ほたるいかの書きつけ -10ページ目

逃避で錯視(追記あり)

亀@渋研Xさんご紹介の錯視 がとても面白かった(元ネタはNeanさんのところ )ので、ちょっと自分でも作ってみた。
追記:亀@渋研Xさんの続報 がまた素晴らしい。結果だけのこのエントリと違って、どうなってるのかがよくわかる動画があります。ぜひ御覧ください!
追記その2:えぞさん が、下の画像をもとに flash 作ってくださいました! お試しください。面白い!!

ほたるいかの書きつけ


ほたるいかの書きつけ

これ、一番上の段の半分だけのを除くと、どの菱形もすべて同じである。
 具体的には、OpenOffice Draw を使い、「基本図形」の菱形を一つ作り、「線」(外周の)を消し、「表面」をグラデーションにし、あとはそれのコピーペーストをひたすら繰り返すだけ(四角に切り出すのは一旦png fileにエクスポートし、gimpでやった。全部フリーソフトでできるのが素晴しい^^)。
 flashかなにかで菱形のひとつをドラッグできるようにしたらもっといいのだろうけど、生憎そんな技術を持ち合わせてないもんで、すんません。どなたかやってみません?^^;;

 あああ、逃避ってなんて楽しいんだろう。(^^;;

"Engel der Nacht"(Nena)

 なんだかとても忙しくて世間に追いつけていないのですが。本業に追われて事業仕分けのこともフォローできてないし、後々悔しい思いをするのではないだろうか、と思いつつ、またリンクしてくれた方にありがたいなあと思いつつ、とりあえず目の前のことで精一杯な感じです。

 で、帰りの電車で久々に NENA の "Engel der Nacht" を聴いていたら、なんか涙がジワッと出てきてしまったのですよね。泣くというほどではないんですが。この曲のギターが好きだったんですが(ギターが哭きつつも微妙に中途半端なあたりがまた切なくて)、ギターソロのあとにドラムがフィーチャーされているところで、なんかガツンと尻を蹴っとばされたような感じがして。それこそ、ものすごく暖かい「バカヤロウ」を言われたような。「何やってんだよ、ホレ行くぞ」と。

 ま、ちょっと疲れてんでしょうけどね。クリスマスのころまでこれが続きそうな気配。
 音楽っていいな、という話でした。
 ついでに "99 Luftballons" のビデオクリップも見つけたので貼っておきます。これもいいですよね。甘ちゃんのファンタジーだけど、でもこういうのが大事なんだとも思う。



『LOVE&THANKS』10月号

 先日久々に東京出張だったので、紀伊国屋本店で買ってきた。忙しくてざっと眺めただけなのだけど、ぶっとんだ記事があったので、簡単にご紹介。

 江本勝自らが執筆している「波動的思考のすすめ」(p.37)という連載の第二回だそうなのだが(毎月買っているわけじゃないので前回がどうだったかは知らない)、それがスゴイ。タイトルは「新型インフルエンザウイルスと放射能の波動的性質の類似点から見えてくること。」知っている単語がならんでいるのに意味がまったくわからない。

 最初に新型インフルエンザに絡めて「ウイルスとは何か」みたいな話が展開される。で、そこの文章。
 つまりウイルスとは生命体であって生命体ではない、半生命体であるということです。ウイルスとは、まるで波動的生命体だと思います。なぜなら、波動とは虚実を結ぶ超微細な振動のことを説明する半導体的現象だからです。
…まあウイルスを半生命体と呼ぶのは良しとしよう。文章表現として。しかし、「まるで波動的生命体」って、そもそも「波動的生命体」ってなんだよ。それもわからず「まるで」と言われてもさっぱりわからん。さらに「波動とは~」の文が完全に理解不能。「虚実」はたぶん波動を複素数で表現したのを見たから、虚数と実数で合わせて虚実、なんだろう。で、江本的には「言霊」がリアルなので、虚実というからには世界の虚実のことに意味が転化しても全く問題ないのだと思われる。そして「半導体的現象」ってなんなんだよ。半導体もわかってないんだろうなあ。せめて高校物理ぐらい勉強してほしいよなあ、波動波動って言うならさ。

 で、その次。「放射能に対する愛・感謝の有効性」。チェルノブイリの事故後、ベラルーシのある村の「聖なる泉」からは放射能(たぶん放射性物質のことだろう)が検出されなかったそうで、それは村人が「ただただ愛し信頼していた」からだとか。
 さらにスゴイのが、1999年の東海村原発事故で、400メートル離れた井戸水を送ってもらい結晶写真を撮ったところ「放射能の波動的影響を受けていると思わざるを得ない状態」だったそうな。まあ要するに結晶ができていない写真なわけだけど。で、
 東海村の井戸水には、免疫波動、免疫波動というのは愛・感謝の波動ですね。それを転写することによって、結晶化することに成功したのです。これは、放射能の波動的毒性を愛・感謝の波動が消したということになります。
と言って、「転写」された井戸水の結晶の写真が示されるのである。いやいや、なんもせんでも結晶はできるって。ちゃんとやってちゃんと写真撮れば(ちなみに井戸水を採取したのがいつかは不明)。

 ちなみに「転写」前の井戸水の結晶(ができていない)写真は液体の水がムラムラとしているような様子の写真なのだが、それとインフルエンザウイルスの拡大写真とを比べて「似ていますね」だって。
 二枚の画像が示すように、ウイルスと放射能は、似た性質を持った半生命体ではないかと私は考えます。ともに肉眼で確認することができず、人々の不安や恐怖を引き起こすという点も似ている点も酷似しています。ならば、放射能に有効であった愛・感謝の波動が、今回のウイルスにも有効であるのではないでしょうか。ペットボトルに」「愛・感謝」と書いたラベルを貼った水を日頃から飲むのもひとつの波動的対処法です。
ムチャクチャだよなあ。いやまあそれはわかっていたことではあるけれど、あらためてムチャクチャだなあ、と。元素の種類は108でそれは煩悩と対応しているとか言う人だから仕方ないけど、放射性物質まで「半生命体」とは…。それにそもそも「有効」じゃないし。
 強引な仮説が次のパラグラフでは前提になって話が展開される、というのは江本のパターンだけど、ここでも全面的に展開されていますね。

 ちなみにこの号には、p.22, 23と見開き2ページ使って、連載の「科学の鍵 第8回 スピリチュアルの扉」と題し、ディーン・ラディンの「実験」の紹介をしている。「ディーン・ラディン博士〈前編〉『水からの伝言』の科学的実証。二重盲検法による氷結結晶写真撮影法の検証実験」だそうな。この件については、既に「Skeptic's Wiki」にて批判が行われている ので興味ある方はそちらをご覧ください。

『日経エレクトロニクス』no.1016(2009.11.2)の「特集 イオン健康家電の正体」から

一部で話題の(?)『日経エレクトロニクス』を買ってきました。いい値段する雑誌やなあ。それはともかく。
 今回の特集、「イオン健康家電の正体」はなかなか気合が入っている良記事だと思います。各社の状況を過去からの流れも含めて紹介し、それぞれの「イオン」の発生方法についてもまとめてくれています。
 この中で、「イオン」製品のうち、「マイナスイオン・ドライヤー」だけはモニター調査などによる官能評価の結果が、改正された「不当景品類及び不当表示防止法」が求める「根拠」とみなされ、マイナスイオン家電群のなかでは例外的に人気を維持できていると書かれています。そしてそれを受けてか、1ページ丸々使った囲み記事が載せられています。
 その囲み記事では、ナノイードライヤーの評価の高さが、ナノイーによるものなのか、風量や温度などの他の機能によりもたらされたものなのかの切り分けがされていないということが指摘されており、これまでのニセ科学批判で指摘されていたことと合致しています。

 で。
 マイナスイオンといえば(ネット上では)SSFS氏、という高い(?)評価がすっかり固まっていますが。SSFS氏の「ホームグラウンド」であるところのYahoo!掲示板で、恣意的な引用をされていることが雑誌を見たらわかったので、当該掲示板に投稿しておきました 。折角なので、こちらの方にも載せておきます。

「注目点(4)」の引用部分の続き 2009/11/16 0:36 [ No.2829 / 2829 ]

『日経エレクトロニクス』、見てみました。
囲み記事(といっても1ページ丸々使ってますが)で、「マイナスイオン・ドライヤーを高額製品に育てたパナソニック」という記事が p.41 に載っています。「注目点(4)」の後半でssfs2009さんが引用しているものですね。

現物を見てわかったのですが、ssfs2009さんの引用の仕方はなかなか香ばしいものがあります。若干重複しますが、引用されなかった部分も含めて下に紹介します。

▼▼▼ここから引用▼▼▼
(…)そのため、官能評価だけでは実際のユーザーの評価を予測しきれないと判断した。この課題を解決するために、しっとり感と毛髪水分率の変化といったように、官能評価の項目と物性値を組み合わせて調査する手法を編み出した。
 ただし、同社が注目するのはあくまで製品として性能である(原文ママ)。定量的な物性評価をするとはいっても、科学的に厳密な評価は一部で、例えばナノイーと、風量などほかの要因とで、寄与の比較などは行っていない。そのため、ナノケアを使って得られるしっとり感がナノイーによる効果なのか、風量や温度といったほかの機能による効果なのかは、明確ではない。それでも、多くの人がナノケアを使えばしっとり感を得られていることは確認しており、実際にユーザーの満足度を高く保てるという。
▲▲▲▲ここまで▲▲▲▲

ナノイーにしろなんにしろ、メカニズムを議論する際には、ssfs2009さんが引用しなかった「ただし」以下が重要です。ここで言われていることは、まさに「菊池氏」らが言ってきたことではないですか?それとも、この記事の執筆者も「不健全なニセ科学批判者」に含めるのでしょうか。

ちなみに先日投稿したように、官能評価や物性評価についての「技報」については、折角こちらで紹介したのにssfs2009さん(あの時はssfs2007さんだったかな)に、そういうのはもうおなかいっぱいと言われ、それ以来無視されているんですよね。開発者の努力を見ようとしていないのは誰なんだか。

これはメッセージ 2807 ssfs2009 さんに対する返信です
官能評価などについての「技報」に関しては、こちらの投稿 をご覧ください。
…左下の検索窓で、このブログを「SSFS」で検索していただいてもいいんですが。

「事業仕分け」による理科支援員の廃止

 「事業仕分け」で理科支援員等配置事業が廃止、だそうで。
 ちょっと記事が見当たらないので、『河北新報』の記事 から。太字強調は引用者による。
 【科学技術振興機構】理科支援員等配置事業は、子どもの理科離れを改善するため、小学5、6年生の一部授業に、研究者や大学院生などを理科支援員や特別講師として派遣。来年度に5500校分、22億円を要求したが、仕分け人は「すべての子どもに平等に機会が与えられるべきだ」「理科専門の教員を採用できるような抜本的な改革が先だ」などと指摘し「廃止」と判定。
実に正論であるが、当然、「理科専門の教員を採用できるような抜本的な改革」をしてから廃止するのですよね?ね?ね?小学校教師自体に理科離れがすすみ、さらに教師の多忙化が進行する中、理科支援員は貴重な戦力だと思うのだが。理科専科の教員の配置が完了するまでは、むしろ理科支援員を増強して、「すべての子どもに平等に機会が与えられる」ようにするのが政治だと思うのだが、どうするのだろう。
 さらに言えば、教師を抜本的に増員して少人数教育をすすめないといかんだろう。人数が多ければ実験だって大変なので(準備・片付けだけで人数が多ければ莫大な時間をとられる)、教師を増やすのは緊急かつ本質的な課題だと思う。
 科学技術振興機構(JST)自体はいい事業も沢山やっているが無駄なやり方も多いので、そのあたりを整理することは重要だと思うのだけれども、これはちょっとなあ。

 ついでにもう一つ。同じ記事から。
 【競争的資金(若手研究育成)】博士課程修了者らに経済的不安を感じさせず研究に専念させることなどを狙った特別研究員事業(要求170億円)は「雇用対策の色合いが強い」「民間に資金を出してもらえないか」との意見が相次ぎ、予算削減となった。若手研究者養成のための科学技術振興調整費(同125億円)と科学研究費補助金(同330億円)も削減との結論。
無茶苦茶やなあ。雇用対策と全然関係ないじゃん。実況を聞いてたわけじゃないのでどういうやりとりがあったのかわからないけど、どこをどう考えたら雇用対策ということになるんだろう?それに民間に資金を求めるのであれば、民間がやりたいような研究分野にしか金はつかんだろうに。それじゃ政治の役割を放棄したと言われても仕方ないだろう。
 若手向けの科研費を削減するのであれば、基盤的な運営経費を潤沢にして、若手にも行き渡るような方策を考えないと、取り返しのつかないことになるよ。10年20年後には日本の大学は不毛の地となっているんじゃないか。