ゲイ占い師 豫 空潤です。
少し前の対面鑑定です。
セイタさん(仮名・30代前半バイセクシャル男性・関東在住)のプライバシー保護のため、多少変更しています。
セイタ「仕事のことで悩んでます」
僕「差し支えない範囲で教えていただけますか?」
セイタ「僕は、今、ある販売店に勤めているんですが……。学校を卒業してから4つ目の職場なんです」
僕「転職したのですね? 今、転職は普通ですよ?」
セイタ「そう言われるとホッとします。転職が多いと、我が儘だとか、我慢が足りないとか、社会人失格みたいに言われることもあるので……」
僕「性的少数者にとっては、職場の男社会になじめない場合もありますから……」
セイタ「今までの3つの職場は、パワハラされたり、ある意味ブラックなところだったので……僕に言わせれば辞めるしかなかったです」
僕「だったら、外野の言うことは気にしなくていいですよ」
セイタ「今のお店は店長が女性で、よくしてくれるので、辞めたくありません」
僕「セイタさんはイケメンなので、女性受けがいいでしょうね」
セイタ「でも、男性上司には睨まれたり、意地悪されたりしました」
僕「中高年男性には、若い女性には甘いのに、男の部下はこき使う人がいますよね」
セイタ「そうなんです。男性上司には、若い男だと奴隷みたいに扱う人がいるんですよね」
僕「今の女性店長はそんなことないんですね?」
セイタ「そうなんです。今の店は子育て中の女性店員が多いので、お互いに有給を取り合っていて、ブラックじゃないんです」
僕「セイタさんは独身ですよね? 休みがちな他の店員のサポートが大変ではありませんか?」
セイタ「そこまで忙しくないので……。数少ない男なので力仕事はやらされますが、その分、接客が下手でも叱られないんです」
僕「女性が多い職場の方が働きやすいのですね?」
セイタ「給料は決して高くないですが……。精神的に楽です」
僕「なのに……悩みがあるのですね?」
セイタ「うちは、お客さんも女性が多いのですが……男性客も来るんです。4か月前から来るようになったAさんという男性が……」
僕「おいくつぐらいの方ですか?」
セイタ「60代だと思います。そのAさんに対して、僕が接客することが多くなって……」
僕「Aさんに気に入られた?」
セイタ「先輩の女性からは『Aさんってゲイじゃないの? セイタくんのこと好きなのよ』って言われます」
僕「セイタさんには迷惑ですか? セイタさんまでゲイバレするとか?」
セイタ「それは……今のところ大丈夫ですけど……。Aさんが変なことを言ってくるので……」
僕「変なこと? 誘ってくるのですか?」
セイタ「はい、誘われます。それは、やんわりお断りするからいいんですけど……。『どこかで見たことある』とか『なんかに出演した?』って聞いてくるんです」
僕「出演? セイタさんは芸能界に関係したことあるのですか?」
セイタ「芸能界ではなく……ビデオに出たことがあるんです」
僕「ゲイビデオ……AVですね?」
セイタ「実家は貧しかったので、専門学校に行く際にお金が足りなくて、ずっとバイトしてたんです。夜も土日も働いていると遊ぶ暇がなくて……友達が羨ましくなって……」
僕「それで、ゲイビデオ出演?」
セイタ「最初はウリ専ボーイ(男性版風俗)です」
僕「若いイケメンなら、売れたでしょう?」
セイタ「最初は、そこそこ……。でも、僕は接客できなくて……。気乗りしない相手に『好き好き』とか言えないし……僕からのサービスも苦手で……」
僕「リピーターがつかなかった?」
セイタ「それで、半年もすると指名ゼロが続いて……家賃とか払えないので、先輩のボーイから『動画モデルの方が短時間で稼げるぞ』って紹介されて……」
僕「出演したのですね? 抵抗感とかなかったですか?」
セイタ「ウリ専ボーイを始める方が迷いました。ウリ専ボーイもビデオ出演も、することは変わらないので……。確かに時間単価で言うと、ビデオの方が高いんです」
僕「多くの人に見られる仕事ですよね?」
セイタ「ゲイの人しか見ないから、一般社会には影響ないって……その時は考えてました」
僕「ちなみに、ウリ専ボーイとかビデオモデルする前に、既にバイセクシャルの自覚はあったのですか?」
セイタ「なかったです。女性経験なかったのですが……。自分がゲイやバイだとは思ってませんでした」
僕「ノンケ(異性愛)のボーイということだったのですね?」
セイタ「そうですね。でも、ボーイとしてお客の男性とセックスする際に……若い人だと盛り上がってる自分に気がついて……」
僕「本当のノンケ(異性愛)だと、仕事として割り切らなければ、男性とは性行為しませんからね」
セイタ「そうなんです。指名なかった日は、お持ち帰りされるためにゲイバーに行くようになりました」
僕「プライベートでもゲイセックスするようになったんですね?」
セイタ「だから、ビデオ出演の行為自体は、抵抗ありませんでした」
僕「何作ぐらいのビデオに出演したのですか?」
セイタ「3作です。ビデオ出演って……最初はノンケ(異性愛)ってことで軽いプレイで済むんですが……だんだんとプレイが過激になって……」
僕「誰かに身バレした際に、軽いプレイで受け身だと、ノンケ(異性愛)の小遣い稼ぎと弁解できますが、ハードなプレイや、能動な立場になると……そうは言えなくなりますよね」
セイタ「そうなんです。女の子が好きだったはずなのに……いつの間にか、男同士のセックスで満足するようになって……」
僕「ゲイになりたくなかった?」
セイタ「ゲイになるのはともかく……昼の仕事に就けなくなる気がして……」
僕「ボーイもビデオモデルも、若いうちだけですからね」
セイタ「そうなんです。先輩たちは、ウリ専のマネージャーとか、ゲイバーのママ(男性)とかに転身しているんですが……1対1の接客すら苦手な僕に、そういう仕事ができるとは思えなくて……」
僕「賢明な判断ですね」
セイタ「自分でも、辞めて正解だったと思います。なんとか専門学校は卒業したし……。その後、転職を繰り返しましたけど……今の仕事は続けたいんです」
僕「今のお店は、何年目ですか?」
セイタ「もうすぐ5年目になります」
僕「慣れてきて、中堅ですね」
セイタ「だから、Aさんとのことだけ……なんです」
僕「Aさんは、本当にゲイで……セイタさんのビデオを見ているのでしょうか?」
セイタ「あのお年で未婚の独り暮らし……しゃべり方からして……ゲイは間違いないです」
僕「ビデオの方は? もう10年以上前の出演でしょう? Aさんは見たとしても、本当に覚えているのですかね?」
セイタ「3作目のビデオで、相手役の男性に寝起きを襲われるシーンがあって……もちろん演出なんですが……。Aさんは『寝起きを襲われたことある?』って言ってくるんです」
僕「それは……ビデオ見てますね」
セイタ「Aさんって、主に僕が接客するんですけど……店長とかとも話すんです」
僕「おしゃべりな方なんですね?」
セイタ「そうなんです。ビデオ出演のことを他の人にしゃべられたくないんです」
僕「店長に知られたら……どうなりますかね?」
セイタ「女性は全般にそうでしょうが……パパ活とか立ちんぼ売春とか、そういうのを店長は嫌うんです。高校生の娘さんがいるんですけど……『娘には厳しく戒めている』って……」
僕「ですよね」
セイタ「ゲイ自体も知られたくないですが……ウリ専ボーイやAV出演を知られたら……針のむしろです」
僕「Aさんは、ビデオ出演を話題にしてくるってことは……誘っているというよりも、脅かしているのでしょうか?」
セイタ「そうだと思います。Aさんは『俺はおしゃべりだが、口止めされたことは言わない』『仲良くしてくれる人の悪口や陰口は言わない』って言うんです……」
僕「Aさんは、セイタさんを食事や飲みに誘ってくるんですか?」
セイタ「それもですが……。Aさんは『うちのパソコンが不具合で困る。サポートセンターに電話しても専門用語ばかりで、チンプンカンプンで……見てくれないか?』って」
僕「自宅に誘ってくるんですね? それって……」
セイタ「Aさんの自宅に行ったら……僕の昔の出演作とか見せられて……言い訳できなくて、無料のウリ専ボーイにされそうです」
僕「他人の空似って……言えないですかね? 10年以上前の出演でしょう?」
セイタ「最初、Aさんは、僕の……顔のホクロとか見てきて……『同じところにホクロある人知ってる』って言ってたんです」
僕「そこまで確認されているんですか?」
セイタ「せめて、Aさんが、年が近くて……イケメンとは言えなくても、普通の男性だったら……」
僕「そしたら、個人的にお付き合いしますか?」
セイタ「可能です。Aさんはお金持っているし……。でも、僕の両親より年上なんで……さすがに無理なんです」
僕「占いの選択肢は……①Aさんと個人的に付き合い、口止めする。②今の店を辞める。③店も辞めず、Aさんとも付き合わない。ビデオ出演等をバラされても耐える。……ですか?」
セイタ「①は嫌ですが、③も嫌です。②は……次の仕事の当てはないので……。またウリ専ボーイに戻りたくなってしまいそうです」
僕「そうなんですか?」
セイタ「もちろん、年齢的にはもう厳しいです。指名ゼロが続けば……またビデオ出演とか……」
僕「ビデオ出演を後悔してないのですか?」
セイタ「してます。してたはずです。でも、とことん堕ちてしまえば……どうなるか、自分でも予測できないです」
僕「タロットのアドバイスカードを引いてみますか? 裏返しのゲイタロットカード78枚の中で、気になる1~2枚をめくるんです」
セイタ「お願いします」
僕「どうぞ」
セイタ「では……これと……これを」
↑「剣の9」正位置。
爆撃機が飛んでいます。
しかし、ここは寝室の中。実際に爆撃されるわけではありません。
悲観的に考えるのはやめましょう。
↑「カップの3」正位置。
男性と少女が食べながら歓談してます。
性欲と無関係の間柄を目指しましょう。
僕「Aさんはセイタさんに好意を持っているとしても……脅迫して、性加害してくるとは限りません」
セイタ「そうなんですか? でも、ウリ専ボーイの頃のお客さんは……」
僕「ウリ専は、安くないお金を払うので、サービスを求めるのでしょう? 今のセイタさんはボーイではありません」
セイタ「でも……」
僕「Aさんに思うところを伝えてみたらどうですか?」
セイタ「お店では話せないので……Aさんの家に行くか……デートの誘いに応じるってことですよね?」
僕「『Aさんには感謝しているが、実は過去を後悔している……心を伴わないセックスは2度としたくない』って言ってみてはどうですか?」
セイタ「Aさんの同情を引く?」
僕「好きな人に頼られると悪い気はしないものですよ」
セイタ「Aさんにやらせてくれって言われたら、どうしたらいいでしょうか……」
僕「Aさんのことは嫌いではないが、お父さんのように思っているので、性行為はしたくない……ってことでは(ダメですか)?」
セイタ「納得してくれるでしょうか?」
僕「ベッドは共にしないけど、ご飯や飲みの相手なら喜んでしますとか……パソコンとか、手助けできることもしますよ……ってことで、年の離れた友人として付き合い続けるなら、Aさんにとっても悪い話ではないと思います」
セイタ「ビデオ出演でしたことを再現してくれって言われそうです」
僕「あれは……若気の至りでした……恥ずかしくて、もうできません……っていう返事では(ダメでしょうか)?」
セイタ「……そうですね。言ってみるしかないですね」
僕「お店を辞めるのは最終手段ですよね? 過去がバレたら辞めるってことにして、とりあえず、Aさんの優しさに期待する……」
セイタ「そうですね。仕事辞めるなら、その前に少しでも可能性があることを試してみます。ありがとうございました」
僕「こちらこそありがとうございました」
さて、今日のゴーストタロットです。
↑「剣の9」リバース(逆さま)。見やすくするために正位置で貼り付けてます。
女性がベッドで怯えています。
しかし、体に剣は刺さっていません。亡霊も女性に危害を加えてはいません。
すべてが思い込みであると気がつくでしょう。
↑「剣の7」正位置。
霊が戦場に残された剣を集めています。言わば「ネコババ」です。
あなたは後ろめたく思っているでしょうが、気にすることはありません。
すべて、あなたの思い込みなのですから。
↓ 占いの師である、霊観占 大幸 峰ゆり子先生。