大嵐駅
静岡県浜松市天竜区にある駅です。
静岡県にある駅ですが駅周辺に人は住んでおらず、当駅の利用客のほとんどは天竜川対岸の愛知県富山村(現:豊根村)の住民です。
佐久間ダム建設により、佐久間駅から付け替えられた区間は当駅が終点となります。
水窪集落から約5kmの大原トンネルで山を越え、大嵐駅に到達します。
乗り入れ路線
・飯田線
駅舎。東京駅丸の内駅舎を模した駅舎です。
厳密には駅舎ではなく休憩施設という立ち位置です。
旧富山村の負担によって建設され、現在も施設の管理は旧富山村が行っています。
駅前に架かる橋を渡ると旧富山村です。
待合室内。壁には木材が多用されており、非常に綺麗です。
旧富山村は日本一人口の少ない村として知られており、旧富山村に関する展示がなされています。
ホームは1面2線。奥に見えるトンネルが大原トンネルです。
駅の近くには旧ホームの遺構と思われるものが残っています。
大嵐駅は一度豪雨によってプラットホームと駅舎が天竜川に崩落する事故が起きており、線路付け替えに伴い現在の位置に移転しています。
付け替え前の線路は静岡県道288号大嵐佐久間線に転用されています。
そのうち2つの鉄道トンネルがほぼそのまま道路用トンネルとして使用されています。
手前のトンネルが栃ヶ岳隧道、奥のトンネルが夏焼隧道です。
夏焼隧道の長さは約1.2kmあります。
元鉄道トンネルのため暗く狭いです。
トンネル内部。素掘りの壁がそのまま残されています。
飯田線では素掘りのトンネルが現役で活躍しているため、そこまで珍しいものではありません。
夏焼隧道南側の坑口。この坑口は鉄道時代の物ではなく、道路転用時に5mほどかさ上げされたようです。
天竜川が氾濫した際に冠水するのを防ぐためだそうです。
トンネルを抜けた少し先で道路は行き止まりとなっています。
この静岡県道288号大嵐佐久間線は旧飯田線の線路に沿うように建設されましたが、あまりにも土砂崩れの被害がひどいため県が管理を放棄し、実質廃道状態となっています。
昔の飯田線はこの川の中を走っていました。
水位が下がれば昔のトンネルが顔を出すようですが、見に行くことはほぼ不可能です。
訪問日:2020/03/28