今年の長良川中央は難しい・・・
(毎年同じようなことを言っているような気がするなぁ)
天然鮎の習性、川の癖、季節や水量で日々刻々と変化する状況が分からないとツ抜けも難しい。
鮎の着かない場所には、まったく居ないからなのだ。
テクニックや道具は二の次で、通い詰めた経験の蓄積が釣果に直結すると言っても過言ではない。
さて、三週間前の3メーターの大増水で、長良川中央の状況はどう変わっているだろう?
まだ、天然遡上鮎が落ちるには早い。
土用隠れからの移行段階で、成熟前の荒食みがあっても良い時期でもある。
9/02(土)
午前中。
板取川合流より下流の長良川本流は、まだ水位が高くて、竿は出せたとしても芯には入れられない。
反対に、それより上流は昨日までは誰も芯に触れていないはずで、今日からやっと芯に入る。
シーズン中に幾度も無い千載一遇のチャンスの日なのだ。
期待に胸を躍らせて、夜明けを見ながら車を走らせる。
まだ誰も居ない、明るくなったばかりの川に立つ。
最初のひと流し・・・
二流し目・・・
三流し目・・・
深トロ(ダメ)
チャラ瀬(ダメ)
・・・ポツンと単発でしか釣れない!
引き水時の入れ掛かりになるはずが、どうした???
予想と何かが違うのだ。
水位は?(予想通り)
誰かが昨日抜いた?(そんなはずはない)
垢が無い?(ちゃんと新垢もついている)
水温か?トロ場か?淵か?それとも?
居ないはずはないから、どこかで掛かるのは間違いない。
(ここで諦めないのが経験の強さだろう)
・・・こうなると自分の竿で広域を探るしかない。
そのうちに釣り人も増え始めるが、誰の竿も曲がらない。
右岸を見切って、私一人が左岸に渡る。
諦め半分で瀬肩の波立ちにオトリを差す。
即、ズッキューン!
真っきっ黄の良型!
そこからは、入れ掛かりパラダイス。
対岸に入っていた知人も開いた口がふさがらないほどのボッコボコ。
※左岸と右岸でこれほど違うことにびっくりしたが、私も理由は分からない。
そのうちに小心者の私は、一人だけ異次元の独壇場では心苦しくなってきて、知人二人を対岸に呼び場所を譲って釣ってもらう。
他人に釣ってもらうのも、また楽しい。
それでも、私の釣果は昼までに23㎝前後(最大25㎝)の良型ばかり30数匹。
気が付くと、朝より数位が5㎝ほど落ちている。
そろそろ手付かずの下流が気になり、午後からオミタラシの長い瀬へ移動する。
移動の際に駐車場で私のブログのファン?の方に自家製枝豆とイタリアワインを頂いた。
(ありがとうございます!美味しかったです!)
案の定、オミタラシに到着して見たところでは普通の釣り人では芯に差せる水位ではない。
しかし、ご年配の釣り人数人が岸際から竿を出しており、目の前に立ち込むのは遠慮して空くのを待つ。
やっと空いた荒瀬に腰まで立ち込んで、9.5mの荒瀬竿でド芯の底に元気な天然オトリを差す。
ドッカーン!
ここでも夕方までに良型中心の20数匹。
この日の釣果は60匹には少し届かず。
写真はえげつないので、恒例の自主規制。
それにしても、改めて9mと9.5m竿のタメ性能の違いを痛感した。
長良川中央のような大河川では、この50㎝の差が大きなアドバンテージになるのだ。
この日の夜は、久々に河原でソロ飲み車中泊。
仲間とワイワイもいいが、独りもまたいい。
足腰ガタガタ疲労困憊で、8時台には就寝。(お前は小学生かい!)
9/03(日)
未明、さすがに前夜9時前に寝ると夜中の2時に目が覚める。
もう一度寝ようとしたら、つけっぱなしのNHKラジオ深夜便が長渕剛特集をやっていて、青春の懐かしいメロディーに朝の3時まで聞き入ってしまった(笑)
そのまま起き、沸かしたコーヒーを飲みながらオリオン座の夜空がゆっくり白んでくるのを眺める。
何にも代えがたい贅沢な時だ。
また今日の夜が明けた。
さて、どこに行こう。
更に下流に行ってみようか?
オトリ3匹だけ持って移動し、夜明けと共に竿を出す。
下渡橋の下流の荒瀬も私がすきな場所のひとつだ。
しかし・・・
何回流しても、まったく音沙汰がない。
よく見ると、ここの瀬はまだ垢がまったくついていなかった。
ダメだこりゃ(ドリフ調)
※私でも川見を間違うことも多々ございます(笑)
そして、何か虫の知らせで昨日午前中の場所に移動すると、すぐ近くの川沿いに住む知人が私を探しに来ていたのと出会った。
どうやら昨日、川で私を見かけて釣れていたようなので鮎が欲しくて探していたとのこと。
今年はまだ一度も鮎を食べていないらしい。
毎年、数回差し上げているので、昨日の鮎を気前よく全部プレゼント。
持参されたクーラーボックス一杯でビックリしたのが見ていた私も楽しかった。
お礼にいつもの美濃のソウルフード「ニュー柳屋のホルモン」を頂く。
※私はレバーが食べられないんだけれどね~(ゴメン・笑)
今日は昼までしか釣らないので、そのままそこで竿を出すことにした。
もう昨日散々抜いたので期待薄。
昨日の高水の荒瀬の釣りで足腰もガタガタボロボロなので、まぁいいか。
右岸で釣っていた人の邪魔にならないように、川を切って左岸に渡る。
もう簡単には掛からないだろうなぁ。
しかし・・・
また入れ掛かったのだ。
すると、ギャラリーが対岸の土手からスマホで動画を撮り出した。
(肖像権は破棄しますのでどうぞお好きなようにお使いください。笑)
椅子まで持ち出して、見物してくれた人もいた。
(釣れる度に拍手ありがとうございました)
それでも、さすがに一通り抜いてアタリが遠くなってくると、昨日の水位では差せなかった下の白泡ガンガンが気になってきた。
しかし、見たところ青苔が生えて鮎がついていそうにはない。
ダメもとで大きく盛り上がった白泡の下のオトリを止めると。
ガッツーン!
(やっぱり居たんだ)
剛竿を力いっぱい絞りこむ。
ズボッ!と抜けて来たのは「デカい」。
26センチは優に超えている。
しかし、「ヤバい腹掛かりだ!」
案の定、返し抜きで落とした際にサヨナラして逃げていった。
そこから集中力が切れて5連続バラシ(涙)
恥ずかしくて穴があったら入りたいほど。
そっと土手を見たら、幸いにもギャラリーは誰も居なくて、小心者の私は胸をなで下ろしていました(笑)
それにしても、逃がしたあのデカいヤツは惜しかった。
気を取り直して、川から上がりゆっくり昼食。
この日は、また新しい釣り人と仲良くなって話し込むと、話の内容からこのブログの人だとバレてしまった(笑)
以後よろしくお願いいたします。
昼食後、あと1時間ぐらい、どこを攻めようか。
自分らしいところ。
青苔の中でも掛かることが分かった以上、やっぱり「白泡ガンガンの荒瀬」だ。
早速、黄色い良型数匹抜くが、25㎝では物足りない。
まさかなぁ・・・とは思いながら荒瀬にギリギリまで立ち込んで、午前中に大物をバラしたピンスポットを狙う。
いつ掛かってもいいように上竿で神経を集中させる。
直後、フッと糸のテンションが消える。
(きた!)
体勢を整え次の走りに身構える。
大鮎が走ると同時に9.5mの荒瀬竿を限界まで絞り込む。
下の白泡の絞り込みまで持って行かれたら負けだ。
私も一歩も下がれない場所に立っている。
ブチ抜くしかない。
あとは愛用の剛竿と、これまでの経験で作り上げた自分の仕掛けを信じるしかない。
掛け針は太軸9号3本イカリ、ハリスは2号にしてある。
ギリッギリッと剛竿を胴からひん曲げて、その時を待つ。
ズボッ!と抜けてきたのは、また「デカい!」
「でも、今回は背掛かりだ!」
返し抜きさえすれば、あとは獲れたも同然。
無事タモに入れたヤツは、この日の25㎝クラスより二回りほどデカかった。
しかし、その鮎を見て驚いた。
腹に真新しい針傷があったのだ。
こちらが背掛かりの傷。
痛々しいその傷は、紛れもない私が午前中に獲り損なった際の傷と確信した。
そもそも、昨日からそのポイントには私以外オトリを差していない
(というか他の人では絶対差せないし、差そうとも思わない場所なのだ)
釣った喜び以上に、傷を負って癒える間もなく、すぐに元の場所に戻るという大鮎の縄張りへの執着心の強さには感動すら覚えた。
その鮎は27cmぐらい(笑)
自分の中では今期最大。
それも益田川の太鮎とは対照的な、超筋肉質のマッチョ鮎。
どうりで引くはずだ。
(だから、これを一歩も下らず抜かなきゃ獲れない長良川中央の荒瀬釣りは、コ〇イン並に中毒性が高いのだ)
結果、この日も2時までに30匹くらい。(アバウトな性格ですみません)
それにしても、ずっと内緒で書いていたこのブログも、内容がよほど個性的なのか?それとも私の釣り方が個性的なのか?だいぶ面が割れてきてしまった(笑)
え~い!もう、どうにでもなれぃ!(涙)
ヤケクソで、今回はこの世に唯一無二の自作引き舟(ホワイト二号ちゃん)まで晒してしまった。
(これについては、オフシーズンにゆっくり書きます)
もし、この舟を見かけたら気兼ねなくお声掛けくださいね。