ゲイ占い師 豫 空潤です。
少し前のオンライン鑑定です。
ノブキさん(仮名・50代ゲイ男性・地方在住)のプライバシー保護のため、多少変更しています。
ノブキ「先月、癌が見つかりました」
僕「ノブキさんにですか? 入院とか、手術は?」
ノブキ「前立腺癌なんです。まだ初期だし、前立腺癌は進行が遅いので、今は薬を飲みながら経過観察してます。ただ、医者は、抗がん剤や放射線治療を計画していて、そうなれば入院です。手術の可能性もあります」
僕「それはそれは……。確か、前立腺癌は、他の癌よりも予後がよく、早期治療すれば、かなりの割合で治ると……」
ノブキ「生存率は高いようです。が、場所が場所だけに、治療や手術により、男性機能に影響が出るとも……言われてます」
僕「そうかもしれませんが……まずは命優先ですよ」
ノブキ「わかっています。が、ゲイとしては、都会の暮らしも経験できず、過疎地で、恋愛も知らぬまま死んでいくなんて……自分の一生は何だったのかと思います」
僕「過疎地なんですか?」
ノブキ「過疎の集落にたった1つの郵便局の長男として生まれました」
僕「ご両親が郵便局をしていて……?」
ノブキ「父は、当然のように僕を跡継ぎに指名してきました」
僕「お父様がお元気なうちは、まだ継がなくても……(よかったのでは)?」
ノブキ「そう考えていました。県庁所在地の大学に行き、そこで勤めて暮らし、父が引退すると言ったら、郵便局を継げばいいはずでした」
僕「そうならなかったのですか?」
ノブキ「僕が高2の時に。父が癌で亡くなりました」
僕「それはそれは……」
ノブキ「うちの郵便局は、父が局長で、母や親戚のおばさんたちでやってましたから……。僕は高卒で郵便局に入り、2年後に局長になりました」
僕「なりましたというか……。ならざるを得なかったんですね?」
ノブキ「そうです。昭和の田舎ですから『局長は男でないと……』という風潮があり……」
僕「ノブキさんは、いつ頃からゲイだと自覚されましたか?」
ノブキ「中学ですね。周りは女の子に興味津々なのに、自分は興味ゼロで……オクテなのかと思っていたら……同級生の男子が気になってきて……」
僕「その同級生とは?」
ノブキ「告白すらできませんでした。高校でも同様でした。大学に行ったら……と期待していたのですが……。一生、過疎地で暮らすことになってしまいました」
僕「郵便局を継がないという選択肢はなかったのですか?」
ノブキ「ひとりになった母が小学生の妹2人を育てながら、局長代理をしてたんで……。僕が高卒後、郵便局に入ることを、集落全体から期待されてました……」
僕「田舎だと……郵便局は大事ですからね」
ノブキ「父も母も、地域唯一の郵便局として、使命感というか、責任をもってやってましたから……長男の僕が継がないのはあり得なかったんです」
僕「せめて、若い時期の数年間でもいいから、都会のゲイライフを送りたかった?」
ノブキ「県庁所在地でいいから、誰も知らない土地で、自由に暮らしたかったです」
僕「集落内では、どこに行っても『郵便局の息子』なんですね?」
ノブキ「全員、顔見知りですから。ゲイとしての活動なんか、できないんです」
僕「何人かは、ゲイもいるはずですがね……」
ノブキ「それらしき人はいました。適齢期過ぎても独身の男が……でも、みんな、街へ出ていきましたね」
僕「ゲイ活動は、まったくできなかったのですか?」
ノブキ「県庁所在地へは車で2時間です。母の手前、用事がないと出かけられません。平均すると月に1回程度、何かしらの用にかこつけて、日曜に出かけてました」
僕「多少の出会いはあったんですね?」
ノブキ「当時、ゲイ雑誌の通信欄だけでした。そこで文通した人と待ち合わせました」
僕「ゲイバーとかは?」
ノブキ「車ですから。あと、母や妹の手前、帰りが遅くなることは避けたかったので……ほとんど行ってません」
僕「ゲイ雑誌の通信欄で知り合った人と、何度か続けて会えば、それは『お付き合い』と言えたのでは?」
ノブキ「3~4回会った人もいましたが……既婚者でしたからね」
僕「ゆっくりデートできない?」
ノブキ「人目につかないところに車を停めて……」
僕「カーセックス?」
ノブキ「それだけでしたね。それでも、自分にとっては、唯一生きてる実感がする時間でした」
僕「既婚者とのカーセックスの時だけが、生きている実感?」
ノブキ「それ以外の時間は、ずっとノンケ(異性愛)の仮面をかぶっていましたから……」
僕「郵便局のお客さんとか?」
ノブキ「全員、顔見知りのおじさんおばさんですからね。20代の時は『彼女できたか?』『どんな女の子が好きなんだ?』『見合い話持ってきたぞ』……毎日そんなですよ」
僕「話をかわすのが大変だったんですね?」
ノブキ「都会なら、適当に架空の彼女を話せるでしょうが、狭い過疎地では、僕が誰ともつきあってないことを、みんな知っているんです……」
僕「見合い話も、断るのが大変だった?」
ノブキ「本当に大変でした。見合いはすべて断るし、女性とはまったく付き合わないし、相当の変わり者と思われていたでしょうね」
僕「もしかしたらゲイ? と疑う人もいたのでしょうか?」
ノブキ「どうでしょうね? 昭和のお年寄りにとって、同性愛はあり得ないことですからね。ゲイ疑惑が広まったら、郵便局長は続けられないですね」
僕「そうなんですね。今も局長さんなんですよね?」
ノブキ「そうです」
僕「お母様は、ご健在ですか?」
ノブキ「一緒に暮らしてます。郵便局の方は引退しましたが、家事はしてます。妹2人は街へ嫁ぎました」
僕「お母様と2人暮らし? まだまだゲイ活動は、ままならない?」
ノブキ「ろくにゲイ活動もせず、このまま朽ち果てるのか……と思っています」
僕「今はネット社会ですから。アプリとかSNSで……」
ノブキ「ネットは毎日見ています。ただ、やり取りした人と実際に会うのは……」
僕「できないですか?」
ノブキ「まず、地元にいたとしても、周囲の目があるので、会えません。県庁所在地では会ったことありますが、往復4時間ですから、そうそうは行けないですね」
僕「……」
ノブキ「その上に、前立腺癌の治療や手術で、男性機能がなくなったら『完全終了』ですね」
僕「私も前立腺肥大の手術しましたが、大丈夫でしたよ。手術も薬も、年々進歩してますから……」
ノブキ「そうだといいんですが……。生きているうちに、恋愛は無理でも、せめて超タイプのウリ専ボーイ(男性版風俗)を買いたいです」
僕「それも難しいのですか?」
ノブキ「母が高齢で、持病ありますから。都会へ泊りがけで遊びに行けません」
僕「旅行とかも?」
ノブキ「郵便局継いでから、まともな旅行はしてません。っていうか、そんな時間があるなら、ゲイ活動したいです」
僕「そうなんですね」
ノブキ「もし、このまま、数年後に僕が死んだら、この世に心残りがあり過ぎて……」
僕「平均寿命で言えば、あと30年ですよ?」
ノブキ「そんなに生きたくないですね。年取ってから都会へ出たとしても、誰も相手にしてくれないでしょう?」
僕「60代で彼氏ができたゲイ男性もいますよ」
ノブキ「そうなんですか? ただ、僕は痩せてるし、お世辞にも若く見られることはないので……」
僕「フケ専の人にとっては、若く見えない方が魅力的ですよ」
ノブキ「そうですか? でも、前立腺癌ですから、彼氏が、即、介護要員になったら、申し訳ないことです」
僕「初めから言っておけば、いいと思います」
ノブキ「僕の残りの人生に希望はあるのでしょうか?」
僕「アドバイスカードを引いてみませんか」
ノブキ「どうするんですか?」
★ノブキさんへのアドバイスカード
↑「ワンドの小姓」正位置。
「通信」の意味があります。ネット時代のやり取りをフル活用しましょう。
僕「もう1枚お願いします」
ノブキ「では……それを……」
↑「金貨の6」正位置。
お金を気前よく使う大人の男性。
お金に余裕があるなら、使ってもいいです。
僕「『通信』と『お金』を有効活用しましょう」
ノブキ「もし、母が先に逝ったら……郵便局を手放すつもりなんです」
僕「集落唯一の郵便局をですか?」
ノブキ「買い取って引き継いでもいいという人がいるんです」
僕「そうなんですね」
ノブキ「そうなった時、僕が元気なら、売却した金と貯金を持って、都会へ移住したいんです。いずれ年金ももらえますし……」
僕「老後の経済問題は、心配ないですね?」
ノブキ「そこだけは、恵まれているかもしれません」
僕「長年、ご自分の性的指向を犠牲にして、ご家族のため、地域のために働いてきたんですから……辞めたら、好きなことしていいと思います。それこそ、ウリ専ボーイを買ってもいいと思います」
ノブキ「そのためには、元気で長生きですね」
僕「そうですよ。癌を克服して……長生きしてください」
ノブキ「ありがとうございました。元気が出てきました。手術でも何でもして、前立腺癌を乗り越えます」
僕「その意気です。こちらこそありがとうございました」
さて、今日のルノルマンカードです。
↑「太陽」
「成功」や「幸福」を表します。
あなたは十分に成功し、幸福な状態と言えます。
↑峰ゆり子先生宅玄関前の観音像(北海道苫小牧市)
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