別府市の概要
別府市は大分県第2の都市で、人口は約11万人です。
日本一の温泉の源泉数、湧出量を誇る温泉都市で、観光は勿論のこと地熱発電や湯の花製造、花き研究など温泉を中心とした経済活動が行われています。
「温泉に浮かぶ島」とも形容されるように至る所から温泉が湧いており、温泉が市民生活に密着している都市は世界でもここしかないでしょう。
市内散策(2024/05/21)
別府市の玄関口である別府駅。
別府市内には「別府八湯」と呼ばれる8つの温泉地があり、今回はその中で最もメジャーな鉄輪温泉へ向かいました。
鉄輪温泉は別府駅からバスで約20分から30分です。
別府駅前にある油屋熊八の像。
一見ふざけたおっさんにしか見えませんが、別府温泉の観光開発に尽力した方で、この人なしに現在の別府はありません。
亀の井バスを創業し日本初の定期観光バスの運行、女性バスガイドを採用したことなどで知られています。
「山は富士 海は瀬戸内 湯は別府」というキャッチフレーズもこの方が広めました。
バスに乗って鉄輪温泉にやって来ました。
この通り至る所から湯気が湧いています。
鉄輪温泉は市街地から少し離れた山の上にあり、振り向くと別府湾を望むことができます。
鉄輪温泉といえば「地獄めぐり」です。
別府観光のド定番である地獄めぐりは7つの地獄を巡るものですが、今回は時間があまりなかったので主要なものだけ巡りました。
なお、亀の井バスの周遊バスに乗れば簡単に7つの地獄を巡ることができます。
海地獄
地獄めぐりの中でも最も有名かつ、訪れるべき地獄はこの海地獄です。
地獄めぐりのコースも基本的にこの海地獄から始まります。
コバルトブルーの綺麗な色をしていますが、98度の熱湯がものすごい勢いで自噴しており入れば当然死んでしまいます。
当初このような地獄は何の役にも立たないため市民から疎まれていましたが、海地獄を見物する客から見物料を徴収したことから「地獄めぐり」が始まったと言われています。
その後市内の各地で地獄の整備、新しい地獄の開発が行われましたが、いろいろ問題が発生したため大正時代を最後に新しい地獄の開発は行われていません。
園内では温泉熱を利用した蓮の栽培が行われており、綺麗な蓮池がありました。
園内には「赤池地獄」もあります。
酸化鉄によって茶色くなっているようです。
鬼石坊主地獄
泥沼が沸騰している様子が坊さんの頭に見えることから「鬼石坊主地獄」と呼ばれています。
これも結構有名な地獄ですがつい20年ほど前に再整備された地獄です。
一時期閉鎖されていたようですが、なぜ閉鎖されていたかはよくわかりません。
海地獄に比べると地味ですが、この泥も100度近い温度のため入れば当然死んでしまいます。
園内にはこのような泥沼が何か所かあります。
園内には「鬼の高鼾」と呼ばれる温泉もあります。
岩の中から湯気が上っているさまは山地獄のミニチュア版ともいえます。
かまど地獄
かまど地獄は古来より氏神の八幡竈門神社の大祭に、地獄の噴気で炊いた飯を炊いたことが由来となっています。
かまど地獄には1丁目~6丁目までの様々な地獄があり、1か所で様々な地獄を楽しむことができます。
他の地獄に比べてアミューズメントパーク感が強いです。
1丁目の泥熱地獄。これは酸化鉄ではなく、地熱により溶け出した様々な泥の色だそうです。
2丁目はこの地獄のシンボルである鬼とかまどがありますが、なぜか撮り忘れてしまいました。
かまど地獄3丁目。海地獄みたいな色をしています。
かまど地獄4丁目。これも1丁目と同じく泥によって茶色くなっているようです。
かまど地獄5丁目。年に数回水の色が変わるという不思議な池です。
綺麗な色をしていますが当然熱湯なので、何匹もトンボが死んでいました。
かまど地獄6丁目。昔はこんな色じゃなかったようですが、現在は血の池地獄みたいな色をしています。
鬼山地獄
鬼山地獄は別名「ワニ地獄」と呼ばれており、温泉熱を使用したワニの飼育が行われています。
この柵の中でワニの飼育が行われています。
園内には結構な数のワニが飼育されています。
基本的にワニは動きませんが、動くときはめちゃくちゃ速いようです。
17:00を過ぎ地獄は閉館となるため、鉄輪温泉の温泉街を散策しました。
鉄輪温泉の名物「地獄蒸し」を提供する地獄蒸し工房鉄輪。地獄蒸しは温泉の熱を使用して蒸し料理を作る調理法で、別府では江戸時代からこの調理法が確立されていたようです。
100度近い熱で一気に蒸すため、うまみが閉じ込められやすいようです。
鉄輪温泉の湯けむり通り。
この写真ではよく分かりませんが、道の側溝からも湯煙が上がっています。
こんな所は他にないでしょう。
駅前に下りてきました。
駅周辺にも温泉地があり別府温泉と呼ばれています。
右側にある古い建物は駅前高等温泉と呼ばれています。
人口10万人強ほどの街ですが、駅前の人通りはそれなりに多いように感じました。
駅前通りを進むと国道10号線に突き当たります。
九州でも有数の主要街道ですが、隣の大分市とを結ぶ一般道はこの道しかないため、九州屈指の交通量を誇ります。
奥にそびえている山はサルで有名な高崎山です。
別府市のランドマークである別府タワー。
日本で3番目に建てられた高層タワーで、設計は内藤他中内藤多仲が担当しました。
登録有形文化財に登録されており、当の下にあるビルも非常にレトロです。