23年8月26・27日 益田川で大名釣り(接待) | 長良川と郡上竿の世界

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8/26(土)

今日は前回とはまた別の客人の接待。

年に一回だけ岐阜に鮎釣りにいらっしゃる。

それがずっと続いていて、今年でかれこれ10回目くらいだろうか?

客人が鮎釣りをするのは、この日だけだという。

いつもは長良川に連れていくのだが、先日の増水がまだ引かないし、今年の長良川の厳しい状況ではボウズの可能性もある。

いろいろ悩んだが、今まで25cm以上の鮎を釣ったことが無いというので、私の良く知る岐阜益田川にお連れすることにした。

しかし、途中に寄った焼石のオトリ屋さんの話では、今年の益田川は6月の豪雨で放流鮎が流されたのか?まったく釣れない場所も多いとのこと。

確かに、大鮎シーズンの真っただ中だというのに、国道から見える川にはほとんど釣り人がいない。

ヤバい・・・困った。

 

しかし、それ以上に益田川の変貌ぶりには驚いた。

私が鮎釣りを覚えた30年前頃の面影が見つからないのだ。

数年前の大豪雨の被害だ。

萩原地区の川底は深くえぐられ、大淵は土砂で埋まって、変化の少ない川相になってしまった。

どこに行けば釣れるのだろうか?

それでも、萩原地区の少しでも変化のある瀬をみつけて入ってみることにした。

盆明けの益田川の鮎のクセは知り尽くしているが、長良川の鮎がさみだれ的に遡上して成熟するのに対し、益田川の鮎は一斉に成熟する。

大型になったこの時期は警戒心も強く、一日の中でも追わない時間帯はさっぱり追わない。

それでも根気よく待っていれば、一日数回の入れ掛かりチャンスが必ずある。

だから、最初の天然一匹を早く掛けないと苦しいのだ。

鮎は居るだろうか?

不安いっぱいの中、客人のためにも少しでも早く天然鮎を掛けたい。

チマチマ泳がしてなんていられない。

いきなりオモリを噛ませて荒瀬の白泡の底に差す。

コツン(アタリは小さい)

直後。

ドッカーン。

重い重い。

綱引きの末に抜けてきたのは、益田川のデカ鮎。

軽く25cmは超えている。

それをすぐに客人の養殖鮎と交換すると・・・

いきなり、ドッカーン!

客人の超軟調竿がグニャっと、これでもかと満月に曲がっている。

折れないでよ~(竿ちゃん頑張って!)

バレないでよ~(鮎ちゃんお願い!)

仕掛けは、私が事前に用意した大鮎用だから不安は無かったが・・・

身切れしないかハラハラドキドキ。

しかし、引き抜きしか取り込み方法を知らない客人は、大鮎を強引に抜こうとする(キャーやめて~)

むり!ムリ!無理!!

慌てて、私は自分の竿を置いて客人の元に馳せ参じる。

そして、糸を慎重に手繰り寄せてタモ入れ。

心臓バクバク。

コイツもデカかった(笑)

しかし、この一匹で追いはピタっと止まってしまった。

そんな状況でも私は、釣り方の引き出しを駆使してなんとか掛けるが、それはすぐ客人のオトリになり、私のオトリは客人が引き回しの刑に処したヘロヘロのオトリからの再スタートしなくてはいけない。

そう、これは修行だ。

苦行なのだ!

客人には、

「掛からない時間帯は丁寧に泳がしてください」(何卒お願いいたします)

と何度説明しても、強引に鼻を引いて引いて、引き倒す(笑)

すると、さっきまで元気だった天然オトリは、すぐに波乗りをしてしまう。

「この鮎は泳がないなぁ」

・・・そ、そうですね(涙)

「また新しいのを掛けますので、ちょっと待っててくださいね」(笑涙)

だが、この日の鮎は手ごわかった。

終日頑張ったのだが、初日の客人の釣果は3匹のみ。

ちょっと不満足そうな客人に、

「今年の益田川は名人でも10匹は釣れませんよ~」

と言い訳するしかなかった。

しかも、夕方からバケツをひっくり返したような夕立が夜中まで続いて、ダム放水のサイレンまで鳴る始末。

その夜は、馬瀬の花火大会の予定だったが、それも稲光大会となってしまった。

明日はどうなることやら。

 

 

8/27(日)

夜半に雨は上がった。

朝起きてみると、心配した増水もオトリ缶が流される程ではなかった。

しかし、水位は昨日より15cmほど高い。

更には、今日から網漁が解禁とのことで、早朝から上下の淵では網入れが始まっている。

客人は、昨日の厳しい釣果に懲りて「今日はやめて帰ろうかな」とでも言うかと思っていたら、朝食も早々済ませてもう着替えている。

これは、やる気満々だ(笑)

私としてもなんとか釣ってほしいが、この増水が吉と出るか凶と出るか。

野鮎の警戒心が薄れていればよいのだが・・・

早速、昨日の元気なオトリに私がハナカンを通して客人に送り出していただく。

(そう簡単には掛からないだろうな)

私も竿を伸ばして仕掛けをセットする。

直後、ふと振り返ると、

客人の竿が満月に曲がっている。

まだ10秒も経っていないぞ。

まさか?そんなことないはず。

でも・・・エビか?否違う・・・鮎だ!

慎重に!慎重に!

私がすくい込んだ鮎は、紛れもない益田川の大鮎だった。


マグレは続くはずがないと思いながら、また私が釣れた野鮎にハナカンを通して、ハリ先をチェックして逆バリを打って送り出していただく。

すると、私がまた少しだけ目を離した間に「また掛かった」と言っている。

えっ?

そんな馬鹿な!

慌てて、またタモで掬う。

太い、益田川の大鮎だ。

それからが、凄かった。

その場からほとんど動かずに、出し掛かりの入れ掛かり。

まさに大名釣り。

2時間ちょっとで大鮎ばかり7匹(プラス1バラし)

私の方がすくってオトリを交換するのに忙しくて、自分の釣りする時間が無かったほど(笑)

それにしても、昨日の厳しい状況は何だったのか?

客人は下呂から千葉まで帰らないといけないので、大・大・大満足で昼前に納竿。

二人の2日分の釣果は、合計で23匹。

すべて客人のお土産にしていただいた。

26センチ台が3匹。

あぁ~心地よい疲れだ。

これで、来年もいらっしゃるのは間違いないだろうな(笑)