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Squier Affinity Jazzmaster 改 ③ 完成


②の続きです。
今回の③で完成です。


①の記事

前回②の記事


さて、一応の完成を見たかのように思えたSquierジャズマスター改ですが、コントロール系の配置がどうしても気に入らず…

結局そこを妥協することはできず、配置を再度弄ることに。

しかし、単純に配線だけ少し直して位置を入れ替える、という訳にはいかないわけです。

何故かと言うと…


ご覧のように、ポットとミニスイッチでは穴の大きさが全く違うからです。
もっと言うと、ピックガードを作った時にもコントロール系の配置に悩んだ末、穴の大きさを既に一度修正しているわけなんです。上記の写真を見れば一目瞭然ですね…。


さあ、大変に面倒な作業になるけども、妥協できない以上はやるしかない。

今のミニスイッチの穴を拡張し、新しいミニスイッチの位置の穴に丸く切り出したピックガード片を埋め込んでまた新しい穴を開ける、と…。わぁ〜書いてるだけで面倒臭くなるわ〜…



でもやりましたよ、はい。




これでどーでしょう!?

いや、自分としてはこれで良いと思ってますよ!?
あまり変わらないとか言わないでくださいね!!



ビフォー



アフター

いや、絶対いいでしょ、この方が(自分に言い聞かせている)。
見た目的にも機能的にもね(自分に言い聞かせている)。



裏面には今はもう使わない弦通し穴が。



勿論ナットは牛骨に交換済。

そして実はヘッド表面のみにラッカーのクリアを吹いてロゴを保護してます。
必要かというとそうではない工程かもしれませんが、未塗装のヘッドにロゴが貼ってあるとすぐロゴが剥げてしまう気がしませんか?それを防ぐ目的で実験的にやってみました。結果、特に違和感もなく、やってみて良かったのではと思ってます。



全身図

うん、良い!カッコ良い!!(自己満足です)


で、肝心の音なんですが、これがまた自分のギター改造史上最高傑作の1本になってしまったんですよ。(自己満足です)


まず、生音が良い。
ただのSquier、そしてごく普通のバスウッドボディなんですが、何故だがすごく鳴りが良い。
しかし改造前は全くそうは感じなかったので、ザグリを拡張したことやトレモロを付けたこと、ナットを交換したことなど諸々の複合的な影響のせいかとは思いますが、結局何が決め手になったのかは全く不明です。


そしてアンプに繋いだ音もこれまた良い。
Fenderのピックアップと1MΩのポット、そして0.033μFのオイルコンデンサーが良い感じに相互作用した結果でしょうか。

本家本物のジャズマスターはもっとジャキジャキした音が出る印象ですが、このSquierジャズマスター改はブリッジがノーマルタイプというせいもあってかそこまで金属的な音はしません。ですので本来のジャズマスターの音とはやっぱり違うんですが、乾いた金属的な音のテイストは残しつつ、幅広いジャンルに使えそうな絶妙な音のバランス、レンジの広さを感じます。

じゃあ音もアップしろよという感じですが、それは今までもこれからもやるつもりはありません。何卒ご了承ください。



そしてさらにミニスイッチについてです。


本家のジャズマスターにはプリセットスイッチが付いてるわけですが、自分程度の腕なら絶対に不要だということ、また、他にもジャガーにはローカットスイッチ、ムスタングにはフェイズスイッチなどが付いているわけですが、やはりどれも自分には不要だということ。そうなるとそもそもスイッチ不要論が選択肢に入ってくるわけですが、それはそれで面白くない。


今の自分の腕でも扱えそうなスイッチは何か…
ジャズマスターはシングルコイル…

となるとやはりここはシリーズスイッチでしょう!

これはターボスイッチなどとも呼ばれる、2つのシングルコイルを直列(シリーズ)接続して鳴らす配線です。
構造的にはハムバッカーと近い感じになるので、ハムバッカーと同程度とまではいきませんが音は太くなります。

実は以前手持ちのストラトキャスターにシリーズスイッチを採用したことがあるんですが、効果と汎用性がイマイチだったので結局元に戻したという経緯がありました。なので今回も少し懐疑的ではありましたが、このジャズマスターを使ってまたやってみようという気になったわけです。


すると、これがまた大当たりでですね。

フロントとリアのミックスの音とはまた全然違ったテイストの、まさにハムバッカー寄りの、中域あたりがしっかり鳴る音が出てくれるようになりました。これが非常に使える音だったので、このギターの汎用性をさらに高めてくれたのでした。



今回の改造では、安物の2ハムジャズマスターもどきが本当に弾いてて楽しくなるギターに変わってくれました。
うまくいきすぎて何だか次の改造が心配になってしまうような…そのくらいの出来でした。


これだから安ギターの改造は止められない。
本当に困ったもんですよ。

Squier Affinity Jazzmaster 改 ②


①の続きです。


前回記事

電装系を組み終えたところで、今度はまた地味な作業が待っています。


ジャズマスターのピックアップはハムバッカーやストラト用シングルコイルのようなピックガードマウントのタイプと違って、基本はボディに直付けになります。

そのためピックアップの下にスポンジクッションなどを貼り付けて高さを調節しなければいけない、というのをすっかり忘れていたんですね…。

せっかく作業が乗ってきたところなのに、これからスポンジクッションを注文して届くまで待たなきゃいかんのか…と意気消沈しかけたところで、ふと気が付きます。ホームセンターで代用品を買えないものか?と。



で、近所のホームセンターで探したらあっさり見つかりました。
もう切っちゃった後の写真ですがこちら。

いや、これでいいやん!?
おそらく素材的には専用のものと大して変わらんだろうし、何より安いし!



早速貼り付けてみる。

この通り問題なし!!

厚さ10mmでは少し足りなかったので、一応5mmのも買っておいて良かった!重ねて貼ることで丁度良い高さになりました。



さあ、遂にピックアップ装着!
と思いきや…

下穴を開けなきゃビスが入っていかない…
まあ当たり前と言えばそれまでなんですが…



仕方ないので面倒でもちゃんと下穴を開けましょう…。


このギターは着せ替えでいろいろなピックアップを載せることを想定し、弁当箱ザグリは結構深くまで掘ってます。そのためジャズマスター用ピックアップを載せる時は上記のようにザグリ内に当て板を敷いて固定してます。



着せ替えのためにピックガードを頻繁に変えることも想定し、ピックガード用のビス穴には極小の鬼目ナットを埋め込んで、穴がなめてしまわないように工夫しています。ここは我ながらなかなか良いアイデアかと!



着せ替え用のピックガードも既にいくつか製作済みです。

他の記事でも何度か解説してますが、ブリッジをジャズマスター用のではなくノーマルのままにしたおかげで、弦さえ外してしまえばピックガードごとアッセンブリ一式を簡単に交換できる仕組みなわけですね。なのでこれからもまだまだ楽しめそうです。



さあ、これでようやく完成……



………。



うーん……
何となくコントロールの配置が気に入らない…


うーん……



やっぱりダメ!
やり直し!!



というわけでもう少し続きます…。

次回で完成です。


Squier Affinity Jazzmaster 改 ①


以前、改造過程に少しだけ触れてそのまま放置していたこちら。


ピックガードごとアッセンブリ一式を交換できるようにしただのといろいろ宣っていましたが、肝心のジャズマスターとしての基を完成させていませんでした。

重い腰を上げて今回ようやく仕上げたので、何度かに分けて記事にしたいと思います。



まずは購入時のままの写真。

元はシェイプがジャズマスターなだけの、シンプルなただの2ハム仕様のギターでした。

なぜこれを購入したかというと、単純にジャズマスターが1つ欲しくなったからです。

しかし本家Fenderを買うお金はないし、Squierの安いやつはトレモロも含め形はちゃんとジャズマスターだけど、ボディ材がポプラというのがどうしても引っ掛かる…。それならば最安値で2ハムだけど、ボディがバスウッドのこのAffinityをがっつり改造して本家に肉薄させてやろうと、DIY魂に火がついたわけです。



その後、ちゃんとしたジャズマスターピックアップを搭載することを想定してザグリを弁当箱に拡張し電導塗料を塗布。さらにジャズマスター用のトレモロユニットを購入し換装。
ここまでで既になかなかの大規模作業でした。


ジャズマスター用のトレモロユニットはビグスビーなどのようにただ付けるのではなく、それ用にザグリを掘る必要が生じるので注意と覚悟が必要です。

本来はブリッジもジャズマスター用のものに交換する必要があるのですが、それにより弦落ちの心配が生じてしまうことも考え、ある種賭けではありましたがこのままの何の変哲もないノーマルブリッジのまま改造を進めることにしました。

ジャズマスターとして、もっと大袈裟に言えばギターとしての機能をちゃんと果たすのか、完成してみなければ分からない状況だったわけです。



そもそも元々がスタンダードなジャズマスターではないので、ピックガードは勿論自作になります。これも地味に大変でした。
そして仮置きしてみる。

おぉ…我ながらうまくできたしカッコいいのでは…?

もともとピックガードはブラックパールで仕上げようと思っていたんですが、黒ボディにブラックパールの組み合わせは他のギターで使いたかったのと、何より黒ボディに赤鼈甲といえば私の最も敬愛するあのギタリストのメインギターの組み合わせですからね!

テレキャスターでその組み合わせにしてしまうとあまりにそのまま過ぎてファンとしては却って躊躇してしまうんですが、ジャズマスターでその組み合わせにする分には許されるしカッコいいはず…と思い実行に至りました。



ピックアップは本家FenderのPure Vintage '65 Jazzmasterのセットを購入。
カバーはもともとクリーム色のものが付いていましたが、黒を別途購入。サイズ違いで黒カバーを2組購入してしまったことも今となっては良い勉強でした……。



線は白がホット、黒がコールドは分かるとして、フロントとブリッジの違いは…?何も記載はなく、青と赤のマーカーで点が書かれているのみ…。

ネットでいろいろ調べたところ、青がフロント、赤がブリッジということらしいです。文字で書いてくれりゃ分かりやすいのになー…。



裏面。
手書きの配線図を添えて。

ポットはボリューム、トーンともにCTSの1MΩ。今までちゃんと使ったことがない大きな値なのでドキドキです。
ボリュームはBカーブ、トーンはAカーブにしてます(トーン用のAカーブは他のギターから外したお古)。

1MΩのBカーブがなかなか見つからなくて購入するまでに時間がかかりました。ポットが品薄の現在なら手に入らなかったんじゃないかなと思います。

さらにはミニスイッチも付けてます。何のスイッチかは後の記事で解説します。



そして配線。

ハイパスは私の定番のディップマイカコンデンサー、値は1000pFで、スムーステーパーとして470KΩの抵抗を付けてます。

なぜマイカコンデンサーかと言うと改造を始めた初期にたくさん購入したからで、なぜ抵抗は470KΩかと言うといろいろな値を試していて今回たまたま470KΩを選んだという、ただそれだけのことです。

トーンコンデンサーはMODのオイルコンデンサーで値は0.033μF。ジャズマスターの定番は1MΩのポットに0.033μFのコンデンサーと以前どこかで見た気がしたのでそれに従いました。根拠はそれだけです。

こればかりは実際に音を出してみるまで自分の好みにちゃんと寄っているかの判断はつきません。そこがエレキギターの難しくも面白いところだと思っています。


次回に続きます。

コンデンサー いろいろお試し②


前回記事の続きになります。


コンデンサー交換の話
最後はこちら。

Fender スタンダードストラトキャスター。
いわゆるFender Mexico ストラトです。


おまけで交換時の中身の画像を。
元からちゃんと電導塗料塗布済。
左上の3つの丸い穴は何なんでしょう。意味深です。



元のポットについては下記の写真の通り、やはりそのへんの安ギターのものとは違うようでしたが、この後一応手持ちのCTSポットに交換しました。

改造前のもともとのトーンコンデンサーはよくある茶色いカメムシみたいなやつが付いてました。ただし値は0.047μFではなく0.022μFで、それがまたそのままでも結構良い音だったんです。

その後、上記写真のHGCの0.047μFのビタQオイルに交換したところ、音が丸くなりすぎてしまって好みから遠ざかってしまいました。それもあって今回また0.022μFのコンデンサーに交換することにしたというわけです。



そこから交換したコンデンサーはこちら。
どちらもセラミックですが、左がトーン用の0.022μFのもの、右がボリュームに付けるハイパス用の0.001μF(1000pF)に、スムーステーパーとして150KΩのカーボン抵抗を噛ませたものです。



換装後の写真。
ハンダが下手なのは突っ込まないでください。
ボリュームポットが外側に配置されているのは私が改造でよくやる手です。

私は手持ちのギターのハイパスにはだいたいマイカコンデンサーを使っているんですが、今回は実験的な意味でセラミックで揃えてみました。

それで肝心の音がどうなったかというと…

これはハイパスではなく主にトーン用コンデンサーの影響だと思うんですが、今度はものすごく乾いた感じの、エッジががっつり立った音になってしまい…何というか、ある意味シングルコイルらしい音にはなったんですが、これはちょっと好みからはまた外れてしまったな〜…という残念な結果に。
ということで…


次に王道のオレンジドロップの0.022μFに交換。
するとどうでしょう、今度は全体的にモヤっとした音になってしまったではありませんか…。

これでは好み云々以前の問題です。
てか、オレンジドロップって王道じゃないの!?
最近のは評判が良くないとかたまに聞くけど本当だったのか…?


というわけで再々度トーンコンデンサーを交換することに…。


今度はもう失敗したくないということで、SoZo NextGenのイエロータイプに交換。

ブルータイプよりは若干安価ではありますが、こちらのイエロータイプもそれなりに割高です。

その甲斐あってか、これでようやく限りなく理想に近い音に!
時間とお金をかけた苦労がやっと報われました…。
ちなみにハイパス用コンデンサーはセラミックのままです。


というわけで、トーン用コンデンサーはモノによっては驚くほど音が変わります。これは少しギターをかじっている人であれば誰でも分かるレベルだと私は思います。

今の職場には木材からの切り出しを含め一からギターを自作する変態の同僚(褒め言葉です)がいるんですが、その方もトーンコンデンサーによる音への影響については私と同意見で、さらに現在のオレンジドロップの評価についても同意見でした。

個人の好みやギターとの相性の問題もあると思うので、例えばセラミックの音を好む人もいれば、オレンジドロップもハムバッカーとなら相性が悪くないという可能性もあるのかなと思います。
今回の検証はあくまでシングルコイルのギターの音を対象とし、さらに私の好みを色濃く反映したものであるということは付け加えておきます。


ちなみにハイパスについては、コンデンサーによる音の影響はトーンに比べるとさほどないと私は見ています。
しかし前回書いたテレキャスターの記事の通り、ボリュームを絞った時に限らず、付けるか付けないかで特に高音域の聴こえ方は結構変わってきます。これは今回わりと如実に感じた部分でもありました。


所詮は素人の個人的な感想ではあるんですが、ギター愛好家の一意見としてここに記録しておきたいと思います。

コンデンサー いろいろお試し①


前回の記事はナット交換の重要性を学んだという話でしたが、今回はコンデンサー、特にトーン用コンデンサーの重要性について学んだという話です。


まず、今までも何度かブログに登場しているこちら。


いろいろ弄りまくった Squier テレキャスター。


先日ポットを交換したりハイパスを取り外したりしたところですが、やっぱりもう一度ハイパスを付けてみたくなり、それならいっそコンデンサーも換えてみようと思い実行。


もともとはHGC(ヒグチ電子)のオイルコンデンサーを付けていました。それをEHX(エレクトロ・ハーモニクス)のオイルコンデンサーに交換してみました。

同じオイルコンデンサーで値もどちらも0.022μF、耐圧も600V前後ということで、劇的な音の変化は感じませんでしたが、EHXの方が音の輪郭が少し明瞭になった印象です。
交換したことによるプラシーボ効果的な感覚かも分かりませんが、少なくとも音が劣化したとか気に食わなくなったとかそういうことは全くなく、若干ではありますが好みの方向への変化を感じることができました。

ハイパスについてはこの前の記事にも書いた通り、このギターのリアピックアップが非常にハイパワーなタイプのため、換装することでやはり高音がうるさく感じてしまうことがはっきりと判明しました。ですのでハイパスは再度外すことに決め、これでようやく完成です。




続いてはこちら。


こちらも何度もブログに登場している私のファーストギター、Fender Japan ストラトキャスター。

こちらについてはもともとはヒグチ電子の0.047μFのビタQオイルコンデンサーを換装していました。

その音も普通に気に入っていたんですが、私は手持ちのテレキャスタータイプには全て0.022μFのコンデンサーを付けており基本その音が気に入っていることから、同じくシングルコイルであるストラトキャスターにも0.022μFのコンデンサーを付けてみようと思い立ったわけです。


そこで今回は少し奮発して、SoZo NextGenのブルータイプのコンデンサーを購入し換装してみました。


こちらはオイルではなくフィルムコンデンサーなんですが、これがまた大当たりで、私にとってはものすごく好みの音に変化したわけです。

オイルからフィルムにしただけでなく値も0.047μFから0.022μFになったわけなので、いろいろな要素からの音の変化だとは思うんですが、例えるならピックアップ自体を交換したかのような、そんなレベルの変化を実感しました。

音の輪郭と分離感がはっきりして、倍音もよく聴こえるようなりました。これは誰が聴き比べても分かるレベルだと個人的には思っています。


長くなったので次に続きます。