ゲイ占い師 豫 空潤です。

 

60年も前の映画で、(公開時ではなく、ずっと後にテレビで)1度観た記憶があるのですが、だいぶ忘れていたので、もう1度ひとりで観てみました。(字幕なので、字幕嫌いのTommyは観てません)

 

映画「シェルブールの雨傘」1964年(フランス・西ドイツ)

 

監督・脚本:ジャック・ドゥミ

出演:カトリーヌ・ドヌーヴほか

音楽:ミシェル・ルグラン

受賞:カンヌ国際映画祭グランプリ

 

あらすじ(ネタバレします)

フランスの地方の小都市シェルブールで雨傘店を経営するエムリ夫人。夫を亡くし、女手ひとつで娘ジュヌヴィエーヴを育てている。が、店は繁盛しているとは言えない。

 

17歳のジュヌヴィエーヴは母譲りの美貌で恋人ギイ(20歳・自動車修理工)と毎晩のようにデートしている。が、恋愛は早すぎるとして、エムリ夫人は娘ジュヌヴィエーヴの恋を許さない。

 

しかし、ジュヌヴィエーヴとギイの情熱は高まる一方。結婚を約束し、「ガソリンスタンドを経営したい」「(女の子なら)フランソワ―ズという名前」と夢を語り合う。

 

ジュヌヴィエーヴがギイとの結婚を相談するも、母エムリ夫人は、もちろん大反対。20歳のギイはこれから兵役に行くのだし、妻子を養える稼ぎがあるのか? と……。

 

そこにやってくる税金の督促状。高額でとても払えず、店を差し押さえられてしまいそう……。パニックに陥ったエムリ夫人はジュヌヴィエーヴの提案で、思い出の宝石を売ることにする。

 

馴染みの宝石店に行くエムリ夫人とジュヌヴィエーヴ。エムリ夫人の真珠のネックレスは本物だが、すぐに現金化は難しい……と渋る店主。たまたま居合わせた青年宝石商カサールが「買い取ります」と申し出てくれて助かった。

 

これが縁で、カサールはエムリ夫人の傘店や自宅に出入りするようになる。欧州やアメリカで手広く商売しているカサールの羽振りのよさを、エムリ夫人は気に入る。一方でカサールの方にも特別な思いがあった……。

 

すぐにもギイと結婚したいジュヌヴィエーヴだが、ギイは「待ってくれ」と言う。召集令状が来て、2年間アルジェリアに行かねばならないのだ。絶望し、泣き崩れるジュヌヴィエーヴに、母エムリ夫人は「忘れなさい。時が解決する」と諭す。

 

ギイが出発する前夜。初めてギイはジュヌヴィエーヴを自宅に連れていく。家庭に恵まれないギイは、病気のおばさんに育てられ、同居していた。おばさんに内緒でジュヌヴィエーヴを自室に入れるギイ。永遠の愛を誓い、結ばれる2人。

 

ギイが旅立って2か月後、ジュヌヴィエーヴの妊娠が発覚する。アルジェリア戦線が不安定なのか、ギイからの手紙は少なく、ジュヌヴィエーヴの不安は高まる一方だ。

 

その夜、エムリ家に来たカサールが、ジュヌヴィエーヴに一目惚れしていて結婚したいと申し出る。3か月の出張の後に返事を聞きたいと……。

 

ジュヌヴィエーヴは、ギイへの思いを捨てきれないが、シングルマザーになる不安に押しつぶされ、カサールに妊娠していることを打ち明ける。

 

旅先から高価なダイヤの指輪を送ってきたカサールは、ジュヌヴィエーヴに夢中だった。シェルブールに戻り「2人の子どもとして育てよう」と提案するカサール。結局、妊婦のままカサールと結婚するジュヌヴィエーヴ。

 

やがて、2年間の兵役を終えたギイが帰国する。真っ先に行ったエムリ夫人の傘店は売却されていた。ギイは、帰還を待っていた叔母からジュヌヴィエーヴの結婚を知り……「なぜ待ってくれなかったのか?」と荒れる。兵役で痛めた足を引きずり、街をさまようギイ。

 

ギイの帰りを待っていたもう1人の女性がいた。長年ギイの叔母の世話をしていた娘(専属看護師?)マドレーヌだ。ギイをずっと好きだったのだ。

 

ギイの叔母が亡くなり、よそへ行こうとするマドレーヌを引き止めるギイ。ギイがジュヌヴィエーヴを愛していたと知るマドレーヌは、ギイの求婚を一旦は断るが……。

 

1年後、ギイはマドレーヌと結婚し、叔母の遺産と兵役の恩給で、念願のガソリンスタンドを購入する。ギイの愛情を疑いつつも幸せに涙するマドレーヌとともに人生を歩む決心をするギイ。

 

4年後の12月、ギイのガソリンスタンドは順調で、従業員もいる。妻のマドレーヌはクリスマスツリーを飾り終わり、3歳の息子フランソワを連れて玩具店にプレゼントを買いに行く。

 

その後、ガソリンスタンドに1台の高級車が給油に来る。運転席には毛皮を着たジュヌヴィエーヴ。助手席には娘のフランソワーズ。ずっとパリで暮らしていたジュヌヴィエーヴが喪服なのは母を亡くしたばかりだから。

 

じっとギイを見つめ、「あなた、幸せ?」と尋ねるジュヌヴィエーヴ。「幸せだよ」と答えるギイ。従業員が給油終了を告げに来る。何か言いたげな瞳のまま、去っていくジュヌヴィエーヴ。何事もなかったように玩具店から戻ってきた妻子を迎えるギイ。

 

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とても美しい映画です。ジュヌヴィエーヴ役のカトリーヌドヌーヴ(公開時20歳。言わずと知れたフランスを代表する美人女優)もさることながら、画面全体がカラフル。そして、何よりミシェル・ルグランの主題歌が美しい。

 

ミュージカル映画だが、派手な歌と踊りのシーンはない。代わりに、ほとんどのセリフが歌である。これが悲しくも美しい。実は出演している俳優陣ではなく、歌手が吹き替えしているとのこと。どおりで、どのセリフ(歌)も見事である。

 

あらすじだけ追うと、よくあるラブストーリーだ。若き日に出会い、燃え上がった男女が、運命に引き裂かれ……互いに別の人と家庭を持つことになる。

 

ギイを愛し、その子を身ごもりながらも、兵役での不在に耐えきれず、金持ち男の求婚に応じてしまうジュヌヴィエーヴを非難する人もいる。だが、人生を重ねた人なら、わかる……。まだ10代のジュヌヴィエーヴにとって、元カレの子どもでも自分の子にすると言ってきたカサールを断る理由はない。生まれてくる子どもには、それが最良の選択なのだ。

 

でも、切ない。裕福に暮らすジュヌヴィエーヴがラストシーンでギイを見つめ、幸せかどうかを聞く。「幸せじゃない。今でも君を愛している」とギイが答えたら、ジュヌヴィエーヴは娘を連れて、ギイの元に戻ったのだろうか……。

 

しかし、ギイの答えは違った。ギイの気持ちはよくわかる。確かに昔はジュヌヴィエーヴを愛していた。しかし、1度「裏切られた」と思った女性とよりを戻したいとは思わない。献身的に愛してくれる今の妻マドレーヌと息子が、ギイにとっては最も大事なのだ。

 

ジュヌヴィエーヴの娘が「フランソワーズ」……。ギイの息子が「フランソワ」……。かつて、2人が子どもの名前にしようと話していた名だ。あの時の思いは真実だが、既に2人の人生は枝分かれしているのだ……。

 

若き日の恋は、熱く、切ない。だが、時は流れ過ぎ去ってしまったのである。

 

さて、今日のゴーストタロットです。

↑「カップの8」正位置。

8個のカップを残し、立ち去る女性霊。

あなたは十分にやり遂げたのです。次のステージに行くべきでしょう。

 

↑「金貨のナイト」リバース(逆さま)。見やすくするために正位置で貼り付けてます。

あなたが今の場所に留まっているのはなぜでしょうか?

こだわりや執着があるのなら、見直してみましょう。

 

↓ 占いの師である、霊観占 大幸 峰ゆり子先生。 

 

 

↑峰ゆり子先生宅玄関前の観音像(北海道苫小牧市)