長良川と郡上竿の世界

長良川と郡上竿の世界

ディープな世界にようこそ

10/28(土)

 

日を追うごとに秋色は濃くなっていく。

長良川から夏の喧騒は消え去り、澄んだ青空の下を滔々と流れている。

あれだけ賑やかだった長い瀬にも人影はない。

久しぶりに郡上美並の福手さんのところに遊びにいくと、工房には留守で、奥さんに聞くと川らしい。

早朝から網漁をしてるとのこと。

 

「昨晩に夕立があっただろう…」

この時期の落ち鮎は、少しの水位変化と濁りをきっかけに一斉に下るのだという。

それも、未明から夜明け頃に群れで動くらしい。

そんな長年の経験による読みで、昨晩に入れた夜網を今朝上げると沢山の鮎が掛かっていたとのことだった。

更に下ってくる鮎を、今度は投げ網で狙っていたのだ。

風も無い小春日和の土手に二人で座り、網を解きながらいろいろな話をした。

福手さんも、もう88歳。

体を心配した奥さんが川に行くのを止めるのだが、どうしても鮎が気になって仕方ないのだと言いながら笑った。

若い頃から、もう何十年も鮎釣りと網漁で生きてきた漁師の血が騒ぐのだ。

尽きない話の途中で突然…

「見てみろ」

と川面を指さした。

いつのまにか鮎の大きな群れが来ていた。

音もなく、すっと立った福手さんの右手には投げ網が握られてる。

水面を睨むそれは「漁師の目」だった。

じっと群れの動きを読んでいる。

直後、右手がピクリと動いた。

迷いも無駄もない一瞬の動きだった。

手から放たれた網が鮎の群れを囲むように広がって川面に落ちたと同時に、手前に小石を投げて鮎を網に追う。

年齢などまったく感じさせない見事な技だった。

 

覗くと、水中では20匹ほどの鮎が網の中で銀色の身をくねらせていた。

福手さんはゆっくりと舟を出し、慣れた手つきで網を上げていく。

それでも、今年の鮎は小さいという。

網に掛かった鮎を外していると、福手さんが

「今日はそろそろ終わりだな」

と言った。

直後、それまで鏡のように静かだった水面に強い風が吹きだした。

老漁師には、川のことは何でも分かるらしい。

 

昨年の今頃は一日で60㎏も獲った日があったというが、この日の漁では15㎏。

昼になり、川から舟を上げる。

この古舟も作られてから33年もの長い間、福手さんと一緒に長良川をみてきた。

鮎が落ち終わると、長良川もいよいよ長い冬に向かう。

 

 

 

 

10/22(日)

 
朝から天気がいい。
しかし、鮎釣りの道具はもう片付けた。
何でもいいから釣りがしたい・・・
そうだ。久しぶりにハゼ釣りにでも行こうか。
潮を調べてみると小潮。
ノベ竿で釣るにはちょうどいい。
場所は、家からそれほど遠くない木曽川下流。
餌は途中の釣具店でイシゴカイではなく、あえてアオイソメ(青虫)を買う。
到着すると、ちょうど干潮から潮が上げ始めたベストタイミング。
竿は郡上竿。
カーボンの「郡上あまご5.4ⅿ」。
郡上竿でハゼを釣るのは三年振りぐらいだろうか。
仕掛けも、渓流釣りとほとんど一緒の脈釣り用。
移動式天井糸。
道糸は伸びがなく感度がいいPE0.3号。
蛍光毛糸の目印4個。
オモリだけはアマゴ釣りより少し大きい0.5号。
ハリは藤本重兵衛の「新アマゴ」。
腰には郡上タモと郡上魚籠。
首からは郡上の虫入れ。
到着して第一投目からハゼ特有の小気味良いコンコーン!というアタリが出て、10センチクラスをタモに飛ばす。
上げ潮でちょうど活性が高く、アタリは止まらない。
それでも、上げ潮と一緒に群れで移動してくるのか、アタリが頻発するタイミングにもムラがある。
だから、手返し良く釣るために、ハゼをタモに10匹くらい溜めてから魚籠にいれる。
手元にアタリが出る前に、目印で糸フケを読み取って合わせないと、飲まれるか餌だけを取られる。
渓流のアマゴ釣りのように、微妙なアタリをとらえて合わせ、遊ばせずに抜いて腰に差したままのタモに飛ばしてハリを外す。
硬い穂先の郡上竿だから、それができる。
穂先の細い普通の渓流竿では、こうはいかないのだ。
簡単なハゼ釣りだが、奥が深い。
餌は、アオイソメの頭が一番針持ちがいい。
そして、アタリを出すためのハゼとの駆け引きと、小さい魚の割に強い引き。
これが、時が経つのを忘れさせるくらい面白いのだ。
私は、ハゼ釣りでも何匹か釣ると針先が鈍るので砥石で研ぐ。
すると、アタリを合わせて針に乗る確率が格段に違ってくる。
 
2時間半ほどで魚籠が重くなったので納竿。
数えてみると114匹の束超え。
 

鮎もハゼも一年で一生を終える年魚。
釣ったハゼは、命に感謝していただいた。
 

葛の葉の隙間からのぞいたミゾソバの花とツユムシ

 

 

気づけば夏が終わっていた。

うだるような日差しの中で、嬉々として流れに浸かり鮎を追いかけていた日々。

寝ても覚めても、頭の中は鮎のことでいっぱいだった。

虫取り網をかついで野山を駆け巡っていた夏休み。

五十路になっても、あの頃からまったく成長できない自分がいる。

 

 

10/7(土)

今期最終の釣行

天気が良いのは今日だけだろう。

鮎の顔だけでも見たい。

今朝寄った長良中央の矢島オトリ店もこの週末分までしかオトリがないようなので、どちらにしても今シーズンはもう強制終了だ。

踏ん切りがついてちょうどいい。

土曜日は朝から寺瀬。

もう専用区じゃないから釣り人も少ない。

この時期の鮎は、深トロか淵に群れているのは分かっている。

もしくは、チャラの泳がせがセオリーだろう。

だが…

最後まで自分らしい瀬釣で、竿先を引ったくるアタリを記憶に刻んだままオフシーズンを過ごしたい。

単なる自己満足だが譲れない。

しかし、この時期の鮎は私のワガママをきいてはくれなかった。

早速、瀬を一通り探ってみるが留守番の鮎はいない。

やはり、トロか淵でオトリを取って瀬の時合が来るのを待つしかないだろう。

深いトロでは盛んに鮎が跳ねている。

群れ鮎だ。

フロロ仕掛けに替えて泳がせると、面白いように絡んで掛かる。

自分の釣りではないが仕方ない。

そこで掛けたオトリを持って移動し、大淵を狙う。

仕掛けをロングメタルに張り替え、オモリを打って流心の底を引く。

狙いは正解。

淵の底では、良型の黄色いメスが追って掛かる。

午後2時過ぎ、そろそろ瀬の時合が来る頃。

風が出て来たので竿を9.5から9.0mに替えて瀬を狙う。

ガツン、ギューン!

読みは正しかった、やっぱり居た!

黄色いオスが瀬に入ってきていた。

オトリを差す度に、また面白いように目印が飛ぶ。

だが、鮎のサイズの割に竿が硬すぎたのだろう…3つもバラした(涙)

見ていた友人にも笑われてしまった(笑)

それでも午後3時までに20匹。

この時期にしては上出来で、このまま終わっても満足できる釣果だ。

夜は、また釣友達と河原で納竿の大宴会。

私はいつものコック長。

毎週毎週、何やってんだか…(笑涙)

 

 

10/8(日)

今日は午後からは雨。

午前中が今シーズン最後の釣りになる。

場所はいつもの御神手洗(オミタラシ)。

釣友達は皆、この時期のセオリー通りにトロを狙いに行く。

私は昨日の釣果で満足したから、今日は徹底して自分らしい釣りをする。

釣れなくてもいい。

もう荒瀬に鮎が居ないのは、先週痛いほど確認している。

それでも今日は「荒瀬のド芯だけを攻める!」と決めた。

もちろん、この時期の荒瀬の真ん中に立つ人など誰もおらず、無人。

やった!やりたい放題だ!(アホ)

傍から見たら、馬鹿にしか見えないだろう。

幸いにも元気なオトリは沢山ある。

釣れても釣れなくても、荒瀬の底流れをノーマル仕掛けのゼロテンションで引く感触だけ体に刻み込んで終わりたい。

「バカの一つ覚え」と言われても、これが確立した私のスタイルなのだ。

そう言い聞かせて、無人の荒瀬に立ち込んでいく。

最後だからなのだろうか…

オトリを沈めると、いつも以上に感覚が研ぎ澄まされている。

荒瀬の中でも、竿先からラインを通じでオトリの泳ぎが水中映像でも見るかのように伝わってくるのだ。

ガンガン瀬の白泡の底、オトリの鼻先を引かずに石から石へと横にスライドさせる。

掛かるはず・・・

そう思った直後。

コン!

ギューン!

居た!!

なんと、そこから黄色いオスの4連チャン。

ギューン!

ギューン!

ギューン!

ギューン!

荒瀬で掛かった鮎の引きを味わうことで、私は生きていることを実感する。

 

そして、シーズンの終わりに、長良川の荒波に身をあずけて水流に抱かれる。

長良川の流れを全身で受け止めて、その感触を脳裏に刻むのだ。

(聖なるガンジス川で沐浴するヒンズー教徒のように)

 

…ギューン!

そんなキツイ荒瀬の芯で、まだ良型が追ってくれた。

やはり、荒瀬で釣れたこの日の釣果は全てオスだった。

でも、この時期のオスを引くと…悲しいかな黒くなる。

もう、そういう季節なのだ。

そろそろ納竿しよう…

 

この日、長良川は最後まで私のワガママに応えてくれた。

実釣3時間で良型ばかり10匹。

シーズン最後の釣行で納得の出来だ。

これで後ろ髪引かれずに納竿できる。

愛竿にもお礼を言いながら仕舞うと、それを待ってくれていたかのように空から冷たい秋の雨が落ちはじめた。

(この日、友人が撮影してくれた鮎たわけ)

 

 

 

今シーズンも長良川でたくさんの新しい友人と知り合うことができた。

また、毎年のように増える釣り友が一緒だからこそ、川でも淋しくない日々が過ごせた。

若い友が成長し追ってくる姿と、人生の先輩の後ろ姿、だからこそ自分の今の在るべき姿が見える。

このブログを通じて関わらせていただいた多くの方々に感謝したい。

そして何より、シーズン中の全ての週末を釣行に費やす「たわけ」を、笑顔で許してくれた妻に感謝したい。

最後に、豊かな長良川の恩恵に感謝し、これが末永く続くことを願ってやまない。

さて、来シーズンまでの半年、何を生きがいに日々を暮らそう(涙涙涙)

 

鮎シーズンが終わっても、新しい「ディープな世界」でブログを更新しますので見に来てくださいね。

私の友釣りは、追い気のある鮎を掛ける釣りだ。

追わない鮎を引っ掛けるのは友釣りではないと思っている。

だから、必然的に追う鮎が居なくなると納竿するしかないのだ。

 

今年の長良川も、既に成熟の早い大鮎は落ちて姿を消し、遅くに遡上してきた中小型中心の釣りになっている。

その中小の鮎も成熟して腹が重くなると遊泳力も弱くなるのだろう、流れの強い荒瀬には極端に薄く、ゆるやかな流れの平瀬や淵に群れ始めている。

そんな晩期の鮎でも、一日何度かの短い時間だけは瀬に入ってきて垢を食む。

その時間だけは、追い星もまっ黄色にして果敢に追い合うのだ。

 

9/30(土)

この日も渇水でシビアな釣りだった。

友人と長良中央のいつもの場所。

石色は明るいが、流れに生命感は薄い。

早朝に数匹掛けるが、日が昇ると瀬の中を金属ラインで引くオトリにはまったく反応がなくなった。

しかたない・・・

フロロラインに張り替えて、剛竿のベタ竿でテンションフリーという必殺技?で、なんとか元気なオトリを泳がす。

やはり、オトリの動きが違うのだろう。

それまで全く掛からなかったのに、追い気満々の黄色い鮎が派手に目印を飛ばして掛かる。

これだけ黄色いのに、引くオトリにはなぜ反応しないのだろうか?

理由は分からないが、結果は正直だ。

そんな釣りで昼までに16匹。

午後からは大移動。

更に長良川中央の下流域へ。

荒瀬好きな二人だから、ヨダレの出そうな無人の瀬に突撃するが・・・

あれ???

スカスカ!(涙)

鮎の気配がない。

時間ばかりが過ぎて既に午後3時半過ぎ。

釣り下りながら諦めかけていた時・・・

突然、夕食みが始まった。

ズキューン!

先ほどまでの沈黙が嘘のよう、オトリを差す度に目印が水面につき刺さる。

型はそれほどでもないが、天然遡上鮎の引きは強烈だ。

まだアタリは続いていたが、秋の夕暮れは早い。

4時半に納竿。

この日の私の釣果は計32匹。

 

 

10/01(日)

ついに10月に突入してしまった。

夜半から強い雨

これで水温が下がると、いよいよ季節替わりを告げる雨になるのかもしれない。

朝方の雨が上がるのを待って、ゆっくり竿を出す。

水位が10センチほど上がったが、これで活性は下がってしまったのか?

それとも・・・

本当に大鮎は荒瀬にいないのだろうか?

淡い淡い期待に、またバカの一つ覚えで荒瀬に一人立つ。

(これで釣れなくても本望だ)

案の定、アタリは遠い。

それでもマグレで掛かった?良型のメスを荒瀬のド芯にねじ込む。

直後、コツン??・・・ズッドン!

ほとんど期待していなかったから、不意なアタリに一瞬竿を絞るのが遅れてしまった。

GamakatsuパワーSP荒瀬9.5mが今年一番に大きく曲がる。

まるで一昨日の中秋の満月のように。

最初の走りを止めて流心のこちら側に寄せられなかったのが致命的で、掛かった大物は荒瀬の流芯を突っ切って対岸に走ってしまった。

(これは獲れないかもしれない)

これ以上下られないように、全身で剛竿を絞り耐えていると、フッと竿のテンションが消えた。

ハリ外れだ。

掛かりどころが良くなかったのか浅かったのか・・・仕方ない。

それで集中力が切れたというのは言い訳だろう。

この日は昼12時までに5匹のみで納竿。

一方で、波立ちの無い平瀬の釣り人の竿は頻繁に曲がっていた。

いよいよ、今年の鮎釣りを終わらせなくてはならない日が近いのだろう・・・

 

PS.

この日、昼に上がって片付けていたら、私の視線がある人から動かせなくなった。

なんと、トンガリ麦わら帽子にタモを乗せ、束ねた竹の郡上竿を担いだ釣り人が歩いているのだ。

麦わら帽子と被りタモは、長良川でもまだ見られるが、竹の郡上竿を実際使う釣り人は、私でもかれこれ10年くらい見ていない。

最初は何かの見間違いかと目を疑ったほどだ。

思わず近寄って話をさせてもらうと、その方は滋賀県から来たKさんで、郡上スタイルに憧れて数年前からこの姿で竹の郡上竿を使って釣っているという。

担いでいる竿は、一目で福手さんの竿と分かった。

やはり、それは福手さんが現役の頃愛用していた4本継ぎの竿を数年前に譲ってもらったものだという。

福手さんも、Kさんに実際に使ってもらって本望に違いない。

私も嬉しくなり、Kさんにブログに載せる許可をいただき撮影させてもらった。

今年長良川中央に来るのは今日で3回目だという。

その竿は4間(7.2m前後)で重さも850gほどあり、現代のカーボン竿とはかけ離れた代物である。

水中糸はナイロンの0.6号の通しで、仕掛けまでも往年の郡上スタイルを貫いていた。

Kさんは自分では「郡上スタイルのコスプレ」だと謙遜していたが、その立ち姿と竿さばきは鮎釣りの経験の長さを物語っていた。

長良川からこの姿の郡上漁師が消えて、もう幾年になるだろう・・・

私ももう見る機会は無いと思っていたが、意外にも県外の方が継いでいてくれたのは大変嬉しかった。

聞くとKさんも私のブログをよくご存じで、来年は長良川で一緒に釣りましょうという話になった。

私も、郡上スタイルの道具は家に山ほどある。

・竹の郡上竿と木製の引き舟

・トンガリ帽子に被りダモ

・ブリキのオトリ缶に木製の道具箱

・肩掛け車掌鞄で腰にはオモリ袋

・足半(なしなか=かかとの無い藁草履)までは無理だろうが・・・

下記は往年の福手氏

古いアルバムから飛び出したような恰好で川に立ち込んだら皆が驚くに違いない(笑)

小心者なので一人では恥ずかしかったが、二人なら少しは和らぐだろう。

来年は本場郡上の長良川で、私もオールド郡上スタイルで郡上抜きをしてみよう。

その時は、やるなら紺染めの法被(はっぴ)も着たいがどこかに売っていないかなぁ。

 

9/23(土)

赤い彼岸花には「あきらめ」という花言葉があるらしい。

たしかに、ちょうど鮎が追わなくなる時期に咲く花である。

しかし、この日は引水どきの絶好のチャンス。

まだ諦めてなどいられない。

いろいろと準備があって7時過ぎの遅めに到着すると、既に友人が竿を出していた。

水は濁っていたが、ボチボチ掛かるとのこと。

このくらいの高水の方が私は一番面白い。

やっとgamakatsuパワーSP荒瀬9.5mを伸ばす機会が来た。

仕掛けは金属0.3号を7m張って、目印は天井糸についている。

高水、大鮎、ベタ竿の仕様である。

これで、押しの強い荒瀬の底を広く這わせて鮎を掛ける。

午前中、瀬の中では鮎の活性は高かった。

黄色い良型が掛かるが、この竿なら24・25㎝クラスぐらいは簡単に抜ける。

午後3時までに型揃いで26匹。

急にオス・メスがはっきりしてきた感じがする。

オス鮎

メス鮎

夜は、鮎釣り仲間が河原に集まって終盤恒例の大宴会。

なぜか私は料理長におだて上げられ、毎年、十数人分の鮎飯などを作って振る舞う役目。

だから、前夜から材料の準備で大忙しなのだ(笑)

この日も2回に分けて一升の鮎飯を炊いた。

(忙しすぎて写真もなし)

おまけに、私がその日に釣った良型鮎も焚火で塩焼きにして皆でペロリと食べてしまう。

コラ!(怒)

毎年私の釣る鮎ばかりあてにせず、たまには自分が釣った鮎を出しなさい(笑)

そんなこんなで、私は荒瀬の釣り疲れと料理疲れで早く寝てしまうが、皆は夜半まで大盛り上がりしていた。

そして、翌朝は誰よりも早く起きて残った塩焼きで鮎雑炊も作るのだ。

皆も楽しい・美味しいと喜んでくれるから、まあいいか(笑)

 

9/24(日)

この日は、更に他の仲間も集まって長良川中央でプチ大会。

皆、好き好きの場所に散って昼までの釣果を競う。

もちろん、私一人だけだれもやらないガンガン荒瀬のド芯狙い。

しかし、シーズン終盤の荒瀬は型は良いが数は厳しかった。

トロ場を丁寧に泳がせた人は、小型ながら20匹ぐらい釣っていた。

私は、もちろんダントツ大物賞(笑)

終わって家に帰って成熟度合いを調べたら、先週までとは違って急に精巣も卵巣も大きくなっており、代わりに垢が入った腸はかなり小さくなっていた。

「これじゃ追わなくなるわけだ」

やはり、ヒガンバナは「諦めろ」の合図なのだろうか・・・

 

 

PS.

先々週末のこと

長良川中央で鮎釣りの途中に、私のブログのファンだと言うSさんから、

「見てほしいものがあるのだけれど」

と声を掛けられた。

ん???

見せてくれたのは、、、

なんと兄弟舟だった。

(撮影・掲載OKは頂いています)

この引き舟は、そのSさんが私のブログ記事を見てどうしても欲しくなり、同じように苦労して作ったとのこと。

フタから排水口まで忠実に再現している。

それも私より丁寧な作りなのだ。

見事な完コピ。

左が私のホワイト2号、右側がSさん作

更に、SさんはDAIWAファンだと言うことで、オリジナリティも出してあった。

(私のはgamakatsu)

正直今まで、私のブログの記事を見ただけでここまでやる人はいないと思っていた。

その記事

↓ ↓ ↓

理想の引き舟を求めて【第1話】 | 長良川と郡上竿の世界 (ameblo.jp)

それには、並大抵ではない労力と技術が必要なのだ。

しかし、世の中は広い。

私みたいな変人がいたのである(笑笑)

それは、私の一作目のレッド一号の記事を参考に作ったとのことだか、偶然にも私のホワイト二号と同色になっていた。

私のレッド一号

 

ラッキーだ!

おまけにSさんも荒瀬好きだというから、これで長良川に私の影武者ができたことになる。

今後、あなたが長良川で見る白い大きな引き舟の釣り人は、「鮎たわけ」ではないかもしれない(笑)

 

波の谷間に命の花が

ふたつ並んで咲いている

兄弟船は親父の形見

 

兄弟船(1982年発売)

歌 鳥羽一郎 作詞 星野哲郎

 

「夢のような夏」がいつまでも続かないことは分かっていたつもりだった。

気が付けば日暮れは早くなり、稲穂は首を垂れ始めている。

季節は移ろうのだ。

そして、否が応でも長良川の鮎もだんだん成熟していく。

 

この時期の鮎は気分屋だ。

腹が重くなってくると、終日追い合うようなことはしない。

一日に数回は時合が来るが、それ以外の時間は沈黙の川になるのだ。

その濃淡は、秋が近づくと日に日に強くなっていく。

 

9/16(土)

この日もそうだった。

早朝から板取川合流の寺瀬に入ったが、渇水の上に鮎のご機嫌も悪いようで、昼までに10匹程度しか掛からず、御神手洗(オミタラシ)に移動する。

ここでも夕方3時ごろまでポツリポツリとしか掛からない。

それも、色が白く追い気の弱い中型以下のサイズばかり。

先週まで掛かったような大型は、まったく姿を現さない。

その鮎の腹の中も見たが、落ちてしまうにはまだまだ早い成熟度合だった。

どこにいるんだ?

正解を見つけられないまま日が傾いてきた。

そこからが時合だった。

周囲の釣り人の竿も一斉に立ち始める。

ほぼ入れ掛かり。

ガツン!ギューン!!

オトリを差した瞬間にひったくる。

しかし、針立ちが悪く掛かった半分がバレる。

皮が固いのか、アタリが弱いのか?

大鮎狙いの太軸大針から並軸中針に変更して、やっとバレは減ったが、まだアタリの1/3は水面で外れてしまう。

(自分の下手さに落ち込むほど)

鮎のサイズに対して竿が硬いのか?

それとも、まだ針が合っていないのか?

掛かる鮎は、全てヒレまで真っ黄色で怒っているがサイズは中型どまり。

しかし、宴はたった1時間で終焉。

また川は沈黙し、引いても泳がせても何の反応も返さなくなった。

結局バレバレで、捕れたのは掛けた半分ほどだろう。

この日の釣果は30匹ぐらい。

 

夜は師匠と反省会だ。

焚火を囲んで鮎を焼く。

日頃のお礼を兼ねて私の特製鮎飯を作った。

まだ夜風は蒸し暑いが、虫の声に秋がきてしまったことを知る。

酔いながら気が付くと、毎年同じような会話をしていた。

もう何十年も鮎釣りをしてきた二人でも、鮎釣りは分からないことばかりなのだ。

どれだけ考えても答えは見つからない。

師匠の愛車のように、そこには技術や道具が進歩しても到達できない何かがある。

だから、こんなにも魅入られてしまうのだろう。

 

 

9/17(日)

この日は用事があって、釣りができるのは朝だけ。

朝食後7時半からさっそく竿を出す。

昨日の感触から、どうせ朝からは掛からないだろうと高をくくっていた。

しかし、そんな期待をも鮎は裏切る。

昨日は、どれだけ探っても音沙汰もなかった荒瀬の中でいきなりアタリが出る。

それも良型。

更にアタリは止まらない。

ほぼ入れ掛かり。

こんなチビのオトリにも

すぐに、こんな大きな奴が掛かる。

でも、やはりバレが多い。

そして、急に追いが止まる。

実釣は1時間くらいだっただろうか?

夢のような入れ掛かりで15回以上アタリがあったが、捕れたのは10匹。

最大は26.5センチ。

バタバタした宴が終わると、あれだけ賑やかだった瀬の中も無音に沈む。

時合もここまではっきりしていると、潔く竿を仕舞う諦めがつく。

朝9時前に竿を畳み、いったん帰宅。

 

9/18(月)

昨日の感触から、朝一から掛かることを期待して師匠のいる御神手洗(オミタラシ)で合流。

しかし、この日は生憎の驟雨。

また状況は変わるのか?

案の定、昨日入れ掛かった荒瀬の中でまったくアタリが出ない。

雨で増水しはじめると鮎の警戒心が薄れるというセオリーが通じない。

マグレアタリすら無い。

遊んでくれたのは・・・

ここまで翻弄されるのは、ある意味面白い。

どんな状況のどんなタイミングでスイッチが入るのか、まったく分からないのだ。

気まぐれな美人に遊ばれている感じ(笑)

朝から昼過ぎの2時まで、元気なオトリで、どれだけ丁寧に探っても時合らしきものは来なかった。

上流で結構降ったのか?

そのうちにどんどん増水してきて荒瀬にも竿が届かなくなった。

この日の釣果は10匹程度。

 

ドMの私は、懲りずに今週末もまた竿を出すに違いない。

 

9/10(日)

前日の土曜日は、鮎釣りに行きたかったが接待ゴルフ。

ド下手なので、いっぱい打っていっぱい走った。

それも、初めて1.5ラウンドも回ったのだ。

もう、足も腰も肩もボロボロ。

もちろん、スコアもボロボロ(笑)

だけど、どれだけ疲れていようが鮎釣りには行く。

家で寝てなんかいられない。

 

長良中央のお気に入りの場所。

土曜日にだいぶ抜かれたはずだから厳しいだろうなぁ。

案の定、だれもが狙うようなポイントは掛からない。

しかし、掛かれば良型が竿先をひったくる。

いつの間にか、もう9月。

だいぶオスメスがはっきりしてきたが、まだ色が出るほどではない。

大水が出ないかぎり、まだまだ友釣りで釣れる鮎だ。

それでも鱗は荒く硬くなっているから、針先だけはマメにチェックする必要がある。

(私は研ぐけど)

朝方はバタバタと掛かったが、日が出るとアタリはピタッと止まった。

荒瀬の中も前日に抜かれた感じで掛からない。

瀬を一通り探って大淵を釣る。

まだまだ淵は水が高いから誰も底には入れてないはず。

腰上まで立ちこんだ上に、3号玉を2個つけてやっと流心の淵の底に入る。

ズキューン!

いきなり、いいアタリ!

荒瀬竿を満月に、糸を鳴らしながら深淵の底から浮かしたのは良型。

それをオトリにして、最初のひと流しはオモリを外して泳がせる。

グリグリ、ズッキューン!

また来た!!

そして、目の覚めるようなアタリの末に、さんざん引き回されてタモで掬ったのは・・・

尺ウグイ(笑)

この日は根掛かりも連発。

6匹も川底に埋め込んだ(涙)

結果、30匹以上は釣ったと思ったのだが、終わってみれば26匹。

それでも、27センチぐらいが2匹いた。

そんな大きなのを釣った覚えなんかなかったけど。???

もう、27センチでも大きく感じなくなったらしい(笑)

今シーズンもあとひと月ぐらい、何回竿をだせるだろうか・・・

もう一回り大きなのが釣りたいなぁ。

さすがに、ゴルフ疲れの上に荒瀬釣りで、足腰立たないほどボロボロでフラフラ。

そういえば・・・明日月曜日は早朝から東京出張だ。

仕事になるかしらん。(笑)

 

 

今年の長良川中央は難しい・・・

(毎年同じようなことを言っているような気がするなぁ)

天然鮎の習性、川の癖、季節や水量で日々刻々と変化する状況が分からないとツ抜けも難しい。

鮎の着かない場所には、まったく居ないからなのだ。

テクニックや道具は二の次で、通い詰めた経験の蓄積が釣果に直結すると言っても過言ではない。

さて、三週間前の3メーターの大増水で、長良川中央の状況はどう変わっているだろう?

まだ、天然遡上鮎が落ちるには早い。

土用隠れからの移行段階で、成熟前の荒食みがあっても良い時期でもある。

 

9/02(土)

午前中。

板取川合流より下流の長良川本流は、まだ水位が高くて、竿は出せたとしても芯には入れられない。

反対に、それより上流は昨日までは誰も芯に触れていないはずで、今日からやっと芯に入る。

シーズン中に幾度も無い千載一遇のチャンスの日なのだ。

期待に胸を躍らせて、夜明けを見ながら車を走らせる。

まだ誰も居ない、明るくなったばかりの川に立つ。

最初のひと流し・・・

二流し目・・・

三流し目・・・

深トロ(ダメ)

チャラ瀬(ダメ)

・・・ポツンと単発でしか釣れない!

引き水時の入れ掛かりになるはずが、どうした???

予想と何かが違うのだ。

水位は?(予想通り)

誰かが昨日抜いた?(そんなはずはない)

垢が無い?(ちゃんと新垢もついている)

水温か?トロ場か?淵か?それとも?

居ないはずはないから、どこかで掛かるのは間違いない。

(ここで諦めないのが経験の強さだろう)

・・・こうなると自分の竿で広域を探るしかない。

そのうちに釣り人も増え始めるが、誰の竿も曲がらない。

右岸を見切って、私一人が左岸に渡る。

諦め半分で瀬肩の波立ちにオトリを差す。

即、ズッキューン!

真っきっ黄の良型!

そこからは、入れ掛かりパラダイス。

対岸に入っていた知人も開いた口がふさがらないほどのボッコボコ。

※左岸と右岸でこれほど違うことにびっくりしたが、私も理由は分からない。

そのうちに小心者の私は、一人だけ異次元の独壇場では心苦しくなってきて、知人二人を対岸に呼び場所を譲って釣ってもらう。

他人に釣ってもらうのも、また楽しい。

それでも、私の釣果は昼までに23㎝前後(最大25㎝)の良型ばかり30数匹。

気が付くと、朝より数位が5㎝ほど落ちている。

そろそろ手付かずの下流が気になり、午後からオミタラシの長い瀬へ移動する。

移動の際に駐車場で私のブログのファン?の方に自家製枝豆とイタリアワインを頂いた。

(ありがとうございます!美味しかったです!)

案の定、オミタラシに到着して見たところでは普通の釣り人では芯に差せる水位ではない。

しかし、ご年配の釣り人数人が岸際から竿を出しており、目の前に立ち込むのは遠慮して空くのを待つ。

やっと空いた荒瀬に腰まで立ち込んで、9.5mの荒瀬竿でド芯の底に元気な天然オトリを差す。

ドッカーン!

ここでも夕方までに良型中心の20数匹。

この日の釣果は60匹には少し届かず。

写真はえげつないので、恒例の自主規制。

それにしても、改めて9mと9.5m竿のタメ性能の違いを痛感した。

長良川中央のような大河川では、この50㎝の差が大きなアドバンテージになるのだ。

この日の夜は、久々に河原でソロ飲み車中泊。

仲間とワイワイもいいが、独りもまたいい。

足腰ガタガタ疲労困憊で、8時台には就寝。(お前は小学生かい!)

 

 

9/03(日)

未明、さすがに前夜9時前に寝ると夜中の2時に目が覚める。

もう一度寝ようとしたら、つけっぱなしのNHKラジオ深夜便が長渕剛特集をやっていて、青春の懐かしいメロディーに朝の3時まで聞き入ってしまった(笑)

そのまま起き、沸かしたコーヒーを飲みながらオリオン座の夜空がゆっくり白んでくるのを眺める。

何にも代えがたい贅沢な時だ。

また今日の夜が明けた。

さて、どこに行こう。

更に下流に行ってみようか?

オトリ3匹だけ持って移動し、夜明けと共に竿を出す。

下渡橋の下流の荒瀬も私がすきな場所のひとつだ。

しかし・・・

何回流しても、まったく音沙汰がない。

よく見ると、ここの瀬はまだ垢がまったくついていなかった。

ダメだこりゃ(ドリフ調)

※私でも川見を間違うことも多々ございます(笑)

そして、何か虫の知らせで昨日午前中の場所に移動すると、すぐ近くの川沿いに住む知人が私を探しに来ていたのと出会った。

どうやら昨日、川で私を見かけて釣れていたようなので鮎が欲しくて探していたとのこと。

今年はまだ一度も鮎を食べていないらしい。

毎年、数回差し上げているので、昨日の鮎を気前よく全部プレゼント。

持参されたクーラーボックス一杯でビックリしたのが見ていた私も楽しかった。

お礼にいつもの美濃のソウルフード「ニュー柳屋のホルモン」を頂く。

※私はレバーが食べられないんだけれどね~(ゴメン・笑)

今日は昼までしか釣らないので、そのままそこで竿を出すことにした。

もう昨日散々抜いたので期待薄。

昨日の高水の荒瀬の釣りで足腰もガタガタボロボロなので、まぁいいか。

右岸で釣っていた人の邪魔にならないように、川を切って左岸に渡る。

もう簡単には掛からないだろうなぁ。

しかし・・・

また入れ掛かったのだ。

すると、ギャラリーが対岸の土手からスマホで動画を撮り出した。

(肖像権は破棄しますのでどうぞお好きなようにお使いください。笑)

椅子まで持ち出して、見物してくれた人もいた。

(釣れる度に拍手ありがとうございました)

それでも、さすがに一通り抜いてアタリが遠くなってくると、昨日の水位では差せなかった下の白泡ガンガンが気になってきた。

しかし、見たところ青苔が生えて鮎がついていそうにはない。

ダメもとで大きく盛り上がった白泡の下のオトリを止めると。

ガッツーン!

(やっぱり居たんだ)

剛竿を力いっぱい絞りこむ。

ズボッ!と抜けて来たのは「デカい」。

26センチは優に超えている。

しかし、「ヤバい腹掛かりだ!」

案の定、返し抜きで落とした際にサヨナラして逃げていった。

そこから集中力が切れて5連続バラシ(涙)

恥ずかしくて穴があったら入りたいほど。

そっと土手を見たら、幸いにもギャラリーは誰も居なくて、小心者の私は胸をなで下ろしていました(笑)

それにしても、逃がしたあのデカいヤツは惜しかった。

気を取り直して、川から上がりゆっくり昼食。

この日は、また新しい釣り人と仲良くなって話し込むと、話の内容からこのブログの人だとバレてしまった(笑)

以後よろしくお願いいたします。

昼食後、あと1時間ぐらい、どこを攻めようか。

自分らしいところ。

青苔の中でも掛かることが分かった以上、やっぱり「白泡ガンガンの荒瀬」だ。

早速、黄色い良型数匹抜くが、25㎝では物足りない。

まさかなぁ・・・とは思いながら荒瀬にギリギリまで立ち込んで、午前中に大物をバラしたピンスポットを狙う。

いつ掛かってもいいように上竿で神経を集中させる。

直後、フッと糸のテンションが消える。

(きた!)

体勢を整え次の走りに身構える。

大鮎が走ると同時に9.5mの荒瀬竿を限界まで絞り込む。

下の白泡の絞り込みまで持って行かれたら負けだ。

私も一歩も下がれない場所に立っている。

ブチ抜くしかない。

あとは愛用の剛竿と、これまでの経験で作り上げた自分の仕掛けを信じるしかない。

掛け針は太軸9号3本イカリ、ハリスは2号にしてある。

ギリッギリッと剛竿を胴からひん曲げて、その時を待つ。

ズボッ!と抜けてきたのは、また「デカい!」

「でも、今回は背掛かりだ!」

返し抜きさえすれば、あとは獲れたも同然。

無事タモに入れたヤツは、この日の25㎝クラスより二回りほどデカかった。

しかし、その鮎を見て驚いた。

腹に真新しい針傷があったのだ。

 

こちらが背掛かりの傷。

痛々しいその傷は、紛れもない私が午前中に獲り損なった際の傷と確信した。

そもそも、昨日からそのポイントには私以外オトリを差していない

(というか他の人では絶対差せないし、差そうとも思わない場所なのだ)

釣った喜び以上に、傷を負って癒える間もなく、すぐに元の場所に戻るという大鮎の縄張りへの執着心の強さには感動すら覚えた。

その鮎は27cmぐらい(笑)

自分の中では今期最大。

それも益田川の太鮎とは対照的な、超筋肉質のマッチョ鮎。

どうりで引くはずだ。

(だから、これを一歩も下らず抜かなきゃ獲れない長良川中央の荒瀬釣りは、コ〇イン並に中毒性が高いのだ)

結果、この日も2時までに30匹くらい。(アバウトな性格ですみません)

 

それにしても、ずっと内緒で書いていたこのブログも、内容がよほど個性的なのか?それとも私の釣り方が個性的なのか?だいぶ面が割れてきてしまった(笑)

え~い!もう、どうにでもなれぃ!(涙)

ヤケクソで、今回はこの世に唯一無二の自作引き舟(ホワイト二号ちゃん)まで晒してしまった。

(これについては、オフシーズンにゆっくり書きます)

もし、この舟を見かけたら気兼ねなくお声掛けくださいね。

8/26(土)

今日は前回とはまた別の客人の接待。

年に一回だけ岐阜に鮎釣りにいらっしゃる。

それがずっと続いていて、今年でかれこれ10回目くらいだろうか?

客人が鮎釣りをするのは、この日だけだという。

いつもは長良川に連れていくのだが、先日の増水がまだ引かないし、今年の長良川の厳しい状況ではボウズの可能性もある。

いろいろ悩んだが、今まで25cm以上の鮎を釣ったことが無いというので、私の良く知る岐阜益田川にお連れすることにした。

しかし、途中に寄った焼石のオトリ屋さんの話では、今年の益田川は6月の豪雨で放流鮎が流されたのか?まったく釣れない場所も多いとのこと。

確かに、大鮎シーズンの真っただ中だというのに、国道から見える川にはほとんど釣り人がいない。

ヤバい・・・困った。

 

しかし、それ以上に益田川の変貌ぶりには驚いた。

私が鮎釣りを覚えた30年前頃の面影が見つからないのだ。

数年前の大豪雨の被害だ。

萩原地区の川底は深くえぐられ、大淵は土砂で埋まって、変化の少ない川相になってしまった。

どこに行けば釣れるのだろうか?

それでも、萩原地区の少しでも変化のある瀬をみつけて入ってみることにした。

盆明けの益田川の鮎のクセは知り尽くしているが、長良川の鮎がさみだれ的に遡上して成熟するのに対し、益田川の鮎は一斉に成熟する。

大型になったこの時期は警戒心も強く、一日の中でも追わない時間帯はさっぱり追わない。

それでも根気よく待っていれば、一日数回の入れ掛かりチャンスが必ずある。

だから、最初の天然一匹を早く掛けないと苦しいのだ。

鮎は居るだろうか?

不安いっぱいの中、客人のためにも少しでも早く天然鮎を掛けたい。

チマチマ泳がしてなんていられない。

いきなりオモリを噛ませて荒瀬の白泡の底に差す。

コツン(アタリは小さい)

直後。

ドッカーン。

重い重い。

綱引きの末に抜けてきたのは、益田川のデカ鮎。

軽く25cmは超えている。

それをすぐに客人の養殖鮎と交換すると・・・

いきなり、ドッカーン!

客人の超軟調竿がグニャっと、これでもかと満月に曲がっている。

折れないでよ~(竿ちゃん頑張って!)

バレないでよ~(鮎ちゃんお願い!)

仕掛けは、私が事前に用意した大鮎用だから不安は無かったが・・・

身切れしないかハラハラドキドキ。

しかし、引き抜きしか取り込み方法を知らない客人は、大鮎を強引に抜こうとする(キャーやめて~)

むり!ムリ!無理!!

慌てて、私は自分の竿を置いて客人の元に馳せ参じる。

そして、糸を慎重に手繰り寄せてタモ入れ。

心臓バクバク。

コイツもデカかった(笑)

しかし、この一匹で追いはピタっと止まってしまった。

そんな状況でも私は、釣り方の引き出しを駆使してなんとか掛けるが、それはすぐ客人のオトリになり、私のオトリは客人が引き回しの刑に処したヘロヘロのオトリからの再スタートしなくてはいけない。

そう、これは修行だ。

苦行なのだ!

客人には、

「掛からない時間帯は丁寧に泳がしてください」(何卒お願いいたします)

と何度説明しても、強引に鼻を引いて引いて、引き倒す(笑)

すると、さっきまで元気だった天然オトリは、すぐに波乗りをしてしまう。

「この鮎は泳がないなぁ」

・・・そ、そうですね(涙)

「また新しいのを掛けますので、ちょっと待っててくださいね」(笑涙)

だが、この日の鮎は手ごわかった。

終日頑張ったのだが、初日の客人の釣果は3匹のみ。

ちょっと不満足そうな客人に、

「今年の益田川は名人でも10匹は釣れませんよ~」

と言い訳するしかなかった。

しかも、夕方からバケツをひっくり返したような夕立が夜中まで続いて、ダム放水のサイレンまで鳴る始末。

その夜は、馬瀬の花火大会の予定だったが、それも稲光大会となってしまった。

明日はどうなることやら。

 

 

8/27(日)

夜半に雨は上がった。

朝起きてみると、心配した増水もオトリ缶が流される程ではなかった。

しかし、水位は昨日より15cmほど高い。

更には、今日から網漁が解禁とのことで、早朝から上下の淵では網入れが始まっている。

客人は、昨日の厳しい釣果に懲りて「今日はやめて帰ろうかな」とでも言うかと思っていたら、朝食も早々済ませてもう着替えている。

これは、やる気満々だ(笑)

私としてもなんとか釣ってほしいが、この増水が吉と出るか凶と出るか。

野鮎の警戒心が薄れていればよいのだが・・・

早速、昨日の元気なオトリに私がハナカンを通して客人に送り出していただく。

(そう簡単には掛からないだろうな)

私も竿を伸ばして仕掛けをセットする。

直後、ふと振り返ると、

客人の竿が満月に曲がっている。

まだ10秒も経っていないぞ。

まさか?そんなことないはず。

でも・・・エビか?否違う・・・鮎だ!

慎重に!慎重に!

私がすくい込んだ鮎は、紛れもない益田川の大鮎だった。


マグレは続くはずがないと思いながら、また私が釣れた野鮎にハナカンを通して、ハリ先をチェックして逆バリを打って送り出していただく。

すると、私がまた少しだけ目を離した間に「また掛かった」と言っている。

えっ?

そんな馬鹿な!

慌てて、またタモで掬う。

太い、益田川の大鮎だ。

それからが、凄かった。

その場からほとんど動かずに、出し掛かりの入れ掛かり。

まさに大名釣り。

2時間ちょっとで大鮎ばかり7匹(プラス1バラし)

私の方がすくってオトリを交換するのに忙しくて、自分の釣りする時間が無かったほど(笑)

それにしても、昨日の厳しい状況は何だったのか?

客人は下呂から千葉まで帰らないといけないので、大・大・大満足で昼前に納竿。

二人の2日分の釣果は、合計で23匹。

すべて客人のお土産にしていただいた。

26センチ台が3匹。

あぁ~心地よい疲れだ。

これで、来年もいらっしゃるのは間違いないだろうな(笑)

 

8/11(金)

暑い、暑い、暑い・・・

あつい、あつい、あつい・・・

熱い、熱い、熱い・・・

だったら、クーラーのきいた涼しい部屋で寝とれっ!

だが、それでも川に行かないと気が済まないのが「鮎たわけ」。

それにしても、殺人的な暑さだ。

おまけに、長良川は超超超渇水。

チャラ瀬は干上がり河原になって、平瀬がチャラ瀬に、荒瀬が普通の平瀬になって、どこでもだれでも竿が差せる状態だから、竿抜けなんてあるはずが無い。
どう見ても釣れそうにない雰囲気・・・

皆おなじ考えなのか?

それとも暑さに恐れをなしたのか?

釣り人もまばら。

涼しい朝の5時台からモーニングサービスを狙うが、こんな日はカスリもしない。

困った・・・

オトリ3匹はヘロヘロ、そのうち1匹にオモリを噛まして、白泡にブチ込んだら根掛かりでプッツン。

頭もプッツン(笑)

もう諦めて帰ろうか???

それでも何とかマグレの1匹を釣り上げ、それを平瀬の波立ちに丁寧に泳がせてまた掛け、オトリが弱りきらないうちにローテーションして繋ぐ。
しかし、今年大量遡上した長良川の天然チビアユが13センチ前後に成長してきて、いっちょ前に黄色くなって追うようになったので、それが掛かるとローテーションが止まる(涙)
チビも一応ハナカンを通して泳がすが、2泳ぎで掛からなければ、
「成長したら、もう一度オジサンが遊んでやるからな・・・」
と言い聞かせてやさしくリリースする(笑)
そして夕方。
朝も日中も、何度差しても留守だった白泡の中でやっと良型が掛かる。
夕方の時合か、良型が連続で掛かる。
更に大きなヤツは抜いて飛ばしたら手前でポロリ(涙)
終わってみれば、やっとこさ25匹。
明日も釣るが、この水温では多くの鮎をオトリ缶に入れて活かしておくのは無理だろう。
小型は逃がして、掛かりどころの悪い鮎や弱った鮎は干物用に開いて、背掛かりで元気な5匹だけオトリ缶に入れて明日のために川に沈める。
 
夏の夜。
一人、河原でラジオを聴きながら夜空を眺める。
ずっと遠くで長良川花火大会の音が聞こえる。
干物には最高の夜風が吹いていた。
 
 

8/12(土)

昨夜は暑かった・・・

車中泊なんて到底無理だから、蚊帳テントを河原に張って寝たら熟睡できた。

今日も暑くなるに違いない。

さて、どこに行こう。

オミタラシなどの人気ポイントの鮎は、昨日ほとんど抜かれてペンペン草も生えていないだろう。

こういう時は、不人気ポイントに限る。

車を停めてから、オトリ缶を担いで延々歩かないと行けないようなところ。

あそこだ・・・

そこでは過去にも何度か良い思いをしている。

案の定、釣り人は対岸に2人だけ。

瀬の石色も明るい。

今日は、いけるかもしれない・・・

狙いは的中。

7時の開始から良型の入れ掛かり。

オトリを差す度に、一瞬で目印がひったくられる。

しかし、6匹でピタッと追いが止まる。

時合が終わったんだ。

その後は、元気な鮎をどれだけ丁寧に泳がせても、まったく反応しない時間が続く。

この時間に竿を出した人は、この川に鮎はいないと思うに違いない。

無理をせず元気なオトリを温存しながら、その時が来るのを待つ。

 

次の時合は11時から始まった。

あれだけ反応が皆無だっ瀬の中のどこでも掛かる。

狙ったポイントに差し出す前の足元でも目印が飛ぶ。

水中で黄色い鮎が乱舞しているかの様だった。

今までどこに居たんだ?

「やる気スイッチ」がOFFになる前に、手返しをどれだけ良く釣れるかが腕の見せ所。

掛かっても、できるだけ下らず返し抜く。

(もちろん写真なんて撮っているヒマなんて無い)

そして、オトリにまだ元気があれば、交換せずそのまま送り出す。

それでも関係なく、目印がはじける。

・・・???

次が掛かるまでの間隔が気持ち長くなったか?

鮎の黄色味が少し薄くなったか???

案の定、40分くらいでこの時合は終わった。

その後は、もう何をどうしようが目印が引き込まれることはなくなった。

宴が終わると、忘れていた焼けるような暑さが戻ってきた。

 

十分に楽しんだので昼12時で納竿。

この日掛けたのは半日で30匹。

(下記写真には昨日からの持ち越し5匹も含む)

これだけ釣っても、なかなか25センチ超が出ない。

今年は、渇水で大きくなれないのか?

(上から2番目の鮎は、前日からの持ち越しだから尾ヒレの先がスレています)

さて、台風7号の被害が大きくないことを祈りたい。