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so what(だから何なんだ)

人生のバックパッカーのブログです。
暇はあるけど体力と金と気力がない。
そんなお年頃。
68カ国で止まったまま先に進みません。(;^_^A

・・・・・・・っということで、ぼくにとって旅行で一番大事なこと、それは「その旅行で何を感じたか」です。

 

観光、食事、イベントはぼくにとってそれほど大事なことではないのです。

 

もうこれは、以前に何度も書いたことですが。

 

【ロシアのくびき】

 

今回の中央アジア旅行でいたるところに感じたのは「ソ連の影響」です。

 

ソ連の崩壊に伴って、各国が独立を果たしてから30年と少ししか経っていないので、色濃く影響が残っているのは当然でしょう。

 

旧ソ連圏の東ヨーロッパも旅行しましたが、中央アジアのほうが影響力が強く残っていると感じます。

 

単なる印象ですが、ソ連の統治も悪くなかったと感じている割合が大きいように思えます。

 

西側はソ連(ロシア)は悪と断定しがちですが、良い面もあったことは当然でしょう。

 

逆に西側より優れていた面も多数あったことは常識で考えれば分かることです。

 

ソ連もソ連圏諸国を一生懸命良くしようとしたのです。

 

今回旅行してみて、良い人の割合がとても多いのです。

 

若い人ほど、そして女性のほうがそれが顕著です。

 

逆に高齢者は不愛想な対応が多いですね。

 

これはソ連時代の道徳教育が優れていた査証ではないでしょうか。

 

悪い面としては、サービスの概念が著しく低いことです。

 

前提として外国の旅行者を想定していないのです。

 

案内に英語の表記がほとんど見られません。

 

ロシア語だけが通じる社会しか考えていないのです。

 

外国人が何に困るかなど想定できないし、想定しようともしない。

 

今回の国境越えのバスでも、チケットを買う時点から苦労します。

 

何番から出発するのか、途中での休憩も何分後に出発するのか、何時に出発するのか全くアナウンスはありません。

 

そして実際に何人かの乗客を積み残しても、平気で出発するのです。

 

教員の彼には気の毒だったけど、事前情報はネットに残された経験談を丁寧に調べるべきでした。

 

けれど、その情報さえあてにできません。

 

何の通告もなしに、場所を変更してしまうのです。

 

半年前には最新情報だと書かれていても、怪しいと疑うべきなのです。

 

それへの対策は聞きまくること。

 

これに尽きます。

 

いろんな国を旅行しましたが、こんなに沢山聞いたことは初めてです。

 

このサービス精神のなさと、個人の底抜けの親切とのギャップに戸惑ってしまうのです。

 

ロシアのくびきとは「タタールのくびき」にかけています。

 

そのくびきからなかなか抜け出せないのは、「ロシア語」の影響力でしょう。

 

共通言語として、全員がロシア語を話すのです。

 

・・・つづく。

 

 

 

 

・・・・・・・っということで、旅行11日目ともなるとずいぶん肩の力が抜けて、心配事が消えていきます。


昨日ビシュケクに着いて、タクシーで埃っぽい街裏を走っていて感じたのですが、自分ってこの風景に溶け込んでいるなと。


初めての場所ですが、もう何回も経験した光景。


それはイラクの村のようであり、マレーシアのようでもあり、シチリアのようでもあり。


ぼくは旅行者なのに、ずいぶんここに住み着いているような感覚。


旅行が始まってしばらくのあいだ心を支配していた不安がもうないのです。


この間経験したパックツアーでは絶対に感じないこの気分。


あのときはあくまで自分は旅行者であって外部の人間を意識していました。


ああそうなんだ、気苦労の絶えない一人旅をぼくが選ぶ理由がこれなんだと気づいたのです。




・・・・・・・っということで、ちょっと長くなり過ぎました。

 

SIMを購入すべく町中を放浪していたら、スマフォの看板を掲げている店を見つけようやくSIMを買うことになりました。

 

店員は手慣れた様子でセッティングをしています。

 

ところが、何回も電話をかけ始めたのです。

 

最終的に、政府の新しい外国人に対する規制で、このスマフォは使えないというのです。

 

払ったお金は全額返してもらいました。

 

このトラブルいつまで続くのだろう?

 

幸い隣の店もスマフォの店で、店長はスゴ腕でした。

 

あっという間に開通。

 

ようやくスマフォが使えるようになりました。

 

さっそくアパートとの連絡に使うWhatsAppを開いたら・・・

 

予約した部屋は水道の故障で水浸しになり使えなくなりました。

 

キャンセルするか、上のクラスの部屋を用意できますが、値段が上がりますとのこと。

 

いまさらBooking.comからホテルを予約する手間をかけたくないので、仕方なく飲みました。

 

・・・・・・・

 

電話をかけると女性が出て英語が全く通じない。

 

英語が少しだけできる別の女性に代わったらしく、迎えに行くからどこにいるか?というので、バスセンターだけど鉄柵のゲートでまた連絡すると伝えました。

 

また500m歩いて引き返さなくちゃならない。

 

そしてついにオーナー(?)の女性に会えました。

 

スマフォで翻訳アプリを使っての会話です。

 

最初の部屋は古いアパートで新しく出来たアパートの部屋を使ってもらうとのこと。

 

こちらは入口のゲートもないし、建物に入る暗証番号もありません。

あの大げさな鉄柵はソ連時代の遺物だったのです。

 

部屋に案内されたときは、心の底から「ああやっと入れた!!」と一安心。

 

今度は、いま部屋代を現金で払えというのです。

 

 

最小限の両替はしましたが、4400テンゲ(15000円くらい)だというのです。

 

じゃあドルならいくらだというと、計算機で出した数字が$500以上。

 

入国したばかりで換算率など分からないけど、これはあまりにひどい額。

 

すったもんだしている間に、あっさり4000テンゲ(13000円くらい)まで値下げしたのでOKし、近くの銀行で両替するというと、銀行が閉まるのが6時だという。

 

まだ、2時間もあるので十分揃えられる時間です。

 

 

 

一応オーナーには帰ってもらい、近くのATMを探すことにしました。

 

ところがグーグルマップが不正確らしく、あるべきところに銀行がない。

 

またまた通行人に聞きまくる始末です。

 

ようやく英語が少しできる若い青年二人組に会い、グーグルマップは不正確なのでこちらの地図アプリを使えとアドバイスされました。

 

2GISというロシア製らしいアプリですが、あとから調べるとこちらがはるかに正確でグーグルは使えないと出てきました。

 

ロシアも米国に対抗して一生懸命開発したんですね。

 

教えてもらったATMでは一発で引き出せました。

 

以上が、今回の次々に襲ってくる難関でしたが、不思議と旅の神様は助けてくれました。

 

しかし、バスで着いたのが午後の1時。

 

すべてが終わってベッドに寝ころべたのが4時を過ぎていました。

 

もう疲れ果てて、何もする気力がなくなりました。

 

以上ですが、ホテルのオーナーが水道の故障で部屋が使えなくなったという話信じますか?

 

だって、ぼくが部屋に行ったら別人が住んでいたんですよ。

 

この事実は話が面倒になるので、オーナーには伝えませんでした。

 

旅では本当にいろいろなことが起きます。

 

オワリ。<m(__)m>

 

 

・・・・・・・っということで、無事にビシュケクに戻ってきました。

 

といってもピンとこないでしょうから今回の訪問都市をまとめます。

 

東京⇔タシケント⇔ビシュケク⇔アルマトイ

 

途中タシケント⇔サマルカンドが入ります。

 

旅は終盤、消化試合の様相です。

 

出発してから10日目。

 

残り5日です。

 

分かっちゃいたけど、個人貸しアパートはリスクが大きい。

 

やっぱりフロントがあるホテルが安心。

 

・・・で、ビシュケクはホテルにしました。

 

タクシーもちゃんと届けてくれるしね。

 

 

質素ですなぁ。

 

 

 

まさに寝られりゃいい。

 

ずいぶん遅いランチになりました。

 

ホテル近くのトルコ料理店。

 

この銘柄のビールずいぶん飲みましたが美味しい。

 

ろ過していないのを頼みました。

 

 

このサラダが絶品。

 

人生で一番のサラダといってもいいでしょう。

 

いろいろ入っているのですが、バランスが絶妙。

 

 

そしてこのケバブも良かった。

 

サラダもそうですが、味のバランスと盛り合わせが芸術的。

 

 

この店のシェフ、只者じゃありませんよ。

 

なぜか日本の風景映像をモニターで流していました。

 

ビール2杯飲んで、これで1300スム。

 

約2000円ですぜ。

 

思わずウェイトレスにチップをはずんでしまいました。(^^ゞ

 

 

 

 

・・・・・・・っということで、ロープウェイに乗ったし、次は何処に行こうか?


Almaty Central Mosque がカザフスタンのナンバーワンのモスクだそうです。


歩けないこともないですが、ヤンデックスGOを使うほどの距離じゃない。


試しにバスを使ってみるか。


格安のバスカードがあるそうですが、現金でも安価です。


一律1回200テンゲ。


70円ですぜ。


安いねぇ。


ソ連時代の名残なのでしょうか?


交通費がやたら安いんです。


バスのルートはヤンデックスGOでも調べられます。


グーグルマップの出番がない。


バス停で乗る前に料金はいくらなんだと聞いても誰も教えてくれない。


簡単な質問のはずなんだけど。


バスに乗り込んだらありったけのコインを手のひらに載せて運転手に選んでもらう。


外国旅行者がよくやる手です。


歩かなくてヨカッタぁ。


ずいぶんな距離でした。



外国でバスに乗れると、ワンランク上がった気になります。


ランチタイムにも遅くなったので、モスク近くの食堂に入りました。


現地人しか利用しないでしょう。


冷房無しで、ハエが飛び回っている。



中央アジアでこのようなスープを頼めばまずハズレはありません。


かなりスパイスが効いていましたが、疲れた体をリブートしてくれるようです。

中には細切れになったパスタが入っていたのでお腹いっぱいになります。

さて、中央モスクです。


黄金色のドームを持っています。

ミナレットもこの辺では随一の高さとか。


見慣れたファサードです。


わりと新しい建築に見えます。


わざわざ入場する必要ないっか?


だって、半ズボンだから。


長ズボンか腰に布を巻かなければなりません。


宿泊したアパートはここからずいぶんな距離があります。


ダメ元でヤンデックスGOで調べたら、乗り換え無しで行くバスがありました。


45分くらいかかります。


それでも70円。


来てから2日目なのに、交通はマスターしました。(^O^)/



・・・・・・・っということで、アルマトイからバスで国境を越えます。


旅行者にとって最悪の出来事はバスにおいてけぼりされることでしょう。


行きと違って帰りはバスの乗り換えがなく、国境まで来たバスと同じものに乗り換えます。


ですから乗ってきたバスのナンバープレートを覚えるか、写真を撮っておけばいいのです。



もちろん同乗した客の顔を覚えておくことも必須です。


今回も1人の日本人に出会いました。


学校の先生をしているので、この時期まとまった休みが取れるのです。


アルマトイに4日前に着いて、これからキルギスの湖水観光地を訪れるとのこと。


40数カ国旅行していて、東ヨーロッパが好きとのこと。


海外旅行者中級ってところですかね。


とても礼儀正しい30歳代の青年でした。


カザフスタン側のイミグレのときはぼくのすぐ後ろに並んでいたのですが、キルギス入国のイミグレでは5人くらい後に並んでいました。


出てくるまで待ってあげても良かったんですが、そのまま歩き始めました。


ぼくが目星をつけていた体格がよくて目立つロシア系カザフスタン人を見失いたくなかったからです。


行きと比べずいぶん距離を歩かされます。


同乗者たちがたむろしていたので、まだバスは到着していません。


キルギスで買ったSIMカードがまだ使えるはずと差し替えてみたけれど作動しません。


スマフォが繋がらなければ旅行が進まなくなりますので、しつこく声をかけてきたSIM売りの兄ちゃんから買うことにしました。


1ヶ月無制限で500スム(800円くらい)ですから3日しか滞在しないけど大した額じゃありません。


立ったままで交換作業を進めている間に、バスが来てしまいました。


運転手が手招きしています。


焦ること焦ること。^^;


1000スム渡したらお釣りがないという。


近くの商店で両替するから待てと言われました。


乗り遅れるよりゃいいかとバスの方に向かって走りました。


乗り込もうとしたとき、兄ちゃんが追いついてお釣りを渡してくれました。


いい人たちなんです。


後ろを振り返ると、あの日本人が見えません。


こんなに遠くにバスが止まると知らなかったのでしょう。


ドライバーは最終的に座席を確認していましたが、降りた時よりずいぶん空席が目立ちます。


最後に運転手が4、5回クラクションを鳴らして、とうとう走り始めてしまいました。


噂では聞いていたけど、本当に置き去りにするんだ。(^^)


教員の彼氏はおいてけぼり。


あ〜あ、可愛いそう。


でもこちら側は国境からバスターミナルまでせいぜい30分程度の距離ですから、タクシーで行っても大した料金は掛かりません。


カザフスタン側だと4時間以上の距離をタクシーで走らなければならないのと比較すれば全然痛くありません。


彼を待たずに先に歩いてしまったぼくって悪い人なんでしょうか?


旅の醍醐味はトラブルに見舞われること。


だって旅って非日常を味わうことなんでしょう?


彼もいい思い出ができたことでしょう。





・・・・・・・っということで、トラブルの続きは一旦置いて、昨日はアルマトイ市内を散策しました。

 

アルマトイ市内といっても、ビシュケクと同じく見所少ないんですよね。(T_T)

 

ビシュケクもアルマトイも、見所は郊外の山や湖をトレッキングするのがメインです。

 

道中すれ違った日本人青年も、自然が良かったといっていました。

 

脚力の衰えた老人には無理です。(T_T)

 

宿は中心からかなり離れたところなので、ヤンデックス(taxiね)で地下鉄の駅まで行き地下鉄を利用することにしました。

 

途中で見かけたビルディングの建設現場。

 

 

 

アジアでよく見かける細い柱の骨組みの間をブロックで埋める構造です。

 

耐震性は低いと思われますが、これほどの規模のビルでも採用しているとは驚きです。

 

市内には1本だけ地下鉄が通っています。

 

地下鉄モスクワ駅の入り口。

 

 

ステッキを突いて歩いていたんですが、自動改札機を通ろうとしたら、女性職員がぼくを止めて何やら電話しているのです。

 

何かヤバいことをしたかな?

 

すると若い男性職員がやってきて、ぼくと一緒にホームまで下りるのです。

 

ハハァ~ン、ぼくを身体障碍者だと思ったらしいのです。

 

おかげで電車1本逃してしまいました。

 

車内に入るとすぐに屈強な男性が立ち上がり、席を譲ろうとしてくれました。

 

これは社会主義国教育の良い一面なのでしょう。

 

ロープウェイの駅の隣の広場に立っている像です。

 

 

有名なカザフスタンの詩人であり哲学者でもあるアバイ・クナンバイウリだそうです。

 

ロープウェイは往復8,000テンゲ(約3000円)と強気の料金設定です。

 

以前は1/3程度だったようですが。

 

 

 

 

終点は小さな遊園地になっています。

 

↓逆さまになった家。

 

 

猛牛に立ち向かう少女の像。(何かの童話なのかな?)

 

 

アルマトイの町の全貌です。

 

 

山岳地帯に現れた広大な平地。

 

アルマトイも、ビシュケクも、タシケントも同じような地形です。

 

これがいわゆるオアシスの実態です。

 

↓アルマアタタワーというそうです。

 

 

御覧の通り、街の周辺まで7000m級(エルマー君の説明によれば)が背後に迫っています。

 

もちろん万年雪を戴いています。

 

その雪が地下水となって、砂漠地帯にもかかわらず水源を供給しているというわけです。

 

 

もうちょっと続く。

 

 

 

・・・・・・・っということで、ぼくは個人旅行が基本ですので、これまで多くの「絶体絶命」を経験してきました。

 

そんな経験の中でも今回のトラブルが1・2を争うでしょう。(^^ゞ

 

アルマトイのバスセンターに到着して、エルマー君と握手して別れます。

 

 

二人の日本人青年とも手を振って別れ、歩いて予約していたアパート(ホテルじゃありません)に向かいます。

 

そのアパートはバスセンターから500mほどだから予約したのです。

 

住所や何号棟、10階の56号室までわかっています。

 

いろんな人に聞きながら、アパートを特定できましたが、地域が鉄格子で囲まれているのです。

 

入るにはゲートがあって、暗証番号を入力しなければ入れません。

 

ゲートから出てきた若い女性にお願いすると、あっさり開けてくれました。(柵の意味ないじゃん。)

 

アパート棟に入るにもドアに暗証番号が必要です。

 

すると、中から出てきた人とピッタリのタイミングで入ることができたのです。

 

エレベーターで10階に上がり、56号室の前まで来ました。

 

ひょっとして持ち主がぼくの到着を待っているかとドアノブをガチャガチャと回すと、怖い顔をした大男が中から現れ、ぼくは予約した者ですと言うと男は怒りだし、ドアを閉めてしまいました。

 

あれっ????ですよね。

 

本来なら、入室手順(暗証番号など)をオーナーは事前に知らせてくるべきですよね。

 

もちろん問い合わせています。

 

到着予定時間まで知らせています。

 

ぼくとしては、待っていてくれるものと思うじゃないですか。

 

この状況で、ぼくは意外に冷静だったのです。

 

エレベーターの前で立ち尽くし、これは乗り越えられる試練だと自分に言い聞かせたのです。

 

これを解決するには、オーナーと連絡を取るのが先決。

 

部屋の前まで来られたのは、単なる偶然の重なりに過ぎない。

 

先ずしなけれがならないのは、SIMを入手すること。

 

引き返して、SIMを売っている店を通行人や商店の人に手当たり次第に聞きまくりました。

 

英語全く通じません。

 

親切な人も不親切な人も、知らないの一点張り。

 

そこで考えたのが、バスステーションに引き返すこと。

 

入国者の起点ですから、SIM売っていて当たり前だろうと。

 

調子に乗って歩き始めたぼくのミスです。

 

また猛暑の中を歩いて500m引き返します。

 

そのとき横断歩道の反対側に、スマフォの看板を掲げた小さな商店を見つけたのです。

 

・・・つづく。

 

 

 

 

・・・・・・・っということで、旅の神様がエルマー君をぼくの隣に座らせてくれたのはいいのですが、ずっと話しかけてくるんです。

 

それもつたない英語で。

 

途中から眠ったふりをしても話しかけてくるんです。

 

これにはちょっと参った。

 

彼には両親と妹がいて、行ったことのある国はカザフスタンと自国のキルギスだけ。

 

父や祖父の代も、キルギスから出た経験はありません。

 

隣の席に日本人(ぼくね)が座って話すことが嬉しくて仕方ない。

 

いろんな国に行ってみたいけど、パスポートが有効な国が少ないのがこの国の欠点。(まあ、ロシア圏でしたからね。)

 

なんと彼は、イタリアの大学に留学するそうです。

 

カッシーノの大学らしいですが、あの第二次世界大戦で修道院を巡って激戦があったところだねというと、よく知っているなと驚かれました。

 

経済学部を目指すそうです。

 

確かに話しかけてくるのはウザかったけど、夢のある好青年でした。

 

・・・っで、いよいよキルギスとカザフスタンの国境です。

 

運転手が何かを言いますが、外国の旅行客は誰も何を言っているか分かりません。

 

そのとき前列に座っていた外人カップルが振り向いて、「君今何を言ったかわかる?」と聞くのです。(バスが交換になりますといったのですが。)

 

ぼくとエルマー君のつたない英語の会話を聞いていて、彼は通訳に利用できると踏んだのです。

 

すると、周りにいた外国人たちがこれからぼくらを案内してくれないかと殺到してきました。

 

エルマー君はにわかガイドに変身して、彼の誘導に従いぼくを含めた外国人の団体が形成され、イミグレーションに向かいます。

 

彼はまんざら悪い気はしていないようです。

 

・・・・・・・

 

このとき、日本人の若者二人と出会いました。

 

一人は大学生で、海外旅行初心者。

 

もう一人は会社員で、なんとこれまで100カ国以上を制覇している

兵(つわもの)でした。(@_@;)

 

いいね、こういう若者がちゃんと存在するんだ。

 

旅の途中で出会い、意気投合して一緒に旅をしているとのこと。

 

その後、カザフスタンに入った途中の休憩所でも3人の日本人とすれ違いました。

 

彼らも、個人旅行だったのに、途中で行動を共にすることになったとのこと。

 

さて、難関の国境越えに話を戻しますが、なんとエルマー君も迷ってしまいました。

 

乗車レシートにナンバープレート番号が記載されていて、そのバスを見つける必要があります。

 

ちょっと引き返した駐車場の中にバスが埋もれていました。

 

「こりゃ一人では絶対に置いて行かれるワ」とみんなが納得したのでありました。

 

結局バスには合計5時間乗っていましたが、途中の写真はこれ一枚だけです。

 

 

乾燥した大地が延々と続きます。

 

シルクロードのキャラバン隊はこのような道を超えてきたんですね。

 

そして、突然タシケントや、ビシュケクやこれから訪れるアルマトイという広大な平地に出くわすのです。

 

緑に覆われ、いたるところで水が湧き出るオアシスなのです。

 

オアシスというと、孤立した狭い地域と思われがちですが、驚くほど広い平野なのです。

 

何で、砂漠気候のこの地域に水が湧き出るのか?

 

それは、周囲を取り巻く7000m級の山々から浸み込んでくる雪解け水なのです。

 

ビシュケクの町にいたときは気付きませんでしたが、はるか遠くには雪を戴いた山脈が見えるのです。

 

この真夏に雪が残っているんですよ。

 

・・・・・・・

 

バスはこのあとひどい渋滞に遭遇しながらも、無事にアルマトイのバスステーションに到着しました。

 

心配していた国境超えられたじゃん。

 

正直ホッとしました。

 

ところが本物の試練が待ち構えていたのです。

 

・・・つづく。

 

 

 

・・・・・・・っということで、国境越えで待ち構えている問題は入国審査を通過してカザフスタンに入国したら同じバスが待っていないことです。

 

別のバスに乗り換えることになるんですが、ずいぶん離れた分かりにくい場所に停まっていて見つけられないのです。

 

もちろん案内標識も誘導もありません。

 

多くの旅行者の体験記に書かれていて、実際に乗り遅れる人続出とのこと。

 

そういう旅行者を狙って白タクがたむろしているのです。

 

これを回避するには同じバスの乗客の顔を多く覚えて、集団から離れないことしかないのです。

 

ところが入国審査の列がカオス状態で、バラバラになること必須なんて情報を見ると心配にならない人いませんよね。

 

ぼくもバスの出発を待っている間、顔を必死で覚えましたよ。

 

旅の神様が遣わしてくれた助っ人がエルマー君です。

 

 

 

何と彼は英語を少し理解するのです。

 

 

最初ぼくの指定席に座っていて、感じが悪かったんです(しかも図体がでかい)。

 

このバスの中で少しでも英語を理解できる現地人は皆無です。

 

しかもそんな人物が隣席なのです。

 

これは奇跡と言うしかありません。

 

・・・つづく。