されました。

更に塩原温泉へのアクセス駅であること強調するため、現在の駅名に変更されました。

塩原温泉へアクセスする場合新幹線が停まる那須塩原や、宇都宮線の駅である西那須野が一般的で当駅を利用する人はかなり少ないと思われますが、当駅から塩原温泉までバスの運賃はわずか200円なのでかなり安く塩原温泉までアクセスできます。

 

乗り入れ路線

・野岩鉄道会津鬼怒川線

上三依塩原温泉口駅の三角屋根駅舎

駅舎。天窓が設けられた三角屋根が特徴的な駅舎です。

上三依塩原温泉口駅、駅舎と看板、自動販売機

切符売り場と改札口。駅は無人化されています。

中三依塩原温泉口駅の待合室とベンチ

駅舎内。区画された待合室が設置されています。

上三依塩原温泉口駅ホームと三角屋根の駅舎

ホームは1面2線。ホームは築堤上に設けられており、駅舎とホームは地下道で結ばれています。

 

訪問日:2026/03/22

 

 

  西那須野駅

栃木県那須塩原市にある駅です。

1886年に日本鉄道が那須駅として開業したのが始まりで、その後現在の駅名に改称されました。

栃木県を代表する温泉地である塩原温泉への玄関口で、那須御用邸へのアクセス駅でもあったため貴賓室も設置されていました。

1982年に隣の東那須野に新幹線駅が開業し「那須塩原」に改称されると、塩原温泉への玄関口の役割も失われると思われましたが、現在もバスの発着本数は当駅の方が圧倒的に多く、ローカル駅に格下げされた後も一定の存在感を保っています。

 

乗り入れ路線

・東北本線

 

西那須野駅舎とペデストリアンデッキ

西口駅舎。ペデストリアンデッキを併設した橋上駅舎です。

橋上駅舎自体はかなり古く、ペデストリアンデッキは後の時代に増設されたものです。

西那須野駅前、バス停と道路の風景

西口駅前。那須塩原に比べると駅前に市街地が形成されています。

西那須野駅の切符売り場と券売機

切符売り場。みどりの窓口は封鎖されており、指定券券売機が設置されています。

西那須野駅の自動改札機と改札口

改札口。自動改札機が設置されていましたが、つい最近簡易型のICカード用改札機に取り換えられたようです。

西那須野駅ホーム、2人乗客待機中

ホームは2面3線。中線の線路は取り払われているので、実質2面2線です。

 

訪問日:2026/03/21

 

  北仙台駅

宮城県仙台市青葉区にある駅です。

仙台市営地下鉄南北線との乗換駅となっており、中心部へのアクセスも容易です。

開業時の駅周辺には田畑が広がっていたようですが、現在はマンションが建ち並んでおり大都市仙台の華やかな雰囲気が感じられます。

 

乗り入れ路線

・仙山線

・仙台市営地下鉄南北線

 

駅舎。開業時から使用されている木造駅舎です。

レトロ調にリニューアルされており、今後も末永く使用される事でしょう。

切符売り場。カウンター式のみどりの窓口が営業しています。

改札口。自動改札機が設置されています。内装は大きな改造を受けているようです。

ホームは1面2線。ホームと駅舎は地下道で連絡しています。

 

訪問日:2026/02/25

 

 

釧網本線の概要

・基本情報

  • 路線区間:東釧路~網走
  • 営業距離:166.2km
  • 管轄会社:JR北海道

釧網本線は東釧路から標茶、知床斜里を経由して網走を結ぶ路線です。

沿線には釧路湿原や摩周湖や阿寒湖、屈斜路湖、知床など道東を代表する観光地が多く点在し、路線自体も釧路湿原のど真ん中や、オホーツク海に沿って走るなど風光明媚な区間が多く、道内を代表する観光路線としての地位を確立しています。

 

また観光列車の運行も盛んで、夏には「くしろ湿原ノロッコ号」、冬には「SL冬の湿原号」や「流氷物語号」など季節を通して楽しめる路線となっています。

 

一方沿線人口は「本線」を名乗るにしては非常に少なく、定期利用客が少ないため観光客頼みの経営状態と言わざるを得ません。

釧網本線路線図:釧路~網走

 

 

釧網本線の使用車両

釧網本線の普通列車には全てH100形が使用されています。

H100形はJR北海道が2018年から投入を開始した普通列車用車両で、現在では北海道のほぼ全土に進出するほどに勢力を拡大しています。

 

H100形はディーゼルエンジンで発電したモーターを動力として活用する電気式気動車で、「DECMO」という愛称が付けられています。

電車のようなスムーズな走行性能と、メンテナンスコストの削減、燃費向上に貢献しており新たなJR北海道のローカル線区の顔となっています。

釧網本線 H100形 DECMO 車両

 

冬の時期に臨時列車として運行されている「流氷物語号」ではキハ40形2両が使用されています。

流氷物語号 1779号車 雪景色

 

 

乗車レポート(2026/02/12)

この日は釧路から網走まで全区間普通列車で走破しました。

乗車した列車は釧路14:13発、網走17:36着の4730D列車で、使用車両はH100形単行です。

 

H100形はキハ40形やキハ54形などマニアに人気の高い車両を置き換えたうえ、窓や座席が少ないという理由でマニアからはかなり嫌われている印象があります。

確かに窓や座席は少なく、座席もJR東日本車両に使用されている硬いボックスシートが採用されているため、マニアから嫌われている理由はなんとなく分かります。

 

ただシートピッチはキハ40形に比べるとかなり広く、相席を嫌って他人とはボックスシートに座らないというローカル線でよくある現象をある程度防止できそうです。

またトイレも綺麗なので、普段利用している方からすればH100形の方がいいかもしれません。

釧網本線H100形、タンチョウと樹木のデザイン

・釧路~標茶

釧網本線の起点は東釧路ですが、全ての列車は釧路から発着しています。

釧路発着時点では殆どの座席は埋まりましたが、立客で溢れるほどの大混雑ではなく、客層は観光客7割、沿線の利用客3割といった感じでした。

 

釧路を出発した列車は市街地を東に進みます。釧路は遠洋漁業や製紙業など市の経済を支えた産業が衰退傾向にあり、人口も帯広に抜かれるほど衰退してしまいましたが、現在も道東を代表する都市であることには変わりなく、大きなビルがいくつも建ち並んでいます。

釧網本線 H100形 H100形が停車する釧路駅

 

釧路川を渡ると釧路市の市街地を離れ、郊外を進んでいきます。

釧路川は釧路湿原を流れる川であり、釧網本線も東釧路で根室本線から分岐し、この川に沿って北上していきます。

釧路川にかかる赤い橋と街並み

 

遠矢までは釧路市の郊外の雰囲気が漂いますが、遠矢を過ぎると釧路湿原の中を走るようになります。

釧路湿原は日本最大級の湿原であり、多くの湿原が残る根釧台地において圧倒的な規模を誇る湿原です。

しばらく釧網本線は湿原と山の際辺りを走るので、進行方向の右側の方が湿原が広がっていて景色がいいです。

H100形運転席からの釧網本線車窓風景

 

旧岩保木水門を左手に見てしばらくすると、釧路湿原駅に到着します。

ここからは釧路川に沿って走るため、本格的な湿原の景色が堪能できるようになります。

釧路川は日本の河川としては極めて高低差が少なく、治水工事も行われていないため、川が右へ左へ蛇行しまくっているのが特徴的です。

釧網本線、冬の湿原と川の風景

 

湿原の中をしばらく走ると、塘路に到着します。塘路は釧路湿原観光の拠点となる駅で、駅周辺にはちょっとした街が形成されています。

釧網本線 塘路駅 木造駅舎と雪景色

 

塘路周辺には多くの湖が点在していますが、これは海岸線の後退や土砂の堆積によって閉じ込められた海の跡で、海跡湖と呼ばれています。

塘路を出発してしばらくすると、この辺りの海跡湖で最も規模が大きい塘路湖が見えますが、東西に長い湖に対して釧網本線は湖の南北をかすめるため、そこまで大きく見えません。

釧網本線沿線の雪景色と丘陵

 

釧路湿原内には大量のエゾシカが生息しており、釧網本線の沿線にも普通に出没します。

奈良公園や宮島にも負けず劣らずの頻度でシカを見かけるので、釧網本線はエゾシカを警笛で蹴散らしながら進んでいきます。

釧網本線沿線の冬景色とエゾシカ

 

茅沼の手前では湿原の奥に広がるシラルトロ湖を見ることができます。

シラルトロ湖はタンチョウヅルの飛来地として知られており、運が良ければ見ることができます。

雪原と丘陵の冬景色釧網本線 釧路湿原の雪景色

 

シラルトロ湖を過ぎると茅沼に到着します。茅沼は駅員がタンチョウに餌付けをしてから飛来するようになり、「タンチョウが来る駅」として知られています。

この日も数匹のタンチョウを見ることができました。

タンチョウがいる茅沼駅周辺の雪景色

 

湿原の車窓が見られるのも茅沼までで、ここから約14kmもの長い道のりを進むと標茶に到着します。

・標茶~知床斜里

標茶は釧網本線沿線の主要都市であり、駅周辺には多くの民家が建っています。そのこともあってから釧路から乗り込んでいた高校生の大半は当駅で降りていきました。
かつては中標津を経由して、根室標津・厚床までを結んでいた標津線が分岐していましたが、1989年に廃止されました。
現在は分岐路線が1本も無い釧網本線ですが、かつては多くの支線が分岐しており、それが釧網線が本線を名乗る所以かもしれません。
雪景色の町並みと道路
 
標茶から摩周にかけては道東屈指の広大な農牧地となっており、北海道の酪農業を支えています。
摩周から川湯温泉にかけては弟子屈湖と摩周湖という、北海道でも著名な湖の間を縫うように走りますが、残念ながらどちらの湖も車窓から見ることができません。
 
川湯温泉を出発すると釧路国と北見国の境界を成す、野上峠を越えます。
25‰の急こう配が続く釧網本線屈指の難所であり、雪も多い非常に過酷な環境となっています。
線路が完全に埋まるほど雪が積もる中を、釧網本線の普通列車は慎重に進んでいきます。
これだけの雪の中でも割と普通に運行ができるので、鉄道というのは改めて雪に強いことを実感できました
積雪と針葉樹林の風景 H100形ディーゼルカー、雪景色を走行
 
野上峠を越えると、釧網本線はオホーツク総合振興局の領域に入ります。
清里町内を走っているときの景色の見所は、この辺りのシンボル的な山である斜里岳と海別岳でしょう。
雲に隠れて全景を確認することはできませんでしたが、それでも美しい山であることは変わりないでしょう。
釧網本線 沿線 積雪の山々 雪原と遠くの山々、釧網本線

・知床斜里~網走

知床斜里は釧網本線の中間駅では最も主要な駅であり、駅がある斜里町も釧網本線沿線では最大の都市となっています。
知床斜里からもかつては根北線という路線が分岐していましたが、半世紀以上前にすでに廃止されています。
釧網本線沿線の積雪と街並み
 
知床斜里は知床観光の玄関口であるためか、多くの乗客が乗り込み車内は立ち客で埋まるほどの満員状態となりました。
やはり知床斜里が旅客流動の大きな境となっているようです。
 
ここから釧網本線はオホーツク海に沿って網走を結びます。斜里川を渡ってしばらくすると進行方向の左側の車窓からオホーツク海が見えるようになります。
オホーツク海といえば流氷であり、この時期であれば流氷が見れるかと期待しましたが、当日は沿岸部に流氷は流れ着いていませんでした。
とはいえ水平線の奥には流氷らしきものが見えましたし、沖合から岸にかけて凍っているようにも見えたので、オホーツク海らしい光景は見えたと思います。
オホーツク海沿岸の雪景色 冬のオホーツク海と雪景色
 
止別の前後で内陸部に入ったのち、浜小清水から鱒浦にかけてオホーツク海に沿って走りますが、もう暗くなってしまったので車窓の撮影はほとんどできていません。
また日の明るいタイミングでこの区間を乗ってみたいものです。
冬のオホーツク海と雪景色
 
鱒浦を過ぎると沿線には大きな港が見えるようになり、網走の市街地が近づいていることを実感できます。
釧網本線は網走の市街地を西に進むと、終点の網走に到着します。
釧路からずっと走ってきた車両の前面には雪がびっしりと付着しており、冬の北海道の鉄道の醍醐味を感じられました。
雪に覆われたH100形気動車

 

 

快速「エアポート」の概要

・基本情報

  • 運行区間:小樽・札幌~新千歳空港
  • 所要時間:約1時間15分(小樽~新千歳空港)
  • 運行本数:毎時約6本
  • 使用車両:721系、733系
  • 座席種類:自由席、指定席(uシート)
  • 車内設備:コンセント有り(一部車両)、Wi-Fi有り
  • 車内販売:無し
快速「エアポート」は小樽・札幌から函館本線、千歳線を経由して新千歳空港を結ぶ路線です。
1988年に千歳空港へのアクセス列車として運行を開始した「空港ライナー」が前身となっており、新千歳空港が開港し新千歳空港支線が開業した際には、新千歳空港への乗り入れを果たし、列車名も「エアポート」に改められました。
 
その名の通り空港利用者の輸送がメインですが、札幌都市圏として発展著しい千歳線沿線の通勤列車としての側面も有しており、幅広い活躍を見せています。

 

 

 

快速「エアポート」の停車駅

快速エアポート停車駅路線図

快速「エアポート」は現在3種類の種別で運行されています。

 

最も停車駅が少ない特別快速は概ね1時間に1本の間隔で運行されており、南千歳から新札幌までノンストップで走り抜け、札幌から小樽も小駅は通過しています。

まさに空港アクセスに特化した列車であり、新千歳空港から札幌を特急よりも速い最速35分ほどで結んでいます。

 

快速は概ね1時間に3本ほどの間隔で運行されており、千歳線内は主要駅に停車駅を絞っている一方、札幌から先は各駅に停車します。

新千歳空港から札幌の所要時間はおよそ37分ほどで、実は特別快速と所要時間はほとんど変わりません。

 

区間快速は概ね1時間に2本の間隔で運行されており、札幌から小樽では運行されない上、通過駅は白石のみとなっています。

千歳線は日中になると快速「エアポート」しか運行されないため、実質千歳線内の各駅停車という役割を担っています。

 

 

快速「エアポート」の使用車両

快速「エアポート」には721系もしくは、733系が使用されています。

 

721系は発足して間もないJR北海道が札幌都市圏用の普通列車用車両して、1988年から投入した車両です。

通勤時間帯の混雑を考慮し片側3扉となっている一方、凍結対策や断熱効果の向上のため片開のドアが採用されており、この構造は後のJR北海道の普通列車用車両にも全て採用されています。

 

内装は自由席が転換式クロスシート、4号車のuシートはリクライニングシートとなっています。

 

733系は2012年から投入された普通列車用車両で、快速「エアポート」には3000番台と4000番台が使用されています。

現在快速「エアポート」の主力車両として活躍しているのが733系で、内装は札幌都市圏のラッシュを考慮し、自由席はロングシートとなっています。

4号車のuシートはリクライニングシートとなっており、人により好みは分かれますが一般的には733系の方が快適と言われています。

 

4000番台は2024年から投入された最新鋭の車両で、JR北海道初の車内ディスプレイが搭載されました。

またuシートにはコンセントが設置されています。

快速エアポート 733系 新千歳空港行き

 

 

乗車レポート(2026/02/13)

この日は札幌から新千歳空港まで特別快速で移動しました。

・札幌~新札幌

札幌から平和までは函館本線を走りますが、この区間は複々線化されており函館本線系統と千歳線系統で線路が完全に分離されているため、実質千歳線を走っているようなものです。
 
札幌は約200万人の人口を誇る国内有数の大都市でありながら、豪雪地帯の側面も有する世界的にもかなり珍しい都市です。
何十棟もの高層ビルやマンションが雪によって霞む光景は、日本広しと言えども札幌でしか見ることができません。
雪景色の中の建設現場と建物
 
千歳線が分岐する平和の手前からは、札幌貨物ターミナルの敷地が広がります。
札幌はもちろんのこと北海道の物流の拠点であり、貨物取扱量は東京貨物ターミナルに次ぐ国内2位となっています。
札幌貨物ターミナル駅と雪景色 雪景色の中の貨物列車の様子
 
函館本線と分かれてほどなくすると、新札幌に到着します。

・新札幌~新千歳空港

新札幌は札幌の副都心として発展を遂げたエリアで、札幌の中心地や北広島市、江別市と言った札幌近隣の都市へのアクセスを担う交通結節点となっています。
札幌の中心地であるすすきのや大通に行く場合、札幌まで行くよりもここで地下鉄に乗り換えた方が早く着く場合もあります。
駅周辺は大規模な再開発が行われており、非常に華やかな雰囲気です。
雪景色の中、駐車場に停まる車とビル
 
上野幌を通過して札幌市を抜けると、先ほどまでの大都会が嘘のような急に何も無い原野の中を走るようになります。
内地では都市部から郊外、農村部と段階的に周囲の景色が変わりますが、何もない原野を一から切り拓いて都市を作った北海道では、何もない原野から急に街が広がる光景がよく見られます。
札幌も例外ではなく、200万人が住む大都市の中心部から、わずか10数分でこのような大自然の光景を見ることができます。
雪景色の中の雑木林 雪景色の中を走る、快速エアポートの車窓
 
この原野を抜けると再び急に周囲が開け、エスコンフィールドHOKKAIDOが見えてきます。
エスコンフィールドHOKKAIDOはニュウータウンとして開発されたFビレッジの核となる施設で、北海道日本ハムファイターズの本拠地スタジアムとなっています。
 
将来的にはスタジアムに隣接する形で駅が設置されるほか、北海道医療大学のキャンパスも建設される予定となっており、Fビレッジは今後も発展を続けることでしょう。
雪景色の建設現場、背景に建物
 
千歳線はここから北広島市、恵庭市、千歳市といった都市を結びます。
これら3都市は札幌都市圏の都市として近年著しい発展を遂げており、人口が減少傾向にある札幌都市圏において高い人口増加率、低い人口減少率を誇ります。
 
特に千歳市は新千歳空港があることに加え、苫小牧や札幌にも近いという事もあり、10万人に迫る勢いで人口を増やしています。
千歳市の中心駅である千歳周辺は多くのビルが建ち並んでおり、非常に都会的な光景が広がっています。
これだけ大きな駅ですが、特別快速は通過していきます。
雪景色の札幌市街とビル群
 
航空自衛隊の千歳基地の敷地が見えてくると、南千歳に到着します。
南千歳は元々「千歳空港駅」として開業した駅で、千歳基地から旅客機が飛んでいた時代には空港アクセス駅として活躍していました。
道東へ向かう石勝線が南千歳から分岐するようになったもの、空港へのアクセスを考慮したものと思われます。
 
しかし、新千歳空港が開港すると空港支線が新千歳空港の直下まで延伸されたため、空港アクセス駅としての役割は終えました。現在は乗り換えの拠点として活躍しており、道東、道南方面から空港に行く場合はかならず当駅で乗り換える必要があります。
雪景色の中を走る快速エアポート
南千歳を出発すると、列車は地下に潜り新千歳空港に到着します。

 

 

特急「カムイ」・「ライラック」の概要

・基本情報

  • 運行区間:札幌~旭川
  • 所要時間:1時間25分
  • 運行本数:10往復(カムイ)、13往復(ライラック)
  • 使用車両:789系
  • 座席種類:全車指定席(2026年3月ダイヤ改正から)、グリーン車有り(ライラックのみ)
  • 車内設備:コンセント有り(一部座席)、Wi-Fi無し
  • 車内販売:無し

特急「カムイ」・「ライラック」は札幌から函館本線を経由して、旭川を結ぶ列車です。

北海道内の2大都市を結ぶ列車だけあり、北海道の特急列車としては最も高頻度な運行が行われています。

 

「カムイ」・「ライラック」共に走行区間、停車駅は全く同じですが、使用車両によって愛称が分けられており、「カムイ」にはグリーン車が連結されていない789系1000番台、「ライラック」にはグリーン車が連結されている789系0番台が使用されています。

 

「カムイ」の名称はアイヌ民族の信仰において神様的な存在を表す「カムイ」が由来となっており、「ライラック」の名称は札幌市の市木とされているライラックに由来します。

 

 

特急「カムイ」・「ライラック」の停車駅特急カムイ・ライラック停車駅:札幌、岩見沢、美唄、砂川、滝川、深川、旭川

特急「カムイ」・「ライラック」上下列車ともに、停車駅は全て統一されています。
旭川から岩見沢までは普通列車よりも特急列車の方が多いため、市の代表駅クラスの駅には全て停車しています。
 
一方、岩見沢から札幌までは普通列車の本数が多いため、途中駅に一切停まることなく岩見沢と札幌を結んでいます。

特急「カムイ」・「ライラック」の使用車両

特急「カムイ」・「ライラック」には789系0番台・1000番台が使用されています。

 
789系0番台は2002年にデビューした特急型電車で、八戸から青函トンネルを経由して、函館を結んでいた特急「スーパー白鳥」用の車両として投入されました。
高多湿に加え、20kmにわたる急こう配が続く過酷な青函トンネルの環境にも対応できる車両として開発されました。
 
2016年に北海道新幹線が開業すると特急「スーパー白鳥」は廃止されたため、特急「ライラック」に転用されグリーン車付きの6両編成で運行されています。
 
789系1000番台は北海道内の老朽化した特急型電車を置き換えるため、2007年にデビューした車両です。
特急「カムイ」の他、室蘭から札幌を結ぶ特急「すずらん」にも使用されている他、一時期は快速「エアポート」にも使用されていました。
 
5両編成でグリーン車は連結されていませんが、代わりに少し豪華な指定席「uシート」が連結されています。
雪まみれの特急「カムイ」・「ライラック」車両

 

 

特急「カムイ」の車内とお勧め座席

特急「カムイ」のお勧め座席といったら、何と言っても4号車の「uシート」です。

特急カムイ・ライラックのuシート車内特急カムイ・ライラックのuシート座席

特急「カムイ」にはグリーン車が連結されていない代わりに、少し豪華な指定席であるuシートが連結されています。

uシートは普通席に比べ座席幅やシートピッチが広く、テーブルの寸法を拡大してコンセントも設置されているなど、普通席とグリーン席の中間といった立ち位置です。

 

これだけ豪華な設備でありながら、料金は普通の指定席券と全く同じで2026年からは全席指定席となるので、4号車を狙わない理由はありません。

 

特急「カムイ」の景色の見所紹介(旭川~札幌)

・旭川~岩見沢【神居古潭を越えて石狩平野を疾走!】

この日は旭川から札幌まで乗車しました。

旭川を出発した列車からは、しばらく高架上から旭川の街並みを見ることができます。

旭川は日本最北の大都市であり、これだけたくさんのマンションやビルが建ち並んでいる都市は北海道広しと言えど、札幌と旭川くらいでしょう。

積雪の中の旭川市街のビル群

 

旭川の中心地を抜けると、石狩川を渡ります。

特急「カムイ」は札幌の手前辺りまで、ずっと石狩川に沿って走ることになり、石狩川も何回か渡ることになります。

雪景色の橋と川、遠景に建物

 

旭川の市街地の光景が見れるのも隣の近文までです。ここから函館本線は上川盆地と石狩平野の間にある石狩川の渓谷「神居古潭」に沿って走ります。

 

特急「カムイ」の由来にもなっている神居古潭は、アイヌの人々からは魔神がいる場所として恐れられていた歴史があり、実際に昔の函館本線も土砂崩れや落石に見舞われながら神居古潭を越えていましたが、1969年に全長約4.5kmの神居トンネルが開業してからは、安全かつ高速で神居古潭を越えています。

雪景色の中を走る特急「カムイ」の車両積雪の平野に建つ小さな小屋と木々

 

神居古潭を越えて石狩平野に入ると、深川に到着します。

深川からは留萌・増毛へ向かう留萌本線と、幌加内を経由して名寄へ向かう深名線が分岐していましたが、深名線は廃止され、留萌本線も段階的に廃止されていき2026年には全線廃止となる予定です。

深川駅の雪景色とホーム

 

深川から先は道内で最も広く、日本でも2番目の広さを誇る石狩平野に敷かれた真っすぐな線路を、猛スピードで駆け抜けます。

これだけ広い土地では当然ながら農業も盛んで、沿線には巨大な農業倉庫をいくつも見ることができます。

北いぶき農業倉、北いぶき農業倉庫

 

旭川から札幌の区間は線路が真っすぐなのでジョイント音がほとんどなく、わずかな走行音も雪に吸収されるため非常に静かです。

まるで雪の上を滑っているかのようであり、特急列車よりも新幹線に乗っている感覚に近いです。

雪景色の北海道、広がる石狩平野を走る特急列車

 

次の停車駅は滝川です。滝川は帯広・釧路を経由して根室へ向かう根室本線が分岐しています。

根室本線は道東へのアクセスを担う主要路線であり、滝川は道東への玄関口として栄えましたが、1981年に石勝線が開通すると、道東へ向かう殆どの特急列車、貨物列車は千歳線・石勝線を経由するルートに改められたため、根室本線の滝川から新得はローカル線に転落し、滝川の重要度も大きく下がりました。

滝川駅の積雪と特急「カムイ」・「ライラック」

・岩見沢~札幌【原生林を越えると広がる北の大都会】

岩見沢は旭川から札幌の間の駅では最も主要な駅と言えます。かつての岩見沢は空知地方で採れた石炭が全て集まる石炭輸送の一大拠点として栄え、函館本線を使って小樽へ向かう列車、室蘭本線を使って室蘭へ向かう列車に貨車を振り分ける超巨大な操車場がありました。

国鉄が公認した12の鉄道の街の一つにも選定され、北海道のみならず日本の経済を支える街として活躍してきました。

しかし、石炭産業の衰退とともに岩見沢も石炭輸送の拠点という役割を失い、室蘭本線も普通列車しから走らないローカル線に落ちぶれてしまいました。

 

岩見沢は札幌都市圏の最西端にある駅であるため、多くの折り返し列車が設定されています。また、現在もレールの製造を行う工場も併設されており、鉄道の街としての威厳を現在も保っています。

 

 

雪原の駅と線路、黄色い重機

 

岩見沢から幌向にかけて進行方向の右側に、木が線路沿いにずらっと植えてある光景が見えます。

これは鉄道防雪林と呼ばれるもので、吹雪から運転士の視界を守るために植えらているものです。

吹雪から列車を木で守るというアイデアは、岩見沢の鉄道防雪林は世界で初めて実証され、現在は国内のみならず世界的に普及しています。

雪景色と林

 

江別市に入ると周辺にも住宅が多く見えるようになり、札幌都市圏の雰囲気がより強くなります。

江別市と札幌市の市境にも沿線に木が植わっていますが、これらの木は原野や森林を住宅地に開発する際に、線路と住宅地の緩衝地帯として意図的に残したものです。

 

この森を抜けると、すぐに高層マンションが何棟も建つ都会的な光景が目に入ります。

わずか百数十年前に原野を一から開拓して、巨大な街が開かれた札幌でしか見れない景色の移り変わりでしょう。

雪原に生える木々(カムイ・ライラック)新緑公園駅と高層マンション、雪景色

 

厚別川を渡ると千歳線の高架線と合流し、札幌まで日本最北の複々線区間が続きます。

次第に沿線には高層マンションや多くの住宅が建ち並ぶようになり、大都市札幌に近づいている実感が湧きます。

特急カムイ・ライラック、雪景色を走る789系電車

 

札幌市の巨大な平野を作り、開拓に大きく貢献した豊平川を渡ると苗穂を通過します。

苗穂はJR北海道の工場やJR北海道、JR貨物の車両基地が置かれている、北海道の鉄道の最重要拠点として古くから栄えていました。

昔はかなりボロイ駅舎が建っていましたが、最近駅舎は綺麗な橋上駅舎に建て替えられ、駅周辺は高層マンションや商業施設が建てられるなど、札幌の副都心として再開発が進んでいます。

特急カムイ・ライラック、積雪の風景積雪地帯の鉄道車両と高架線

 

超高層ビルが隙間なく建つ光景が見えると、終点札幌に到着します。

雪景色の札幌市街にそびえる高層ビル群雪景色の札幌駅周辺のビル群と線路

 

 

 

 

総評

  • 車窓:   ★★★
  • スピード感:★★★★★
  • お勧め度: ★★★★

北海道では最速、国内でも3番目に速い特急列車だけあり、常に猛スピードで走っている印象を受けました。

景色の方はだだっ広い石狩平野をひたすら走るため、割と単調ではありますがスピードが速すぎるで全く気になりません。

 

現在旭川から札幌は最高速度120km/h、所要時間は1時間25分ですが、北海道新幹線が札幌まで延伸されたあかつきには最高速度を160km/hまで引き上げ、最速1時間以内で結ぶ計画があります。

実現には高いハードルがありますが、石狩平野を最高速度160km/hで爆走する特急列車を見てみたいものです。

 

 

 

特急「オホーツク」の概要

・基本情報

  • 運行区間:札幌~網走
  • 所要時間:5時間20分
  • 運行本数:2往復
  • 使用車両:キハ283系
  • 座席種類:全車指定席(2026年3月ダイヤ改正から)
  • 車内設備:コンセント無し、Wi-Fi無し
  • 車内販売:無し
特急「オホーツク」は札幌から函館本線、宗谷本線、石北本線を経由して網走を結ぶ列車です。
 
全区間の走行距離は374km、所要時間は約5時間20分という北海道有数の長距離列車でありながら、車窓から一切海が見えない山岳特急列車となっています。
 
北見峠や常紋峠など厳しい峠越えを繰り返す石北本線を走行する唯一の特急列車であり、だだっ広い平野が広がる北海道のイメージを覆すような過酷な山越えを体験できます。

 

列車名は北海道に面する「オホーツク海」に由来しており、列車愛称としてはロシア語を由来としている唯一の物となっています。

 

 

特急「オホーツク」の停車駅

特急オホーツク停車駅路線図
特急「オホーツク」は現在1日2往復運行されており、停車パターンは基本統一されていますが、2号のみ美唄と砂川を通過します。
石北本線内の停車駅は沿線の主要駅をほぼほぼ網羅しており、短距離の利用客も多そうです。
かつてはは旭川止まりの特急「大雪」が運行されていましたが、2025年3月のダイヤ改正で特別快速に格下げされました。

 

 

特急「オホーツク」の使用車両

特急オホーツク キハ283系 雪景色

特急「オホーツク」にはキハ283系が使用されています。

 

キハ283系は札幌から釧路を結ぶ特急「おおぞら」用の車両として、1997年にデビューしました。

特急「北斗」に投入されたキハ281系のスペックを大幅にアップデートした車両で、最新鋭の振り子式制御機構と強力なエンジンを搭載し、道東の地を爆走していました。

 

しかしそのハイスペックさが北海道の過酷な環境では仇となり、過度な負担が車体にのしかかった結果、2011年に石勝線脱線火災事故を引き起こしてしまい、最高速度の引き下げと振り子式傾斜装置の使用停止が行われました。

 

2022年に特急「おおぞら」の運用から全車が撤退し、このまま引退するかと思われましたが、2023年からキハ183系を置き換える形で石北本線系統の特急列車に使用されるようになりました。

 

キハ183系時代は4両編成かつ1両はハイデッカーグリーン車を連結していましたが、キハ283系は3両編成かつグリーン車は連結されていません。

 

 

特急「オホーツク」の車内とお勧め座席

特急「オホーツク」はグリーン車を連結していないモノクロス編成となっており、2026年の3月から全席指定席となります。

左右どちらも景色がいいのでこれと言ってお勧めの座席はありませんが、しいて言うなら車両の真ん中あたりの席がエンジンの直上になるので、よりエンジンの音と鼓動を味わえるでしょう。

特急オホーツク キハ283系車内特急オホーツク キハ283系 車内座席

普通車の様子。1997年にデビューした車両という事もあり、一世代前の特急車両の内装という印象です。

キハ261系に比べて窓が広いという印象があるので、個人的には結構好きです。

 

特急「オホーツク」の景色の見所紹介(網走~旭川)

・網走~北見【港町網走からオホーツクの大都会北見へ】

網走を出た列車は市街地を西に進み、網走川に沿って進んでしばらくすると網走湖が見えます。

網走湖はワカサギ釣りの名所として知らており、当日も巨大な湖が全面凍結していました。

積雪の河畔と雪景色、特急オホーツク網走湖畔、冬の霧と雪景色

しばらく網走湖の湖畔を進むと最初の駅である女満別に到着します。

「女満別」と言えば空港を思い浮かべる方も多いかともいますが、実際には隣の西女満別の方が空港に近いです。

しかし西女満別は本数が極めて少ない普通列車しか停車しない上、アクセス駅としては機能していないため、網走や北見からバスでアクセスした方が賢明です。

 

女満別を出発して少し広い盆地に出ると、美幌に到着します。

美幌は屈斜路湖や阿寒湖などの観光地へのアクセスが良い所で、かつては北見相生までを結んでいた相生線が分岐していました。

広大な雪原に建つ家並みと青空

 

網走川を越えると石北本線は北見へ向けてちょっとした峠を越えます。これから石北本線は幾つもの険しい峠を越えていくことになりますが、美幌と緋牛内の間にある峠は比較的緩く、まだ序の口といったところです。

 

峠を越えて端野を通過したあたりから、オホーツク地方最大の都市である北見市街地の中を走ります。

約11万人弱の人口を抱える北見市はオホーツク地方の行政、経済、教育の拠点となる都市で、網走では見られなかった全国チェーンのローサイド店舗がいくつも見られます。

 

特に柏陽の前後は高架化されており、活気ある北見市郊外の様子がよく見えます。

ちなみに柏陽は駅の近くにある柏陽高校から名前が採られており、日本最東端の高架駅となっています。

雪景色の中の北見市街、DAISOと建物

 

高架線を降りて高いビルが密集するようになると、北見に到着します。

駅構内には大量のコンテナが積まれていますが、中身のほとんどは北見周辺で採れたたまねぎでしょう。

北見駅構内のコンテナとビル群

 

 

・北見~遠軽【北海道の負の歴史を今に伝える常紋峠越え】

北見は石北本線の中間駅では最も主要かつ、利用客が多い駅で、当日も北見から多くの乗客が乗り込んできました。

現在ではわずか1日2往復までに減便されてしまった「オホーツク」ですが、指定席はほぼ満席となっており、自由席も7,8割は埋まっていたので、まだそれなりの需要があることが感じられました。

 

北見を出発すると石北本線は日本最北の地下区間を走ります。北見トンネルと呼ばれるこの地下トンネルは市街地の分断を解消するために建設されたもので、非電化路線の地下トンネルであるため強力な換気設備を有しています。

 

昨今の都市部では市街地分断を解消するため、線路の地下化や高架化を実施する例は少なくありませんが、北見市は50年以上前の時点で既に線路を地下に埋めて、立体交差事業を成し遂げたのでかなり先進的な都市だと思います。

 

相内地区に入ると一面のたまねぎ畑が広がり、巨大なたまねぎ出荷施設が車窓から見えます。

北見地方の経済を支えているのがたまねぎであり、国内シェア40%を誇る一大産業となっています。

JAきたみらい小麦乾燥調製貯蔵施設

↑グーグルマップから拝借

 

北見盆地の西端にある留辺蘂では貨物列車とすれ違いました。

石北本線で運行されている貨物列車は、主に北見周辺で採れたたまねぎを輸送しているため「玉ねぎ列車」と呼ばれています。

 

玉ねぎ列車は石北本線はいくつもの過酷な山越えを行うため、貨車の前後に機関車を連結するプッシュプル方式で運行されています。

 

石北本線は収支が厳しい路線ではありますが、特急列車や貨物列車がまだ走っているという事を考えれば、オホーツク地方の経済を支える重要な交通機関として今も機能していると感じました。

留辺蘂駅に停車中の特急オホーツクとJR貨物コンテナ

 

留辺蘂を出発すると、いよいよ石北本線の難所の一つである常紋峠に挑みます。

常紋峠は留辺蘂と生田原の間に跨る峠で、特急「オホーツク」は常にエンジンを唸らせながらこの峠を登っていきます。

 

かつては駅だった金華信号所を過ぎてしばらくすると、常紋トンネルに入ります。

全長507mと現代の感覚からするとそこまで長いトンネルではありませんが、北海道の負の歴史であるタコ部屋労働を象徴する建造物として広く知られています。

 

当時の北海道では内地の求職者を騙して、過酷な労働を強いらせるタコ部屋労働が横行していました。

タコ部屋労働では労働者が労働中に亡くなったり、逃走を試みるも確保され見せしめのために殺害されるなどといった非人道的行為が当たり前のように行われており、遺体がトンネルの壁や、線路の近くに半ば遺棄される形で埋められいました。

 

そんな中、地元では見せしめのために殺害された労働者が、トンネルに人柱として捧げられたという怪談話が囁かれており、トンネル内でも怪奇現象が起きていたことから心霊スポットとして一躍有名になりました。

 

その後1968年にトンネルの改修工事を行った際、損傷した人骨が出土したことから人柱伝説が事実であることが証明され、常紋トンネルの名は更に広がるようになりました。

 

今では当たり前のように生活できるようになった北海道ですが、その裏では悲劇的な歴史が繰り返されていたことは認知しておく必要があるでしょう。

雪景色の中の木々

 

常紋トンネルを抜けて峠越えが終わると、生田原に到着します。

生田原は駅舎に図書館が併設されており、常紋トンネルのタコ部屋労働に関する資料も所蔵されているようです。

 

湧別川を越えると、石北本線第2の拠点駅である遠軽に到着します。

積雪の街並みと道路標識

・遠軽~上川【石北本線屈指の難所、北見峠に挑む】

遠軽では線形上進行方向を変える必要があるため、数分間の停車が発生します。

駅のホームにはジュースやお菓子の自動販売機が設置されているため、長旅の飲食物の補充を行うことが可能ですが、3,4分ほどしか停車しないので乗り遅れには注意しましょう。

特急オホーツク キハ283系 札幌網走間

 

石北本線が遠軽で進行方向の転換を余儀なくされているのは、この地域の鉄道の歴史が関係しています。

北海道の鉄道網地図:石北本線・宗谷本線など

当初北見・網走から札幌・旭川へ至るルートは、北見から池北線で池田・帯広・富良野・滝川を経由するルートしかありませんでした。

 

1916年に北見から遠軽の間に鉄道が開業し、さらに遠軽から湧別・紋別・興部を経由して名寄を結ぶ名寄本線が開業すると、北見~遠軽~名寄本線~宗谷本線のルートがオホーツク地方と札幌・旭川を結ぶルートとして整備されました。

 

その後1932年に石北本線の北見峠越え区間が開通し、石北本線が全線開通を果たすと現在のルートが完成し、主要幹線のルートから外れた名寄本線はローカル線に転落したのち廃止されました。

 

遠軽から旭川までの区間は周辺の路線に比べ最も開業が遅いため、同じ石北線内でも遠軽でスイッチバックする形になりました。

 

遠軽を出発すると、住宅街を抜け湧別川に沿って進むと丸瀬布に到着します。

丸瀬布はかつて北海道中で走っていた森林鉄道の動態保存を行っていることで知られています。

 

丸瀬布を出発して程なくすると、鹿の群れに遭遇し列車が緊急停車するハプニングが発生しました。

北海道内の特に道北と道東には大量のエゾシカが生息しており、シカが線路沿いに出没することは日常茶飯事となっています。

北海道の鉄道はシカによって列車が遅れるのが当たり前であるため、タイトな乗り継ぎを必要とするスケジュールは組まない方が良いでしょう。

雪景色の中、鹿が雪原を歩く北海道の山並み

 

石北本線は湧別川の渓谷に沿って進み白滝地区に入ります。特に渓谷が狭くなる箇所は「白滝発祥の地」と呼ばれており、開拓前の調査を行っていた際に白く美しい滝を見つけたことから、「白滝」と名づけられました。

 

また湧別川と石北本線に並走している国道333号線は、明治時代に建設された北見道路が原型となっています。

北見道路はロシア帝国の南下政策に対抗するため、釧路や網走に収監されていた囚人たちを動員して急ピッチで建設されました。

 

道路建設にあたっては過酷な環境に加え、囚人たちは非人道的な強制労働を強いられていたため、多くの犠牲者が発生しましたが、当時は「囚人が死ねば監獄費用が安くなる」という考えがまかり通っており、政府もこの事態を黙認していました。

 

その後国会で問題提起がされ、囚人を使った北海道のインフラ整備は廃止されましたが、強制労働の風習は是正されることは無く、それが先述した常紋トンネル建設などのタコ部屋労働に繋がっていきます。

雪景色の中の凍った川と木々

 

白滝地区にはかつて下白滝、旧白滝、白滝、上白滝、奥白滝と「白滝」を名乗る駅が5つありましたが、現在駅として存続しているのは白滝のみとなりました。

そして白滝から先は1932年まで、鉄道の建設を阻み続けた石北本線最大の難所「北見峠」越え区間へと差し掛かります。

特急オホーツク、雪景色の車窓

 

特急「オホーツク」はひたすらエンジンを唸らせ続けながら、急こう配を登っていきます。

白滝から隣駅の上川までは37kmも離れており、これは日本の在来線としては最も距離が離れている駅間となっています。

37.3kmという距離は東京から立川に相当する距離で、ここまで駅間距離が長くなったのは間にあった奥白滝、中越、上越、天幕駅が全て廃止されたからです。

雪に埋もれた建物と標識

↑旧奥白滝駅こと奥白滝信号所

雪景色の渓谷と橋

↑石北峠手前から見た旭川紋別自動車道

 

全長約4kmの長大トンネルである石北トンネルを抜けると、石狩国に入り留辺志部川の渓谷に沿って進みます。

雪景色の中を流れる川と木々雪景色の小川と木々

 

白滝を出発して約40分経つとようやく街が見え、上川に到着します。

上川駅、積雪のホームと木々

・上川~旭川【幾多の山を越えて道北の大都市旭川へ】

上川は大雪山の玄関口であり、道内有数の景勝地・温泉地でである層雲峡温泉で知られています。

 

上川を出ると北海道一の大河である、石狩川が作った谷に沿って進みます。

ここから特急「オホーツク」は終点の札幌まで、石狩川に沿いながら進むことになります。

雪景色の中を流れる川と橋

 

ここまで幾度となく険しい山を越えてきた石北本線ですが、上川から先は上川盆地と呼ばれる平坦な土地を走るため、特急「オホーツク」も久しぶりに特急らしい走り方をしてくれます。

北海道特有のパウダースノーを巻き上げながら爆走する光景は、冬の北海道の鉄道の醍醐味でしょう。

雪景色に佇む農場と木々雪景色に埋もれる家々

 

終点の旭川に近づくにつれ郊外型の店舗が多くなり、新旭川を通過すると宗谷本線に乗り入れます。

石北本線の列車は全て旭川まで乗り入れていますが、戸籍上の石北本線の区間は新旭川~網走となっています。

 

新旭川は旭川市の物流・工業の拠点となっており、周辺には多くの倉庫や工場があります。

特に目を引くのが日本製紙の旭川工場で、新旭川の東側はパルプ町と呼ばれるほど製紙業が盛んなようです。

吹雪の中の駐車場と建物雪景色の中、チェーン店と車列

 

新旭川を通過すると、牛朱別川を渡ります。

上川盆地の中心都市である旭川は、石狩川を始め牛朱別川、忠別川、美瑛川といった川が集まっており、複数の川が集まる交通の要衝であることから街が発展しました。

積雪の中を流れる川と橋

 

川を渡ると高架線を登り、少し高い所から旭川の市街地を見渡せます。

旭川は非常に寒く、雪が多い所にも関わらず、これまで見てきた都市とは比べ物にならないほどの大都会が形成されています。

南側から富良野線の高架線が合流すると旭川に到着します。

雪景色の高層ビル群

 

 

総評

  • 車窓   :★★★★
  • スピード感:★★★
  • お勧め度 :★★★★
北海道一の山岳路線である石北本線の魅力を体感するには、これ以上ない列車だと思います。
特にキハ283系の強力なエンジンを唸らせ続けながら、厳しい勾配を登る点がこの列車の一番の魅力だと思います。
ほとんどの区間が山道であり、石北本線の最高速度も高くないのでそこまで速い列車ではありませんが、「オホーツク」にはスピードではない別の魅力があると感じました。
 
石北本線の特急列車は縮小傾向にあり、キハ283系も元々引退する予定だった車両を騙し騙し使っているような状態なので、いつまで使用されるか分かりません。
沿線では自動車道路の建設も進んでおり、特急「オホーツク」の将来は決して明るくないので乗れるうちに乗ることをお勧めします。
 

 

 

特急「とかち」・「おおぞら」の概要

・基本情報

  • 運行区間:札幌~帯広・釧路
  • 所要時間:4時間(札幌~釧路)
  • 運行本数:5往復(とかち)・下り5本、上り6本(おおぞら)
  • 使用車両:キハ261系
  • 座席種類:全車指定席(グリーン車有り)
  • 車内設備:コンセント有り(グリーン車のみ)、Wi-Fi無し
  • 車内販売:無し
特急「とかち」・「おおぞら」は札幌から函館本線、千歳線、石勝線、根室本線を経由して帯広・釧路を結ぶ特急列車です。
「とかち」は帯広を終点とし、「おおぞら」は釧路まで運行されます。
 
道央と道東を結ぶ特急列車として長らく活躍しており、かつては滝川から根室本線経由で道東へ向かっていましたが、石勝線開業後は千歳線、石勝線を経由するルートに改められました。
 
「とかち」の名前はは帯広などがある十勝国が由来となっています。
 
「おおぞら」は北海道初の特急列車に採用された由緒ある名称で、かつては函館~札幌~旭川を結ぶ特急列車に使用されていました。
「おおぞら」の名前は北海道の大地の上に広がる大きな空をイメージして名づけられました。

 

 

特急「とかち」・「おおぞら」の停車駅

特急「おおぞら」「とかち」下り停車駅路線図特急「とかち」「おおぞら」上り停車駅路線図

特急「とかち」の停車パターンはほぼ統一されているのに対し、特急「おおぞら」の停車パターンは列車によってばらつきがあります。

 

 

基本的に走行距離が短い「とかち」の方が停車駅が多く、「おおぞら」の方は停車駅を絞っています。

特急「とかち」・「おおぞら」の使用車両

キハ261系「とかち」「おおぞら」:札幌~帯広・釧路

特急「とかち」・「おおぞら」にはキハ261系1000番台が使用されています。

 

キハ261系1000番台はJR北海道の汎用特急型気動車として、2007年から2022年まで製造されました。

 

先代のキハ281系とキハ283系には振り子式車体傾斜装置が搭載されましたが、キハ261系には空気ばね式車体傾斜装置が搭載されています。

 

構造がシンプルでメンテナンスコストが安いことから空気ばね式が採用されましたが、負担軽減や安全性向上のため現在は使用されていません。スペックよりも安定性を重視した運用が行われています。

 

一方で驚異的な加速力を有しており、振り子式を搭載しなくても先代の車両たちと遜色のない所要時間を実現しています。

2007年に「とかち」で運用を開始したのち、2020年からは「おおぞら」にも投入され、現在は全ての列車がキハ261系に統一されています。

 

基本的には4両編成での運行が行われていますが、旅客需要に応じて両数の調整が行われています。

 

 

特急「とかち」・「おおぞら」の車内とお勧め座席

特急「とかち」・「おおぞら」のお勧め座席は札幌から帯広までならCD席、帯広から釧路までならAB席です。

CD席は逆光にならない上、北海道の広大な平野や山を見ることができるので、内陸部を走る区間はCD席を確保するべきです。

 

池田を浦幌を過ぎた辺りから太平洋に沿って走るため、海岸沿いを走る区間であればAB席を確保するべきです。

太平洋側なので若干逆光気味にはなりますが、逆光を差し置いても素晴らしい景色を堪能することができます。

特急「とかち」「おおぞら」の車内、普通車座席特急「とかち」「おおぞら」の普通座席

こちらは普通車の様子。JR北海道標準の普通座席となっています。

JR北海道の特急列車は基本的に長時間乗ることになるので、普通座席ながら居住性は高いと思います。

 

JR北海道ではお馴染みのチケットホルダーも設置されていますが、コンセントは設置されていないのでスマートフォンのバッテリー残量には注意が必要です。

キハ261系特急「とかち」・「おおぞら」の普通車内特急「とかち」・「おおぞら」の普通座席

こちらはグリーン車の様子。2+1列の広々とした座席が設置されています。

グリーン車には全席コンセントが設置されているため、長時間の移動でも充電の心配をする必要はありません。

 

特急「おおぞら」・「とかち」の充電スペース

一部の車両にはデッキに充電スぺースが設けられており、ここで充電することが可能です。

スマホをここに置きっぱなしにするのは防犯上問題がありますし、長時間占有するのもモラル的に問題があるので短時間の利用に留めた方が良いでしょう。

 

特急「とかち」・「おおぞら」の景色の見所紹介(追分~釧路)

・追分~新得【道内一の高規格路線「石勝線」を爆走】

追分から新得までは石勝線を走ります。石勝線は追分から夕張を結んでいた夕張線の一部区間を改良したうえ、南千歳から追分、新夕張から新得の手前にある上落合信号所まで新線を建設し開業した路線で、道央と道東を短絡するルートとして建設されました。
石勝線鉄道網図:南千歳、追分、新得
今回乗車した追分は、その名の通り鉄道路線の分岐点として発展しました。石勝線が開業する前追分は室蘭本線沿線の空知炭山や、夕張で採掘された石炭などの鉱物が集積する物流の拠点として栄華を極めました。
 
国鉄が認定する12の鉄道の街に道内では岩見沢と共に選ばれ、道内有数の巨大な機関区を併設していました。
しかし石炭産業の衰退とともに追分はその役割を失い、現在は石勝線の新線区間と旧来からの区間が合流する駅となってい
ます。
 
現在も広大な鉄道用地の跡が残っており、北海道の鉄道の栄枯盛衰を偲ばせる光景を見ることができます。
雪景色の中の駅舎と線路
川端を過ぎると列車は夕張川の渓谷に沿って走ります。100年以上前に建設された線路を特急列車が高速で走れるよう改良されていますが、基本的な線形は変わらないのであまり速く走ることはできません。
冬の石勝線、橋と川の景色 雪景色の橋と雪に覆われた山々
山間部を抜けて盆地に入ると新夕張に到着します。新夕張からはかつて夕張市の中心地へ線路が延びており、当初は夕張線として石炭輸送をメインに活躍していましたが、夕張線が石勝線に編入されると「夕張支線」としてしばらく活躍を続ていました。
しかし、夕張市の人口減少に伴い夕張支線の利用客も激減し、自治体の方から廃止を提案する形で2019年に廃止されました。
廃止からまだ数年しか経っていないことから、現在も夕張川を渡る橋梁の跡がほぼそのままの形で残っています。
雪景色の橋と山並み
新夕張から新得の手前にある上落合信号所までは石勝線として、1981年に開業した新しい路線です。
北海道の背骨とも呼ばれる日高山脈を石勝線はいくつもの長大トンネルで貫いており、特急列車もほぼトップスピードで走ります。
 
新夕張から新得までは約90km離れていますが、その間に駅は僅か2つしかありません。
そのため石勝線では駅の間にすれ違いや、待避を行うための信号所が至る所に設置されています。
 
また石勝線は北海道でも有数の豪雪地帯を走るため、分岐点はスノーシェルターで覆われており、万全の雪害対策が行われています。
東オサワ信号場、積雪と冬景色
石勝線は大部分がトンネルであまり景色を楽しめる路線でありませんが、たまに走る地上区間からの光景は見事なものです。
北海道でも指折りの僻地の中を猛スピードで走り抜ける爽快感を味わえます。
雪景色の中を走る特急列車の風景
周囲の景色が少し開けると占冠に到着します。
占冠がある占冠村は四方を険しい山に囲まれた村で、かつては陸の孤島とも呼ばれていましたが、石勝線の開通によって北海道の各主要都市と結ばれました。
雪景色の中を走る特急「とかち」「おおぞら」
その結果行われたのが、隣駅のトマム周辺で行われたリゾート開発です。
当初は「石勝高原」という駅名でしたが、後に現在の駅名に改められています。
 
トマムに建設されたリゾート施設は運営母体会社の経営破綻などにも見舞われましたが、現在は星野リゾートが経営する「星野リゾートトマム」となり、道内を代表するリゾート地として多くの観光客が訪問しています。
近年はインバウンドが盛況なためか、ほぼ全ての列車が停車する駅にまで成長しています。
冬の木々が積雪と共に見える車窓
 
トンネルの中にある上落合信号所で、石勝線は根室本線と合流し、石狩国と十勝国を隔てる狩勝峠を越えます。
根室本線の狩勝峠越え区間は元々国道38号線に沿うように建設され、そこからの車窓は日本三大車窓に選ばれるほど美しい物だったとされています。
 
しかし旧来のルートは非常に線形が悪いため、大きなカーブと新狩勝トンネルなどの長大トンネルで峠を越える、現在のルートが完成しました。
その後1981年に石勝線が開業すると、石勝線は上落合信号所で根室本線と合流し、新得に至るルートが完成しました。
 
元々根室本線は道央と道東を結ぶ主要ルートとして活躍していましたが、石勝線の開業により特急や貨物列車はほぼ全て石勝線経由に改められたため、根室本線の滝川から新得はローカル線に格落ちしました。
 
2016年には台風被害で被災し、代行バスによる運行が続けられましたが、復旧しても今後の採算が見通せないという理由で2024年に廃止されました。
そのため現在の上落合信号所は、石勝線を走る列車しか通過しません。
旧根室本線・石勝線の路線図
 
広内信号所を過ぎると、石勝線は大きなヘアピンカーブを描いて、急こう配を下っていきます。
進行方向の左側からは防風壁や木に阻まれてよく見えませんが、遠くにこれから向かう新得の町並みが見えます。
雪景色の中の踏切と住宅

・新得~帯広【食料自給率1100%!日本の食糧を支える十勝平野を走る】

新得からは根室本線の旅が始まります。新得は十勝平野の西端にある町で、蕎麦の生産で有名です。
 
十勝清水を過ぎた辺りから、広大な十勝平野の景色が見えるようになります。
 
十勝平野は食料自給率1100%を誇る日本一の農業生産地帯で、一面に畑が広がっています。
その畑を強風から守るため、等間隔で防風林が並んでいるが特徴的で、十勝平野を象徴する光景と言えます。
積雪と青空、鉄道路線の踏切標識 雪原と冬木、木々、晴れた空
 
芽室から帯広にかけては、十勝平野の経済力の高さを伺える光景が見られます。
帯広の隣町である芽室はトウモロコシの生産量日本一を誇る農業の町である一方、帯広市のベッドタウンとしても発展した町です。
駅周辺には何棟もの食料品倉庫がある一方、多くの民家や商店が建ち並んでおり、芽室町の発展ぶりがよく分かります。
雪景色と住宅街の風景
 
大成から西帯広にかけては工場が建ち並ぶ、工業地帯を走ります。
中でも目を引くのが十勝平野で大量に取れる甜菜を砂糖に加工する、日本甜菜製糖の工場です。
 
ここ以外にも帯広の工業地帯には食料関係の工場や走行が数多く点在しており、農業をベースとした工業も盛んであることが伺えます。
工場と駐車場、雪景色
 
西帯広を通過すると十勝地方の物流の拠点である、帯広貨物駅があります。
帯広貨物駅は現在も貨物列車が乗り入れており、主に大量の食料品を輸送するために活躍しています。
駅周辺には何十棟もの食料品倉庫が建ち並んでおり、「食糧を守ります」という力強いメッセージを掲げた倉庫も見受けられます。
食料品倉庫、帯広貨物駅、工場群 雪原に広がる貨物列車の操車場
 
柏林台の手前から根室本線は高架線の上を走り、帯広の市街地を見渡せるようになります。
 
帯広市は十勝地方の中心都市であり、約16万人の人口を誇る道内有数の大都市です。
駅に近づくにつれ高いビルが何棟もの並ぶようになり、札幌から乗車した人であれば、札幌以来の都会的な光景を見ることができます。
帯広市街地の雪景色と住宅地 釧路市街地のビル群と線路

 

帯広は北海道お土産の定番商品を展開する六花亭と柳月と本社があるお菓子の街でもあります。

「とかち」から「おおぞら」に乗り継ぐ場合大体1時間程の時間があるので、六花亭の本店に行ってマルセイバターサンドや賞味期限3時間の「サクサクパイ」を買うのもいいですし、柳月の本店に行ってあんバタサンや三方六を買うのもいいでしょう。

 

・帯広~釧路【旅のハイライトは太平洋と、北海道の最果てを感じる湿原の景色】

帯広からは特急「おおぞら」に乗り換えて、更に東へ進みます。
札内川を渡ると、先ほどまでの帯広の都会的な雰囲気は終わり、再び十勝平野らしい長閑な光景が続きます。
 
十勝川を渡ると、次第に山が近くなり十勝平野の終端に差し掛かると、池田に到着します。
池田は帯広から釧路の間では拠点的な町で、特にワインの生産が有名です。
 
かつては池田から陸別や足寄を経由して、北見へ向かう池北線が分岐しており、国鉄が廃止対象に選出したのちに第三セクター会社が設立され「北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線」としてしばらく運行を続けていましたが、2006年に廃止されました。
雪原を流れる川と山並み 雪原と丘陵地帯の風景
 
池田を出発すると十勝川に沿って南下し、浦幌を過ぎると峠を越えて厚内を通過します。
厚内は十勝振興局に含まれていますが、雰囲気的には十勝を越えて釧路に入った気分になります。
 
厚内を過ぎるといよいよ太平洋が見えてきます。ここから釧路にかけては一部区間を除き、基本的な海沿いを走ります。
太平洋沿いの景色と電線
 
海から離れて、内陸部を走るようになっても景色の見所は尽きません。
道東の釧路エリアは自然のまま残っている湿原が数多くあり、特急「おおぞら」の車窓からも見渡せます。
 
内地では大半の湿原が田んぼなどに転用されており、自然のまま残る湿原は少ないですが、北海道の東端に来れば広大かつ人の手が加わっていない湿原をいくつも見ることができます。
 
また湿原ではボコボコと盛り上がった草の塊がいくつかありますが、これは谷地坊主と呼ばれるもので、冬から春にかけて見ることができます。
雪解けの森と青空 雪解けの原野と青空、山並み
 
尺別信号所の近くでは廃墟と化した集落の建物がいつくか見えます。尺別はかつて炭鉱の操業で栄えた集落でしたが、炭鉱の閉山と共に人口が激減し、駅も2019年に廃止されました。
 
北海道で過疎が進行している地域では、一旦開拓された集落から人がいなくなり、再び自然に戻っていくような場所が数多く見られます。
荒れた土地に建つ廃屋と青空
 
音別川を渡って音別の市街地を抜けると、根室本線は海岸沿いに走ります。
国道38号線もここでは内陸部を走っているため、根室本線の釧路以西では最も海に近づく区間となります。
 
海岸線や川の河口部はほどんど人の手が加えられておらず、北海道の最果てを走っている気分に浸れます。
海沿いの草地と波打つ海
 
海から離れると、根室本線は「馬主来沼」と呼ばれるこの辺りの湿地帯では最も大きい沼の畔を走ります。
釧路周辺は雪が少なく、多くの湿地帯は乾燥しきっていますが、この沼では水が凍っている様子が見えます。
湿原と広がる空、遠くに山並み
 
茶路川を渡ると白糠に到着します。白糠は国鉄再建法による特定地方交通線に選ばれ最初に廃止された、白糠線が分岐していたことでマニアの間では知られています。
 
庶路を通過すると「コイトイ川」と呼ばれる変わった名前の川を渡ります。「コイトイ」とはアイヌ語の「波が砂丘を崩す所」という意味の言葉が由来となっており、川が砂丘を削り取って海に流れ込んでいる光景が見えます。
 
またこの辺りは水産加工業の倉庫や工場がいくつかあり、かつて漁業で栄華を極めた道東らしい光景が見えます。
青空と海、雪景色が広がる道東の風景 冬の工業地帯、雪とトラック、軽トラック
 
阿寒川を渡り、大楽毛を通過する際に王子製紙の釧路工場が見えます。
 
大楽毛の駅構内は広大な空き地が広がっていますが、かつては製紙に使用する資材の搬入や製品の搬出を行う貨物列車が発着していました。
 
現在は王子製紙の子会社の工場として使用されているようですが、工場の煙突から煙が立っておらず、大規模な生産はもう行われていないかもしれません。
王子製紙釧路工場と広大な十勝平野
 
釧路市の中心地と郊外を隔てる新釧路川の手前には新富士と釧路貨物駅があります。
 
東海道新幹線にも同名の駅がありますが、こちらの方が歴史が古いです。駅名が被ったのは単なる偶然ではなく、静岡県富士市で創業した富士製紙が、現在の場所に工場を設立したことに由来します。
 
富士製紙は紆余曲折を経て日本製紙となり、釧路市の製紙業をリードする工場として長らく活躍してきましたが、2021年に製紙事業は廃止され小規模な事業所が残るのみとなりました。
釧路貨物駅とコンテナ群
 
新釧路川を渡り、釧路市の中心街に近づくと終点釧路に到着します。
橋を渡る特急おおぞら・とかち 釧路駅プラットホームの屋根と signage

総評

  • 車窓   :★★★★★
  • スピード感:★★★★
  • お勧め度 :★★★★★
北海道のダイナミックな車窓を楽しむにはもってこいの列車だと思います。
 
険しい山岳地帯から広大な平野、荒涼とした湿地帯など内地では絶対に見れないような車窓が多く、4時間の乗車も飽きることが無いでしょう。
 
お勧めの座席は帯広までならCD席がお勧めです。どちら側も景色が良いですが、CD席なら逆光にならず景色を楽しめます。
 
帯広から釧路では反対にAB席がお勧めです。若干逆光気味ですがこの区間の最大の見所は太平洋と、その手前に広がる荒涼とした大地なので、逆光を我慢してでも見る価値は十分にあります。
 
 

 

  札幌駅

北海道札幌市の代表駅です。

札幌市は北海道の道庁所在地であり、200万人の人口を有する国内有数の大都市です。

北海道の経済の中心であり、観光都市でもあるためそのブランド力は道内随一である一方、道内でも比較的雪が多く豪雪地帯ながら200万人近い人口を抱える、世界的にも珍しい大都市となっています。

札幌駅は北海道の交通の拠点であり、JR北海道の本拠地となっています。

道内を走る特急列車のほぼ全てが当駅から発着している他、札幌都市圏各地への通勤列車、新千歳空港へ向かう快速「エアポート」などの列車がひっきりなしに発着しています。

 

乗り入れ路線

・函館本線

・千歳線

・札沼線

 

札幌駅、雪景色とJRタワー

南口。200万都市の代表駅に相応しい巨大な駅ビルです。

札幌駅南口、雪降るビル群と「THANK YOU」の文字

南口には道内一の高さを誇るビル、JRタワーとエスタがあります。

エスタは北海道新幹線札幌延伸に伴う再開発のため、解体される予定となっています。

札幌駅周辺の雪景色とビル群

南口駅前。中心街である大通りやすすきのからは若干離れていますが、近年は新たな札幌の商業の中心地として発展しています。

札幌駅の混雑したコンコース

高架下コンコース。

札幌駅 西改札口の様子

西改札口。改札口は2か所設けられています。

札幌駅のホーム、雪が残る線路札幌駅の雪が積もるホームで列車を待つ人々

ホームは6面10線。札幌は雪が多いためホーム全体が屋根で覆われています。

また気動車の発着も多いため換気窓も設けられています。

札幌駅 特急ライラック・エアポート行き案内

ホーム上に吊り下げられている乗降口案内。

吊り下げるタイプの乗降口案内も最近ではあまり見られなくなりました。

 

訪問日:2026/02/13

 

  旭川駅

北海道旭川市の代表駅です。

旭川市は道内第2位の人口をほこる都市であり、道北の中心都市です。

元々はロシアの南下政策に対抗するための軍都として整備され、物流の便もいい事から現在のような大都市が形成されました。

旭川駅は函館本線の終着駅であり、道北の最果てへ向かう宗谷本線、オホーツク地方へ向かう石北本線、観光地美瑛を経由して富良野へ至る富良野線が乗り入れる道内有数のターミナル駅です。

特に札幌と旭川の区間は道内1,2位の都市間を結ぶ区間であるため、日本最速クラスの特急列車が頻繁に行き交ったいます。

 

乗り入れ路線

・函館本線

・宗谷本線

・石北本線

・富良野線

 

雪の旭川駅前、積雪に覆われた風景

北口。2011年に高架化されました。

4代目となった高架駅舎は機能性とデザイン性を兼ね揃えたもので、多くの賞を受賞するほど高い評価を得ています。

旭川駅前、雪景色のバス停とビル群旭川駅前、雪景色のバス停

北口駅前。大きなビルが何棟も建っており、大都市の雰囲気が感じられます。

特に駅と直結しているイオンモールは、駅前の賑わい創出に大きく貢献しています。

旭川駅前、雪景色と車

南口。

雪景色の旭川駅周辺公園

南口駅前。すぐ駅前には「旭川」の由来となった忠別川が流れています。

高架化にあたっては「北彩都あさひかわ」として、都市機能と自然が調和した公園が整備されました。

旭川駅コンコース 木材使用の広々とした空間旭川駅コンコースとデジタルサイネージ

駅舎内。改札口を挟んで東西にコンコースが整備されています。

内装には木材がふんだんに使用されており、旭川市の木材産業をイメージしています。

旭川駅 改札口と木目調の内装

西改札口と切符売り場。

旭川駅の改札口と待合スペース

東改札口と切符売り場。

旭川駅の改札内コンコース 木材使用

改札内コンコース。3階建て構造の高架駅となっており、2階部分は乗り換えスペースとなっています。

旭川駅ホームの自販機と積雪旭川駅の雪に覆われたプラットフォーム

ホームは4面7線。道内でも有数の規模を誇る巨大な高架ホームです。

旭川市は豪雪地帯であるため、ホーム全体が屋根で覆われています。

 

訪問日:2026/02/13