私は、会社経営をしている主人と結婚して、１５年は専業主婦でした。
詳しくは、前回の記事に書きましたので、そちらも読んでいただけると嬉しいです
前回の記事
⇒社長夫人からヘルパーになった私！
前回の記事でご紹介した通り、主人の会社が倒産したので、突然、私を取り巻く状況が激変しました。
そのため、働かざるを得なくなったんです。
しかも、息子と暮らしながら…。
その時、私が就職したのは「デイサービス」です。
ある日、朝礼の時、センター長がこう言いました。
「今日、天皇陛下と美智子様が、車で近くを通られます」
「利用者様を連れて、お見送りに行きます」
私は、びっくりしました
昨日まで、全く、そんな話はなかったんです
センター長は、「天皇陛下と美智子様が、安全にお通り頂くため、秘密にしてました」って言うんですよ
そして、「お見送りに行く利用者様は、私の方で決めました」って…。
その日、来てくださった利用者様は、３０名ほどいらっしゃったんです
その利用者様全員を、安全にお連れするのは、到底無理でした
「私が決めた利用者さんだけに、そっとお話をします」
「なので、他の利用者様に言わないでください」
朝からそんな話を聞かされて、スタッフ全員、ピリピリムードになりました
私は心の中で、「新人だから、お見送りには行けないな」と思ってたんですよ。
でも、センター長が許可してくれたんです
私は、ワクワクする一方で、緊張しました。
お見送りに行く予定の利用者様は、２０名ほどだったんです
利用者様が、一度に大勢外出すると、思わぬ危険があるかも知れませんでした。
そして、あっという間に、天皇陛下と美智子様をお見送りに行く時間
お見送りする場所は、交通量の多い、大通り沿いだったんです
私は、「こんな危ない場所で？」って…
お見送りに来た利用者様の中には、軽い認知症のある方もいらっしゃったんです
スタッフが目を離した隙に、道路に飛び出すことも考えられました
それに、天皇陛下と美智子様が通る予定の時間まで、まだ２０分以上あって…。
私は、利用者様から片時も目が離せませんでした
そんな時、猛スピードで、ワゴン車がこちらに向かってきたんですよ
そして、私達の横にピタッと停まりました。
私は、ゾッとして…
「何者？」
緊張して、体に力が入りました。
ワゴン車から降りてきたのは、体格のいい若い男性でした。
その男性は、私に、「〇〇デイサービスの方ですか？」と聞くんですよ
私：「そうですが…」
男性：「警備の者です。一緒に天皇陛下と美智子様をお見送りします」
その男性は、埼玉県警から派遣された警察官でした
私服姿だったので、全然分からなくて…
「もう少しで来られますよ」
笑顔でそう言ってくれたので、私は少し気が楽になりました。
その後５分ほど経って、黒い車の列が見えてきたんです
だんだん、私達の方へ近づいてきました
不思議と緊張感が高まりました
黒い車は近くに来ると、スピードを緩めて…
後部座席の窓が、スーッと開きました。
その窓から、美智子様が、にこやかに手を振っておられたんです！
天皇陛下もその横で、小さく手を振っておられました
お２人の姿が見えたのは一瞬…
ものすごいオーラを感じました
私は、少しの間、利用者様のことを忘れて、お２人に見惚れてしまったんです
お２人を乗せた車は、あっという間に見えなくなりました…。
いつの間にか、警備の男性もいなかったんです。
私は余韻に浸る間もなく、利用者様の帰り支度を始めました。
「お顔を拝見できて嬉しい」
「連れて来てくれてありがとう」
利用者様は、とても喜んでくださいました
デイサービスに何事もなく戻れた時は、本当に安心しましたよ。
そして、すがすがしい気持ちでした
それにしても、美智子様の笑顔は、本当に素敵でしたよ
テレビで拝見しても癒されますが、一瞬でも直にお会いできたのは幸運でした
きっと、美智子様の笑顔は、誰もが癒されるでしょうね。
まさに、日本一の笑顔…
私は、少しの間ですが、日常のしがらみを忘れることができました
笑顔の力ってすごいですね
今日は、最後まで読んでくださってありがとうございました。
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